街に、ルネッサンス UR都市機構

街みちネット 第10回見学・交流会「コレクティブハウス巣鴨」

これまでの活動の紹介

活動議事録

コレクティブハウス巣鴨についての説明

居住者・CHC宮前氏
入居前
  • 入居前から「どこに住みたいか」など、居住者が集まって話し合いをしていた。
  • 場所が決まってからは、設計案を話し合うワークショップを設計者とともに行い、リノベーションの工事期間中に現場を見に行ったりした。自主運営を話し合う傍ら、共用の食器をみんなで合羽橋に買いに行ったり、 リビングのテーブルも居住者みんなで一つのテーブルにつけるものを自分達で探し、 結果的に大工さんに作ってもらうなど暮らしを創る活動を行っていた。
コレクティブハウスでの生活
  • キッチンには業務用のオーブンがあり、2回ほどプロの方に使用方法をコーチしてもらって、使っている。
  • 定例会を月1回、第3日曜日午前9時半から大体お昼ぐらいまで行い、一月ごとの収支報告や、日常的な疑問、例えば「ここの電気は夜いつまでつけていてもいいの?」といった細かいことから、「スガモフラットの運営のしくみの改善」などまで、その月ごとにさまざまな話し合いを行っている。議長は持ち回りで月ごとに交代制にしている。
  • コモンリビングではいろいろな住まい手が、それぞれやりたい事を自由にしており、単身者と子供たちがまるで親子のようにくつろいでいることもある。
  • ハウス内での夏祭り(流しそうめん)、朗読会、フリーマーケット、ハロウィンパーティなどのイベントや、外の方も呼んで、有名なパティシエによるパン教室や、居住メンバーの子どもたちが通っている小中学校と共催で熱気球を上げるイベントなど、いろいろな地域交流を行っている。
  • 豊島区のまちづくりバンクという制度を利用して、居住者自らプレゼンし、地域のための活動するための助成金を、3年でトータル50万円ほどいただいた。テラスの庭づくりも助成金を使っている。
  • 毎年1回の総会の時に、居住者者の集合写真を撮って廊下に飾っている。子どもたちの成長や、大人たちが年を重ねていく様子がわかる。
CHC宮前氏
  • ここは2階のみのコンバージョンで、上の階に区分所有の分譲マンションがあり、その方たちの組合もあるので、この改修に当たってかなり厳しい注文があった。価値が変わってしまうからということで、一切外観は変えないということで、サッシ類は全て元のまま、バルコニーもない。ただ、その厳しい条件の中、設計の提案を居住者とやり取りし、事業者も乗ってくれるというような形で、比較的気持ちよく改修できた。中の付き合いより、上とのつき合いの方がよほど難しい。
  • このハウスでは、4つのハウスの中でも、特に地域に開くという主旨の活動を何年にもわたって丁寧に続けてきている。だから大分認知度が上がっており、告知をしていないと、外からイベントをやらないのかと言われることもある。地域に突然舞い降りてきたような人たちが地域との関係を作っていくというのは、本当に時間がかかるし、簡単ではないが、それも4年もやっていると、かなり地域との繋がりができてくる。そういう努力をしているという特徴がある。
居住者
  • それまで掲示板を気にしたこともなかったが、こういう活動を続けていくと見てくれる人がいるのだという事を知り、そういうつながりができていくことを学んだ。

質疑応答

質問1
  • 毎月1回定例会議を開いたり話し合いをしたりすることが、面倒に感じることはないか。
居住者
  • 疲れている時は、面倒くさいなと思ってしまうこともあるが、やった後は負担に感じない。また、何か気になっている事があって、言わなくてはと思う時はちょっと力も入るが、年に1回か2回あるかどうか。
居住者
  • 3時間ぐらいかかるので、初めのうちはちょっと長いな、と思った。それも慣れたし、出てしまえば、だるいなとも思わない。あとは、仕事以外は定例会を優先するが、遊びに行きたくて葛藤があるときもある。ただ、今のところ、負担に感じるということはない。
居住者
  • 議事録を必ず取って回すので、出席できなかった方も状況はわかるようになっている。それすらも見ないという人もいるようだが。
居住者
  • 例えば定例会に出なかった人がいても、それぞれの生活ペースを尊重している。厳しくしすぎると生活が窮屈になので、緩い部分があっても持ちつ持たれつでいいのかなと思う。でも、みんなやっぱりみんなで決めなければいけないことはみんなが参加して決めようという感覚でいると思う。
質問2
  • 入るときに審査はあるのか。
CHC宮前氏
  • 特にない。
居住者
  • 僕は初めての中途入居だったので、逆に、入居前にミールに参加した時に合うかどうか、どんな人がいるのか見た。基本的には拒否は今までないし、ルール化もされていない。合わないと思ったら入らないと思う。
CHC宮前氏
  • 居住者が自分たちの暮らしを紹介して、入るかどうかは入る人が決める。必ずどなたも入居を決める前にハウスを見ていただいて、ミールに参加して希望があれば一緒に料理を体験したり、定例会を傍聴したりして、自分自身がこの一員になるかどうかを体験して確かめて、本人が決めるので、入った後、ゴタゴタ言うことはほとんどない。気に入って、みんなと一緒にやりたくて入ってきてくれる人が何よりなので、その方がみんなにもいい。だから、あなたは合いそうとか、あなたは合わないとか、そういうことは言わないというやり方を採っている。
質問3
  • 入ろうと思われたきっかけは。
居住者
  • たぶんそれぞれ事情が異なるのかなと思う。私の場合は、独身で、その前に暮らしていたパートナーと別れたということと、1年間アメリカで暮らしたことがあったので、日本の暮らし方は固定的だと思い、もっと違う暮らし方に対する好奇心があったということがあり、コレクティブハウスは全然知らなかったが、たまたまコレクティブハウジング社を見つけて話を聞きに行ったのがきっかけとなった。あとは、賃貸だったので、もし合わなかったら動けばいいやという感じで、半ば興味本位だった。
居住者
  • 子育て雑誌でこのコレクティブハウスの紹介を見て、おもしろいなとずっと覚えていた。その後離婚をして、子どもと二人で住むにことになり、二人だとお互い窮屈だろうと思って、コレクティブハウスなら自分の生活を確保しつつ、いろいろな人と共有できるということで、自分もガス抜きができるし、子どもに対しても、普通の家族、一人暮らし、高齢者など、いろんな世代の人が住んでいるので、家族というのはいろんな形の人がいるということを理解しながら育ってくれたら助かるということがあった。あまりストレスを感じずに生活できているので、非常に助かっている。
居住者
  • 各ハウスの居住者にインタビューした「第3の住まい」という本が出ているので、もしご興味があれば。
居住者
  • 本当にいろいろな家庭があることを感じるし、子どもがみんな兄弟のようになって、うちの子どもも隣の家で風呂に入ったり、隣の子がうちに泊まりに来たりしている。
居住者
  • でも、依存しているわけではなくて、できないことはお互い言い合える関係だし、つかず離れずのいい距離感かなと私は思っている。
質問4
  • 多世代の人が住まわれているが、募集をする段階で工夫されたのか。
居住者
  • 自然とそうなった。なので、例えばシェアルームの構成がかなり変わっていて、当初は若い方が入っていたが、現在は50代の方が住んでいる。
CHC宮前氏
  • 結婚していない30、40代が多いので、これからたぶんシェアルームは高齢化していくと思う。ここは家族もいて、子どももいて、だから快適だと思う。50代ばかり集まっていたら、ちょっと違った住み方になってくるかなと。
  • 子どもがいるというのは大事なことで、大人だけになると、ぎすぎすしてくる。まだここで亡くなった人はいないが、他のハウスでは考えなければいけないかもしれない。
  • ただ、病気になられても、早めに誰かが気づいて病院に連れていく、ないしはその方の家族に連絡ができて、大事に至らなかったという例もあるし、特に世話をするということでなくても、ちょっと変だよねということに気がつく人がたくさんいてくれるだけで、高齢の方も安心して過ごされる可能性はある。また、赤ちゃんが来ると、うれしそうにあやしたりしている方もいて、血縁などとは関係ない状況の中でそういうことが自然に起こっている。
居住者
  • マンション暮らしだと一人なので、高齢者でなくても、孤独死したくないという面もある。
CHC宮前氏
  • 見守られても死ぬ時は一人なので、そういうのは孤立死と言う。長い歴史から言えば、隣の人と全く関係がない暮らし方ができてしまうことのほうが、変わった状況なんだろうなと思う。
質問5
  • 地域の方々とのイベントは、先ほどのまちづくりバンクの補助金を活用したものか。
居住者
  • そうやっていたときもあったが、3年で一旦終了なので、今はもう活用はしていない。
居住者
  • 今は自分たちでやっている。遊び開発グループが企画をしているが、基本的には、外に開いて地域の人たちと楽しく遊ぼうということをやっていて、助成金をもらっている時は、そのお金で、パティシエの先生にパン教室をやってもらったり、劇団員の方にダンス教室をやってもらったりしていた。今は組合費の中から捻出したグループの予算の中からやりくりをしてやっている。
  • あと、光熱費などの実費を参加費としてもらったり、材料を持ち寄ったりして、ご飯をつくるイベントをやったりとか。
CHC宮前氏
  • 前はいろんなイベントにいろんな人を呼んで、企画も大変だった。3年やって、企画をするのが大変だという話で、今は「みんなの食卓~スガモの実家~」というのを毎月定例開催している。
居住者
  • 毎月第4日曜日に、食べ物のテーマを決めて、それに見合った材料を一品と100円を持ってきてもらって、集まった材料を見て、100円で買い出しもして、一緒に作ってお昼を食べる。
CHC宮前氏
  • 常連さんで来る親子もいる。
居住者
  • あとは、プラスアルファ企画もして、お菓子の家を作ろうといって、子どもたちがデコレーションして遊んだり、フェイスペインティングをしたり。
居住者
  • ビアガーデンとか。住んでいる人たちが自分たちも楽しめて、来る人もやってみたいなと思って遊びに来てもらえるようなイベントをやっている。あと、工場見学にも行った。
質問6
  • 近所の方はどのくらいいらっしゃるのか。
CHC宮前氏
  • 小学校つながりが多い。
居住者
  • 子育てリフレッシュといって、子育て世代に向けて、話し合いや先生を呼んで悩み相談などをする会をやっているが、10人ぐらい近所からいらっしゃる。メールでの案内は80人ぐらいの方にお知らせしている。
質問7
  • 結構イベントの企画は大変だと思うが、ここに入る前からそういうことをやってきた人が集まったのか。それとも、ここで育っていくのか。
居住者
  • 面倒くさいな、もうやめようとか言いながらも、その辺は緩く続けている。
CHC宮前氏
  • 企画しないで済むように、今は定例的なものにしようとしている。
居住者
  • 自分たちが苦しくなるようだったらつまらないので、やりたいペースで、ただ、近所の人たちも定着するように、なるべく月に1回はやりましょう、ということでやっている。思いついたことを、これ楽しそうじゃない?といって話し合って、できそうだったらやっていく。
質問8
  • 最初のころというのは、NPOが支援しながら動かしていたのか。
CHC宮前氏
  • 私たちはほとんど何も手伝っていない。遊び開発グループは、当初は自分たちのイベントのためにできたが、そのうち、ご近所活性というのがついてきて、もうちょっと外の人たちに、ここでの暮らしを知ってもらいたいと居住者が言い出して、それがイベントの発端になった。助成金はアピールしないともらえないので、模造紙に自分たちの活動を書いて、持って行って説明して、お金を調達していて、よくやるな、すごいなと思って見ていた。
質問9
  • どこのハウスもこのような感じなのか。
CHC宮前氏
  • ここは外に対しての活動が特に活発だと思う。人数が少ないということもあって意思決定が早く、スピーディに動けている。多数決を取らないので、他のハウスでは1つのことを決めるのに2か月3か月かかることもあり、こんなに活発に動けないかもしれない。
居住者
  • それも自分たちでやっているから続いているが、他の人にやれと言われたらやらないかもしれない。

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