街に、ルネッサンス UR都市機構

街みちネット 第8回見学・交流会「台東区における密集市街地整備の取り組み」

これまでの活動の紹介

活動議事録

台東区における密集市街地整備の取り組み
台東区の概要

金井 康典 氏
  • 台東区は総面積が10平方km強という23区一狭い区ではあるが、上野・浅草を始め地域ごとに特徴があり、まちづくりについて積極的に取り組んでいる。 その中でも、とりわけ防災上課題のある地区については、緊急性・重要性の高い事業として、密集事業を行ってきた。
  • 台東区の都市計画図を見ると、ほとんどが商業地域や近隣商業地域となっている。第一種住宅地域は、主に池之端と谷中地区、根岸地区である。
  • 台東区では、この谷中2・3・5丁目地区、根岸3・4・5丁目地区において密集事業を実施している。

谷中2・3・5丁目地区の整備計画について

金井 康典 氏
  • 谷中は、多くの寺社が残る下町風情を残す歴史ある住宅地だが、その一方、関東大震災や戦災の被害を免れた地域であり、復興事業による区画整理など、大規模な基盤整備がなされていない。 また古い木造住宅が密集して存在するなど、防災上の課題を抱えている。
  • 対象面積は、28.7ha、用途地域は、一部商業地域を含むが、ほとんどが第一種住居地域、第3種高度地区、準防火地域となっている。事業期間は平成14年度~平成23年度の10年だが、 平成28年度までを目途に延伸を予定している。
  • 主な整備内容は、以下の通りである。 ○避難路ネットワークの整備(主要防災道路の拡幅整備) ○避難場所の確保(防災広場整備) ○不燃建築物への建替え促進 ○ポケットパーク等の整備
  • 現在谷中地区では、主要防災道路A路線の6mへの拡幅整備に重点的に取り組んでいる。A路線の北側に交わる七面坂は8mに拡幅整備する予定である。A路線では3箇所の交差点改良も予定している。
  • 平成19年には防災広場を整備した。また、現在の谷中コミュニティセンターを谷中防災コミュニティ施設とする建て替えを進めている。それにともなって、 谷中防災コミュニティ施設を防災広場と一体的に活用にすることで防災活動拠点としての機能強化を図る。
  • A路線北側にはポケットパークを整備し、空地の確保や防火水槽の設置を行う。

谷中2・3・5丁目地区のこれまでの取組みについて

金井 康典 氏
  • 防災広場については、当初スポーツ施設があった敷地を約7千m2の防災広場に整備した。防災広場には、カマドベンチやマンホールトイレ、防火水槽、深井戸などが設置されている。
  • A路線は、現況で一部区間は4mを確保できている箇所もあるが、入口や出口が狭くなっており、消防車等の緊急車輌の円滑な通行確保ができないため、6mに拡幅整備する。 昨年は一部区間で老朽化した木造の共同住宅を買収、除却し拡幅整備を行った。
  • A路線北側は老朽化した木造住宅が並んでいる状況である。A路線は一方通行だが、A路線北側と交わる七面坂は交互通行のため8mに拡幅する。
谷中地区 防災広場

根岸3・4・5丁目地区の整備計画について

金井 康典 氏
  • 根岸地区は、谷中地区と同様に関東大震災や戦災の被害を免れた地域があり、区画整理による基盤整備がなされていないため、古い木造住宅が存在するなど、防災上の課題を抱えている。
  • 対象面積は、33.2ha、用途地域は一部商業地域を含むが、ほとんどが第一種住居地域、第3種高度地区、準防火地域となっている。事業期間は平成14年度~平成23年度の10年だが、 谷中と同様に平成28年度までを目途に延伸を予定している。
  • 主な整備内容は、以下の通りである。 ○道路整備等による避難路ネットワークの整備 ○防災広場整備による避難場所の確保 ○建替え促進等による不燃化建替えの促進 ○コミュニティ住宅の整備
  • 防災広場については、平成15年に用地取得し平成18年に整備している。
  • 東西に伸びる道路がC路線である。C路線のクランク解消箇所は、1台の自転車がやっと行き来できるくらいの通路だった。
  • 南北に伸びるB路線については、5mへ拡幅整備、電線類を地中化するとともに、南側の行き止まりを解消する。B路線南側沿道の老朽化した共同住宅等7棟があったが、 立ち退きになった借家人の受け皿として、従前居住者用住宅をUR都市機構へ要請し整備した。
  • これらの道路整備を行うことで生活利便性の向上や防災広場への避難路の確保、消防車等の緊急車輌の通行確保を行うことができる。

根岸3・4・5丁目地区のこれまでの取組みについて

金井 康典 氏
  • 防災広場については、平成18年4月に、当初下谷病院があった場所に約3,000m2の防災広場を整備した。
  • C路線のクランク箇所は、共同住宅を買収し整備した。残地は、防火水槽を備えたポケットパークに整備する。
  • B路線南側の現況幅員は2mから2.7m程度であり、沿道には老朽化した木造の共同住宅などが7棟建っている。このB路線を5mに拡幅整備する。また、行き止まりの解消を行う。
  • B路線南側沿道の一部の住宅は屋根が落ちてビニールシートで覆われている状況だった。B路線の行き止まり解消や電線類地中化、拡幅整備は平成23~24年度にかけて整備していく。
  • 現在、B路線南側沿道の老朽住宅を解体している。この解体が10月いっぱいで終了し、11月から電線類の地中化や道路整備の工事に入っていく。
  • 根岸4丁目の交差点改良箇所は、道幅の狭い道路同士の交差点のため、右折や左折が困難な箇所である。来年度には代替地を活用して買収し整備していく。
根岸地区 防災広場

今後の課題

金井 康典 氏
  • 今後は、不燃建築物への建て替えを促進できるよう、新防火規制の導入を検討していく。
  • また、B路線南側沿道に整備される代替地や従前居住者用住宅を活用し、関係権利者の事業協力に対する負担を軽減させ、今後の交渉に役立たせたいと考えている。
  • 新防火規制の課題として、新防火地域の指定を行うことで、寺社を建替える際に木造建築が出来なくなるという懸念がある。寺社の風景が谷中らしさ、根岸らしさに繋がっているという意見も多いので、 新防火地域の指定を行う際には、慎重に行う必要がある。
  • 台東区では、多くの課題に取り組み、解決してきた。今後も、たくさんの方の協力のもと、一層、密集事業に取り組んでいく。
会場の様子

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