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審査講評

UR賃貸住宅「団地景観フォト&スケッチ展」審査結果

審査講評 審査の風景

東日本大震災から4年が経ち、被災地は復興に向けて着実に歩みを進めています。 今回初めて開催された「復興フォト&スケッチ展」には、多数の作品が寄せられ、その一作品ごとに復興への強固な意志と確かな兆しが息づいていました。まちや暮らしが再建され、新しいコミュニティが形作られていく様子、被災地の方々が自らの手で取り戻しつつある笑顔と希望。そんな作品に触れた審査員の方々のコメントと受賞作品への評価をお届けします。

審査総評

※敬称略

大西 みつぐ氏(写真家)

型にはまらない表現のバリエーションに富んだ作品が多く、写真にもスケッチにもそれぞれに強いメッセージが込められていることに感動しました。この想いを持ち続けることが、我々の明日にとってたいへん意味のあることだと強く感じています。

千葉 学氏(建築家)

自分自身も色々な形で復興に係わっており、現地でのちょっとした会話や些細な出来事の中に復興の歩みを感じることがあります。復興のプロセスは一言で言えるものではありませんが、それでも日常の中の小さな復興に目を向けた作品を見られたことはとても素敵な体験だったと思います。

なかだ えり氏(イラストレーター)

自分が岩手県出身ということもあり、特に興味を持って拝見しました。震災からすでに4年を迎えようとしていますが、何もなくなった場所に新しい芽吹きや活動が進められていることが作品の中からも感じられ、とても前向きな一面が見られてうれしく思いました。

池邊 このみ氏(ランドスケーププランナー)

写真からもスケッチからもたいへんな力強さが伝わってきました。復興を前に進めていこうとする思い、自分たちの手でコミュニティを取り戻すんだ、という前向きで強い意思が込められているように感じました。たいへん素晴らしい企画に携わることができ、感謝しています。

復興の歩み大賞 フォト 「家族」

千葉 学
福島県の写真ですね。
暖かい陽の光に向けて、丁寧に家族の靴が干されています。
さりげない日常の風景の中に家族の仲睦まじさや、明日への希望を抱いて日々暮らしていることまでも感じさせてくれます。実に心温まる作品です。
大西 みつぐ
靴が主役になっていますが、プロパンガスが並んでおり、被災者の皆さんが住んでいる環境までもがしっかり出ています。
池邊 このみ
すべての被災地の方に共感していただける作品だと思います。

復興の歩み大賞 スケッチ 「復興の槌音」

千葉 学
これはみなさん一致で大賞決定ですね。
なかだ えり
決まりですね。
池邊 このみ
色彩や描写のタッチが繊細で、ベルトコンベヤーが軽々と空を貫いています。
その背景に描かれているのは、陸前高田を見下ろす氷上山と一本松。
素晴らしい構図です。

復興の歩み賞「鎮魂と祈り」

大西 みつぐ
鐘の音の残響が聞こえてくるような写真ですね。
折からの照明を生かし、周囲をかすかに浮かび上がらせた点も評価に値します。静かな祈りの中に、過去の記憶を乗り越えて未来へ歩もうとする強い意志を感じさせます。

復興の歩み賞「福島の母の絵と私」

千葉 学
作者の何とも言えない表情が魅力的です。
絵を完成させた達成感や安堵感、あるいはボランティアを通じての不安や希望、様々な想いが読み取れます。
裸足でしゃがむ彼女と迫力ある絵との対比が、福島の抱える複雑な現状と重なり、記憶に深く残りました。
なかだ えり
大きくてとても迫力がありますね。

復興の歩み賞「忘れられない味」

「笑顔で前進!」
なかだ えり
この作者の作品にはもう1枚、「笑顔で前進!」というおばあさんの写真もありました。
作者である少年とおばあさんは初めての出会いからとても近い距離で交流をしているのですが、それを素直に受け入れる少年と純朴なおばあさんの心の共鳴を感じました。
おばあさんが仮設住宅で大切に育てたトマトをもらったのでしょうね。
大西 みつぐ
13歳という若さで、この2枚を撮れるのはすごいですよ。 これはなかなか撮れない写真です。

復興の歩み賞「蕾」

池邊 このみ
「全てを失った」と言われた地に残っていた養分で
蕾をつけた雑草に感動した、と作者はコメントしています。
瓦礫をかき分けるように芽を出した
雑草の逞しい生命力に、私も感動いたしました。
悲しみを乗り越えて、前に進もうとする被災地の方々の想いが
ひしひしと感じられる作品ですね。

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