街に、ルネッサンス UR都市機構

街みちネット 第4回見学・交流会「向島地区におけるまちづくり計画策定担い手支援事業について」

これまでの活動の紹介

活動議事録

向島地区におけるまちづくり計画策定担い手支援事業について
向島地区について

(株)象地域設計:野田氏
  • 1969年の江東再開発基本構想から向島地区でのまちづくりは始まった。
  • 向島界隈には一寺言問地区や京島2・3丁目地区が含まれる。
  • 水戸街道、地蔵坂、鳩の街の三商店街があり、内部は住工混在地区である。京島地区と比べても必ずしも建替えが起こっていない地区ではない。
  • 1975年からの30年間で人口減少、高齢化が進んでいる。
  • 商店街沿いに空き家、空き店舗が見られる。
まちづくり計画策定担い手支援事業について
  • まちづくり計画策定担い手支援事業とは住民が都市計画提案できる「都市計画提案制度」を用いたまちづくり計画(地区計画)素案を策定するために掛かるコンサル費用を2年間助成する国土交通省の事業である。向島学会が京島地区、東向島地区の二地区を事業採択し、象地域設計では平成20年度に東向島地区の二年目の単年度業務を向島学会から受託した。
  • 進め方のポイントとしては、地区計画ありきではなく、地元要望に則った「まちづくり計画」としてまとめたことと、地域協働の進め方を徹底するため、一言会を協議のベースにしたことである。
  • 30年間の土地利用の変化や建物更新、開発動向などを調査し、下記のまちの将来に向けたテーマを定め、それに向けての計画案の整理を行った。
    (1)一時集合場所までの避難をより安全に
    (2)中、大規模建物がまちに溶け込むために
    (3)多世代が住み続けられるように
    (4)新たな集い、賑わいが生まれるように
  • 月一回の勉強会を通して、まちの現況や課題の整理を行った。その中で、複数の避難路の必要性(最近の建物は隣地境界に塀を設けるため避難路が確保できない)、ミニ戸建の問題(延焼しやすい建物の再生産である)、建替えの問題(2項道路沿いではセットバックにより生活スペース、担保としての土地面積が減ることへの不安から、確認申請を要しない改修工事を行う建築物、もしくは違反建築物が多い)などの意見が出た。
  • 事業の成果としては、まちの将来へ向けたテーマについて、地元機運が盛り上がっており、今年度(2009年度)はテーマを実施に移したり、モデル整備を行う予定で、既に始動し始めている。また、「まちづくり懇談会」が定例化されたり、一言会が会費制となって体制が再整備されたりと、地域の継続的・自立的な協議ベースが整備された。
  • まちづくり市民事業への発展に向けて、
    (1)多様な情報収集のため向島学会以外の団体の活動との連携
    (2)多様なアンテナを持つ人々との情報交換と蓄積のためのプラットフォーム・ネットワーク強化
    (3)専門家・地域住民それぞれの目的が達成でき高めあうための各々の組織の連携と役割分担
    を目指している。
  • 他団体との連携、役割分担に向けて、現在、NPOさわやかネットによるキラキラ橘商店街における福祉喫茶設立・運営に際する向島学会との連携、東京文化発信プロジェクトと連携した一言会による小学生対象の防災教育ワークショップ(イザ!カエルキャラバン)の開催などの活動を行っている。イザ!カエルキャラバンは、子供たちがいらなくなったおもちゃを持ち寄り、ポイントに換えて新しいおもちゃに交換できる仕組みで、防災ワークショップに参加してもらうため、参加するとポイントがもらえるという工夫もしている。

会場の様子

閉会の挨拶

NPO玉川まちづくりハウス:林氏
  • この地区での空き家の活用の例は、 建物の活かし方のチャンネル料というのか、新しい仕事のコミュニティビジネスの始まりになるかもしれない。
  • 地区計画制度はまちづくり条例の最終目標になっているが時代にそぐわなくなってきている。今都市計画制度を新しく見直す必要があるという話があるが、専門家は専門家同士で話をするので抜本的な改革は難しい。都市計画は90年代から抜本改革と称するものは本当にわずかで、世の中から遅れてきている。結局、まちづくり計画策定担い手支援事業の話であったように、違うことを考えないとうまくいかない。 まちづくりが変わってきており、せっかくこれだけ調査して色々なことが見えてきているので、それに即した仕組みを作るということを、例えば特別地区に認定してもらうなどしてやったらいいのでは。ローカルルールだがそれなりに役に立つ、実際にその地区を活かしていくというのが本当に一番重要なまちづくりである。それには中心となる地元のキーパーソンがいるといい。
  • その地域の人にとって(外から入ってくる人も含めて)意義のある試みを少しずつ、現場で出会ったり見つけ出したりしたものを、情報交換をしながら考えて、議論していった方が21世紀的な道に進めるのではないかと思う。

関連リンク

関連ページ

メニューを閉じる

メニューを閉じる

ページの先頭へ