街に、ルネッサンス UR都市機構

街みちネット 第23回見学・交流会「豊四季台プロジェクトについて」

これまでの活動の紹介

活動議事録

講演1「豊四季台プロジェクトについて」

UR都市機構 東日本賃貸住宅本部 ストック事業推進部 業務第4課 主幹 高橋 佐代子 氏
豊四季台団地の概要
  • 豊四季台団地は、都心から直線距離で約25kmの柏市に位置しています。柏市は、千葉県の北西部に位置し、東京都心へのアクセスがよいことなどから交通の要衝として、古くから住宅地開発が進み都市化されたいわゆる「ベットタウン」です。
  • 豊四季台団地は柏駅の西方約1kmに立地しています。柏駅からは団地を循環するバス(青い点線のコース)が10分おき位に運行しており、徒歩でも柏駅まで12~20分程度と大変便利な場所に位置する団地です。
豊四季台プロジェクトについて
  • こちらは建て替え前の豊四季台団地の状況です。前回の東京オリンピックが開催されました1964年(昭和39年)に完成した総戸数4,666戸の大規模な団地で、UR都市機構により2004(平成16年)から建替え事業を行っております。
  • ご覧の通り、建替え前は全て5階建でEVなしの住棟が並び、間取りは26m2の1DKタイプから56m2の3DKタイプまであり、その内約半分が45m2の3Kタイプです。
  • 施設は、スーパーや個人店舗、診療所、郵便局、幼稚園等がありまして、現在もこれらの施設は新しい建物に移転して営業中です。古くから郊外の団地の中では比較的活気のある商店街でした。
豊四季台プロジェクトについて
柏市豊四季台地域高齢社会総合研究会の発足
  • 当団地の再生事業と併せて、URでは、東京大学IOG、柏市との三者で2009年(平成21年)に柏市豊四季台地域高齢社会総合研究会を発足し、この豊四季台団地とその周辺地域において「いつまでもいきいきと活躍できる」そして「療養や支援が必要になってもすみなれた地域でいつまでも暮らすことができる」ためのまちづくりをハードとソフトの両面で取り組むための、豊四季台プロジェクトの取組みを開始することとなりました。
  • 当時の柏市全体の高齢化率は20%程度でしたが、豊四季台団地周辺に地域を限ると40%を超えていました。また柏市では、今後も高齢化が急速に進み、特に75歳以上の高齢者の急増を控え、高齢化への対応が急務となっていました。
  • また東京大学においても、2009年(平成21年)当初にキャンパスが柏に移転したことと併せて、高齢社会に向けたシステム・技術の研究開発と世界への発信をしていくというビジョンがあったこと、URにおいても、建替えの次期を迎えていた団地で、再生を行う際に、高齢化社会を迎えるにあたっての団地のあり方を検証してきたいという思いから、三者の意向が合致し、当初既に高齢化率が40%を超えていたこの豊四季台団地とその周辺をモデルこの地域をモデルに様々な取組みを展開してきたところです。
  • 平成21年に三者で当初5年間の協定を結び、5年後の平成27年に生活支援や介護予防の項目を追加してさらに3年期間延長を行いました。昨年5月に3年目を迎えましたが、今取り組んでいる生活支援体制の整備が道半ばであったことからさらに3年の延長の為変更協定を結び、現在も引き続き取組みを行っています。
  • 将来のイメージ図がございますが、青色が在宅医療を組み込んだ地域包括ケアの取組み関係、赤が生きがい就労の取組みの構想を示しています。
豊四季台プロジェクトについて
豊四季台団地再生事業の進捗状況
  • 当団地は、30ha、100棟を超える大規模団地ですので、1~5期と期別に分けて団地再生事業を実施しています。
  • 2004年(平成16年)より建替え事業に着手し、2011年(平成23年)までに、第1期部分が完了し、建替え後のUR賃貸住宅に戻り入居されたり、整備敷地として、特別養護老人ホームを誘致するなど、既に完了しています。特別養護老人ホームこひつじ園は、本日この後見学をしていただきます。
  • 第2期部分は2007年(平成19年)3月に着手し、こちらもほぼ完了に近い状況です。この2期の部分において、本日の会場であります柏地域医療連携センターや、拠点型のサービス付き高齢者向け住宅を誘致し、2014年(H26年度当初)にオープンしています。
  • 第3期部分は、2010年(平成22年)8月に着手し、こちらは2つのブロックに分かれておりますが、中央に近いブロックには、次の第4期にお住まいの方々のための戻り住宅として新しいUR賃貸住宅が2018年(平成30年)3月に完成し、入居されています。また駅に近いブロックには既存の豊四季保育園がありますが、建物の老朽化等状況を踏まえ、この保育園と近隣の乳児園を合築した新たな保育施設を建設するための用地を街区の一部に確保し、平成32年夏に開園予定です。仮園舎を建てる事なく直接移転できるよう建て替えを進めております。一番駅に近い半分の街区については、民間事業者に譲渡しており、現在マンションの建設が進んでいます。
  • 第4期は2014年(平成26年)9月に着手しており、第3期の新しい住棟へ移って頂き昨年1年間で従前住棟の解体工事を行い、現在は更地になっています。今後地域に必要な公共公益施設や民間の住宅等、敷地を活用しながらまちづくりを進めたいと考えています。
  • 最後の第5期は、昨年度2018年(平成29年)3月に着手し、豊四季台団地のすべての街区の着手が完了したところです。着手とは工事の着手ではなく、お住まいの皆様にURから建替計画の説明会を行う事をもって着手としています。現在UR賃貸住宅は1,789戸完成しており、今後5期の賃貸住宅を建設する予定です。
豊四季台プロジェクトについて
豊四季台団地再生事業計画
  • 豊四季台団地を再生するにあたり、柏市や自治会との勉強会で重ねた議論を骨格として、東京大学IOG、柏市、URの三者で立ち上げた研究会での議論も踏まえ、大きく3つの街づくりの考え方を掲げております。
  • 1つ目は、「高齢者と子育て世帯の融合するまちづくりのための、在宅医療・福祉施設の導入と子育て施設の拡充」があります。団地の中心部分である地域拠点ゾーンを中心に様々な施設等を誘致しています。
  • 1期エリアには、特別養護老人ホーム「こひつじ園」が2011年(平成23年)4月に開設しました。施設には特別養護老人ホームの他、ショートステイ、グループホーム、デイサービス等があります。後程ご説明があると思いますが、施設では生きがい就労の取組みも行っており、地域の高齢者の方がボランティアではなく有償で、またフルタイムではなく無理のない範囲でワークシェアリングのかたちで働かれています。
  • 2期エリアでは、柏地域医療連携センターが2014年(平成26年)4月に開設し、1階に柏市の福祉部門、2階には3医師会(医師会、歯科医師会、薬剤師会)の事務所等が入っています。
    また、拠点型サービス付き高齢者向け住宅も平成26年5月にオープンしています。
    更に、子育て世帯向けとして、既存の保育園があるほか、既存の幼稚園への土地の貸増しを行い、定員増やこども園化に対応し、同じく平成26年度にリニューアルオープンしています。
  • 2つ目は、商業街区の再整備や公園等の整備により、団地周辺を含めた住民交流の場として地域の拠点を形成しています。地域拠点ゾーンには約1haの豊四季台公園を整備しています。
  • そして3つ目は、「優れた住環境づくりを先導する景観形成と低炭素街づくりへの取組み」として、住宅ゾーンと地域拠点等を周回する全長約1.5kmの散歩道「四季のみち」を整備しています。高齢者の方々の外出機会の創出にも繋がるよう、1年中歩いても楽しめるみちづくりを進めています。
  • その他、柏市と景観形成のガイドライン等も作成しており、道路沿いの建物高さや壁面位置の制限、色彩計画、緑地計画等に配慮し、合わせて地球温暖化対策として、柏市と協働して、低炭素街づくりへの取り組みも進めております。
豊四季台プロジェクトについて
豊四季台団地の先進性について
  • 現在URでは、2025年(H37年)迄に150団地程度において、地方公共団体をはじめとする関係者と連携しながら、地域医療福祉拠点化の取組みを進めており、その主な取組みは3つあります。
  • 一つ目は、サービス付き高齢者向け住宅の誘致です。拠点型のサ高住を整備するにあたり、三者と医師会から成る検討会において、在宅医療や地域包括ケアシステムを支えるようなまちづくりをするにはどの様な施設が必要か、かなり時間をかけて議論してきた結果、8つの用途を必須用途として指定しました。
  • 二つ目はこちらの柏地域医療連携センターの誘致です。団地内に地域全体の医療連携センターを整備し、他職種の連携による在宅医療を中心とした生活支援チームのコーディネートを行ってきました。この研修室は、他職種の連携会議や市民の健康体操など、様々な形で活用されています。
  • 三つ目は、経験や技能、知識を活かしたゆるい働き場所を、いろいろな場所にたくさん提供することにより、自立高齢者の生きがい就労を創成すること、また高齢者だけでなく多世代の支え合い、ミクストコミュニティの形成の取組みが特徴となっています。
豊四季台プロジェクトについて
拠点型サ高住「ココファン柏豊四季台」の概要
  • こちらは、拠点型サ高住「ココファン柏豊四季台」の概要について模式的に紹介しています。
    当施設は、2階以上のサービス付高齢者向け住宅105戸を核に、1階に診療所や薬局のほか、居宅系の多様な介護・看護サービス等が設けられており、建物内のみならず地域に対する24時間対応のサービス拠点となる施設です。
  • 事業者はサ高住とグル—プホームを運営する㈱学研ココファン。小規模多機能居宅介護、訪問介護、定期巡回随時対応型訪問看護介護、ココファン柏豊四季台生活支援サービス受託事業を行う介護事業者の長岡福祉協会。医療事業者のスギメディカル㈱。以上3社のコンソーシアムにより運営しています。
豊四季台プロジェクトについて
商業街区の再生イメージ
  • 中心の商業街区については、街区内にある複数の戸割店舗やスーパーが営業を継続させながら再生を進めるため、住宅とは別に事業を進めてきました。まず旧101A号棟を先に除却し、跡地に新戸割店舗を建設、2016年(平成28年)6月頃から順次開業していきました。次に旧101B~103号棟の建物を除却し、跡地に新しいスーパーが、2017年(平成29年)12月にオープンしました。その後、旧スーパー建物を除却して街区の共用駐車場を整備し、2018年夏に完成しました。
    残る新商業施設については、コミュニティ食堂を核にした複合施設の誘致公募に向けて検討を進めております。
豊四季台プロジェクトについて

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