街に、ルネッサンス UR都市機構

街みちネット 第23回見学・交流会「柏市における地域包括ケアシステム構築に向けた取り組み」

これまでの活動の紹介

活動議事録

講演3「柏市における地域包括ケアシステム構築に向けた取り組み」

柏市 保健福祉部 福祉政策課長 石毛 雅之 氏
はじめに
  • 本日は千葉県柏市にお越しいただきまして誠にありがとうございます。最後に行政から説明をさせていただきます。柏市豊四季台団地で取組んでいる長寿社会に向けたまちづくりは、東京大学、柏市、URの3者で進めているものですが、分かりやすくまとめた映像をはじめにご鑑賞いただきたいと思います。
紹介映像(平成26年東京大学が作成)の概要
  • 柏市は高度経済成長期に急激に都市化した大都市圏のベッドタウンで、2005年の高齢化率は15.7%だったが、団塊の世代が高齢者に入ると、急速に高齢率が高まり、2025年には25.2%に達すると推定される。とりわけ75歳以上の後期高齢者が増加する。
  • 1964年に建てられ既に高齢化率40%の高齢化最前線とも言える豊四季台団地を中心として、2009年から東京大学IOGは、柏市、URとともに長寿社会のまちづくりのモデル構築に取り組んでいる。
  • いつまでも住み慣れた地域で元気で安心して暮らすことが出来るよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスの5要素が一体となって提供される地域包括ケアシステムづくりを目指している。
  • セカンドライフ就労のモデルや移動手段の検討を進め、暮らし易い街となるようにすること。体が弱って来ても安心して自宅で暮らせるよう在宅ケアシステムを推進すること。
  • 地域の事を住民自らが考える場として豊四季台まちづくり連絡会を設け、定期的に意見交換等を行っている。
  • セカンドライフ就労の必要性のひとつは、高齢者が元気で長く暮らすために就労が良いという事。外に出て人と交わることで健康が保てる。80歳まで元気でいられるようにするのが目標。また少子化による就労人口の不足を補い、社会の支え手になってもらいたい。
  • 来る超高齢化社会に向け、持続可能な社会を築けるかが課題。高齢者が長く働ける環境づくり、社会保障改革により支え手を少しでも増やす努力が必要。
  • 外出機会(就労)と健康の関係は、外出頻度が高いほど歩行障害や認知症の発生リスクが抑えられる。
  • 近年の年代ごとの歩行速度は男女ともに約10歳若返おり、今の70歳は昔の65歳の体力があると考えられる。
  • 高齢者の就業に関するニーズでは、65歳以上で働きたいと思っている人が多い。
  • 柏市では市内在住の60歳以上の方を対象にセカンドライフ就労の研修を行った。
  • 農業や生活補助、保育、学童での講座など、リタイア層が地域で働ける場を開拓している。
  • セカンドライフ就労を円滑に推進するには、働きたい時に無理なく楽しく働けること、地域の課題解決に貢献できることがポイント。
  • 在宅医療推進に向けたポイントは、(1)在宅医療を担う医師などの増加 (2)在宅医療に対する負担を軽減するバックアップシステムの構築 (3)多職種連携の推進 (4)情報共有システムの構築 (5)市民への啓発・相談・支援
  • 在宅医療のシステムを全国に広げてゆくためには、他職種が連携できるような体制づくりや、看護がいろいろな施設や高齢者の居住の場に入っていけるような制度づくりが不可欠。行政の制度改革が必要であり、国もその方向へ動いている。
  • 心豊かな生活ができるようになってはじめて経済発展して良かったと思える社会になる。
現在取り組んでいる事業
  • 国も推奨している地域包括ケアシステムをいかに地域に根付かせていくか。何歳になっても、どのような状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最後まで続ける事が出来る、という体制を地域で整えて行くことが地域包括ケアシステムの根幹をなす考えです。そのための住まい、医療、介護、予防、生活支援等のサービスをしっかり提供して行くため、それぞれの整備を進めています。
  • 在宅医療と生きがい就労の二点を先行して進めてきましたが、現在は専門職が提供するサービスだけではなく、ちょっとした困りごとを地域で支えられるような生活支援サービスの項目も追加して取組んでいるところです。
  • 「地域支え合い体制の整備事業」とは、お隣同士で声を掛け合う、近所のなかでの地域の見守りなど、人間関係も含めての「まちづくり・地域づくり」を行い、高齢者住民同士の支えあい助け合いを可能にしていくもので、柏市が特別なわけではなく、介護保険制度の中で全国の市町村で始まっている取組みです。
  • ここ豊四季台地域でも、町会、理事会、地域のボランティア、民生委員や社協など色々な人が集まって体制を作って行こうという会議を、およそ中学校区ぐらいの圏域で、毎月1回開催しており、URにも毎回参加頂いています。サ高住「ココファン柏豊四季台」の1階に入っている訪問介護ステーションなど、地域のサービスを展開する事業者にもお声掛けして話し合いを進めています。話し合いの成果を広く住民に知ってもらうため、毎年1回お祭りを開いて発表しておりまして、自治会、町会だけでは限界がある中で、民間の事業者など色々な人を巻き込んだ地域づくりを進めています。
  • 生きがい就労(セカンドライフ)は、柏市全域の取組みとして事業を展開しております。高齢者の方にいつまでも元気に暮らしていただくため、高齢者就労以外にも社会参加という意味で、ボランティアへの参加や生涯学習など選択肢を沢山幅広く提供して取組みにつなげて行くことを、行政だけではなくシルバー人材センター、ハローワーク、ボランティア、社協等色々な人が連携して柏市生涯現役促進協議会を作って活動しています。市内の企業者を回り、高齢者雇用の啓発や求人の開拓など、事業者へのアプローチを行ったり、高齢者向け就労セミナー、体験会、見学会などを展開し、様々な出口につなげて行く事を連携体制の中でやっています。
  • 特に福祉分野では人手不足が激しく、高齢者の力を活用して専門職の負担を少し減らすかたちで高齢者就労に入ってもらう取組みに力をいれています。柏市として豊四季台地域をモデルにしながら色々なサービスを色々な人が提供する体制をどうやって作って行くか、連携する場を作ったり調整したりするのが行政の役割であると、力を入れて取り組んでいる状況です。

関連ページ

メニューを閉じる

メニューを閉じる

ページの先頭へ