結果発表2025
たくさんのご応募ありがとうございました。
応募作品計645作品(復興:229作品、団地:416作品)の応募作品の中から厳正な審査の上、
大賞2作品 優秀賞6作品 入賞15作品 キッズ・ジュニア賞1作品が決定いたしました。
審査員
大賞
復興
「孫達にも伝えたい」
撮影場所:福島県石川郡古殿町
名前:柏舘 健 さん
古殿町のある地域では今でも数珠繰りを開催しています。参加者の高齢化が進み、開催継続自体が難しい状況にあるのですが、子供やお孫さんにも参加してもらい、伝統行事を続けたいとの想いがあるようです。この日はお孫さんが二人も参加して楽しい中で行われておりました。
<審査員コメント 池邊 このみ氏>
東日本大震災の被災地には、多くの文化財と伝統芸能行事が数多く残っている。古殿町も縄文時代からの歴史をもつ古い町である。作品は、お孫さんと親族や地域の人々が集まって「数珠送り」に興ずる場面であり、お孫さんの顔を皆が笑顔でのぞき込んでいる表情に喜びと共に伝承したいという作者の強い思いが込められた絶品である。
団地
「ずーーーっと住みたい!」
撮影場所:神奈川県プラザシティ相模大野
名前:みか さん
長女の部屋が必要になり、同じ団地内でお引っ越し 16年住んだ前の部屋との違いにわくわく 広い!キレイ!部屋が増えた! キレイに住みたい気持ちが強く、入居前はフル掃除 長女も積極的に掃除に参戦
<審査員コメント 大西 みつぐ氏>
長女さんの部屋が必要となり、同じ団地内での引越し。長女さん自らが丁寧に床を掃除しています。まだ家具なども運ばれていないピカピカのお部屋。そこに彼女は様々な夢を描いていることでしょう。そっとカメラを向けたい日常とはこんなシーンです。モノや空間に伝わる愛しさ。そこにはかけがえのない家族の記憶が残ります。
優秀賞
【復興】
「大好きな海。」

名前:蛭田 明日華 さん
- 震災以降、海へ行くことに少し抵抗がありました。そして、就職で地元を離れていたこともあり、よけいに地元の海へ行かなくなっていました。しかし、ふと、海へ行きたいなと思い、帰省したその日に海へ行きました。キラキラした静かな海、綺麗な砂浜を見て、やっぱり私は地元のこの海が大好きだと思いました。
- <審査員コメント 西田司氏>
地元いわきの海に震災後いかなくなっていた撮影者が、久しぶりに綺麗な地元の海を見て、解放されている姿が印象的な作品。少し傾いている画角も含め、美しいブルーの海と真っ白な砂浜で身体を目一杯広げる構図から、津波により止まっていた時間が動き出し、元々大好きだった海での時間が再び始まる清々しさを感じた。
【団地】
「秋色スターハウス」

名前:ワタナベ ヨシユキ さん
- 秋になると、自然豊かな常盤平団地では、空高く伸びる樹木の葉が紅く染まり、足元には落ち葉のじゅうたんが広がります。団地のシンボル、スターハウスが秋色に染まる、この団地ならではの風景をカメラに納めました。
- <審査員コメント 池邊このみ氏>
1960年、わが国初の大規模団地として竣工した常盤平団地は、日本都市計画学会賞も受賞した団地計画の名作である、この団地に10棟ある「スターハウス」は、現在も入居可能であり、UR団地のステータスである。黄色系の外壁と紅葉とのマリアージュが非常に美しく、撮影者のスターハウスへの愛が感じられる作品である。
【復興】
「海への想い」

名前:松本 和喜 さん
- 震災以降海に様々な想いがある。安らぎもあれば悲しみもある。少しずつ新たな場所が生まれていることを月日が経つと感じるが、暖かい日も寒い日も太陽は変わらず昇り、今日も誰かの想いが置かれた花に込められる
- <審査員コメント 大西みつぐ氏>
陸前高田の国営追悼・祈念施設。「海を望む場」から見える広田湾の景色は変わらぬ美しさを誇っているようです。太陽が昇る頃、献花台も少しづつ光を反映していきます。静かな情景を慎み深くとらえた的確な風景写真。写真には「時間」が写りますが、今ここにある時間と経緯、さらにはこれから。それらの集積が「記録」と呼べるもの。
【団地】
「家族で待つ花火」

名前:白井 俊明 さん
- 隅田川の花火の特等席であるマンションのベランダで上がるのを待ちながらおしゃべり。親子3代が集まるきっかけとなる特別な1日です。
- <審査員コメント 山田悠人氏>
親子3世代がベランダで隅田川花火大会の始まりを心待ちにしている作品、臨場感があり自分もそこにいるようなでワクワクした感情や楽しい会話が写真から伝わってきました。花火大会を撮影した写真は見てきましたが、花火が始まる前の楽しい時間を切り取った作品は見たことがなかったので、とても素晴らしいと思いました。
【復興】
「塗装作業」

名前:有田 勉さん
- 造船所に陸揚して貝殻が付着したのを取り除いたあと塗装するため時間がかかり大変です。
- <審査員コメント 山田悠人氏>
造船所に陸揚した漁船に付着した貝殻を取り除き塗装する作業を撮影した作品です。作業している5人の方々がまるで歌川広重の版画のように絶妙なバランスで配置され、一人一人の作業工程もしっかり写し出されており、津波で流された漁船も多い震災の復興の姿を力強く捉えた素晴らしい作品だなと思いました。
【団地】
「こどもパーキング」

名前:照井 啓太さん
- 『ぼくたち・わたしたちのマイカー』が団地のピロティにたくさん停まっていて、たいへん微笑ましい光景でした!団地には、これだけたくさんのちびっ子たちが住んでいるのですね。
- <審査員コメント 西田司氏>
団地のピロティに、子どもたちが乗ってきて、そのまま置いた乗用玩具が、10台以上ラフに置かれている風景が印象的な作品。子どもが写っていない写真にも関わらず、ほんの少し前まで、そこにいた子どもたちの気配が漂い、団地で遊ぶ子どもたちの仲の良さや、小さな子どものいる団地生活が想像させられる。
入賞
【復興】
「大地の守り神」

名前:秋葉 宏幸 さん
- 満開を迎えた為内の1本桜。八幡平市の孤高の1本桜です。岩手山との美しいコラボレーションが最高でした。桜に向かう階段を登る老夫婦がホントに小さく見えるほど桜と岩手山は雄大でした。桜も岩手山もこの地域の復興をずっと見守ってきました。まさに守り神のような存在です。
【団地】
「秋晴れのイチョウ並木」

名前:女池 智恵 さん
- イチョウ並木が見ごろを迎えていました。住棟が以前よりも白く明るくなったことで、イチョウの紅葉がより一層引き立つ並木道になったように感じます。