街に、ルネッサンス UR都市機構

特集 つながる ひろがる 復興するまちを訪ねて2 宮城県東松島市野蒜地区

URPRESS 2014 vol.41 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス

宮城県東松島市野蒜(のびる)地区
5月30日に仙石線が開通 1日も早く、高台にまちをつくる

津波で大きな被害を受けて不通になっていた鉄路が、またひとつ結ばれる。
JR仙石線の新たな線路は、造成された丘陵地を走る。

仙石線は仙台と石巻を結ぶ重要路線。鉄道の造成高は当初海抜20mだったが、JRと協議して22mに変更。仙石線野蒜駅が姿を現わした。

緑に囲まれた丘陵の上部に広がる台地。津波で甚大な被害を受けた東松島市野蒜地区は、丘陵地を造成して高台にまちをつくっている。この高台に500メートル内陸へルートを変えたJR仙石線の線路が走り、駅舎も完成した。高台移転用地は総面積約92ヘクタール、平成28年度末までに448戸の宅地が完成、引き渡しが行われる。
東松島市とUR都市機構が復興まちづくりの協力協定を結んだのは平成24年3月。
「復興で最も求められるのはスピード。1日も早くとの地元の要望にいかに応えるかが一番の課題でした」
UR都市機構の東松島復興支援事務所の市街地整備課長、吉原康史は語る。
迅速に工事が進められるよう、市は用地を全面買収、UR都市機構は事業全体のマネジメントに専念するCM方式という手法をとった。基盤工事課長、芳賀直によれば、「詳細設計をしながら同時並行的に工事を進め、関係者との調整を重ねて、設計変更にも素早くかつ柔軟に対応できる体制をとりました」
何よりの推進力になったのは、巨大なベルトコンベヤーの採用だ。これなら1日に1万6500トン、10トントラック1650台分もの土砂を搬出できる。また、削る土の量が少なければ工期も短縮できるので、JR東日本とも協議して造成地の海抜を当初の予定より上げて22mに変更。鉄道用地を優先して造成し、済んだ端からJRに引き渡して、線路工事に着手してもらえるようにした。
成果が実り、土砂の搬出は予定より5カ月も早く10カ月で終了。27年度の10月が目標だった仙石線の開業も、5月30日に早められた。復興の加速につながってほしいとの思いを担ってJRも力を尽くし、誰もが待ち望んだ仙石線が全線開業。もちろん野蒜の人々にとっても、新たなまちづくりに向けての力強い一歩が刻まれる。

丘陵地を造成してまちを再生する野蒜北部丘陵地区。震災前(上)と現在(下)で、生まれ変わったまちがわかる。
駅周辺の造成を急ピッチで進める野蒜北部丘陵地区。次は住宅整備を進める。
「待っている方が1日も早く住めるようにすることが使命」と話すUR東松島復興支援事務所の吉原課長(左)と芳賀課長(右)。

西上原三千代 = 文、平野光良 = 撮影

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