街に、ルネッサンス UR都市機構

花咲く団地2 - 団地のシェアハウスを学生寮に!

URPRESS 2015 vol.44 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

多摩ニュータウンで、団地の一室を「学生寮」として活用する取り組みが昨春始まった。URのハウスシェアリング制度を利用したメリット満載の学生寮だ。

写真左から青木さんと水口さん(いずれも静岡県出身)、美野さん(鹿児島県出身)。3人とも経営情報学部に在籍。

多摩ニュータウン メゾン聖ヶ丘。学生寮として借り上げられたこの団地の一室で暮らしているのは多摩大学の学生3名だ。部屋をのぞくと、アニメキャラクターに彩られた部屋、ものが少ないすっきりした部屋……と、それぞれの個性が現れている。「シェアハウスと聞いたときは二段ベッドの寮生活をイメージしていたので、1人1部屋与えられて驚きました。快適です」

ルームメートの1人、2年生の青木耀樹(ようじゅ)さんは言う。食事やゲームを仲間と共にすることもあるが、基本的に各自自由なペースでの生活。ただし、ごみ出しや風呂清掃などは当番制。ボードに1週間の予定を書き込み、共有している。「最初はほとんど自分が掃除していたんですが、分担を提案。人それぞれ気になることが違うなか、共同生活をスムーズに進める方法や伝え方を学んでいる感じです」
と笑うのは3年生の水口輝(てる)さん。寮長を務める長男役だ。一方、鹿児島県奄美大島出身の1年生、美野佑弥(ゆうや)さんは、身近に大学や東京での生活の相談ができる先輩がいる暮らしは非常に心強いと言う。

一番シンプルな美野さんの部屋。大学までは約20分、歩いて通っている。先輩2人の影響もあり、地域の子ども会活動に参加している。
「世界を見るためにも、地域を見ることが必要だと思っています」と地域活動に積極的に参加している青木さん。自分用の冷蔵庫を置いている。
プレゼン力の高さや交友関係の広さから後輩の尊敬を集める水口さん。アニメキャラクターに囲まれたプライベート空間を楽しめるのもこの寮の魅力。

多世代共生の地域づくり

「寮生活は生きた地域学が学べる機会。いざという時、学生が高齢者をサポートするなど防災面でも協力できたら」と語る奥山准教授。月1回、大学の教員と職員が学生寮を訪問。

今回の取り組みは多摩市と多摩大学、UR都市機構が連携し、「多摩地域の活性化」と「次世代の担い手の育成」を目指してスタートしたものだ。「住民となることで地域との関わりを深めたい、学生に安心できる住まいを提供したいとの思いがありました。URの鉄筋コンクリートの居住空間は魅力的です」

と語るのは、多摩大学経営情報学部の奥山雅之准教授。机やベッドなどの備品は大学が用意。家賃も周辺の学生マンションよりかなり抑えられているため、保護者にとっては、安心感に加え経済的な負担軽減にもなる。さらにソフト面の利点も大きいと奥山准教授は説明する。
「新入生、特に遠方からの学生はスムーズに大学生活に入れますし、学年が異なるメンバーと暮らすことで成長や多様な経験が得られます。団地の住民となることで責任も生じますし、地域活動の幅も広がっています」
今後、この制度を活用した学生寮をさらに増やしていく予定だ。

【妹尾和子 = 文、佐藤慎吾 = 撮影】

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