武庫川団地「赤胴車マルシェ」2023
阪神電鉄の「赤胴車」が武庫川団地にやってきたのは2021年7月。まもなく3周年を迎えます。赤胴車の設置を機にスタートした「赤胴車マルシェ」も2023年5月で5度目の開催となりました。
地方行政と連携した「産地直送プチマルシェ」、ハンドメイドブースやフードコーナーに加え、子ども向けワークショップなども充実。また、阪神タイガースOB選手の指導による「タイガースアカデミー野球教室」も初めて団地で開催されました。子どもが楽しめるコンテンツが増え、ますますパワーアップしたイベントの模様をお伝えします。
会場全景
ハンドメイドブースの様子
産地直送プチマルシェ会場の様子
この日はメルカードむこがわのイベントも同時開催されました
産直ミニマルシェ
高知県黒潮町
武庫川団地には昨年秋に続き、2度目の出店です。今回も黒潮町の特産品である防災缶詰や完全天日塩などいろとりどりの商品が並びました。なかでも目玉商品は4~5月にしか出回らない「初ガツオのタタキ」。土佐近海で一本釣りされた初ガツオを藁焼きで仕上げた逸品です。地元の水産加工会社 さんちょく(土佐佐賀産直出荷組合)の協力で初めて団地販売が実現しました。
黒潮町役場の宮地さん(写真左)。
黒潮町オリジナルテープで包装も念入りに
「初ガツオの魅力を団地のみなさんにも知ってもらいたいと思ったのがはじまりでしたね」と話すのは、黒潮町役場の宮地さん。「試食した方は“臭みがない”や“スーパーとは全然違う”とほとんどの方が驚かれてますね。たいへんご好評をいただいています」と手ごたえ十分。
高知県出身の方や黒潮町出身の方もブースに来られ、地元トークで盛り上がる一幕も。来場者にとっては地元を懐かしむ時間にもなっているようでした。
当日はさんちょくのスタッフ陣も応援に駆けつけていました
岡山県津山市
関西各地のつなぐつながるマルシェに出店されている岡山県津山市。今回は「つやま和牛の切り落とし」、津山産の小麦せときららを使用した「もんげー粉のパン」を中心としたラインナップ。「つやま和牛」は津山生まれ津山育ちの黒毛和牛。年間で50頭ほどしか出回らない希少価値の高い品種です。和牛、パンともに開始数時間で完売。もんげーとは岡山弁で凄いという意味ですが、まさにもんげーな売れ行きに、関係者一同驚いたそう。
パンにもベストマッチな濃厚フルーツジャム。
よしもとの社食で大人気の「よしもとカレー」。
名産品をご紹介くださったのは、株式会社曲辰・辰さん。「こちらの広場のように住人さん同士が共有できる場所がたくさんあるのが団地のいいところだと思います。 “広場×マルシェ”を筆頭に、今後もいろいろな掛け算が生まれていってほしいですね」。と団地の魅力についても語ってくれました。
となりには津山市ふるさと納税の返礼品紹介ブースもありました。津山市みらい産業課が紹介する返礼品は、全国発信を進めている津山ブランドの品々です。ブースに並んだ市内のさまざまな企業が持つ“ものづくりの技術”を活かした名産品。「大人が乗っても大丈夫なくらい頑丈なんですよ」とみらい産業課の仁木さんが木馬を実演。返礼品のひとつである焼餃子の試食会も行われていました。
野球教室
武庫川団地にゆかりのふかい阪神タイガースの運営による「タイガースアカデミー野球教室」。マルシェ会場から歩いて5分のところにある少年野球場で行われました。元投手の白仁田寛和さんをはじめ阪神タイガースのOB選手が直接指導してくれることもあり、参加したこどもたちは目を輝かせながら1時間半の教室に汗を流しました。
開催前に赤胴車のある広場でセレモニーが行われました。
地元の少年野球チームなどから40名の子どもたちが参加しました。
子どもでも楽しい体験型プログラムや展示も充実
赤胴車の運転席では小学生以下の子どもを対象に「赤胴車de車掌さん体験」が行われていました。事前予約制ということもあり、早々に満員御礼。阪神電鉄の制服姿で写真撮影ができるサービスもあり、子どものみならず保護者の方々も貴重な体験を楽しんでいました。
この日は赤胴車車両も特別開放。テーブルにはブース出店中のハンドメイド作家たちの作品も展示されていました。さまざまな世代が車内に足を運びました。
赤胴車前では阪神電鉄による駅の高架下で栽培した「HANSHIN清らか野菜」の販売や鉄道グッズの販売。
電車ペーパークラフト塗り絵体験も。
公民館で行われていた食育体験「わくわく食べ物ランド」。
武庫川女子大学食物栄養学科の脇本ゼミの学生たちが講師となり、日本と韓国のお雑煮を食べ比べながら海外の食文化を学びました。
赤胴車マルシェを振り返って
当日は天候にもめぐまれ、大勢の団地住民の方々や周辺にお住いの方などが来場しました。赤胴車設置から3年が経過し、「赤胴車に行けばなにかイベントがある」というムード感が徐々にできつつあります。
ブース出店者にお話を聞くと、団地住まいの方や近隣の方などが出店者として参加しているケースも多いそう。「慣れ親しんだ場所で気軽に販売できてうれしいです」と喜びの声もありました。
地域に根ざした「武庫川団地のお祭り」としてどのように進化していくのか、「赤胴車のある広場」の未来がますます楽しみです。