街に、ルネッサンス UR都市機構

街みちネット 第21回見学・交流会 質疑応答・意見交換

これまでの活動の紹介

活動議事録

質疑応答・意見交換

質問1
  • URが支援していたエリアに大きな企業が入ってきて開発をしていますが、社会実験を一緒に行う経緯や、やってみてどうだったか教えて下さい。
UR 千代田区エリア計画課長 三木氏
  • まちぐるみで、町会長さんたちが集う協議会でイベントを仕掛けているので、デベロッパーさんが協力しないというのはあり得ないでしょうとお声掛けした時に、出来る範囲の協力はしようという意識はあり、実際に人も出て来ました。大丸有協議会(内神田)にとって大手町と神田の連携は重要なポイントで、それは神田警察通り沿道整備推進協議会(神田錦町の方)にとっても同じです。REN BASEの建物の1階は社会実験の場所でしたが、住友商事さんが担当していました。
質問2
  • シェアオフィスが出来ていく中で、元々の目的は元々ある商売を活かしつつ新しい仕事を作っていく事にあったと思います。どんな展開になっていったのか経緯を教えて下さい。
株式会社POD 橘氏
  • 先程の話の中で、分裂したところまでお話ししましたが、その後東神田・馬喰町エリアとこの神田エリアはまたちょっと違う動きをしたのですが、それはもともとあった産業が違うという事もあり、今中心となってまちの運営に関わっている方が違うという事もあります。東神田にREN BASEができた2013年当時は、周辺にリノベーション物件などはあまりなかったのですが、急に1年程の間にシェアオフィスが増え始め、またそれとは別に知り合った設計事務所や法律事務所のメンバーが近所にいることが分かりまして、なぜかその様なクリエイティブクラスの人たちが集まりつつあるという事はありました。ただその人たちが地域の産業に結び付いているかと言うと、まだそのベースはないという状況です。一方馬喰町の方はようやくまちづくりの議論に入っておりまして、私が参加しているデザイン協議会ではハード部門とソフト部門があり一体に動かしています。中央区の都市整備部門と商工両方が動いており、そこに東京商工会議所とURさんも参加していただき、皆さんの事業を変えていく話と、まちをどうにかする個別の不動産の話を一緒にやっています。今そんなところです。
質問3
  • コーポラティブハウス「こはす」に3方を囲まれて残っている民家は、その後何らかの展開がありましたか。
NPO法人都市住宅とまちづくり研究会 関氏
  • 所有者は当時80代後半のもともと呉服屋さんだった方で、お祭りの際などの浴衣や袢纏の仕立てや調達もして下さっていました。思い入れのある家屋で一生を過ごしたいとのご意向があり、事業に参加していただくことは叶いませんでした。現在の形になった後も、アネックス棟など活用を一緒に考えていきませんかと、将来の事も含めお話しさせていただいた事もありましたが、なかなかそこは折り合いがつきませんでした。建設中一時はクレーンなどが家の上を通らないようにと話があったりしたこともあったのですが、建設業者さんにも配慮いただき、完成入居後も声を掛け合ったり、町会の関係で浴衣の着付けをお願いしたり、良好な関係でなごやかに過ごして参りました。現在は息子さんが事業を立上げ、拠点として使用していますので一緒にという動きはありませんが、町会活動にも役員として参加してくださっています。将来単独で処分されるということになれば、私道に挟まれているためとても難しいとは思われます。
質問4
  • 私共千代田区では神田地域と麹町地域で担当が分かれておりまして、神田の方の話を聞くために参加いたしました。 REN BASEの建物は旧耐震の物件だと思いますが、耐震改修はしているのでしょうか。していない場合、シェアオフィスとして入居者を募る場合に何か影響はありますでしょうか。
株式会社POD 橘氏
  • 今馬喰町である物件の募集を行っていますが、その際にR不動産に聞いてみたところ、彼らのターゲットとしているお客さんはほぼ気にしませんと言う回答でした。ただ神田エリアでは、応募者の中には気にされる方もいらっしゃいましたので、歩み寄ることもありました。余談ですが、REN BASEのあるビルは屋上にオーナーのご自宅が乗った建物でしたので、相当強く作ってありまして構造的な問題はございません。耐震診断までは行っていません。他の旧耐震基準であったビルでは、屋上の看板を外したりエレベーターの上物を軽くしたりブレースを数本入れることで耐震改修を行ったものもあります。
参加者ご意見
  • コーポラティブハウスに新たな入居者が入ってくることによって、町会の加入者が増えてコミュニティが再生していくというお話がありまして、なるほどなと思いました。賃貸では町会の加入率はさほど上がらないので、震災などの災害時には不安があります。お祭り行事以外でどの様に人の繋がりを作っていくかと言うのは、これからの課題であるとおっしゃっていましたが、ワテラスの様な大規模開発だと町会加入率は上がってこないという実態もありますので、コーポラティブハウスなどの取組みを続けて頂き、草の根的に東松下町から内神田の方にも広げていただき、人の繋がりが広がってゆくといいなと思います。そんな中で神田が神田らしく生き続けられるといいなと思います。今日はありがとうございました。

閉会の挨拶

首都大学東京 名誉教授 高見澤 邦郎 氏
  • 充実したお話と見学でした。近年の神田の様子・変化を知ることができたと思います。都心のど真ん中という特殊性がある一方で、密集市街地に共通した課題も見いだされることが分かりました。
    お話の中味が濃くてまとめきれませんが、とりあえず「結ぶ」という言葉をキーワードとして挙げてみましょう。元からの住民や企業と新たに見えた住まい手・企業とを結ぶ、公共と民間とを結ぶ、整備する空間(ハード)と住民の暮らしや企業の活動(ソフト)とを結ぶといった、いろんなフェーズにおいて説明できそうです。
    問題は「誰が結ぶか」ですね。マネージメント組織がイメージされますが、組織をつくったからといって目指す<街の活性化>がすぐに図られるとも思えません。むしろ活動が硬直的になる恐れもありますね。結局は今日お話くださった講師のみなさんのような方々が「柔らかく結びつくネットワーク的な組織をイメージする」あたりかなというのが私の感想です。
    講師の皆さん、参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

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