街に、ルネッサンス UR都市機構

街みちネット 第4回見学・交流会「まちの活性化につながるまちづくりの取組み」

これまでの活動の紹介

活動議事録

まちの活性化につながるまちづくりの取組み
地域で取り組む防災

佐原氏
  • 昔、向島のある場所は海だったが、利根川と荒川が合流する場所で、泥が厚くたまって、だんだん陸地が広がってきた。向島の地面の下は軟弱地盤になっている。
  • 200年前の向島の絵図を見ると、多くの神社仏閣が描かれている。向島は江戸を消費地とした農業地でもあった。墨堤の桜や亀戸の梅屋敷を目的に、隅田川の水運によって多くの人が訪れ、向島に新梅屋敷と呼ばれた百花園が作られた。向島は江戸庶民の行楽の場所となり、大名の下屋敷や商人の別荘などがたくさん作られた。明治の初期にもこのような傾向は変わらず、向島は行楽地だった。
  • 明治時代後半になると、水運を利用して、鐘ヶ淵紡績などの大きな工場ができた。しかし荒川の洪水が問題だったため、荒川放水路が計画され、19年に渡って工事が行われた。(1911~1930)荒川放水路の完成で、水害はほとんどなくなり、新しい工場やその下請け、そして商店も増え、田畑に家を建て、多くの人が移り住んできた。
  • 大正12年(1923)の関東大震災では、向島地域は、南部の本所地域に比べ被害は少なかった。大震災後、本所地区では震災復興事業で区画整理がされ、街区が整備されたが、向島地域では水戸街道や明治通などの大通りの整備にとどまった。本所地区の区画整理で立ち退きを受けた住民は、比較的土地があった向島地区に移り住み、向島のまちは、工業のまちとして活発に発展した。
  • 昭和20年(1945)、東京大空襲により向島のまちはほとんどが焼け出され、百花園も焼夷弾の直撃を受けた
  • 戦後、向島のまちは、戦災復興の景気を受け、町工場のまちとして復活したが、同時に排煙や排水が垂れ流しの、公害のまちとなってきた。
  • 昭和39年(1964)の東京オリンピック開催あたりから、区内の水路を埋め立て、街路を整え、路地を拡幅してきた。
  • 昭和40年代となり、公害を減らす目的で、大きな工場の区外移転がはじまり、その跡地には団地が作られていった。しかし、それらの工場から仕事をもらっていた町工場の多くは、移転もできず厳しい経営を余儀なくされた。
  • 現在でも向島地区には多くの町工場があるが、高度な技術力を持つ反面、経営が厳しく、後継者が少なくなってきている。他にも、伝統工芸の作業や作品を見学できる、「工房ショップ」や「小さな博物館」がある。区内にはこれらの工房などの他にも、マイスターと呼ばれる職人が沢山仕事をしている。このようなものづくりのまちの真ん中に第二東京タワーが建つ。
一言会の活動について
  • 「一寺言問を防災のまちにする会」通称「一言会」は一寺言問地区(約7ha、人口12,000人弱)を対象に6つの町会と地元組織であるわいわい会とで結成された。
  • まちの特性とまちづくりの考え方は以下の通り。
路地と木造住宅が多く、被災時に危険が多い。
  • 不燃化、災害路の拡幅、耐震強化が必要。
借地や貸し家、アパートなどが多く、権利が輻輳
  • スラムクリアランスではなく修復型まちづくりで進める必要がある。
町工場や商店などが多く、専用住宅の中に混在。
  • 職住分離型のまちづくりを見直し、昼間人口を保つまちづくりを進める必要がある。
定住意識が高く、近隣との交流も豊か。
  • 被災時における保険となる。
  • 一言会のまちづくりの方針は「孫子に誇れるまちづくり」。きれいに作られたものは信用しない。
  • 一言会の活動の主な成果は路地尊や集会所の整備である。また、「防災まちづくり瓦版」を発行している。2007年には復興模擬訓練での話題から、中学生に防災訓練に参加してもらうため、「防災教育チャレンジプラン」に参加し、「向島地域防災マップ」を作成した。
  • 一言会の活動の約束は以下の通り。
     ・カタカナ言葉、専門用語は使わない。
     ・誰でも参加できるように名前を付けてイメージを持つことから物づくりをはじめる。
     ・専門分野は専門家など連携し、パートナーシップと役割分担をしながら活動する。
     ・まちづくりは開発業者のものでも行政のものでもなく住民のもの。住民のプライドと愛着、地域の歴史を大切にする。密集は負の遺産ではなく富の遺産である。
  • まちづくりの問題として、耐震検査を悪用した地主や家主さんによる不適格家屋からの追い出し、まちの発展を理由にした底地買いがある。第二東京タワー整備にかこつけたものも多い。
  • 条例等のまちづくりの最終手法が地区計画というのは問題である。

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