武庫川団地「赤胴車マルシェ」
秋深まる10月23日、兵庫県西宮市にある武庫川団地で「赤胴車マルシェ」が開催されました。「赤胴車」とは2021年夏、コミュニティスペースのシンボルとして武庫川団地の広場に設置された阪神電車車両。この日は赤胴車を囲む形でたくさんのショップやブースが設置され、数多くの来場者で賑わいました。


マルシェではキッチンカーや甲子園球場の名物グルメなど、食を楽しむブースから、身体を動かすスポーツ系ブース、近隣のハンドメイド作家が集合したアート系のブースなど、秋ならではのバラエティ豊かなラインナップが勢ぞろいしました。音楽ライブ、武庫川線の歴史を辿る講演、電車を使った車掌体験などの体験イベントも盛りだくさん。大人から子どもまでが楽しめる一日に。この日は「あきSUNフェスティバル2022」として武庫川団地内のショッピングモール「メルカードむこがわ」で「メルカードこどもフェスティバル」、お祭り広場にて高須自治協議会による「高須フリーマーケット」が同時開催。全イベントを合わせて5000人近くの来場者で賑わいました。
UR都市機構では、「つなぐ・つながるプロジェクト」と題し、日本各地の地方都市と連携したマルシェ等の取り組みを行っております。本日の赤胴車マルシェでは「高知県黒潮町」「岡山県津山市」「広島県福山市」3つのエリアから名産品が集まりました。今回はこの名産品ブースを中心にイベントをレポートいたします。
高知県黒潮町
高知県西南部に位置する黒潮町。2022年夏に行われた「たかのはら平城第2団地つながるマルシェ」に続いて2回目の団地出店となりました。海沿いの町ならではの豊かな海産物はもちろんですが、フルーツの栽培も行われており、グァバやマンゴーを使ったスイーツ商品も販売。この日のイチオシは「水晶文旦」で、贈答用に販売されている文旦の最高級品が特価でお目見えしました。

黒潮町のブース


水晶文旦。特価で販売され大人気を博しました

町役場産業推進室・宮地さんにお話を聞きました。「今回は新たにアジやサバの干物や、じゃこなどのお魚も持ってきました。高知の食材を使った缶詰は前回から引き続き持ってきましたが、防災意識の高い黒潮町で生まれたものなので、アレルギーに配慮した安全性にもぜひ注目してもらいたいと思います。」冬にかけて黒潮町で楽しめる味覚について聞いてみると、「実は伊勢海老が採れるので、冬は海老を楽しんでもらいたいですね。ふるさと納税の返礼品でも人気なのですが、ブリのたたきもすごく美味しいので、こちらもおすすめです」とのこと。

初の試みとして干物も販売

高知県はきびなごの産地としても知られます

黒潮町で生産している缶詰

黒潮町役場・産業推進室の宮地さん
「あと黒潮町といえばカツオ!まだ実現していないのですが、いつか団地にも本物のカツオを持ってきたいですね。」と将来の意気込みも語ってくださいました。
岡山県津山市
岡山県津山市は地方都市と団地をつなぐプロジェクトに最初期から参加している自治体のひとつ。毎回少しづつテーマを変えて津山の味覚を届けています。この日は自治体、地域商社、観光協会が一体となってブースを展開し、食から鉄道グッズまでバラエティ豊かなラインナップとなりました。

津山市のブース

津山市役所・丸茂さん、株式会社曲辰(かねたつ)・辰さんに話を聞きました。「今日はお子さん連れも多くフルーツをたくさん楽しんでもらえたと思います。ジャムやゼリーもたくさん持ってきました。大人向けには黒豆をおすすめしています。津山近隣では黒豆の生産も盛んで、その味は有名な丹波産にも負けていません。あと自宅が近い方も多いのでお酒を楽しんでもらいやすいのがいいですね。今日は気温のせいかクラフトビールが大人気でした。」(辰さん)

地域商社・曲辰の辰さん

辰さんによれば「シャインマスカットを選ぶコツは熟れている黄色いもの」を

黒豆は津山市のお隣、勝田郡や英田郡では「作州黒」と呼ばれるそう

津山のクラフトビール「鶴」
珍しい鉄道グッズについては「津山には扇型の機関庫としては日本で2番目に大きなものがあります。(一番は京都梅小路)、今日は赤胴車という鉄道にちなんだマルシェなので持ってきました」(丸茂さん)
団地で出店を続けてみての感想については「今回は肉中心ではなく、チーズや生姜ドリンクなど、今までの出店とは違った味覚を集めてみました。直にお客さんの反応を見ることができるので、色々と試す機会としても捉えています。老若男女が集まる団地はフラットなマーケティングの場としてもとても貴重だと思っています。」(丸茂さん)

津山市役所・丸茂さん

津山の鉄道グッズ


最後に津山観光で楽しんでほしいことを聞いてみると「今日はビール日和でしたが、気温が下がってくると日本酒も美味しくなってきます。ぜひ津山に来て干し肉や煮こごりをアテにお酒も楽しんでください」(辰さん)とのことでした。
広島県福山市
広島県の東端に位置し、瀬戸内エリアや備後圏域の玄関口となる福山市。温暖な気候のなかで育まれた数々の名産品の中から「ビンゴポンズ&ビンゴソース」と「瀬戸のもち豚 ポークジャーキー」がお目見えしました。

福山市のブース

ビンゴソースは福山市では学校給食でも使われるおなじみの味だそう
今回はこれら特産品の販売を福山市に代わってUR都市機構が担当。URの川野さんに話を聞きました。「市が認定する福山ブランドからお手頃価格で買いやすい3商品を持ってきました。思っていた以上に反応が良く、代打の売り子としてはホッとしています。」団地と地方都市をつなげるプロジェクトについて「URは今日ここに参加している自治体以外にも多くの地方都市との連携を進めています。例えば今回の福山市特産品販売はURのスタッフで担当しましたが、そうすることで、私たちURもマルシェに関するノウハウを吸収できますし、その地域への理解を深めることにもつながっています。」

福山ブランドに認定されている豚の干肉

お昼前には完売したビンゴポンズ

福山ブランドのPRも

「実際に自分たちでやってみると、実はPOP作りが上手い職員がいたり、はじめはぎこちなかった営業トークが徐々に盛り上がってきたり、皆ですごく楽しみながらやっています。」
と次々に来られるお客様への対応の最中に語ってくれました。
来場者アンケートによれば、初めて団地のマルシェに参加した、という人も60%を超え、団地の新たな魅力発信につながりました。80%以上の方が今回出店した津山市、黒潮町、福山市に継続的な出店を希望、85%近くの人がそれぞれの地域にも遊びに行ってみたい、と回答し、地域と団地をつなぐ役割を果たしたイベントになったようです。
絶好のマルシェ日和に恵まれた「赤胴車マルシェ」。
当日の様子をフォトギャラリーにまとめています。こちらもご覧ください。