ASCN a collection of good practices
はじめに
近年開発が進むICTをはじめとした先端技術は、都市の構造、あり方、人の価値観に大きな変化をもたらすとともに、都市の諸課題を解決し、持続可能な都市の実現に大きく寄与する可能性を秘めています。このため、こうした先端技術を活用することで都市の諸課題解決を図るスマートシティの取組みが現在世界的に進められています。
ASEANにおいても、2018年にASEANスマートシティネットワーク(ASCN)が設立され、スマートシティ開発を促進するための強力なプラットフォームができました。日本もまた、スマートシティの実現に向けて取組みを進めており、ASEANと日本が協力することで、スマートシティの取組みを一層効果的に推進することが可能になります。
これまで日本は、時代とともに変わる都市における社会課題に対して、新しい技術や制度を導入することや既存の技術、制度を効果的に活用することにより、持続可能なまちを創りあげてきました。その日本の経験や技術を共有することで、ASEANの進めるスマートシティ構築を日本は支援することができると信じています。
また、今回のハイレベル会合の実施機関である独立行政法人都市再生機構(UR)は、郊外の大規模都市開発、中心市街地の活性化に向けた再開発などの日本の都市開発において、特にユニークな役割を果たしてきました。その経験を活かして、我々URもASEANの皆様のスマートシティの取組みを今後支援していけると確信しております。
URの取組み
スマートシティの先進事例
ASCN26都市の現状と取組み
まとめ -スマートシティ構築に向けて-
ASCNの各都市において、スマートシティ構築に向けたプロジェクトが既に開始されています。スマートで持続可能で活力ある社会を構築するというASCNの野心的なビジョンは、加盟都市とその政府の取組みにより、実現に向けて前進を続けています。日本はこうしたASCNの取組みを支援する用意を整えています。都市の課題の解決に向けては、新しい技術の導入のみならず、それに対応する強力なリーダーシップ、行政・企業・市民の連携、法制度の創造的な利用など、多様な要素が不可欠になります。ASCNの取組みを進めていく上で、日本がこれまでどのように都市の課題を解決したのか、また世界においてはどのような取組みが進められているのかを示すこの冊子は、ASCNの取組みを進めていく上で、参考になるものだと信じています。我々は優れた取組みを共有することで、さらに前に進むことができるのであり、そこには無限の可能性があります。ASCNとそのパートナーがさらに協力を深めていくことが、ASCNの成功を確かなものにするでしょう。