街に、ルネッサンス UR都市機構

第2回ニッポンうまいものミニマルシェin彩都

茨木市北部から箕面市東部にかけての丘陵地に位置する「彩都」。こちらの東部地区で地域連携イベント「ニッポンうまいものミニマルシェ in 彩都」を実施しました。2022年に続いて2回目の開催となります。マルシェでは彩都東部地区の地域資源や魅力を伝えること、そして全国の地方都市と大都市圏をつなぐことを目的としています。今回は前回を大きく上回る12の地方都市が参加し、その地域ならではの名産品の数々を届けてくれました。加えて、畑での野菜収穫体験、地元NPOのブースなどなど、今年も盛りだくさんの内容で行われました。そのイベントの模様をたっぷりとレポートいたします。

会場

会場は前年度に続き、新名神高速道路・千提寺PAとなりの広場スペース。高速道路へのアクセスが良い彩都の立地を感じることができます。会場奥には、森に囲まれた水辺の音楽堂も設置されています。

会場全景

彩都は高台に位置し、眼下には大阪の街並みが。

水辺の音楽堂

今年は斜面中央に昇降階段も設置されました。

12の地方都市ブース紹介

今回のニッポンうまいものミニマルシェには、なんと全国から12の地方都市ブースが出店。関西では目にすることが少ない地方特産品が彩都に集合しました。ブースのラインナップは以下の通り。
(エリア名クリックでブース紹介記事に移動します)

宮城県

マルシェには初参加の宮城県。仙台はもちろん三陸地方の名産品がずらりと並びました。目を引いたのはサメ関連の食材。ふかひれスープにシャークジャーキー。というのも宮城県の気仙沼は日本のサメの漁獲量の8割近くを占める最大の水揚げ地とのこと。宮城県担当者の方に聞くと「サメ肉は低カロリーで高タンパク。こっちのかりんとうは地元ではみんな一斗缶で買うのが当たり前なぐらい、生活に溶け込んだお菓子なんですよ。あと個人的には仙台麩も推したいところ。味噌汁に入れて食べると美味しいですよ。」とのこと。また「仙台は大阪からは飛行機一本。冬の仙台はとっても魅力的なので、ぜひ」と話してくださいました。

仙台麩と一緒に、この笑顔!

一般的なかりんとうは細長い形状ですが、宮城のかりんとうは形も独特。

サメグッズもたくさん並びました。

福島県

福島県はミニマルシェには2度目の出店。前回に引き続き、福島県大阪事務所の菅野さんが地元愛あふれるトークで来場者に福島県の魅力を伝えておられました。菅野さんによれば「前回のイベントをきっかけに福島県のサテライトショップに来場してくださったお客様がおられたのが嬉しかったですね。さらに!サテライトショップのお客様が、今日のマルシェに来てくださいまして、マルシェとショップ、いい形のつながりを実感しています」と参加の意義を語ってくださいました。「今日は念願のお酒を持ってきたので、ぜひ楽しんでもらいたいですね」と顔をほころばせていました。

食の宝庫であることを感じる福島県ブース。

気温も高かったため、冷たいドリンクは一層美味しく感じられる日に。

前年度はコロナの影響もあり、アルコールの販売は控えておられましたが、今年は解禁!

長野県

初参加となる長野県は、信州和牛の「信州プレミアム・ハラミ焼肉ライスボール」の調理販売で、来場者の食欲をおおいに刺激しました。長野県担当者によると「昨年、このミニマルシェで宮崎県さんの肉ワッサンを出店されていることを聞いて、信州の和牛もぜひ!と持ってきました」とのこと。「信州プレミアム牛肉とは、サシやオレイン酸の含有率など、長野県独自のおいしさ基準をクリアした、安全で美味しい牛肉だけに認定される名称。ぜひこの機会に信州の和牛のことも知っていただきたいですね。」と話してくださいました。

信州プレミアム牛肉の丼。絶品でした!

お肉は一枚一枚丁寧に焼いて作っていきます。

あまりに人気のため、ご飯が切れてしまう事態も。

福井県・若狭町

若狭地方は古くから梅の産地として知られます。出店いただいたブースにも梅グッズが並びました。若狭物産協会・藤本さんによれば「梅干しの紅映梅(べにさしうめ)は、種が小さい分、実が分厚いところが人気のひみつ。シソと塩味のシンプルな味です。珍しいものとして、無糖の梅酒を持ってきました。キリッとした味付けで焼酎のような口触り。甘くない、大人の梅酒として楽しめる一本です。」と話してくださいました。担当した藤本さん自身も梅酒作りに携わった経験もあり、その自信のほどが伺えました。

紅映梅(べにさしうめ)は、収穫量が限られた希少品種。

もちろん甘いタイプの梅酒も。福井の純米酒も並びました。

梅の奥深さをたっぷりと教えてくれた藤本さん。

京都府・京丹波町

京丹波は地域ブランディングで活発に動き出している町。2023年3月に「京丹波イノベーションラボ」が立ち上がり、町役場と民間の共同プロモーションもスタートしています。ブースには和知の黒枝豆を使ったお菓子や、民間グループと道の駅で共同開発したアイテムが並びました。京丹波町商工観光課・桐村さんによれば「5月から移住者相談の窓口もスタート。移住後の連携にも力を入れています。観光資源もいろいろあるので、京丹波に遊びにお越しください!」と話してくださいました。

商工観光課・桐村さんと、ラボメンバーであるBUSC川邊さん。

道の駅と京都伏見のカステラ専門店のコラボで誕生。

移住相談は、通常は道の駅和・道路情報センター内で行っているとのこと。

兵庫県・加東市

関西の都市圏からもほど近い加東市からは、製麺所とともに出店。ブースには独特に甘さが特徴の播州ラーメンや、高松のうどん店と共同開発した「伝之助うどん」など、気になる麺類がずらりと。加東市の高校と地元農家がタッグを組んで、試行錯誤の末に誕生した桃ピューレキーマカレーも登場しました。太っ腹な来場者プレゼントは、オリジナルマンホールのマグネット。市町村合併によって加東市となった旧町名にちなんでいるそう。

ちぢれ麺に、シンプルな具材がマッチする播州ラーメン。

パッケージイラストは、加東市のキャラクター「加東伝の助」の作者の手によるもの。まさにご当地カレー!

本物のマンホールを探しに行きたくなる、ポップなデザイン。

岡山県・美作市

彩都地域では馴染み深い美作市。というのも、彩都西駅すぐに「美作元気農産物直売所・彩菜みまさか」が営業しており、関わりの深いエリア。名物きびだんごをはじめ、もち麦や産直のトマトが人気を集めました。担当者によれば「もち麦は、近年”美作から腸内革命”をキャッチフレーズに、全国的に注目を集めました。食物繊維たっぷりでお米に混ぜて炊くだけでOKです。甘くて美味しい産直トマトも、いろんな種類があります。ぜひ直売所にもお越しください!」と話してくださいました。

もち麦は玄米の約4倍の食物繊維を含んでいるそう。

産直トマトは彩都の直売所でも大人気!

直売所は毎月イベントも行っているので、遊びに来てください!と元気よくメッセージをもらいました。

徳島県・阿南市

徳島市の南に位置する阿南市から初参加です。徳島は過去に全国一のタケノコ生産量を誇った名産地。近年は人口減少とともに残された放置竹林対策に力を入れています。ブースにも阿南市で採れたタケノコが並びました。担当者によれば「タケノコは百貨店の物産展でも大人気。今日は思い切って大容量パックで持ってきました。」と今回のマルシェにかける思いを話してくださいました。「阿南市は地域おこし協力隊の若いメンバーが、大活躍してくれていて、このドリップコーヒーのデザインなども手掛けてくれているんですよ」とのこと。地域のナマの最新動向を聞けるのも、こうしたマルシェならでは。

うちわにプリントされたキュートな顔は、阿南市のキャラ「あななん」。

普段はあまり一般に販売されない大容量パック。パッケージのシンプルさがその証。

一方で目を引くデザインのコーヒー。ネーミングも素敵です。

高知県・宿毛市

四国でも最西端の街のひとつ、宿毛市からなかなかお目にかかれない地元の味覚が届けられました。黄色が眩しい「晩柑」はお隣の愛南町や宿毛市で広く栽培されている柑橘類。甘さと酸味のバランスがよく、爽やかな夏の味覚と知られます。食べたあとはお風呂に入れて楽しむことも。柑橘類では宿毛特産の直七にちなんだアイテムも。じゃこ試食コーナーは見た目も圧巻!担当者によれば「出汁をとったあとでも食べたくなる」ほどの旨味が特長だそう。スタッフの皆さんが来ているのは宿毛の名物や名所をプリントしたハッピ。「宿毛は絶景ポイントもたくさんあります。特に夕日の美しさは広く知られています。大阪からは直通の高速バスもあるので、ぜひ宿毛に遊びにきてください!」と話してくださいました。

目にも鮮やかな晩柑。和製グレープフルーツと言われることも。

ハッピの下に着込んだTシャツをはじめ、公式グッズもいい味を出しています。

試食コーナー。試食させていただくと、口いっぱいに高知の海が広がりました。

熊本県

くまモングッズをどっさりと出してくださった熊本県ブース。全国トップクラスの知名度を誇るくまモンということもあり、大人から子どもまで多数の来場者がブースを訪れました。その他にもクレヨンしんちゃんとコラボしたグッズもお目見え。なぜしんちゃんが?と問うと「熊本はクレヨンしんちゃんのママ、みさえさんの出身地。そのご縁で舞台となる埼玉県さん、父ひろしさんの出身地・秋田県さんと家族都市協定を取り結ぶことになったんです。そのプロジェクトのステッカーなんですよ。」とのこと。キャラ目白押しの熊本県。そのパワーを感じるブースとなりました。

熊本県の情報を求めて、たくさんの人がブースを訪れました。

他ブースに名産品が並ぶ中、あえてPRに特化。

「熊本県は、さらに別の大人気マンガともコラボしているのですが、その正体はぜひ熊本に来て確かめてください!」とのこと。

宮崎県

宮崎県は前回のミニマルシェに続いての参加。大好評だった宮崎牛のステーキ丼や肉ワッサンはもちろんのこと、みやざき地頭鶏(じとっこ)の炭火焼きも加わり、さらにパワーアップしての出店です。地頭鶏を振る舞ったのは、大阪市北区のUR団地・さざなみプラザにある居酒屋「宮崎地鶏みやかん」。宮崎の食材がつなぐネットワークがブースを盛り上げてくれました。担当者によれば「たくさんの人に宮崎の味覚を楽しんでいただけて嬉しいですね。個人的なオススメは鶏皮のチップ。ビールのお供に最高です。食べ始めると止まらないので、一袋ではなく二袋はお買い求めいただきたいです」と、笑顔で語ってくださいました。

おつまみ鶏皮は、柚子胡椒味とわさび味の2種。

キッチンカー+テントブースと、地方都市ブースとしては最大規模に。

地頭鶏の炭火焼き。香ばしい匂いが食欲を刺激します。

沖縄県

大阪・大正の沖縄料理と物産の店「いちゃりば」の協力のもと、沖縄県ブースが賑やかに出店しました。独自の味覚や食材が豊富な沖縄。ブースにも多種多様なアイテムが並びました。食材だけではなく、沖縄やきそば、甘みを楽しむ「くんちゃまベーコン」、ポーク缶詰を使った「ポーク串」など、テイクアウトも充実。この日はカラッとした春の陽気。「おいし〜よ〜」という元気な掛け声に誘われて、オリオンビールを片手に沖縄の味を堪能する男性来場者の姿がたくさん見られました。

ポーク串は、大人のみならず子どもたちにも大人気!

「いちゃりば」はJR大正駅からすぐ。「遊びにきてね〜」と大将。

食材の豊富さは、地方都市ブースの中でもピカイチ!


地方都市以外のブースもご紹介します。今回はイベント会場を飛び出して野菜収穫体験も。

NPO法人北摂やままち倶楽部

彩都周辺の豊かな地域資源を感じる場として、前年度に引き続きNPO法人北摂やままち倶楽部のブースは欠かせません。地元大岩で採れた焼き芋、蜂蜜、竹パウダーが販売されました。特に焼き芋とベビーカステラは女性たちのハートを掴んだようで、買い求めるお客さんで行列ができることも。

この日は冷やした焼き芋も登場。熱々とはまたちがう甘みを楽しめる一品。

蜂蜜コーナーには本物の蜂の巣も。

ベビーカステラはもちろん蜂蜜入り。

野菜収穫体験

今回は初の試みとして野菜収穫体験も実施されました。畑はメイン会場から高速道路を挟んだ向かい側にあり、地元農家の方の協力を得て開催することができました。植えられているのはじゃがいも、大根、たまねぎ。参加者は畑の土と格闘しながら、収穫を楽しんでいました。企画したUR職員・弓場さんは「会場すぐの畑の方と奇跡的につながることができて実現できました。無農薬野菜なので土の中から虫などが出てきて、びっくりすることもありますが、それも良い経験になれば。すごく楽しんでいただけて良かったですね」と話しました。来場者の方は「私自身が地方の農家で育ったので、懐かしさを感じながら収穫しました。昔は裸足のままで畑で遊んでたな〜とか。娘が無心で収穫を楽しんでくれて嬉しいですね」と語ってくださいました。

NEXCO西日本

会場となりにある新名神高速道路。こちらを管理するNEXCO西日本からもブースを出店いただきました。新名神高速道路の役割を改めて理解できる展示が行われるともに、なんと本物の高速道路巡回車の中を見学できるコーナーも。子どもはもちろん大人たちも興味をそそられていました。さらに嬉しいのが、NEXCO西日本限定のマスキングテープのプレゼントも!

近くで見る機会が滅多にない高速道路巡回車。特に大人たちが興味津々。

子どもたちを笑顔で出迎えるNEXCO西日本のみなさん。

巡回車の試乗体験も。電光掲示板のスイッチ・車両無線などに誰もが童心に帰ります。

彩都紹介コーナー

彩都<国際文化公園都市>建設推進協議会の協力のもと、彩都のなりたちを紹介したブースが登場しました。東部地区で進んでいるまちづくりのことも航空写真をもとに、わかりやすく説明され、動き続ける彩都の今を感じるブースになっていました。協議会構成メンバーの大阪府では彩都も含めたサイクリングマップを制作しており、そのPRも。

歴代の空撮写真から、街の発展を感じます。

彩都東部地区は、これから開発が本格的に動き出していくとのこと。

大阪を4つのエリアに分けてマップを作成。モデルコースも豊富に掲載しています。

UR-DIY部+大学生とのコラボ企画

若手UR職員によるDIYチーム「UR-DIY部」と、NPO法人国際ボランティア協会の大学生メンバーで共同ブースを出店しました。国際ボランティア協会に所属する同志社大学+立命館大学の学生スタッフとともに、フィンランド発祥のスポーツ「モルック」体験や、焚き火コーナーなど、身体を動かしたり、まったりと休んだりできるスペースを作り出しました。リサイクルバザーもオープン!

国際ボランティア学生協会に所属する立命館大・同志社大の学生によるモルック体験。

UR-DIY部といえば、この焚き火+マシュマロ。

UR-DIY部と共にブースを運営。大学生にとっても、UR都市機構の仕事を知るきっかけにも。

国際ボランティア協会は、環境に関わる活動も行っており、今回はリサイクルバザーを実施。

ミニマルシェ全体を振り返って

今回は近隣の「ダムパークいばきた」でイベントを行っていたこともあり、相乗効果で多数の来場者で賑わいました。前回の来場者のリピーターも少なからずおられ、彩都で行われる春の定番イベントとして、すこしづつ定着しつつあることも感じました。今年は全国12の都市からの参加に加え、野菜体験などの新企画もあり、新たな広がりも生まれたことは間違いありません。彩都東部地区の開発が進むとともに、このマルシェのつながりが、新たな賑わいを生み出すきっかけになるかもしれない、と感じました。

フォトギャラリー

彩都マルシェ写真その4
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彩都マルシェ写真その5
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彩都マルシェ写真その6
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彩都マルシェ写真その7
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彩都マルシェ写真その8
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彩都マルシェ写真その9
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彩都マルシェ写真その10
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彩都マルシェ写真その11
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