UR賃貸住宅 団地景観フォト&スケッチ展2014 結果発表
募集テーマ 「ふれあいの団地 ~笑顔の集まる場所~」
- UR賃貸住宅の団地は、日本全国に1700団地以上あります。
その立地や規模、建設年代は様々ですが、それぞれの団地が、緑豊かな住環境や、団地を舞台としたいきいきとした生活シーンなど独自の魅力ある景観を育んでいます。
団地ならではの魅力を皆様と共有することを目的として2008年に「団地景観サミット」という名称でスタートした写真とスケッチの公募展は、今回で6回目の開催を迎えることができました。
2014年は、開催名称を「UR賃貸住宅 団地景観フォト&スケッチ展」として改め、「ふれあいの団地~笑顔の集まる場所~」をテーマに開催いたしました。
応募作品は、UR賃貸住宅のコミュニティや景観を題材とした写真、またはスケッチとし 、皆様の団地景観に対する想いを、タイトルとメッセージで表現していただきました。
応募資格は、できる限り多くの方々に参加していただくため、団地にお住まいの方だけではなく、団地に関心のあるすべての方としました(プロの写真家や画家の方を除く)。
約4ヵ月の受付期間を経て、311名の皆様から、648作品(写真570作品、スケッチ78作品)のご応募をいただきました。
その中から、規定審査と事務局審査を通過した262作品(写真214作品、スケッチ48作品 )について、4名の有識者審査員(以下、審査員)による審査とUR職員投票により、受賞作品を選出しました。
なお、審査過程では作品の応募者名を無記名とし、写真やスケッチの内容に加え、タイトルとメッセージを含めた総合的な評価をさせていただきました。
審査員
結果発表
フォト大賞 | 1作品(全審査員による協議により選定) |
スケッチ大賞 | 1作品(全審査員による協議により選定) |
UR理事長賞 | 1作品 |
審査員特別賞 | 1作品 |
優秀賞 | 5作品(各審査員1作品、UR職員投票による最多得票1作品) |
入賞 | 15作品(UR職員投票による上位作品) |
大賞
フォト大賞
「朝日を背にランニング」
撮影場所:芦屋浜(兵庫県)
高橋 一吉さん
この団地の住人の方は健康志向の方が多く 朝日が昇る頃ランニングやウォーキングする人をたくさん見かけます
<審査員コメント 大西 みつぐ氏>
朝日を背にしていますが、同時に団地のわが家を背にして走っているだろう親子。そこにはささやかな希望と確かな愛情に支えられた暮らしが息づいています。一枚の写真でそれらを象徴するイメージとして、本来難しい条件である逆光を上手に生かし撮影されています。電線や屋根にあたる光も美しく、絵画のように豊かな色合いが印象的です。
スケッチ大賞
「全員集合」
描いた場所:若久(福岡県)
村上 綾さん
一人っ子だった私は、毎日、遊び相手を探しに団地に直行していました。他人の子どもでも悪いことをしたら叱ってくれる大人たち、泣いていれば声を掛けてくれる大人たち。団地一丸となって、子どもを見守り、育ててくれる環境。団地に存在する、現代社会で見失いかけている風景を、描きました。
<審査員コメント なかだ えり氏>
団地に住む人々への愛着や感謝が溢れていて楽しい作品です。特に人物を切り抜いて貼付けた切り絵的な表現方法は圧巻で、一人一人の人物を思い浮かべながらニコニコと制作したのではと想像します。またともすれば生活感が出過ぎる布団や洗濯物もポップでかわいらしく描かれていて好感が持てます。
UR理事長賞
「お手手つないで」
撮影場所:豊島五丁目 (東京都)
多和 裕二さん
お子さん達が朝日を受けながら、パパとママに手をひかれながら幼稚園へお見送りをしてもらっている光景です。 楽しくお話をされながらのお見送りに、思いやりと愛情に包まれているご家族を感じました
<審査員コメント UR都市機構 理事長 上西 郁夫> 住棟のピロティをカチッとした額縁のように見立てる中、明るい陽射しを受けた緑豊かなゆとりある団地環境の広がりと、そこに暮らす家族の温かさが、作者の優しい気持ちを通して捉えられています。 さりげない日常の風景が、家族にとってかけがいのない貴重な時間であると改めて気付かされました。
審査員特別賞
「春宵の鴨谷台の団地」
撮影場所:泉北鴨谷台三丁 (大阪府)
黒川 和平さん
ここは、弧を描いて建つ美しいマンション群自体に加え、附近の環境がすばらしい。団地の下を流れる甲斐田川沿いには樹齢30年の桜並木があり、例年春は花見客で賑う。桜が満開の折、ここから団地を望む風景は、正に一幅の絵見るようで心が和む思いがします。
〈審査員からのコメント 大西 みつぐ氏〉 作者は一幅の絵画を見たとおっしゃるように、無駄のない適切な構図と自然な色合いで美しい風景としてまとめられています。昨今は時として過剰な鮮鋭度を写真プリントに期待する傾向がありますが、こうした日本的な「情感」をしっとりと表現するのもいいものです。しみじみとご近所の風景を写真で愛でるというのも日々の楽しみのひとつ。
優秀賞
優秀賞(大西 みつぐ 選)
「ここで過ごした3年」

瀬川 全澄さん
- 1歳の頃の写真と同じ場所で、間もなく10歳になる娘を撮りました。娘の成長の早さには驚くばかりですが、この大きな団地は末永く多くの人の生活基盤となり、彼らの将来を見届けていくのだと思います。
さて、2歳までこの団地で過ごしていたことを娘に教えてあげると、ようやく写真の意図がわかり、びっくりしていました。 - <審査員コメント 大西 みつぐ氏>
1歳の頃の写真と同じ場所で、間もなく10歳になる娘を撮りました。娘の成長の早さには驚くばかりですが、この大きな団地は末永く多くの人の生活基盤となり、彼らの将来を見届けていくのだと思います。
さて、2歳までこの団地で過ごしていたことを娘に教えてあげると、ようやく写真の意図がわかり、びっくりしていました。
優秀賞(千葉 学 選)
「秋近し」

五十子 基さん
- うだるような暑さが一段落する夕方、ヒグラシの鳴き声を聴きながら高台に登った。頂点に着くと夕陽に染まる団地が目の前に広がった。心地よい風が吹く度、秋はもうすぐそこまで来ていると感じた。
- <審査員コメント 千葉 学氏>
ともするとありきたりな風景になってしまいそうな夕日に染まる団地の景観が、幾重にも折り重なる住棟の見事なフレーミングによって、実に詩情溢れる作品に昇華している。かつては均質化と揶揄されていた団地の風景に日常の美しさを見るその眼差しには、団地がもはや日本の原風景となっていることも感じられて感慨深い。
優秀賞(なかだ えり 選)
「花束贈呈」

岩田 二郎さん
- 恒例の団地祭には何時も出場される赤羽台西小の吹奏楽演奏は仲々素晴しく、91才の難聴の耳にも気持ちよく拝聴しました。全曲が終り指揮の先生に浴衣の女の子が花束を贈呈する場面はとても素適でした。亡くなった妻にも見せてあげたかった。
- <審査員コメント なかだ えり氏>
少し寂しさを感じる背景の中に、ほのぼのとした小さな交流が心を温かくしてくれます。そして亡き奥様を思いやるメッセージにもジーンと胸が熱くなり、思わず涙ぐんでしまいました。団地で育まれた尊い時間の積み重ね。91歳というご年齢に、ぜひ来年以降の作品も拝見したいと思います。
優秀賞(池邊 このみ 選)
「美空団地での暮らし」

神澤 力男さん
- 「行ってらっしゃい」。妻の明るい声が私の背中を押す。嬉しい朝のひと声だ。バス停に着くと、後輩の新人くんが声をかけてきた。「夫婦円満のコツは何んですか?」「昨日の口論を翌日まで引きずらないことかな」。あと「ここに住んでると、俺ひとりじゃないんだって思えて」。そんな日常生活をイメージして描いてみました。
- <審査員コメント 池邊 このみ氏>
団地の朝からの1日を、生活感あふれるイラストで綴った新しい形式のあなたの作品は、審査員全員の眼に新鮮でした。また、情景の1コマ1コマに、こまやかな生活の描写があってとても素敵です。メッセージは、円満なご夫婦の温かな気持ちが伝わり、私達まで幸せな気分になりました。
優秀賞(UR都市機構 選)
「水都夏夜の彩り」

安間 隼斗さん
- 高陽にはおばあちゃんが住んでいます。市内から少し離れているので静かです。緑がいっぱいで近くには大きな公園もあります。その公園のトンネルをくぐって遊ぶのが大好きです。
- UR都市機構の職員投票により最多得票を獲得した作品です。
入賞
「今日を想う。明日を想う。」

西原 妙さん
- 私が団地で過した十数年は、楽しい事ばかりでなく沢山の苦難もありました。それでも今も団地が好きです。朝は清々しく昼は穏やか。夜の静かな高揚感も・・。でも何より好きなのは美しい夕暮れ時です。夕飯の匂いと薄暗い建物が茜空に重なる世界で、辛かった日は終わり、明日はまた新しいものだと教えられているようでした。
「ヤギ」

山室 嘉子さん
- 昨年から、町田の山崎団地ではヤギによる除草がおこなわれています。ヤギの見える橋で住民は足を止めてながめたり、写真を撮ったり、立ち話しをしたり近くの保育園児はうれしそうにヤギに話しかけたり、のんびりと時が過ぎていきます。こうして、ヤギは除草しながら住民を癒しています。
「河口の夕景」

真次 弘さん
- 隅田川の河口からは高層ビルの綺麗な夜景が見られます。屋形船の光跡が川面に彩りを添えます。
「桜並木のある風景」

西川 千明さん
- 桜の季節はお花見が出来ます! 花を楽しむのと同時に団地横の宮川で鴨や鷺などの観察もでき、散歩が楽しめる団地です。
「自宅からの夜景」

三宅 功将さん
- 芦屋浜団地に住んで二年が経ちました。芦屋市には高層建築が他に無いので、どこからでも芦屋浜団地群を見つける事が出来ます。見る場所によって、または角度によって、色々な表情を見せてくれる芦屋浜団地は、私にとって、住む場所であり、そしてフォトジェニックな特別な存在です。自室よりの夜景。
「帰る場所」

村松 可直子さん
- 去年の夏、干潟の周りをお散歩中に撮影しました。
青空にラムサール条約登録20周年記念の黄色いハンカチが映えていて気持ちよく歩いていたところ、夏雲がまるでパークタウンに帰るように流れていました。
私自身、谷津パークタウンで幼少期を過ごしたので、とても思い出深い場所です。
「関西URの春夏秋冬絶景の庭 秋」

福田 善行さん
- 春は桜 夏の緑 秋の紅葉 冬の雪景 大阪此花区の高見URの絶景の庭園 自然と暮らしが一体となったのどかな風景 大阪阪神電車淀川駅より南へ10分歩いた所 UR事務局東1分
「朝の虹」

川上 操三郎さん
- 朝目を覚ますとカーテンが真っ赤になっていました。 火事・・・と一瞬思いましたが、カーテンを開けると真っ青な西の空にきれいな虹が出ていました。それもめったに見られない二重の虹。すぐにカメラを取り出し、広角レンズに付け替えて写しましたが、5分位で消えてしまいました。何か得した自分になりました。
「背くらべ」

稗田 恵理子さん
- 毎朝背くらべをするのが日課だった昨年夏。団地内にたくさん咲いていた大きな花がきっかけでした。図書館で調べた花の名前はアガパンサス。兄弟一緒に幼稚園に通った楽しい思い出の1ページです。
「2:30のUR住宅」

高木 政史さん
- 2時半頃、URTOYOSU住宅の前でスケッチをしていると。元気な子供達の声、UR住宅に帰る子、また明日ねと友達と別れる子、これから買い物に行くのかと思われる親子、おしゃべりをつづけるお年寄り、そんな姿を見ていると、66才の私も元気をもらいました。そしてもう少しがんばらなくちゃとスケッチをつづけました。
「幸せ感じる、日常のひととき。」

原 麻衣子さん
- 自宅のある団地の周りに広がる、草原と青空。ベビーカーに乗りながらお散歩していた息子も、今ではお友達と元気いっぱい遊んでいます。温かい陽だまりと優しく揺れる草木に包まれながら、のびのびと成長していく子供たちと過ごせるひととき。いつも幸せを感じています。
「窓から電車が見えるよ」

安間 伊吹さん
- タカノバシは商店街がありとてもにぎわっています。路面電車の大好きな僕は、毎日窓から電車が見えるこの住宅に住みたいです。
「奇跡」

中川 晃太さん
- 雨がやんだ後、たまたま自分の家のベランダを見てたら、虹が2つあった。このめったに見れない光景を世界中の人が見れたらいいなと思いました。
「日本産業モノリス」

植村 勝さん
- 西宮御前浜公園から見た摩天楼。阪神・淡路大震災を乗り越えた強靭さ、30年以上経っても色褪せないデザイン性。将来の産業文化遺産として、維持管理をして頂きたい建築群です。
「水鏡」

日野 房男さん
- 大雨の翌日の朝、広場が一面の雨水で天と地を写す、鏡のようになっていました。