街に、ルネッサンス UR都市機構

街みちネット 第22回見学・交流会 質疑応答・意見交換

これまでの活動の紹介

活動議事録

質疑応答・意見交換

質問1
  • かなり小さい公園が沢山ありますが、管理は公園管理課などでしょうか。道路も区域に入れて道路課が管理しているのでしょうか。中野区では、小さい公園の管理は会社だと敬遠するし、地域の方だと永くは続かずに代が変わったとたん荒地になってしまうので、参考にお聞きしたいです。
    また、費用についても教えていただけますか。
世田谷区
  • 区の条例に基づく公園・広場となっています。公園づくりには地域の方も参加し、ワークショップの引き続きで、管理についても地域の方が行っています。小さい公園でも基本は公園管理事務所が担当し地域の方が管理協定を結んで管理しています。
    費用については、管理協定を結んだ場合、区が一部負担しています。
梅津氏
  • 一番初めに造ったトンボ広場の自主管理を参考に、また別のところで住民が自分たちもとやりはじめ、住民参加が続きました。公園管理事務所が管理しているものと、自主管理のものがありますが、自主管理は増えています。長く続くと大変ですが、世代交代しているところもあります。「楽働クラブ」の場合には会員が28人に増えましたが、女性が多いと運営は難しいですね。今では歳をとってきた事が理由で、負担を軽くするために自主管理を6カ所のうち1カ所返納しました。
    三宿では緑道がゴミ捨て場になってしまった場所もありましたが、「楽働クラブ」の活動を参考に老人会がその場所に花植えをするようになりました。その後会長が若い方に交代し、仲良くやっているようです。世代交代が大事だと思います。大きいグループより小さいグループが沢山ある方が長続きするようです。
質問2
  • 管理の為のお金はどうなっていますか。
梅津氏
  • 3人以上のグループが区と協定を結んで自主管理すると助成金が出ます。花植えの球根などは区から費用が出ます。区の財政が悪化した一時期は、ビニールハウスで種から育てた事もありますが、花や肥料は区が負担しています。掃除の助成金は広さによって違いますが、1000m2で年8千円ぐらいです。後は会費制で資金を集めて運営しています。
質問3
  • 地元の協議会の活動内容を教えて下さい。また、不燃領域率が70%を達成しましたが、その要因は何だったと捉えられていますか。
世田谷区
  • 太子堂2,3丁目の取組みが波及して、地元の協議会の活動も周辺へ波及していきました。三宿一丁目も協議会を作って活動されていましたが、形態を変えて自主的に防災関係の勉強会や炊き出しの活動等を行っています。隣の池尻四丁目・三宿二丁目では、まちづくりは組織的には行われておらず、協議会もありませんが、地元の方の意見を聞くために、町会等に声掛けをし、一般公募でその都度参加者を募って意見交換を行っています。
    不燃領域率ですが、平成23年頃に地区全体に「新たな防火規制」が導入されたこと、さらに平成25年から不燃化特区の助成制度により老朽木造の除却が増えた事などが達成の要因ではないでしょうか。
梅津氏
  • 太子堂のまちづくりは、世田谷区の防災まちづくりの呼びかけで始まりましたが住民の主体的な活動と行政との協働が不燃領域実現の原動力になったと思います。しかし、住民主体でもうまくいくとは限りません。三太通りと国道246号線の角の12階建てマンションは、高さ制限、日影規制の条例の直前に駆け込みで建てられましたが、周辺に反対はありませんでした。その後、高速道路に向けた屋上広告塔の案が出てきたとき、日陰の影響を受けていた住民が広告塔設置に反対の声を上げて、私に相談に来た事がありました。まだ景観法ができてない段階でしたが、どんな被害を受けるかは自分たちで考えてもらいました。すると色彩研究所というところへ話を聞きに行ったり、渋谷のマクドナルドの広告塔を見学したり、国会図書館で海外の事例を調べたり、横浜市の規制基準を聞いて来たりして反対運動を続けていましたが、朝日新聞が「騒色公害」の記事を書いてくれた後に、地区計画で規制をする署名を集めました。
    こうして三宿一丁目では、認定協議会を立ち上げるための住民による自主的な署名活動がおこなわれて自立しました。ところが、路線商業地区の国道246号線に面した商店街が反対運動を起こしたのです。反対運動をあおったのは構造計算ごまかし事件で知られるヒューザーでして、商品券付アンケートを配って意見を集めました。三宿の地区計画に高さ制限が入っていないのはこのことが絡んでいます。最終的に商業地区ではない居住民も分裂し、現在は3つに分裂しているので、やりにくいと思います。
井上氏
  • 三宿1丁目では太子堂ほど密集事業が多くないですが、4町会合わせた三宿たぬきまつりが行なわれていまして、お祭りが中心のようです。
梅津氏
  • 最後に、不燃化率の計算式というのがありますが、消費税が上がる前に確認申請の出る件数がぐんと上がるというのも、過去にはありましたから、またそのタイミングかもしれません。

閉会の挨拶

首都大学東京 名誉教授 高見澤 邦郎 氏
  • この地域で取組が始まった頃から今日までの経緯と、その間に蓄積されたまちの姿を知ることができました。また、住民と行政との、そして住民同士の軋轢や協調についても垣間見ることができました。適切な講演をしてくださった皆さんと、いつもながら周到な準備をされた事務局に感謝します。
    昭和の時代に、「いえ・みち・ひろば」づくりを住民主体の協議会という「しくみ」のもとで進め、さらに平成の時代には防災・減災促進のための跡地開発や道路事業をURも参画して進めるという、時代に即した、重層性を持ったまちづくりと思えました。そしてポスト平成のこれからは、住まい・働く人たちの日々を考えた、ソフトで総合的な「くらしづくり」が目標となるのではないでしょうか。若い世代の斬新な活動を柔軟に取り入れていく、パッチワーク的なまちづくりスタイルがあってもよいと思います。
    それにしても、50年にもなろうとする太子堂・三宿地区の歩みから学ぶべきことはなんと数多いことでしょう。これからも、まちづくりの一里程としての歩みを続けてほしいと希望します。

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