街に、ルネッサンス UR都市機構

団地には「子どもの笑顔」が一番 左近山団地(2)

URPRESS 2014 vol.42 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

1.左近山団地 神奈川県
祭りの開催で地域がまとまり団地が元気になってきた

DJブースをはじめ、お絵かきコーナーなど子どもが遊べるスポットが用意され、世代を超えた交流が活発に行われている。

「ほっとさこんやま」から地域のにぎわい復活へ

左近山団地は約4800戸の大型団地。自治会によると、60歳以上の人口比率は50%以上で、少子高齢化が進み、3校あった小学校は1校になった。実のところ近年はにぎわいが失われ、24店舗のショッピングセンターにいくつも空き店舗が出るという状況が続いていた。

なんとかしなければ……。関係者の間に危機感が漂うなか、まず一石を投じたのが、昨年4月、空き店舗を利用した福祉・交流の拠点「ほっとさこんやま」の開設だった。運営にあたるのは、左近山連合自治会を中心に地元の団体で組織したNPO法人「オールさこんやま」。
「高齢者や子育て中のお母さんたちにも外へ出てきてもらって、多世代交流を進めることがねらいです」
NPO理事長で、連合自治会の会長も務める林 重克さんは言う。手軽に食事もできるカフェやキッズスペースをつくり、毎週土曜日には中学生対象の勉強会も開いている。
「ここに人が来ることで、商店街に少しでもにぎわいが加われば」
そう林さんは言うが、「ほっとさこんやま」の開設はそれだけでなく、「現状を何とかしよう」という気運を盛り上げる契機にもなった。例えば小学校の跡地を利用して、子育て施設と老人センターを融合した総合福祉センター的なものができないだろうか、といったプランも話題に上っているという。

また、ショッピングセンターも世代交代して、50代の青木栄一さんが商店街会長代行を務めるようになり(現在は会長)、積極的な活動への模索を始めていた。青木さん、左近山小学校おやじの会、団地内にある左近山中央診療所の医師たちが定期的に集まるようになる。そこで地域の活性化や少子高齢化対策を話し合うなかから、ショッピングセンターが主体となって祭り開催へとつながっていった。
「本音をいえば、月に1度はとてもたいへんです。でも『楽しかった、次も待っているよ』と言われれば、頑張らないわけにはいきません」
と青木さん。祭りを軸に、ばらばらに動いていた団体や有志がまとまりや連携を強めていく。
「夢は大きく、左近山団地を地域活性化のモデルケースにしていこう、という心意気でやっていきたいですね」

抽選付きの冷やしうどんも大人気。
「ほっとさこんやま」で定期的に開催している「左近山中央診療所の福村院長とゲストの対談」は人気イベント。この日も大勢の人が集まった。
NPO法人「オールさこんやま」の林 重克理事長。十数名のボランティアとともに交流拠点「ほっとさこんやま」を運営している。
「青木会長が頑張っているので協力したい」との声も多く、参加者からの信頼があつい左近山ショッピングセンターの青木栄一会長。
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