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街みちネット 第18回見学・交流会「生活再建プランナー業務と多様な事業主体の連携」

これまでの活動の紹介

活動議事録

説明3「生活再建プランナー業務と多様な事業主体の連携」

青木 貞人 氏(株式会社URリンケージ 都市・居住本部 基盤整備部 基盤企画課長代理)
青木氏
東京都市計画道路補助線街路第90号線の概要
  • 「東京都市計画道路補助線街路第90号線」は東京都が進めている木密地域不燃化10年プロジェクトの内、市街地の延焼を遮断するなど整備地域の防災性の向上を図る目的で行われている特定整備路線であり、荒川区荒川一丁目から同区町屋一丁目まで、約1,200mの区間において事業を実施中です。
  • 現況幅員4m~11mの道路を25mに拡幅するもので、一部荒川七丁目付近で現道の無いところもあります。対象建物総数は約290棟で、区分所有共同住宅や借家人を除く権利者数がおよそ240名です。当路線の用地交渉は、他の路線と異なり、東京都の建設事務所ではなく東京都から委託を受けた公益財団法人の東京都道路整備保全公社が担当しています。
生活再建プランナー業務と多様な事業主体の連携
  • 当路線の周辺地区は、不燃化特区内の取組として「燃えないまちづくり」を推進している地区で、不燃化特区のコア事業として右の欄にある様々な取り組みを行っています。補助第90号線に関連するものとして、都電荒川線との間に緑道が計画されています。図の緑の破線の箇所が緑道計画部分です。このことにより、権利者の半数以上が構外移転になるため、移転先の確保が最重要課題となっています。また、密集市街地共通の課題ではありますが、先程の荒川区さんの説明にもありました様に権利者の高齢化が進んでおります。
生活再建プランナー業務と多様な事業主体の連携
生活再建プランナー業務について
  • 補助第90号線事業は平成27年2月下旬に事業認可を受け、同年8月から建物等の調査を行っており、用地交渉を担当している東京都道路整備保全公社は今年度から現地の用地担当を8名に増員して、補償金等の価格提示を開始しています。開始から半年が経過していますが、既に5件が契約済みで年内には建物の解体が終わる権利者もいると聞いています。
  • 「補助第90号線(荒川)相談所」は平成27年7月末に開設し、8月から意向調査を行いました。権利者数約240名に対し配布率約90%、その内回収できた権利者が約90%、したがって全体の約80%の権利者から回答を得ています。その結果は、右の表の通り、早期解決希望の権利者が50%以上であり、補助第90号線に関しては権利者の関心の高さがわかります。また、移転先については高齢者や小・中学生のお子さんがいらっしゃることから、近傍への移転を希望している権利者がほとんどです。
生活再建プランナー業務と多様な事業主体の連携
  • 現在進められている特定整備路線整備に係る生活再建プランナー業務について説明します。これは、これまでの東京都の道路整備の方法に加え、民間の力を借りて権利者の生活再建に係るサポートをすることにより合意形成を促進しようとする取り組みです。私どもURリンケージは東京都建設局から委託を受け相談所を運営しております。補助第90号線(荒川)相談所の他、墨田区で放射第32号線(押上)相談窓口、北区で補助第86号線(赤羽西)相談所を運営しています。相談の内容は移転・再建に関するもの、不安の解消に関するものなど幅広いものがあり、いわば「よろず相談」に対応する便利屋さん的役割が求められています。
生活再建プランナー業務と多様な事業主体の連携
荒川での生活再建プランナー業務の内容
  • 現地に相談所を開設し、不動産情報や建築に関する情報提供、残地活用相談、税務や法律に関する相談にも対応しています。また不動産情報だけではなく、高齢者の方の入所施設の情報提供なども行っております。先程ご覧いただいたときは相談所のあるマンションの外壁修繕工事のため足場が組んでありましたので見にくかったと思いますが、通常は大きな看板を設置して周知を図っています。また町屋駅近くに相談所を設けているので、買い物帰りや仕事帰りに立ち寄られる権利者もいらっしゃいます。
  • 当地区の各事業主体が一堂に会し、まちづくりの共通目標に向けた課題整理や、情報の共有を目的とする、連絡調整会議を主催しています。
生活再建プランナー業務と多様な事業主体の連携
  • 荒川相談所では、昨年の7月末に相談所を開設して以来、200件近い相談に対応しています。昨年度はおよそ8ヶ月で85件の相談件数でしたが、今年度は具体的な補償交渉が始まったこともあり、半年で123件の相談がありました。その内容は補償に関するものが一番多く、続いて残地での建て替えや移転先についての相談が多くなっています。先程ご説明いたしました緑道の計画による構外移転が半数以上という事もあり、今後交渉が進むにつれて移転先についての相談が増加すると考えています。
  • また、権利者の要望により解体業者や引っ越し業者の紹介、あるいは遺産相続の手続き等を行うために司法書士等の紹介なども行っております。最近では、高齢化が進んでいるということもあり、荷物の整理屋さんやリサイクル業者を探してほしいという要望も出てきております。
生活再建プランナー業務と多様な事業主体の連携
多様な事業主体の連携
  • 当地区では、補助第90号線の事業主体である東京都建設局用地部、用地交渉の主体となっている東京都道路整備保全公社、不燃化特区助成制度等をはじめとする各種密集市街地整備改善施策を実施している荒川区及び不燃化特区内で木密エリア不燃化促進事業等を行っているUR都市機構など、関係する事業主体による情報の共有化などを目的に連絡調整会議を年2回開催し、必要に応じて分科会を行っています。東京都道路整備保全公社とは月1回程度の頻度で、意見交換会を開催し、各権利者の用地交渉の進捗や意向等、情報の共有化を図っています。また、荒川区の関連部署等とも情報共有し、その情報を公社とも共有するなど連携を強化して取り組んでいます。
生活再建プランナー業務と多様な事業主体の連携
  • そのほか、UR都市機構や民間事業者との連携など、多様な主体による密集市街地整備を実現するための環境作りに力を入れています。
  • 具体的には、東京都の残地取得要件に該当しないような残地をUR都市機構に取得してもらい、隣接者に特定譲渡をするという実績が、放射第32号線ではありました。本路線でも今後こういったケースが発生した場合には検討していくこととしています。
  • また、UR都市機構が不燃化促進用地として取得した不燃化特区内の土地についても、補助第90号線権利者の代替地として活用できるよう、東京都、荒川区及びUR都市機構で協議を進めているところです。今後東京都の用地取得が進んで行けば、ハウスメーカー等と土地建物の売却相談等について連携をしていきたいと考えております。また地元の宅建協会の会員の不動産業者や全日本不動産協会の会員の事業者さんとも連携して物件情報を収集し、権利者の移転先の紹介等を行っています。このように各事業主体および民間事業者と連携し、権利者の生活再建のサポートに取り組んでおります。
生活再建プランナー業務と多様な事業主体の連携

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