街に、ルネッサンス UR都市機構

審査の風景

総評

池邊 このみ氏(ランドスケーププランナー)

最初は非常に鎮魂というような重い作品が多く、年を重ねるごとに、だんだんと明るい雰囲気が伝わる作品が出てきたと感じられました。今回は若い人たちが喜びを表すような流行のスタイルの写真もあって、その様に撮れるというのはすごく喜ばしいことだなと思いました。また、復興が進んで行く中で、これまでの6年間を積み上げて来て、まだ、これから先も年月を重ねて完全復興に向かって行くという作品がありましたが、何らかの形でこれからも復興を見守っていければといいなと思っています。

池本 洋一氏(SUUMO編集長)

復興の嬉しさや雰囲気が感じられるものがたくさんありました。それらの作品にもいくつかの傾向があるように感じました。1つめは新しく橋が開通するなどのインフラの復興系、2つめは祭りや鯉のぼりのように生活の風物詩が戻ってきた系、3つめは初漁に出ていくなど街の経済が復興してきた系、4つめは街に暮らす人の笑顔系です。とても迷いましたが、3つめの経済の復興と4つめの人の笑顔が伝わる作品が、自分自身も元気をもらえる感じがして、それらの作品を中心に選びました。コンテストを通じて復興の歩みが記録されるという価値あるコンテストだと思いました。

一之瀬 ちひろ氏(写真家)

復興はすごくむずかしいテーマだと思います。そんな復興の写真は、撮る時点で、撮るか撮らないかを選んだら、撮らないほうを選ぶ人もいるのではないかと思います。そのような中、撮った人の、向き合っている思いを感じた気がしました。作品の中には前向きに向き合おうとしている人と、まだ引きずっているものがあるというところに目を向けている人がいて、さまざまに描写されていました。審査での評価はとても難しかったですが、客観的に現状を捉えている写真に魅かれて選びました。

キン・シオタニ氏(イラストレーター)

僕も何回か仕事で行かせてもらったことがありますが、今回の審査会で、復興にずっと関わっている審査員のみなさんの目線と同じように、色々と不満な部分やまだここまでしか復興していないという部分よりも、ここまできたとか、こういうふうになってきたという希望が見える面をどちらかというと評価したいと思いました。そういうところを応援したいので、審査ではそのような作品を選びました。また、審査会では、現実をもっと色々と見ている審査員のみなさんのご意見がすごく個人的に勉強になりました。

西田 司氏(建築家)

写真やスケッチの中から非常に生きるエネルギーみたいなものを感じる作品が多く、比較的風景を表現した作品が多かったのですが、生き生きとした人の営みみたいなものがかなり伝わって来ました。作品に込められた「忘れない」という想いをしっかりと汲み取りながら審査させていただきましたが、今回、色々と復興の全体像が見られたことが、自分自身の今後の復興への取り組みにも大きく影響するのではないかという感覚を覚えました。

復興の歩み大賞
フォト大賞

「再開」

西田 司
もう今は使っていない小学校で、黒板をよく見ると、「また会おうね」と書いてあって、入れ替わりにこの場所に来てメッセージを書いた子どもたちが時間を動かしていたのだと想像できました。
池本 洋一
子どもたちのメッセージから、「忘れない」想い出と暮らしの再建を感じさせる、前向きで明るい作品だと思いました
池本 洋一 氏

復興の歩み大賞
スケッチ大賞

「共に歩む」

西田 司
私は石巻市の復興に関わっていますが、町の中の復興がいい形で表現されて、また、絵がもたらす重さみたいな、アート感がいいなと思いました。
池邊 このみ
描写と被写体がすごく合っていて、表現された雰囲気によって、このまま残していきたいという若い女性の思いが伝わりました。
西田 司 氏

復興の歩み賞
(池邊 このみ選)

「市街地一望」

池邊 このみ
ここは防潮林として植樹したところで、「・・・市街地が一望できなくなる日が完全復興?」というのは松林になると市街地が見えなくなるという意味ですね。松の全面植樹が終わり、これから松が育って行くことで、まちが復興していくという姿を感じました。
池邊 このみ 氏

復興の歩み賞
(池本 洋一選)

「7年ぶりの歓声」

池本 洋一
いわきを象徴するものの一つがフラガール。喜んでいる女子の姿から元気がもらえるのではないかと感じたことと、7年ぶりの海開きということで今年らしさを感じました。
池邊 このみ
いわきの大事な象徴、それを感じられる作品で良かったと思います。

復興の歩み賞
(一之瀬 ちひろ選)

「海の方を見て何を思う」

一之瀬 ちひろ
この写真に写っている子は5歳で、震災を知らないのですが、震災後時間を経て、緑に覆われた景色を見ている。撮っている人は両方の時間を一遍に見ているというのがとても写真的だと感じました。
一之瀬 ちひろ 氏

復興の歩み賞
(キン・シオタニ選)

「一本まつとクレーン車」

キン・シオタニ
一本松よりもクレーン車の方が高く見えるというメッセージに大人には真似のできない子どもならではの感じ方がすごいと思いました。
キン・シオタニ 氏

復興の歩み賞
(西田 司選)

「明日もまた「ココ」で」

西田 司
「馬っ子山」は石巻にある「日和山」というすごく有名な山の一つ左側の山で、海沿いに向かって見下ろせます。そこから市内の風景を見ている作品なのですが、 これからさらに復興していく風景と人の構図がすごくいいなと思いました。
西田 司氏
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