街に、ルネッサンス UR都市機構

女川駅前シンボル空間/女川町震災復興事業

概要

東日本大震災により町の大半の機能を失った女川町。本地区は、JR女川駅駅前広場とそこから女川湾に伸びる「レンガみち」を軸に商業・業務、交流施設、公共機能が集積する町のシンボル空間です。女川町では、被災直後から町の将来像や地域の景観について考える様々な組織が設立され、町民に愛される新たな町の風景を生み出しています。
また、「道の駅おながわ」は、女川駅から海へ続くレンガみちを軸に、震災復興で整備されたシーパルピア女川など4つの施設を中心に、2021年4月に道の駅に登録されたものです。面的に歩く楽しさを持った地域の観光と交流の拠点として公民が連携して経営しています。
所在地:高田地区(宮城県牡鹿郡女川町)

女川町震災復興事業[女川駅前シンボル空間]

2018年度グッドデザイン賞

受賞年度:H30 主催者:(財)日本デザイン振興会

受賞物件名:女川町震災復興事業 [女川駅前シンボル空間]

共同受賞者:
宮城県牡鹿郡女川町、女川みらい創造株式会社、女川町復興まちづくりデザイン会議、
株式会社建設技術研究所・中央復建コンサルタンツ株式会社共同企業体、
小野寺康都市設計事務所、東環境・建築研究所、株式会社プラットデザイン、
女川駅前商業エリア景観形成推進協定運営委員会、鹿島・オオバ女川町震災復興事業共同企業体

評価項目:デザイン

【講評】
女川の地形的特性を生かして、それに素直な「海を眺めてくらすまち」というコンセプトを、視覚的にも、空間体験としてもシンボライズする空間のデザイン。実際に訪れてみると、駅から海辺に抜けるビスタと、適切に設定された緩やかな下り勾配と、軒高を低く抑えた周辺施設の組み合わせの妙により、これまでもありそうでなかった、海に向って開けた賑わい空間が生まれていることに気づく。実際に訪れてみて良さが読み取れる作品
出典:(財)日本デザイン振興会

平成30年都市景観大賞<都市空間部門>

受賞年度:H30 主催者:「都市景観の日」実行委員会

受賞物件名:女川駅前地区における眺望軸を中心としたコミュニティ醸成の取組み

共同受賞者:
宮城県牡鹿郡女川町、女川町復興まちづくリデザイン会議、
鹿島・オオバ女川町震災復興事業共同企業体、東環境・建築研究所+株式会社プラットデザイン、
女川駅前商業エリア景観形成推進協定運営委員会、おながわレンガみち交流連携協議会

評価項目:まち・デザイン

【講評】
東日本大震災からの復興まちづくりについては、余りに広い被災地、甚大な被害のため、質より量、質よりスピードといった考え方が一般的とも言える。良好な都市空間、都市景観形成への取り組み姿勢は、ややもすると迅速な復興を妨げる要因になるのではないかと、否定的とまでは言わないが、避けられているようにさえ見受けられる。そのような状況、風潮の中スピードとともに質を追いかけ、それを実現させた女川町の復興事業は希有な例と言えるだろう。応募地区は復興後の女川町の中心となる地区で、この地区を含む広い地区における大胆な区画整理手法の活用がこの事業の鍵を握っている。この復興まちづくりでは、居住地区を高台に移転させる必要性から、低地部は非居住系の利用となり、そこにあった被災者の土地を高台と入れ換え、駅前のこの地区に町有地をまとめることで、駅前商業地区を一早く実現した。その上で、デザインチームによるしつこいとも思える質の追及、そしてガイドラインに基づく個別建物の誘導など、良好な都市空闇実現のためにかけられた大きなエネルギーを感ずる。まさにゼロから作る町で、できる限りのことを限られた時間の中で実現した。この事業の構図を作った町長をリーダーとする行政、これに応えたUR及びその実働部隊となったコーディネーター、多彩なデザイナーたちの見事な協業。今回の復興事業で二つ目があるのかは疑問であるが、まさに復興都市デザイン、復興事業による景観形成の優良事例といえよう。
出典:国土交通省 平成30年度「都市景観大賞」各賞の選定

土木学会デザイン賞2019 最優秀賞

受賞年度:R1 主催者:公益社団法人土木学会

受賞物件名:女川町震災復興事業 [女川駅前シンボル空間]

共同受賞者:
宮城県牡鹿郡女川町、女川みらい創造株式会社、女川町復興まちづくりデザイン会議、
株式会社建設技術研究所・中央復建コンサルタンツ株式会社共同企業体、
小野寺康都市設計事務所、東環境・建築研究所、株式会社プラットデザイン、
女川駅前商業エリア景観形成推進協定運営委員会、鹿島・オオバ女川町震災復興事業共同企業体

評価項目:まち・しくみ

【講評】
女川町は、「海を眺めてくらすまち」をコンセプトに、安全な高台に住宅地を整備し、海に近い女川駅前レンガみち周辺には公共施設や商業・業務・観光施設などを集めてコンパクトな市街地を形成しており、これらの公民連携のまちづくりとランドスケープデザインが評価されました。

第五回復興設計賞

受賞年度:2023年度 主催者:復興デザイン会議

受賞物件名:道の駅おながわ(女川駅前シンボル空間/女川町震災復興事業)

共同受賞者:
小野寺 康(小野寺康都市設計事務所)、東 利恵(東環境・建築研究所)、松尾 剛志(株式会社プラットデザイン)、南雲 勝志(ナグモデザイン事務所)、平野 勝也(東北大学)、宇野 健一(有限会社アトリエU都市・地域空間計画室)、末 祐介(株式会社建築技術研究所・中央復建コンサルタンツ株式会社共同企業体)、鹿島・オオバ女川町震災復興事業共同企業体、株式会社建設技術研究所、女川町道の駅運営協議会(女川町・女川町商工会・一般社団法人女川町観光協会・女川みらい創造株式会社)

【講評】
区画整理を伴う震災復興事業の成功例として、女川町のまちづくりはすでに名高い。女川駅前から海へと延びる歩行者専用道路「レンガみち」は、「海を眺めてくらすまち」のシンボル軸として象徴的な風景を呈している。レンガみち沿道には「シーパルピア女川」や「地元市場ハマテラス」などの商業施設が並び、駅前の幹線道路沿いには公共施設や金融機関が配置されるなど、面的な人の流れが目指されている。2021年3月、上記「シーパルピア女川」等の一帯が道の駅おながわとして登録され、翌月オープンを遂げた。復興とは、その後も長く続く地域の未来に繋がっていくものでなければならない。空間的な質の高さに加え、まちづくりコーディネーター等、外部有識者の継続的な関わり、「女川町復興連絡協議会」に始まる民間主導のまちづくり活動の成果など、その持続的な取り組みを高く評価し、道の駅おながわを復興設計賞として表彰する。

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