特集 ミクストコニュニティ最前線3 Café 東京

既存の集会所を改修して、みんなが集えるカフェを作った滝山団地。
居住者の見守りと、コミュニティーづくりの拠点として、団地に欠かせないカフェになっている。
団地のセンター通りに面したカフェ。テラス席のパラソルの設営だけを担当するボランティアもいる。カフェで出会い元気をもらった
バス通りからまっすぐ延びる並木道。団地のセンター通りに面した「ダイニングカフェ滝山」は、日だまりのテラスに並ぶモスグリーンのパラソルが目印だ。
東京都東久留米市にある滝山団地では、自治会とUR都市機構が話し合い、これまでの集会所を「滝山あんしんつながりの家」として改修。ここに誕生した「ダイニングカフェ滝山」が、団地と周辺地域の人々が集うコミュニティー拠点となっている。
オープン前にボランティアスタッフを募集したところ、「普段、自治会活動には出て来られない方も含め、たくさんの応募がありました」と自治会事務局長の志賀岑雄さん。現在は35人のスタッフが交代でカフェ運営に関わっている。
「カフェで出会ったお客さま同士の交流が広がるのはもちろんですが、じつはスタッフにとっても、このカフェは出会いの場になっているのです」
さっそくカフェをのぞいてみると、明るい店内にはいくつものおしゃべりの輪ができていた。
カフェは平日の11~16時。毎週月曜のランチに出すカレーは、40分で完売するほどの人気。他にも豆から煮て作るお汁粉など、ひと工夫あるメニューが並ぶ。
本日のカフェスタッフ。日本社会事業大学で福祉を学ぶ学生も、ボランティアで参加。「高齢者のお話を聞くことが勉強になる」と言う。
さり気なくお客様に声をかけるカフェ責任者の田原さん(右)。UR都市機構の生活支援アドバイザーと連携をとりながら、カフェで高齢者を見守る。スタッフの網谷佐文(あみたに さふみ)さんは、「夫を亡くし、家に閉じこもりがちだったのですが、ここで働くことで、カフェのスタッフやお客さまから元気をもらいました」と話す。
カフェの責任者である田原悟子さんは、長年、福祉関係の仕事に携わってきた経験を生かし、お客さまの見守りを怠らない。いつもと様子が違うなというときには、さりげなく声をかける。
「1人で暮らす高齢の男性も多いので、積極的に話しかけるようにしています」と田原さん。
このカフェは毎月第3土曜の夜「酒処多来山」に変身する。店内には大皿に盛られたスタッフ手作りの料理とお酒が並ぶ。会費は500円。参加者は、団地の棟番号を書いた名札を胸につける。
「どんな様子か見に来ました」とはじめて参加した女性2人。「知っている方が何人もいらしたので、安心しました」とおしゃべりの輪に加わった。
ここに来れば仲間に会えるという安心とぬくもり。滝山団地のカフェは今日も満席だ。
【武田ちよこ=文、佐藤慎吾=撮影】
昼のカフェとは異なる人々がやってくる「酒処多来山」。大きなテーブルを囲み、参加者同士の親睦を深めるのが目的だ。
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