街に、ルネッサンス UR都市機構

街みちネット 第19回見学・交流会 質疑応答・意見交換

これまでの活動の紹介

活動議事録

質疑応答・意見交換

参加者紹介
台東区 都市づくり部地区整備課 佐藤氏
  • 私は地区整備課でこの谷中地区におきまして密集事業を担当しております。先程の説明にありました、この防災センターに接している六阿弥陀通りの拡幅整備に取り組んでおります。
台東区 都市づくり部地区整備課 本多氏
  • よろしくお願いします。
台東区 都市づくり部地区整備課 石川氏
  • よろしくお願いします。
NPO法人たいとう歴史都市研究会 椎原氏
  • 本日は寒い中おつかれさまでした、ありがとうございました。
谷中地区まちづくり協議会環境部会長 松田氏
  • 今日は谷中の事でいろいろと皆さんにお話を伺えるのを楽しみにしております。
谷中地区まちづくり協議会環境部会・谷中三崎町会・東京学芸大学名誉教授 小川氏
  • よろしくお願いします。
谷中地区まちづくり協議会防災対策部会・谷中初四町会副会長 佐藤氏
  • 先程説明で木造密集地域と言っていましたけれど、そのど真ん中に住んでおります。椎原さん方は建物の保存などいろいろな事をお考えいただいていますが、それと木造密集地域の関連をどう持ってくるのか。また土日の人出が1日1~2万人くらいあり、それは大変な事で、トイレの問題もあります。いろいろ後でご質問あればお答えさせていただきます。よろしくお願いします。
art-Link上野谷中事務局 上野桜木あたり運営担当 津布久氏
  • 私は谷中地区の住人ではなく外から谷中に来て、art-Link上野谷中というアートが中心のイベントを20年くらいやっております。2年くらい前からは「上野桜木あたり」の運営スタッフのお手伝いをさせていただいております。よろしくお願いします。葛飾区の住民です。
環境部会・プロジェクトスクール谷中・沼野井諭建築設計事務所 沼野井氏
  • 谷中の住民ではないのですが、千駄木で建築設計事務所をやっております。出身が足立区でして、下町の雰囲気が大好きです。どうぞよろしくお願いします。
谷中地区まちづくり協議会事務局・昭和株式会社 堀江氏
  • まちづくりのコンサルタントをしております。今は協議会と一緒に先程お話のあった谷中地区のまちづくり方針策定のお手伝いをさせていただいております。よろしくお願いします。
質問1
  • 資料に「地域ぐるみのまちづくり」とあり、20~15年前までは町会やPTA、青少年育成といったところが主力になっていまして、現在はまちづくり協議会や行政、コンサル、いろいろな団体が関わってまちづくりをやっているというお話ですけれど、様々な組織がある中で誰がどういう形で主導し連携しておられるのでしょうか。もう一つは、今日はお話や見学にありませんでした、海外からも注目を集めている谷中銀座を取り込んだ動きというのを教えていただきたいと思います。
台東区 都市づくり部地区整備課 本多氏
  • まちづくりの中心は、区としてはあくまでも住民の方、その代表としてのまちづくり協議会ととらえており、窓口とさせていただいています。行政は情報提供であったり、コンサルタントを援助させていただいたり、協議会の活動をサポートする形で関わっています。
NPO法人たいとう歴史都市研究会 椎原氏
  • おっしゃいますように、町内会、また住人の方々が中心となって活動されていると思います。それぞれの主体を繋ぐ組織というのが昔はなかったように思いますが、現在はまちづくり協議会、それを支援する行政、あるいは間に様々なNPO団体が生まれて来て、町内会やPTAなども繋いでいけるようになったのだと思います。もちろん町会の中にも熱心な方から最近入ったばかりでまだ様子を見ているような方までいろいろいらっしゃるので、町会だけがとかPTAだけがという事はなく、それぞれの団体の中の繋ぎ役の方たちが同じ地域に住んでおり顔が見えているので、お互いに声を掛けながらバランスを取って繋がっているのかなと思います。そのあたりは町会長さんたちにご紹介いただければと思います。
谷中地区まちづくり協議会環境部会長 松田氏
  • いわゆる町会連合会の活動の趣旨と、まちづくりに特化した活動とは少し異なるのではないかという事で、まちづくり協議会を発足しました。メンバーは各町会長及び商店会の代表、また谷中は寺町ですので仏教会の代表、谷中コミュニティ委員会の代表から構成されています。観光に関しては谷中だけではなく入谷・金杉の3つの町会連合会を合わせました下谷観光連盟がございます。町会連合会会長の野池さんも観光連盟の会長をしておりますし、私もお手伝いさせていただいております。
  • 最近いろいろなNPO団体が沢山でてきて、特に子育てや育児に関するものが増えています。出来るだけまちづくりは底辺を広げないと意味がないという思いがありまして、各団体を結ぶ交流会を年2回程度環境部会主催でやっております。
谷中地区まちづくり協議会防災対策部会・谷中初四町会副会長 佐藤氏
  • 先程青少年育成というお話がありましたが、私も何年か前青少年部長をやり、谷中をまとめてきました。青少年育成の委員のメンバーの繋がりによるところはとても大きいと感じています。メンバーは各町会の青少年部長はもとより、各町会長や女性部長、民生委員も入っており、総勢約80名ほどです。お祭りなどは若いメンバーが中心となっており、今では各町会の連合で神輿渡御(とぎょ)も行うようになりました。これも青少年育成の中で若い人たちの繋がりができた事で活気が出てきています。
  • 谷中銀座は、昔から代々続いたお店は少なくなってきています。今は外からお見えになる皆さんに対する新しいお店が半分以上だと思います。谷中銀座だけでなく谷中のまち中にいろいろなお店が出来ています。いいことでもありますが、住んでいるとルールを守っていただけない事も問題です。外から見えた歩行者が道路の真ん中を歩きます。私はとても感心するのですが、谷中の人はクラクションを絶対鳴らしません。退くまで待っているような感じで、ゆっくり車を走らせて対応しています。
  • また外国人が世界中からお見えになり、それが当たり前の様に感じられるようになっています。私の家の裏のアパートにもアジア系の方が住んでいましたし、隣のアパートなどはすごく体格のいい外国人の芸者さんが、住んでいるのではなくそこで着物に着替えをして出かけて行きます。テレビの取材などもあるようで、最近では有名になっているようです。
  • それから民泊の問題もあります。登録されている民泊ならば良いのですけれど、そうでないものがかなりの数あるようです。これもこれから注意していかなければならない問題だと思います。
質問2
  • 椎原さんのお話の最後の方で、「谷中まちづくり会社」の設立を考えているとあり、これまでの取組みから不動産にかなり踏み込んだ事業をやられるとのことですが、どの様なメンバーで立ち上げられるのでしょうか。
NPO法人たいとう歴史都市研究会 椎原氏
  • 色々な団体が連携していくことで今まで繋がれなかった事も繋がれて来ました。建物を直したいというオーナーもいれば、使いたいというユーザーもいます。けれど一時にポンとくる相続税なども大変な事です。今日見ていただいた再生建物は小規模の修繕だけして使っているので、一緒に見学に歩いて回られた皆さんも、防災面など心配に思ったでしょう。私も心配です。本当でしたらはじめにきちんと直して耐震補強や防火対策難燃塗料を施したり、木造なりにしっかりしたものにしていきたい。それには最初に一括でお金をかけてそれを5年10年かけて家賃で回収して返していくようなことが出来ればと思います。
  • 「谷中まちづくり会社」は、建築設計、事業計画をする人、それから不動産をサブリースなどして繋げる人、地域の方やオーナー、ユーザーを繋げる人、まちづくりの面的なプランニングをする人、と言ったメンバーで、ひとまず4人で始め、次の世代に繋げようという事もあり一番若い20代の人が社長になる予定です。
  • NPOで沢山のネットワークができています。ユーザーとして関わりたい人やイベントをやりたい人を繋げたり、建物の価値付けはNPOでやり、今までの活動も並行してやって、一点突破しなければならない所は会社でやるイメージです。アートプロジェクトで繋げる一般財団法人「谷中のおかって」とも連携しています。またこうした活動を上手く有機的に繋げていくのに、会社法人もNPO法人も、あとはデイケアの様な福祉的な支援を住宅でケアするような社会福祉法人も、いくつか必要な法人を連携したり作ったりして、具体的に安全に生活も歴史も活かせる道を開いていきたいと思っています。

質問3

  • 今日見学させていただいたところは、町の歴史を活かしながら次へ活かしていくという取組みだと思います。やり始めた頃はそんなに取組みが盛んではなかったものが、今ではそれが価値になり、取組みの仕方もいろいろなバリエーションができてきたところだと思います。
  • もう一方で今日の会合の中では密集市街地の問題というのが一つのテーマになっていますが、この地域での密集市街地と言われている所で、例えば住んでいる立場であるとか行政の立場であるとか、それぞれどんなところに課題がある、何とかしなければいけない、と思っているのでしょうか。
台東区 都市づくり部地区整備課 本多氏
  • 今日は残念ながらそちらの方向には行かなかったのですが、谷中二・三・五丁目地区のまちづくりの課題としては、今日お配りさせていただいたパンフレットにも書かせていただいておりますけれども、老朽建築物の密集した住宅地があり不燃領域率が低いという事、震災戦災を免れてきた土地であるので行止まり道路や狭い通りが多く消防活動困難区域があるという事で、まだその解消に向けた取組みが必要だと考えております。今はここ谷中防災コミュニティセンターの前の道路の拡幅に取り組んでおります。また、建替えの支援などもさせていただいています。
谷中地区まちづくり協議会環境部会長 松田氏
  • 私の住んでいる所は密集地域ではないのですが、谷中全体としての課題は当然道路が狭い、消防自動車が入れない、消防活動がし難いというような事だと思います。しかし実はそれが谷中の良さになっている裏返しの側面もあります。ただ2項道路を4mにする事について、改築される方がセットバックしないでそのまま改築してしまうのが問題だと感じます。そうするといつまでたっても道路は広がらずジグザグの道路が出来てしまいます。
  • 今、谷中地区まちづくり協議会では、道を拡げなくてもできる消火の方法があるのではないかという視点を重要視しています。例えば貯水槽を沢山作って消火栓を各戸に結びつけるような事が出来れば、いわゆる火災には対処できる。けれどそれでは地震の方はなかなか複雑だと思うのですが、今まで100年以上大災害に合わずに来たところで、ちょっと神憑り的な事を言うかもしれませんが、それには土地の持っている強さというのがあるのではないかなと私は思っています。100年に1度とか、いつ起きるかわからない地震のために払う犠牲を考えると、暴言にはなりますが、それよりも普段の生活を大事にするという考え方もあるのではないかと思うのです。今耐震に非常に力を入れていますが、まず命だけは確保する方法を考え、後の復興の手立ては国が全面的に面倒見るというくらいの制度が出来れば、といつも思います。それぞれが耐震しなくても現状のままで出来るだけ住みたい、という人はそれでいいのではないかと、個人的にはそう思っております。
谷中地区まちづくり協議会防災対策部会・谷中初四町会副会長 佐藤氏
  • 木造密集地域の道路の狭い地域に住んでいることが、本当にいい面もあるのですよ。隣近所仲良くお話もできますし、そういう関係も作っています。そうした路地文化は素晴らしく、大切にしたい。ただ、いざ本当に首都直下といった地震が来た時に、どうするのかなと、私も思っています。以前神戸にある阪神・淡路大震災の記念館を見学させていただいた時に、長田区が燃えてしまった事例を見ましたが、一旦火が付くととんでもないことになってしまうのです。私の住んでいる谷中初四町会は谷中で一番大きな町会で、今1800所帯が住んでいますが、皆さん普段どれだけ防災意識を持っているだろうかと思います。年に1回2回の防災訓練にもなかなか参加されない。消火器は1回でも扱ったことがあれば、いざという時に使える物ですが、経験がないとハンドルを握るだけでピンを抜くことに及ばないので火が消せません。それから消火器はかなりの数を道路にも置いてありますが、私が経験から提案したいのは、女性でも簡単に使えるような簡易消火器を各家庭に置いていただけば、初期消火にとても有効だと思います。消防車が来る前に消火器を持ち寄れば火は消せるという事、小さな消火器でも沢山配布できれば大きな効果があると感じています。
  • もうひとつ、先ほど申し上げました、ものすごい数の方々が外からいらっしゃる土日に、もしそのタイミングで災害が起こった場合にどうしたらよいのか、避難場所も含めて谷中で考えなければいけない事の一つだと思います。

閉会の挨拶

玉川まちづくりハウス 林泰義氏
  • 今日は長い時間、区の方、椎原さん、地元の方々にしっかりと谷中を語っていただいて、見せていただいて、本当にありがとうございました。これだけ長い期間をかけて、だんだんと成果を繋ぎ合わせて、このまちの魅力は住んでおられる皆さんが素晴らしいなと感じました。椎原さんとは学生のころからお付き合いさせていただいていますが、日本中探してもまちづくりにおいてこんな方はいないのではないかと思います。今までにない世界を開いてこられ、本当にお一人お一人が積み重ねたものを活かしたまちづくりになっているという事が、またお役所と一緒になって実現しているという事が素晴らしいと思います。私の活動している世田谷は、一般的には区役所も一生懸命やっているし、と言われていますが、とてもとてもこんな素晴らしいまちづくりには脱帽というしかないです。でもこうして繋げていきながらまちを作っていける、力になると思い、感謝しています。今日は本当にありがとうございました。

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