地震・水害に向けたそなえのガイドブック
「地震・水害に向けたそなえのガイドブック」を活用していきます
URの「地震・水害に向けたそなえのガイドブック」のプレ版が完成しました。
構想から約1年、このガイドブックに込めた思いと使い方について紹介します。
何のために作ったの?
 
	
        今後30年以内に南海トラフ地震や首都直下地震の発生が想定され、また近年、各地で水害の被害が甚大化するなか、災害時への備えが、より重要になってきています。
いつ何が起こるかわからないからこそ、UR賃貸住宅にお住まいの方には、日頃からしっかり備えて、災害があっても乗り越えていただきたい。そして災害時に周囲で助け合える関係をつくっておきたい。その一助になればとの思いで制作したのが「地震・水害に向けたそなえのガイドブック〈プレ版〉」(以下、ガイドブック)です。
公助には限界あり自助と共助が重要
災害は、「自助」「共助」「公助」の効率的な組み合わせにより、その被害が軽減するといわれています。
・自助とは……
まず自分自身の身の安全を守ること
・共助とは……
地域やコミュニティーといった周囲の人たちが協力して助け合うこと
・公助とは……
市町村や消防、県や警察、自衛隊といった公的機関による救助・援助
近年の大規模災害で浮き彫りとなったのが、災害時における「公助」の限界です。行政が災害時に被災者すべてに迅速に対応するのは難しく、それはURも同様です。すぐに被災現場に駆けつけられない可能性もあります。
そのため、特に発災直後は「自助」と「共助」で乗り越える準備をしていただくことが重要です。
また、避難所の受け入れにも限りがあります。UR賃貸住宅は耐震性がありますので、備えがあれば、慣れ親しんだ自宅での在宅避難が可能です。
 
	
       
	
        日頃、災害復興に係る支援業務に携わっていますが、防災に知見をお持ちの専門家をUR賃貸住宅で行われるイベントなどに派遣し、お住まいの方々の防災意識向上のお手伝いなども行っています。
今回のガイドブック作成にあたっては、これまでもお付き合いのあるMALCAや、いのちとぶんか社を通じて、地震や水害へのそなえに関するアドバイスを行いました。
災害対応支援部 山内広美
 
	
        共同研究をURと(一社)マンション防災協会(MALCA)で進め、ガイドブックの制作は、さらにいのちとぶんか社とURコミュニティの協力を得て4社で進めてきました。UR社内では住宅経営部、ウェルフェア推進部、災害対応支援部が中心となり、多部門が連携して関わりました。
住宅経営部 大谷明巨(あきお)
必要最低限の備えを具体的にわかりやすく紹介
 9月18日に開かれた、UR及びグループ会社の職員に向けた防災研修。ガイドブックを軸に展開した。説明を担った、左からいのちとぶんか社の葛西優香さん、MALCAの濱口加津子さん、UR住宅経営部の錦織靖基。
9月18日に開かれた、UR及びグループ会社の職員に向けた防災研修。ガイドブックを軸に展開した。説明を担った、左からいのちとぶんか社の葛西優香さん、MALCAの濱口加津子さん、UR住宅経営部の錦織靖基。UR賃貸住宅にお住まいの方を対象に行ったアンケートでは、「災害への対策が必要だと思うけれど、何から手をつけていいかわからない」「きっかけがない」という回答が多くありました。
そこで、このガイドブックでは、最低限これだけは備えておきたい、ということをまとめました。
自助としては、まずは身の安全を確保すること。そのためには安全な室内の状況を保つこと、家具などの転倒防止対策も必要です。そして被災生活が始まったときに必要なものを備蓄しておくこと。何がどのくらい必要なのかの目安もわかりやすく掲載しています。
 日頃から多様なイベントを開催し、コミュニティーの形成を目指しているUR。
日頃から多様なイベントを開催し、コミュニティーの形成を目指しているUR。 今後はイベントでガイドブックを活用し、事前防災への啓発活動にも力を入れていく予定だ。
今後はイベントでガイドブックを活用し、事前防災への啓発活動にも力を入れていく予定だ。「ゆるやかに、くらしつながる。」のさらなる実現のために
共助としては、まずは挨拶をすること。顔が見える関係が、いざという時、命を救うことにつながります。日頃から隣近所にお住まいの方や地域の方とゆるやかにつながり、いざというときに助け合える関係性を築いていただきたい。さらには団地が地域の災害復興の拠点になれればと考えています。
今回完成したガイドブックは「プレ版」です。今後、団地内外のイベントや防災講演において、このガイドブックを活用し、参加者の皆さんと一緒に備えについて考えていくなかで、さらに内容をブラッシュアップしていきます。
ブラッシュアップした完全版は来年の秋頃に完成予定。完成したら、UR賃貸住宅にお住まいの皆さまにお配りします。
 
	
        防災は世代や男女を問わず、万人に関わること。このガイドブックをきっかけに、イベントなどでお住まいの方同士が顔見知りになり、災害時に気にかけ合える関係が築けたらと願っています。UR賃貸住宅の事業メッセージである「ゆるやかに、くらしつながる。」をさらに実現していけたら、うれしいです。
ウェルフェア推進部 髙草千枝
菅野健児=撮影
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