全国団地景観サミット2010
UR賃貸住宅「団地景観フォト&スケッチコンテスト」 結果発表
募集テーマ 「人のふれあい、彩りある風景」
UR賃貸住宅の団地は、全国に1700団地以上あります。その立地や規模、建設年代は様々ですが、それぞれの団地が、緑豊かな住環境や、団地を舞台にしたいきいきとした生活シーンなど、独自の魅力ある景観を育んでいます。
全国の美しい「団地景観」が、一同に会することを「サミット」になぞらえた「全国団地景観サミット」は、2008年の第1回開催から、今年で3回目を迎えることができました。
2010年は、「人のふれあい、彩りある風景」をテーマに《UR賃貸住宅 団地景観フォト&スケッチコンテスト》を開催いたしました。
約2ヵ月の募集期間を経て、応募者数484名、686作品(フォト565作品/スケッチ121作品)のご応募をいただきました。
その中から、4名の有識者審査員(以下、審査員)による審査とUR職員投票によリ、フォト・スケッチそれぞれの作品を対象として、受賞作品を選出しました。
なお、審査過程では作品の応募者名を無記名とし、写真やスケッチの内容に加え、タイトルとメッセージを含めた総合的な評価をさせていただきました。
審査員
結果発表
部門共通 | フォト大賞 | 1作品 |
団地×コミュニティ部門 | 最優秀賞 | 1作品 |
団地×コミュニティ部門 | 優秀賞 | 2作品 |
団地×ランドスケープ部門 | 最優秀賞 | 1作品 |
団地×ランドスケープ部門 | 優秀賞 | 3作品 |
スケッチ大賞 | 1作品 |
優秀賞 | 2作品 |
審査員賞 | 4作品 |
キッズ賞 | 4作品 |
UR賞 | 9作品 |
メッセージ賞 | 10作品 |
カレンダー賞 | 13作品 |
入選 | 9作品 |
大賞
フォト大賞
「ふるさと」
撮影場所:平城第二(奈良県)
佐藤 勝紀さん
盆踊りの輪が広がる大きな惑星群から少し離れた暗闇にぽっかりと浮かんだ小宇宙の明かり。詩的な風情を感じさせる濃密な空間は毎年ここに現れる。いつもの顔ぶれがいるいつもの場所なのに、いつもとちがうように感じる。お祭りの本質が根付いているこの団地はふるさとの貫禄十分である。
<審査員コメント 大西みつぐ氏>
カメラのストロボ光に頼らず、小宇宙(縁日)の明かりのみに浮かんだ夏祭りの団地のパースペクティブが美しい。人々が自然に重なり、まさに「ふるさと」がここに生れている。ズームレンズの広角域で撮られたのだろうか、広がりを充分に感じさせ、コミュニティの未来を明るく暗示させてくれる。
スケッチ大賞
「初夏の昼下り」
描いた場所:吉川(埼玉県)
小沢 節子さん
母が逝ってから私の寂しさを二三分の所に娘家族が住んでいることがどれだけ癒してくれてるでせう。毎週水曜日はお昼を一緒にとってます。おしゃべりをしながら私の手料理を食べさせる楽しさ又娘が作ったものを食べる幸せ。ベランダで娘が出かけるところにぶつかる偶然にもままありました。行ってらっしゃい。理想的な生活環境。
<審査員コメント なかだえり氏>
悲しいこともあったかもしれないが、それを家族や団地内の人とともにのり越えた明るく幸せな生活が絵からも文からも感じられる。3代に渡る長い時間を包み込んできた団地。高齢化社会の中で、明るい一筋の光のような絵だと思う。
フォト 最優秀賞・優秀賞
団地×コミュニティ部門 最優秀賞
「団地の子供たち」
撮影場所:辻堂(神奈川県)
浅井 誠章さん
夏休み、団地で遊んでいた子供たちにお願いして撮らせてもらった一枚。同じ団地の子たちという彼らは笑顔いっぱい!とても楽しく夏休みを過ごせているようでした。きっとこの夏もたくさんのいい思い出を団地の仲間たちとつくったことでしょう。この絆をずっと大事にしてほしいです。
<審査員コメント>
大西みつぐ氏
選者もまた同じような団地に暮らした経験がある。狭い階段ながら、そこで行き交う人々とのふれあいが楽しかった。この子供たちもそれを象徴するかのように、笑顔でこちらを見ているのが印象的である。手前に置かれた物たちも画面上で効果的な役割となっている。
藤本壮介氏
古い団地のひび割れた階段を、あたかも彼らの基地であるかのように、身体化して遊んでいる子供たちのたくましさをさわやかに写し取っている。子供にとっては全てがリアルであり、生きている、ということを実感させられる。
団地×ランドスケープ部門 最優秀賞
「春の嵐の後で」
撮影場所:新山下ベイシティ(神奈川県)
黒坂 拓さん
この日、テレビのニュースでは春の嵐の影響で交通機関がマヒしたニュースを盛んに報じていました。同じ頃、新山下周辺では雲の合間から太陽の光が射しこみ、嵐が収束に向かっていることを静かに伝えていました。幸い、山手見晴らし公園の桜はほとんど散ることが無く、その後も私たち住民の目を楽しませてくれました。
〈審査員からのコメント 池邊このみ氏〉
春の嵐の後の桜のつぼみを思う気持ちが、雲の間からさしこむ、やわらかな光に輝らされた桜と一緒になって、幽玄な世界として表現された美しい写真です。背景となる団地群との構図がとてもよいと思います。
団地×コミュニティ部門 優秀賞
「楽しいひととき」
- 保育所の子ども達が、“まるまる公園使わせて下さい”と、自治会事務所に必ずあいさつにきます。この日は、年長さんがお弁当も食べて、楽しい一時を過ごしていましたところを、私が写させていただきました。
団地×コミュニティ部門 優秀賞
「夕やけぐも」
- へやの中から外をみていたら夕やけぐもがきれいにそまっていてベランダに出てカメラのシャッターを「パチリ」。きれいにとれたのでおうぼしてみました。
スケッチ 優秀賞
「永い年月おつかれ様でした(桜より)」
- はからずも事業区域に選ばれてしまったここの棟。私は幸いに継続区域ですので助かりましたが、この夏メッシュをかぶっての生活になります。台風、大雨にも負けず、しっかり永い年月立ち続けてくれて本当にありがとうとお礼を言いたい気持ちです。後は何が出来るのか楽しみに、私も心臓病をかかえて少しでも永生きしたいです。
- 〈審査員からのコメント 藤本壮介氏〉
画面の大半をしめる生き生きとした桜と、取りこわされゆく団地。生きつづけるものと、去り、生まれかわるものの対比と共存が、おだやかで味わい深いタッチで描かれていて感動的。切ないがしかし希望にあふれた一枚。
「聖夜に・・・。」
- 子供の笑い声、風呂からの匂い、窓から漏れる明かり・・。団地にはそんな人の温かみがギュット凝縮されているように私は思います。12月24日、イブの夜。街もお店もどこもかしこもキラキラして、幸せがあちこちに溢れているようなそんな特別な日。彼もクリスマスイブの夜に光る幸福な笑顔の1つになれますように・・。
- 〈審査員からのコメント〉
大西みつぐ氏
メルヘンチックな作品であり、作者の体験なのか願望なのか、どちらにせよ夢がある。足跡、彼の左手にあるクリスマスプレゼント、自転車…。どれも細かなリアリティとともに聖夜のイメージを豊かに表現している。淡いタッチの画風も派手さはないが好感をもてるものがある。
池邊このみ氏
そのままクリスマスカードになるような物語を感じさせる心暖まる作品です。雪の降ったイブの夜、自転車を降りて歩いてくる彼の足跡が雪に残っている。彼の後ろ手にはプレゼント。団地の新たな一面をみるような新鮮な団地景観の発見でした。
フォト&スケッチ 特別賞
審査員賞
「昔よき時代」
- 珍しく木登りする子がいる。自然とふれあう団地の中で、ふれあう子供たち、昔私たちもよく目の前の大きな木があれば上って、世間を見た物だ。
「並木道」
- 秋には木の葉が色づき、冬には落葉した木々の間からやわらかい陽射しがそそぎ、そして夏、鮮やかな青葉で涼しげな木陰を与えてくれる癒しのある並木道。こんな風景も団地の魅力なのかも知れない。
キッズ賞
キッズ大賞「セミ団地」
- どこにでも負けないぐらいのセミの数。ふつうは、5~6ピキ。でもここの団地は10~20。はしからはしまでセミずくし。自まんのセミの木です。
- 〈審査員からのコメント〉
大西みつぐ氏
今年の暑い夏を思い出させるかのごとく画面いっぱいにセミがその存在感を見せているのが面白い。そしてそれらと同等に団地の各階が並んでいる。こうした環境にやさしく育くまれて作者も大人になっていくのだろう。大胆な構図で元気な表現で、絵を見るこちらも明るい気持ちになってくる。
藤本壮介氏
この想像力には打ちのめされた。画面の中の巨大なセミと小さな団地の共存。様々な生きものが暮らす団地の本質を、ユーモラスに、そして鮮やかに描き出した傑作。
なかだえり氏
子どもならではのダイレクトな感情がイキイキした作品。大人になるとこうは描けないな…と刺激をもらいました。
池邊このみ氏
どこにも負けないセミの数!団地から聞こえてくるうるさいほどのセミの鳴き声が思い出されます。リアルで大きなセミの姿と、各階異なる色にぬられた団地、とても素晴らしい作品です。
キッズ賞「レンタマ公園」
- この公園は、2008年10月23日にできました。私の誕生日と同じ日にできたので私は大のお気に入りです。この公園ができる前までは、すべり台とすな場しかありませんでした。その後、すべり台はなくなったけど、ブランコとたまごのようなものができました。レンコンみたいな穴があるので「レンタマ」とよんでいます。
UR賞
「団地の春」
- 私の友達がこの洛西ニュータウンに住んでいますが、毎年行なわれる「ニュータウン桜まつり」を大変楽しみにしています。と言うのも、この桜まつりをきっかけに、団地の皆んなと大変親しくなったと言っていました。これでは、今話題の高齢者の不明者は、発生しないと思います。
「ガンバレ!神戸新長田」
- 新長田地区は、震災の被害も大きく15年経った今でも、施設・建物等の復旧は終わっているが、人出や売り上げ等は、震災以前の水準まで戻っていないとのこと。鉄人がエールを送っている姿に見立てました。
緑燃える陽春の団地内遊歩道

大久保 三男さん
- 桜花散り、春たけなわの小平団地遊歩道、西日を浴びて﨔の青葉、若葉と光陰が織りなす緑のトンネル、散策する住み人の心も和み、行き交う人々の話は弾む。老木の苔むした樹肌や節くれ立った根元は星霜の年輪を刻み、木漏れ日は棟壁に妙なる樹影を描く。のどかな陽春休日の団地内、三街区中央遊歩道、中程から南方を描く。
メッセージ賞
「家族写真」
- 夫と息子と私、3人でピクニックをし、帰り道に夫が撮影した1枚です。息子と私の後ろから暖かい目で見守ってくれている夫の姿が見えるようです。写真に夫は写っていませんが、夫の姿を感じることができる「家族写真」です。
「ここで、大きく育つ」
- 一戸建てに育ってきた私が結婚を機に団地生活。男の子が生まれた時、実家と違って大きな鯉のぼりをあげてあげることができないことがとても残念な気がしました。でも子どもはそんなことを気にすることなく元気に育っています。日々過ごす環境の温かさを感じながら、鯉のぼりを団地の公園であげました。大きく大きく育って!
「大好きな道程(みちのり)」
- 妻と私とこの緑道が大好きで城山台二丁団地に住むのを決めました。
この、家を出てから公園に向かうまでの道程は、子どもも1歳を過ぎた頃から覚えていて、家族3人が大好きな道程です!!
「お~と UR住宅へホームラン予告だ。」
- 町内野球の時、UR住宅方向に、ホームラン予告した姿を絵にしてみました。
入賞
「花火鑑賞」
- 毎年8月の第1土曜日。通りを挟んだ製紙工場の先の河原で打上げられ、空一面を彩る大輪の華。中庭の芝生に敷物を広げて、今宵は子供も大人も家族もご近所さんも皆一緒に、真夏の夜空に繰広げられるダイナミックなショーに陶酔します。
今年もこの団地で一番暑い夏の夜の始まりです!
「防災訓練」
- URの団地4棟を含む校区防災訓練があった。この日は400人程の校区の住民が集まった。避難場所となった中学校の校庭では地震や煙の体験、救急方の説明等が行われた。その後団地から火がでたという想定で消防団による消火訓練、更に防災ヘリも出動し、屋上に避難した人を救出するということも行われた。海から見える住まい
「水鏡」
- サンヴァリエ団地内の一角に小さな池があり、夏にはトンボや昆虫類が棲息し、冬には鴨などが訪れて、子育てをする姿などが見られる。静かな池の水面に、団地の影をおとした秋の風景です。