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特集:団地を超えて「まち」へ 新しいまちの魅力づくりへの挑戦が始まっている > 千島団地

URPRESS 2018 vol.48 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

部屋が変われば団地が変わり、
まちが変わる!

千島団地 大阪市大正区

大阪市大正区にある千島団地は、区役所や公園に隣接した、まちの中心地に立つ2236戸の大型団地。
築44年が過ぎて高齢化が進み、空き住戸も増えている。
ここで大正区と民間業者も巻き込んで、DIYでまちと団地を活性化させる新たな試みがスタートした。

「壁紙屋本舗ラボ」は千島団地内の空き店舗を活用。オープニングの日には、団地に住むおばあちゃんもやってきた。

DIYには、まちを変えるエネルギーがある

千島団地でUR都市機構、大正区、壁紙屋本舗(DIY専門店) の三者がコラボレーションした「団地丸ごとDIY TAISHO ☆UP」が始まっている。これは新しく募集する千島団地のすべての住戸を、DIY可能にするという画期的な取り組み。ここに三者がどう関わり、活性化へのシナリオをどう描いているのか。2016(平成28)年11月23日に開かれたオープニングイベントにおじゃまして、まず大正区長の筋原章博さんに事の経緯をうかがった。

筋原区長は「DIYをする人には熱量がある」と言う。

「これまで大正区では、古い長屋を改修して店舗などにする取り組みを行ってきましたが、そのときにDIYをする人たちには、周りの人々を巻き込むエネルギーがあることに気づきました。もしかしたら『DIY』をキーワードにまちを変えられるのではないか。そこでURさんと相談して、千島団地とのコラボを持ちかけたのです」

大正区は大阪市の下町。昔はものづくりのまちだったが、現在は人口流出が続いている。「それは、このまちに人々の足を止める魅力がないから」と筋原区長。ならば、足を止めさせるエッジの立った場所をつくろう。そのエッジとなるのがDIYであり、その場所が築44年の千島団地だ。

壁紙張りのワークショップなども行っている。まさにここが大正区のDIYの拠点になる。
ラボには、1時間240円で借りられる木工スペースがあり、電動工具もそろっている。
「なんかおもろいことやろう!」と三者の思いがひとつになって、TAISHO☆UPプロジェクトがスタートした。その仕掛け人三人衆、左から壁紙屋本舗社長の濱本葊一さん、筋原章博大正区長、UR都市機構西日本支社長の西村志郎。

団地にできたDIY拠点に人が集まる

区長がDIYの実践部隊として声をかけたのは、楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤーも受賞しているリノベーションの専門店、壁紙屋本舗。すでに大正区の事業に参加していた社長の濱本廣一さんは構想に賛同。本社を大正区に移転し、千島団地内の空き店舗を改装して、DIYの基地となる「壁紙屋本舗ラボ」を開設した。

イベント当日は団地の内外からたくさんの来場者があり、カフェも併設された店内は大にぎわい。濱本さんは、「DIYに興味のある人は確実に増えているし、DIYが好きな人にはこだわりの強い人が多い。団地にこのラボがあることで、大正区への人の流れが生まれ、DIYで好みの住まいが作れるなら、ここに住みたいという若い世代も増えるのでは」と期待する。
例えばDIYでお気に入りの部屋ができたら、SNSで発信するだけでなく、その部屋を誰かに見てもらいたくなる。そのノウハウを教えたくなるし、隣の部屋の人がDIYを始めたら、手伝いたくなるだろう。
「このようにDIYはコミュニケーションのきっかけになり、DIYを媒介にしたコミュニティーも生まれます。DIYの拠点である千島団地から、さまざまな可能性が広がると思います」

壁紙屋本舗ラボ店長の林耕一郎さんは、DIYの力をそう語った。

JR大正駅から急行バスで約5分。買い物も便利で住みやすい千島団地。住戸丸ごとDIYがOKで、退去するときにも原状回復しなくてよいのは魅力。
壁紙屋本舗が手がけたDIYモデルルーム。レンガ調など多彩な壁紙を使い、団地の部屋が見事に変身。
SNSなどで話題のDIY愛好家、ranranさんが手がけたDIYモデルルーム。
「DIYとは、暮らしを自分の手で変えること。暮らしを豊かにすることなんです」と話す壁紙屋本舗ラボの店長・林耕一郎さん。

まちの魅力アップそれが団地の活性化に

「次の課題は、団地に住む皆さんをどう巻き込むか」と話すUR都市機構西日本支社の岩田雅人。

「賃貸住宅を探すとき、まず住みたいエリアを決めてから、物件を探しますよね。団地の活性化は、団地だけではできません。まずその団地のあるまち、エリアの魅力をアップさせること。そのためには広い視点に立った相互連携が不可欠です」

UR都市機構大阪エリア経営部企画チームリーダーの岩田雅人は取り組みへの意気込みをそう語る。

DIYをキーにしたUR都市機構と大正区、壁紙屋本舗との初の試み。1つの部屋がDIYで変われば、団地が変わり、そこから大正区が変わる。「大正区、面白そうだな、ここに住みたい」と人が集まってくる。そんなまちとともに、UR都市機構の挑戦は続く。

【武田ちよこ=文、佐藤慎吾=撮影】

建て替えを機に多世代がつながるまちが生まれた

約60年前、当時最先端の住まいとして誕生したひばりが丘団地。
建て替えを機に、民間デベロッパーとパートナーの関係を結び、多様な世代の人々が生き生きと暮らす、新しいまちが生まれている。

部屋が変われば団地が変わり、まちが変わる!

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ここで大正区と民間業者も巻き込んで、DIYでまちと団地を活性化させる新たな試みがスタートした。

昭和30年代のひばりが丘団地に江戸東京博物館でタイムスリップ!

フリーアナウンサーの永井美奈子さんが、江戸東京博物館を訪ねた。お目当ては、高度経済成長期の集合住宅の暮らしを再現した展示の見学だ。

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