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街みちネット 第5回見学・交流会「篠崎駅西部地区における連鎖型土地区画整理事業について」

これまでの活動の紹介

活動議事録

篠崎駅西部地区における連鎖型土地区画整理事業について
事業全体の概要

日本測地設計(株):内藤氏
  • 篠崎駅西部地区土地区画整理事業は、場所は都営新宿線篠崎駅の西側に位置し、施行者が江戸川区、地区面積が約15ha、事業期間が平成16~26年、権利者が630名の事業である。
  • 第一種中高層住居専用地域で建ぺい率が50%、容積率が100%となっている。駅前なのに低いのは、昭和44年に区画整理すべき区域という都市計画決定がなされているためである。周りは都立篠崎公園の予定地で、買収していって将来は広大な公園ができあがる予定であり、将来は公園に囲まれた区域になる。駅付近は300~400%の容積率で高度利用がなされている。
  • 平成9年から江戸川区と地区に入ってまちづくりを行ってきた。それ以前も区は事業を考えてきたが、市民参加でプランを考えるやり方に大きく転換したのが平成9年になる。まちづくり協議会を立ち上げるために町内会に住民参加の要請ということで、デザインワークショップや路地裏ワークショップを精力的に行って平成10年にまちづくり協議会が発足した。平成11年に構想実現への検討ということで、土地区画整理事業を行っていくことについて再度地域の皆さんと合意した。平成12年にその進め方について地域の皆さんと共有化を図った。
  • 地区内に土地改良事業で整備された8~9mの道路が走っており、この現道を活かしながら行き止まり私道の2方向避難に主眼においたまちづくりをしていくことになっている。この計画を、区画整理を主にやっているコンサルや行政の方に見せると、これは区画整理ではないだろうと言われる。
  • この計画を段階的に進めてきた。まず、第一段階地区というのが上四街区(上篠崎四丁目22番)と駅前街区(篠崎町七丁目20・21番)2箇所、第二段階地区が二班街区(篠崎駅七丁目4・5・8・9番)、第三段階地区はこれらの後に続けて整備を行うことになっている。
  • 事業手法は、基盤整備は都市再生区画整理事業、実質的にはまちづくり交付金を入れている。連鎖型土地区画整理事業を国に承認していただいた。規制誘導では地区計画をかけて地域地区の変更をしていく。建物整備はまちづくり交付金と優良建築物等整備事業を入れる。

駅前街区(篠崎町七丁目20・21番)

内藤氏
  • 面積1.4ha、施行期間が平成16~26年度、権利者18名である。今日皆さんは駅を通って来られたかと思うが、以前は南口の方しか出入口がなかったが、事業で西側に新たに駅出口を作っている
  • 従前は都有地が約3000m2あり駐輪場が1000台、区有地が約2000m2あり駐輪場が400台あったが、区有地と都有地を合わせて換地して、公益複合ビルを整備し、地下に2800台の駐輪場を作った
  • 公益施設は地下に駐輪場、1、2階に商業施設、3階に公益施設として図書館と江戸川総合人生大学があり、その上に約20,000m2の住宅棟が建っている。地下鉄が走っているので区分地上権が設定されていて、荷重制限があり、高い建物が建てられないエリアがある。もう1つの街区は1階が商業施設で住宅棟がメインのビルが建っている。2棟の間は区道になっており、その上部にデッキを渡してある。

上四街区(上篠崎四丁目22番)

内藤氏
  • 密集度合いが最も激しかった地区で、面積0.5ha、施行期間平成18~26年度、権利者54名である。
  • 従前は幅員3.5m前後の突っ込み私道が5本あり、敷地が50m2程度、中には10坪という方もいた。
  • 象地域設計も交えて話し合いを行い、18名の方が共同化に参加されることになり、この方達の敷地を区画整理の換地で集約換地して、優良建築物等整備事業で共同住宅を建てた。それにより全部戸建の街区だと道路がもう1本必要なところが要らなくなり、幅員4.5~5mの道路に拡幅整備できた。
  • 約50名の権利者全員に合意していただいた。一戸建ての新築である。
  • 資金は区画整理の移転補償金と、不足する分は保留床を処分して工面した。オアーゼ上篠というネーミングも地域の皆さんでお考えになったと聞いている。
  • 窓の位置を見てわかるように象地域設計お得意の自由設計の共同住宅で、間取りが一戸ずつ違う

2班街区(篠崎七丁目4・5・8・9番)

内藤氏
  • 修復型の最も代表的な地区で、面積3.5ha、施行期間が平成17~26年度、権利者が220名である。
  • 行き止まり私道が約20本あったのを、道路を新設して行き止まりを解消した。
  • 東京都の担当者に相談に行き「これは区画整理ではなく地区計画だ、相談する窓口が違うのではないか」と言われたのを、江戸川区の担当者が説得した。
  • 隅切りがない部分がある。1つの隅切りに2m2、買えば50~60万で済むが、隅切りを作ることにより隅切りにかかる建物が移転建物になるため2000万円ほどの費用がかかり、不合理だということで、隅切りについては地区計画の壁面後退で建替えの時にバックしてもらうということにしている。こういった工夫で、負担を抑えること、公平性の確保、事業の早期完了ということを狙った。普通の区画整理だと全面移転になるが、今回は移転するのは道路用地と辻公園の用地にかかった人だけなので早く完成する。早く完成すれば合法的に容積率も高くもらえて200%になるので、3階建てが建てられる、という工夫をした例である。
  • 移転していただいた方の残地を辻公園としてポケットパークのような形で整備した。
  • 4m未満の突っ込み私道は区画整理では整備せず、建替えに合わせて順次セットバックしたところで拡幅整備する手法とした。そのセットバックラインを換地で設定して、分筆している。該当する方は換地を2筆もらっていて、将来建替える時はそこまで下がってもらうという形にしている。
2班街区(篠崎七丁目4・5・8・9番)
  • 辻公園にかかる方たちの移転先については、この地区では道路整備の用地が多く減価地区になるため、それを解消するために公共用地が増えた分だけ減価買収を行い、そこに移転していただいた。
  • 完成した通り抜け道路はインターロッキングできれいに舗装されている。辻公園は区でワークショップを行いながら、皆さんと話し合いながら作られ、非常に明るい街になっている。
  • まちづくりの当初の頃、江戸川区が路地別懇談会をたくさん行っている。各路地、53本あるが、各雨戸を叩いて皆さんに声をかけて、夜な夜な図面とパイプ椅子と投光機を持ってきて、話し合いを行っていた。
  • 最後に小学校の体育館でまちづくり総会を開催し、200人以上が集まった。今日後で説明をされる浅岡代表が説明をしたり、地域の方が受付をして総会に立ち会った。こういった非常に多くの方々とワークショップを行いながら、作り上げてきた、密集市街地の例のご紹介をした。

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