世界の扉を開く本(3)
今月のテーマ:格好よく年を重ねる

独特老人
後藤繁雄/筑摩書房 1,500円(税別)
世の中にはふたつのタイプの人間が存在します。年を重ねるにつれ角が取れて丸みを帯びていくタイプの人間と、年を重ねるごとに角がシャープに磨かれより先鋭的になっていくタイプの人間。本書に登場する“独特老人”28名は、みな例外なく後者です。
登場するのは、埴谷雄高さん、吉本隆明さん、水木しげるさん、亀倉雄策さん、淀川長治さんなど、名前を聞くだけでこちらの姿勢が正されるような、各界の重鎮ばかりです。また、彼らの口から溢れ出す金言至言の数々をすくいとるのは名編集者の後藤繁雄さん。さらに独特老人たちの圧倒的な存在感を焼き付けたポートレートは荒木経惟さんら3名によって撮影され、本の装幀は日本を代表する芸術家である横尾忠則さん、本文構成を屈指の売れっ子デザイナー祖父江慎さんが手掛けています。つまり本書に関わっている人物全員が超一流のオールスターキャスト! これで面白くないわけがないですよね。独特老人たちの生き様をとくとご覧あれ。

島田順子スタイル
マガジンハウス編/マガジンハウス 1,500円(税別)
決して若作りなどではなく、いくつになってもナチュラルでありながら華やかさとチャーミングさを失わない島田順子さんのファッションとライフスタイル。自分らしく年を重ねることを心から楽しもうと素直に思える素敵な本です。

詩を書くということ
谷川俊太郎/PHP研究所 1,200円(税別)
日本を代表する詩人で、齢80歳を超えてもますます精力的に活動している谷川俊太郎さん。活動初期から変わらぬ瑞々しい感性と旺盛な好奇心。それらに支えられた谷川さんの創作活動の秘密に迫る一冊です。
ブックセレクト
三田修平(みた・しゅうへい)
ブックディレクター。移動式本屋「BOOK TRUCK」で全国各地のイベントなどに参加するほか、2013年には大倉山集合住宅I(神奈川県)内に「BOOK APART」を開店。

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