南新地土地区画整理事業(熊本県荒尾市)

Project Data
- 所在地
- 熊本県荒尾市
- 区域面積
- 約34.5ha
- 事業手法
- 土地区画整理事業
- 施行者
- 荒尾市(UR技術支援)
プロジェクト概要
荒尾市は熊本県の最北端に位置する有明海に面した人口約5万人の都市です。当地区は荒尾市の北西部に位置し、旧荒尾競馬場の跡地と既存住宅地等を含む面積約35haの地区です。
UR都市機構は、競馬場跡地を含む大規模遊休地の活用検討及び当地区での土地区画整理事業の受託支援のほか、JR荒尾駅周辺の中心拠点化を見据えたコーディネート支援をパッケージで支援しています。
位置図
区域図沿革
- 平成23年
-
荒尾競馬場の廃止を表明
- 平成24年
-
荒尾競馬場跡地の活用検討
荒尾市から競馬場跡地活用検討等の協力依頼 - 平成25年
-
URがコーディネートを開始
- 平成26年
-
荒尾市域における都市再興に向けたまちづくり基本協定締結
・立地適正化計画の策定支援
・土地区画整理事業の事業化検討支援 - 平成28年
-
土地区画整理事業に係る事業推進等の基本協定締結
URの役割
プロジェクト初期段階からのコーディネート
⇒競馬場跡地周辺の活用検討支援
⇒立地適正化計画の策定支援
地方公共団体によるリーディング事業の
実行支援
⇒施行者である市と適切な役割分担を図り、土地区画
整理事業の一部を受託
基盤整備だけではなく、賑わい創出等も
含めた一体的なまちづくり
⇒都市再生整備計画の策定支援
⇒社会実験の実施支援
⇒駅周辺での継続的な活動を目的とした組織づくりの
支援
荒尾市の歴史
荒尾市は、かつて三井三池炭鉱の拠点の1つとして栄えた「石炭のまち」として、日本の近代化を支えてきた歴史があります。
荒尾駅周辺には、昭和3年から続く荒尾競馬場があり、炭鉱の成長による地域経済の発展と共に活況を呈し、市のシンボル的な存在として親しまれていました。しかし、レジャー産業の多様化や炭鉱閉山などにより徐々に売上が減少し、平成24年に荒尾競馬場は閉場となりました。
厩舎団地
レースの様子
馬場※ゴール地点に設置されていたモニュメントは、跡地に整備された場外馬券場に移設されています。
プロジェクトの経緯
荒尾市は、競馬場跡地を含む土地(南新地地区)の活用を検討する中で、活用検討や整備手法の検討についてURへ協力を要請し、平成25年7月からURによる支援が開始されました。市はUR支援のもと、平成28年度に「コンパクトプラスネットワーク」の方針を定める立地適正化計画を策定し、2つの中心拠点に都市機能を集約する都市づくりを行うこととしました。
当計画に基づき、市は中心拠点の1つである荒尾駅周辺地区においてリーディング事業となる「南新地土地区画整理事業」を市施行・UR受託で実施しました。
土地区画整理事業におけるURの役割
荒尾市が土地区画整理事業を施行するにあたり、人員の確保が必要となったことを受け、URは事業受託により推進体制を支援してきました。URは、全国で携わった土地区画整理事業の経験を生かし、実現性の高い事業展開の提案や進捗管理を行いました。
跡地には約150名の地権者が存在しており、地権者ごとに土地利用の意向は様々でした。そこでURは、地権者に土地利用意向調査を行い、「つかう」「売る」「貸す」の意向に合わせた任意の申出換地の実施を提案し、地権者の合意形成を円滑化を図りました。
権利者の皆さまのご協力と市とURとの適切な役割分担及び連携により、目標スケジュールに沿った円滑かつ着実な事業推進が実現でき、令和7年7月に換地計画認可、同年10月31日付で換地処分公告を迎えました。
新しいまち「あらお海陽スマートタウン」
約9年にわたる土地区画整理事業が完了し、現在は心豊かに健康で快適に過ごせる環境づくりを目指す“ウェルネス”をコンセプトにしたまち「あらお海陽スマートタウン」として新しいまちづくりが進められており、大型スーパーや道の駅、保健・福祉・子育て支援施設などが整備されています。
スマートタウンでは、立地事業者からの負担金をもとにエリアマネジメント活動を実施する荒尾版BID(Business Improvement District:ビジネス活性化地区)を目指しています。
都市再生整備計画の策定
荒尾市では、荒尾駅と「あらお海陽スマートタウン(南新地地区)」をつなぐ回遊性の向上を軸に、まちなかの魅力と活力を高めるため、令和5年3月に「都市再生整備計画」を策定しました。本計画では、駅周辺と新たなまちづくりエリアを一体的に捉え、市民・来訪者が心地よく歩き回れる都市空間の形成を目指しています。
この取り組みにおいて、URは都市再生整備計画の策定や、荒尾駅前の再編に向けたワークショップ運営・構想検討のコーディネート支援を実施し、多様な主体が参画するまちづくりプロセスを後押ししています。
さらに、URの専門家派遣制度を活用し、市駅舎改修に関する検討に際して、中央大学の都築教授より専門的な助言を受け、より実効性と持続性のある計画づくりを進めています。
市民ワークショップの開催
荒尾駅周辺エリアの将来像を市民の皆さまと共に考えるため、ワークショップを開催しました。
ワークショップでは、荒尾駅がこれからどんな姿になってほしいか、駅からまちなかへどのように回遊しやすくなると良いかなど、多様な視点から意見やアイデアをいただき、URは事務局としてワークショップの運営や意見のとりまとめなどの支援を行いました。
いただいたご意見は、都市再生整備計画の検討に加え、駅舎改修や駅前広場の利活用イメージの具体化にも反映しています。



荒尾駅周辺の動き
市民ワークショップで得た駅周辺のまちづくりの方向性を踏まえ、市や駅関係者や地域プレイヤーなどと「えきまち研究会」を立ち上げました。
ワークショップや研究会にて駅前で望まれる活動などの方向性が確認できたため、活動の創出・仕組みづくりと施設の整備について検証するための社会実験を実施しました。
URは社会実験にて調査項目・方法の提案や結果の整理、分析を行いました。
※詳細につきましては下記リンク先よりご覧ください。
それらの取り組みに加えて、空き家を活用した新たな動きが広がっています。地域に残る空き家をリノベーションし、新たな店舗や交流の場として再生することで、駅前エリアの新しい魅力と活気が生まれつつあります。
令和6年度荒尾駅前社会実験の様子
令和7年度荒尾駅前社会実験の様子
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