環境に配慮した新たな用地管理手法(ヤギ除草)
UR都市機構が行う環境配慮の取組みを『NATURAL UR(ナチュラル・ユーアール) 』として紹介しています。
環境に配慮した新たな除草工法
※研究開発が完了し、現在は実施しておりません。
ヤギ除草とは、人が機械で草を刈る代わりに、ヤギに草を食べてもらい、きれいにするという除草工法です。 「ヤギ除草」は、草刈り機などを使用しないため、化石燃料由来のCO₂発生や機械による騒音が無く、また、刈り取った草の処分も不要となる、環境にやさしい除草工法です。 また、愛らしいヤギが身近にいることにより、お住まいの方々に癒しや安らぎを与え、地域のコミュニティの形成にも役立ちます。 さらに、急傾斜地など人が除草作業をしにくい場所をヤギが除草することで、安全面やコスト面での効果が期待できます。
UR都市機構のヤギ除草の実施方法
放牧
柵で囲った対象地にヤギを放します。
ヤギは柵の中を自由に移動して除草します。
その他に、ヤギが休む小屋や水飲みなどが必要になります。
繋牧
柵で囲った対象地に、長いロープ(遊動ロープ)の両端を地面に固定し、ヤギを短いロープ(繋留ロープ)で遊動ロープにつなぎます。 ヤギは遊動ロープに沿って除草します。 その他に、ヤギが休む小屋や水飲みなどが必要になります。
ヤギ除草についての質問
ヤギ除草は環境にやさしいうえ、身近にヤギが飼育されることで癒しの効果があり、また、お住まいの方々の会話が増えコミュニティの形成に役立ちます。 人の手による草刈りが難しい急傾斜地などでも対応できるというメリットがあります。
ヤギはおとなしい動物で、あまり鳴くことはありません。 また、群れる習性があるため、2頭以上を1 組で飼うことでヤギは安心します。 ヤギ除草ではヤギは植物だけを食べ、糞もダンゴ状で乾いているため、臭いもあまり気になりません。
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ヤギ除草ではヤギが逃げないように対象地を柵などで囲い、定期的に破損が無いかを確認します。 また、敷地の状況に応じてヤギをロープでつなぎます。 (右写真)電気柵:※ごく弱い電流が流れるもので人体への危険はありません。
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ヤギの個体差や除草する季節での変動はあるものの、ヤギによる踏み倒し効果も含め10cm 程度の高さまで除草の効果があります。 また、ヤギ除草を継続することでセイタカアワダチソウなどの大型草本植物の繁茂が抑制できます。 実験の結果、ヤギ1頭につき約4.5kg/日(乾重量※)の除草量であることが分かりました。 ※乾重量・・・水分を除いた草の重量。
ヤギ除草の実証実験を行いました。
実験結果と見学会
ヤギ除草の効果や安全性を確認するため、平成25 年9 月から11 月の期間で、UR賃貸住宅町田山崎団地(東京都町田市)でヤギ除草の実証実験を行いました。
また、見学会では近隣の保育園や幼稚園の子どもたちを招いて、環境にやさしいヤギ除草について学びました。
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ヤギ除草実証実験前
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ヤギ除草実証実験後
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見学会の様子
ヤギ除草についてアンケート調査を行いました。
町田山崎団地での実証実験に合わせて、お住まいの方々を対象にアンケート調査を行った結果、ヤギ除草に対して9割近くの方々が好感を持っていることが分かりました。
また、ご近所などとの会話が増えたという結果も出ており、地域コミュニティの形成にも役立っていることが分かりました。