街に、ルネッサンス UR都市機構

全国団地景観サミット2012 審査の風景

トップ

団地の姿とそこに住まう人の営み、周辺環境との調和がつくりだす景観を描き、写しとった作品を、テクニックや表現手法にとらわれず、独自の視点から評価する。
そんな他にはない取り組みとして、今回、5回目を迎えた「団地景観サミットフォト&スケッチコンテスト」。
作品そのものだけでなく、添えられたメッセージに込めた応募者の想いまで総合的に評価した上で選ばれた入賞作品の魅力は、どこにあるのでしょう。
審査後に行われた講評座談会で、評価のポイントを語り合っていただきました。

審査総評

※敬称略

ハービー・山口 (写真家)

今回の受賞作品を見ていると、団地に住んでいることの楽しさ、うれしさなどがよくあらわれていて、見ていて元気をもらったような気がします。特に、子どもたちがとてもポジティブな絵を描いている。生活基盤である住環境が、そこに住む人にポジティブな時間や精神性を与えることはすばらしいことだと思います。これからの日本を背負う子どもたちが、伸び伸びと大人になっていくためには、こうした生活環境が重要な役割を果たすのだろうと思います。だから、この作品たちを、もっといろいろな人に見てほしい。例えば、展覧会などの場があるといいですよね。イベントで展示するなど、写真やスケッチをもっと身近に感じてもらう場がつくれたらいいと思います。ポストカードを製作してもいい。残しておきたい。感動的な作品がありましたから…。

ハービー・山口 (写真家)

馬場 正尊 (Open A代表/東北芸術工科大学准教授/建築家)

作品を見ていて、団地の良さというのは、隙間というか余白があることだと、改めて思いました。皆さん団地をいろいろな角度から解釈して自由に描いていますし、いろいろな空間を、いろいろな使い方で楽しんでいる様子が写真からも分かる。ふだん見逃している風景の中に、美しさや楽しさを発見している。団地のよさを再発見させてもらった感じがします。団地だと、どうしても管理という視点が必要になるのかもしれませんが、そこに住んでいる人たちは、作者の方たちのように、現状の空間や生活をポジティブに楽しく捉えて生きていこうと思っている人がほとんどなのではないでしょうか。この作品群は、生活のヒントやアイデアの集積というか、宝の山のようなものです。アイデアブックとしても参考にしたいと思います。

馬場 正尊 (Open A代表/東北芸術工科大学准教授/建築家)

下田 昌克 (イラストレーター)

作品集として印刷物になると、応募した人はものすごくうれしいですよね。展覧会というご意見もありましたが、もっといろいろな人の目に触れる機会があるといい。団地絵画展でツアーができたらいいのかなと思います。私も高校まで団地で育っていて、今も両親は団地に住んでいます。高齢になってきているのですが、ご近所との距離の近さや、子どもとの距離の近さ、そういう団地ならではの距離感があることで、周囲の人たちに助けられている部分が確かにあるように思います。審査を通じて、団地の、マンションとは違う人との距離感をうまく育てていければいいなと感じさせられました。

下田 昌克 (イラストレーター)

池邊 このみ (ランドスケーププランナー)

私は、もともとコンテストの企画者として携わっていたのですが、団地に住む皆さんが胸を張って「私の団地はいいんだよ」と社会に自慢する場が欲しいなと思ったのが、5年前にこのコンテストを始めたきっかけでした。ですから、いわゆるフォトコンテストではなくて、団地への想いをメッセージとして添えて応募してもらい、メッセージも含めた作品として審査することにしたのですが、今回も、素敵なメッセージに触れることができ、言葉でなく作品そのものにメッセージ性を感じられるような写真や絵が増えていると感じました。例えば、子どもや高齢者の方もポジティブな絵を描ける。そんな心の健康を、団地という場は育むことができる。一般の人に、団地の景観や、子どもたちが団地のことをこんなに明るく捉えていることを伝えられれば、URの団地が幸せな街をつくる基盤になることを社会に発信できると思います。5年間集めた作品を、貴重な財産として使っていただきたいですね。

池邊 このみ (ランドスケーププランナー)
審査の風景01
審査の風景02
審査の風景03
審査の風景04

コメント

フォト大賞

拡大
「水鏡」
ハービー・山口
写真的センスに優れた作品だと思います。シンプルに上下対象の構成にしたことで、建物が浮き立ち、よけいなものが画面に入っていない。水面に建物が映るこの時刻が一番フォトジェニックな瞬間だと判断した。その見極めがいいですね。
馬場 正尊
この場所のことをいつも見ていて、そのなかから、ものすごく美しく見える瞬間を捉えている。たった1枚の作品ですけど、たくさんの蓄積の中から一瞬を捉えたことで、奥行きを感じさせてくれる。表現として強い作品だと思いました。
下田 昌克
建物そのものと水に映った影という上下の形だけではなくて、左右もシンメトリーに近い構図。いろいろ連想できる形ですね。
池邊 このみ
カラー写真でありながら、白黒写真のように抽象化されていて、写真として非常に美しいと思います。
馬場 正尊
この作品のほかにも、20代の人たちが、団地を美しいオブジェとして捉えている作品が何点もありました。若い世代ほど、団地を美しさの対象として捉えていることも、興味深かったですよね。

スケッチ大賞

拡大
「カーテン」
ハービー・山口
薄暮のなか、窓に電気がついている。少しポップな感じの色のカーテンがそれぞれの家庭の営みを想像させてくれる作品です。手前の人物の後ろ姿が、せつない印象ですよね。パステルのようなシンプルな色使いで、さわやかさもある。
池邊 このみ
過去のコンテストでも、洗濯物や布団が干してある様子を描いたものはありましたが、カーテンを描いたものは初めてで、発想が豊かです。
ハービー・山口
洗濯物や布団だと、生活感が出すぎますよね。カーテンにしたことで、生活感が美しさに変わっている。家に帰っていく、光の中に帰っていくというストーリーがありますね。
池邊 このみ
この作者の才能ですね。自転車の車輪を描いていないところも上手だと思います。
馬場 正尊
画面手前に人物を置いたことで、見る人は感情移入できる。温かな光の中に帰ってくような気持ちで、団地を見られるのではないでしょうか。
ハービー・山口
この人のセリフや気持ちまで想像できる。上手な人物設定だと思います。

フォト最優秀賞

拡大
「ゆっくり、ゆっくり」
ハービー・山口
まだ雪が残っているなか、光には、命の息吹のような力強さが感じられる。逆光のなかに美しい形を写しとっています。動きがある情景で、子どもが元気に遊んでいる日常をきちんと捉えた作品ですね。
池邊 このみ
タイトルのように、ゆっくりした子どもの成長と、ゆっくり遊具に登っていくようす、それをお母さんが見守っている団地のよさが感じられます。光のシャワーのような情景もいいですね。
ハービー・山口
人への眼差しが感じられる作品です。ただ、人が主役であっても、遊具が身近にある団地独特の環境もよく捉えられています。
馬場 正尊
建物と建物の間にゆとりがある団地ならではの空間に、光と影が共存している。すき間のような空間で、気ままに思い思いのことをしている。そういう空気感が出ています。独特の眼差しが温かいなと思います。

スケッチ最優秀賞

拡大
「宇宙公園はぼくらの楽園」
下田 昌克
作者は84歳の方なのですが、ご高齢なのに、遊具を画面の中央に描く潔さが、すごく格好いい。若々しい絵だと思います。自分もこういう絵を描けるようになりたいと思わせてくれますね。
ハービー・山口
84歳になっても若々しい作品が描ける。表現者であり続けることはすばらしい。
下田 昌克
僕だったら、ロケットを真ん中には描けないかもしれません。どちらかに寄せた方が構図的に優れていると思ってしまう。
ハービー・山口
真ん中に置いて強調していることが、格好よさやインパクトにつながっている気がします。
池邊 このみ
しかも、子どもの動きをよく見ていますよね。自然な姿を微笑ましく思いながら見ているという作者の視点が伝わります。
下田 昌克
木の質感なども、きちんと描けています。
馬場 正尊
細かいものを丁寧に見て、それを写し取ろうとしているからでしょうね。

フォト優秀賞

拡大
「そろそろ帰っておいで」
ハービー・山口
建物に最後の夕日がかすめて、お母さんがごはんだよと呼んでいる時間帯の、名残惜しい気持ちをシルエットで表現している。ブランコのフレームなどもうまく処理されていると思います。
池邊 このみ
ブランコが、住棟に重なっていない。にくいほど、構図もよく考えられていますね。
ハービー・山口
そう。建物に重なると、構成としてもつらいですね。宙に浮いたところを撮影している点もいいところです。
池邊 このみ
ブランコが一番高い位置にある一瞬を撮っている。計算されているのだと思います。情景に哀愁が感じられます。
ハービー・山口
その切なさは、時間的なことと、シルエットにしたことで感じられるのだと思います。
池邊 このみ
しかも、季節は冬ですね。木に葉がないので。冬の少し寒い夕暮れ時…。
ハービー・山口
さびしげな雰囲気がいいですね。
拡大
「冬のアシアト」
ハービー・山口
雪景色のなかに、点景として傘の色がある。白黒に近い表現が魅力ですね。雑多なものがない光景に人の気配を入れることで、写真に命が備わった。春、夏、秋、冬と、窓から見える風景のなかで、雪だ、人が来る、美しいと、フォトジェニックなものを判別する力がある作者だと思います。人物のさりげない配置もいいですね。
下田 昌克
丁寧なエッチングのような、お話の1ページのような…。足跡が、いろいろなことを連想させてくれますよね。
池邊 このみ
メッセージが片仮名で書かれていますが、それもこの作者の切り取り方に近い感覚なのかもしれません。
ハービー・山口
点景の人物が有効ですよね。この作品は、全体の風景に人物を上手に取り込んでいます。
池邊 このみ
住棟は写っていないけれども、囲まれた空間の外に住棟があることが感じられる気がします。
「照らされる日」
下田 昌克
絵画的な写真ですよね。
池邊 このみ
住棟に光が当たって、空が印象派の作品のような色合いに見える。広く空を入れた構図、団地の角度も美しいと思いました。画面の下に緑が入っているのも、団地らしいですね。
ハービー・山口
建物と空、どちらかに露出を合わせると、どちらかが犠牲になる場合が多いのですが、空の表情も、建物も、ほどよく写っています。風景の一部分を切り取って、全体が持つ雰囲気を表していますし、夕暮れに差しかかったときの名残惜しい気持ちも画面の色に出ている。まさに印象派の絵画に共通する、ものを見つめる優しさがあるのではないかと思います。
馬場 正尊
何気ない普通の風景なのですが、僕らが好きな団地の美しさはこういうところにあるのだと再認識させられます。作者には、そういう何気ない風景を捉える才能がありますね。

スケッチ優秀賞

「文化祭」
下田 昌克
じっくり見ると、一つひとつに見出しをつけてみたいほど画面の中でいろいろなことが起こっています。登場人物の表情を見、何をやっているかを見ていくことで、おもしろさがわかるような作品ですね。
馬場 正尊
モチーフごとに、登場人物のセリフがリアルに想像できますよね。
下田 昌克
そう。良いことも悪いことも、人の世界の森羅万象が詰め込まれているような気がする。
池邊 このみ
団地が社会の縮図として描かれている印象です。作者は70歳の方ですが、迫力がありますね。
ハービー・山口
老若男女が集う団地の広場という風景を通して、人のさまざまな営みを描き込んだところが面白い。
馬場 正尊
実際、団地だけじゃなくて、共同生活って面倒くさくて複雑なものじゃないですか。それを隠そうとせずにそのまま描き出したという点も、評価できると思います。
「夕方の一時」
ハービー・山口
夕焼けのなか、若者が通り、女の子が談笑し、子どもたちがおしゃべりをしている。住民の平和な姿に心が安らぐ作品です。
馬場 正尊
独特の色と質感、たたずまいといいますか、そんな雰囲気にわしづかみにされた印象です。どこかで見たことがあるような懐かしさもありますよね。
ハービー・山口
緑の森の表現もいいですね。光があたっているところが、きちんと表現されています。ポストカードにできそうな作品ですね。
池邊 このみ
どっしりと建つ団地の風格も表現されていて、いい団地だなという感じも伝わってくる。
ハービー・山口
年月を経て、風景に溶け込んだところがいいんですよ。使い込んだ温かさがありますよね。人々が思うままに平和な暮らしを営んでいる空間。住棟に囲まれた団地ならではのイメージが伝わってきます。
池邊 このみ
見守り感ですよね。
「夜の団地」
ハービー・山口
30歳の方の作品です。紫の空を描いた筆の運びが印象的なのですが…。
池邊 このみ
すごい個性的なタッチですね。
下田 昌克
線で画面を埋めていくような手法で描かれていますし、選んだ色も黒や青ではなく紫、紫の夜空が格好いいと思わせてくれる作品です。星と月のバランスもいいですね。
馬場 正尊
確かに格好いいですよね。ガリッとラフに描いた質感もいい。Tシャツの柄にしたいと思いました。
ハービー・山口
そんな世界観のなかで、住棟に書かれた数字が現実に引き戻す効果を発揮している。作品に添えられているメッセージも、インパクトのある文章です。作者の純粋さが感じられますね。
下田 昌克
何か一生懸命な感じがする。でも、きちんと大人っぽいし、格好いい。そんな作品ですね。

審査員賞

「冬の日差し」
池邊 このみ
ランドマークになる大木をシルエットで撮影した作品です。敷地が砂だから、こういう映り方をしているのだと思いますが、そこを子どもたちが歩いている。まさに団地ならではの風景ではないでしょうか。低い冬の日差しで大きく伸びた影が住棟まで届いている光景を、少し引いたアングルで撮影しているのも目を引きました。
ハービー・山口
環境に関心をお持ちの池邊さんならではのセレクトですね。
池邊 このみ
緑を直接写していないのに、緑を感じさせるのもいいと思います。
ハービー・山口
良い視点ですよね。単刀直入で、いい構図だと思います。
「掲示板にスイカ?」
下田 昌克
フォトジェニックではないのですが、団地の生活ってこうだよねと思わせてくれる。団地ならではの距離感を象徴的に写した作品だと思います。僕も子どものころ団地に住んでいて、こういう団地の距離感がすごく苦手だったのですが、大人になると、こんなに楽しかったのだなと思える。ある意味、わかりやすい写真でした。
ハービー・山口
団地のコミュニケーションツールである掲示板で、花壇に実ったスイカを紹介している。都会のマンションにはない住民の感情でしょう。こうした住民同士のさりげないコミュニケーションがうらやましいですよね。
「生まれ変わる」
馬場 正尊
仮囲いされた状態の建物って、実は美しいものなのではないかと思っていましたが、コンテストに応募があったことに驚きました。見方によっては、巨大な建物を梱包するアートで知られるクリストの作品のようで、フォルムとしての美しさ、面白さのようなものが端的に出ていると思います。
池邊 このみ
仮囲いをされているのが不快だという気持ちの一方で、それが外された瞬間に美しい空間に生まれ変わるという期待もある。それが、作者の美しく撮ろうという気持ちに出ていると思います。
ハービー・山口
十数年に1回のシャッターチャンスですね。
「商店街の夕暮」
ハービー・山口
昼間の光と電球の人工光が混じり合って、昼間がまだ続いてほしいという寂しさと、夜が来るというときめき感が感じられる作品です。写真では、これだけ決まった位置に人を配置するのは難しいのですが、絵だからこその完璧な人物配置ですね。
池邊 このみ
この団地のセンター街区は活気があって、さびしい夕暮れ時だけれど、商店街にとってはお客さんが来る時間帯。アットホームな、おだやかなにぎわいを感じさせてくれる作品だと思います。
下田 昌克
人が、みんな少し猫背なのもいい雰囲気ですよね。

審査員特別賞

「ボクんちは、どこ?」
馬場 正尊
この作品は、団地の案内板に対して新しいヒントを与えているのではないかと思います。案内板自体にいろいろと楽しい情報が盛り込まれていてもいいのだと、気づかせてくれる作品ですね。
ハービー・山口
案内板って、情報を与えるのが主な目的ですよね。それをこうして作品にするというのは、新しい発想だと思います。
池邊 このみ
これを見ると、この団地には並木があるとか、緑の空間があるとか、子どもが遊べる公園があるとか、そういうことが伝わってきます。住棟配置以外にも、そんな情報が必要なのだと気づかせてもらいました。
ハービー・山口
人は普通、自分の身長の高さでものを見ているんですが、この作品は、鳥の目で見せてくれる。蟻の目で見ないで、鳥の目でみなさい。小さなことで悩む必要はないよと教えてくれる。そんな爽快感がありますよね。

キッズ大賞

「夜の団地も明るいよ」
下田 昌克
全部違う色で夜の窓を描いています。夜になっても明るいということ気づいて絵にしたのでしょう。モチーフの全部に顔がついていて、イルミネーションからも「なんだろう」と思わせるような顔が見えている。
馬場 正尊
夜、車が駐車場に入ってきたときに、ふっと明るくなりますね。窓からの景色がヘッドライトに照らされて、お父さんが帰ってきたと気づく。そんな時間を描いた感じもします。下田さんが顔のことを指摘されていますが、この作者は、日常の小さなもの、いろいろなものに生命があると感じている。すばらしい感性だと思います。
下田 昌克
子どものころって、無機質なものや、人工的なものにも、感情があると思えたということを思い出します。もともと予定になかったキッズ大賞を新たに設けたのですが、それにふさわしい。いい作品だと思います。

キッズ賞

「光る夜景を観ながら」
下田 昌克
これは、大人っぽい作品ですね。省略の仕方も上手だと思います。
ハービー・山口
定規を使って描いているところが、ほかのキッズ賞作品とは違いますよね。バックの処理や筆使いも巧みです。建物は定規を使って几帳面に描いているけれど、背景など、状況によっては定規を使わずに、ふわっとした線で表現している。
池邊 このみ
広場の車や、奥の建物の一つひとつにライトが当たっている様子まできちんと描けていますし、緑地と市街地が帯のように重なって見えるといった、団地が建つ地形の特徴も捉えられている。子どもながらに、団地からの夜景のよさが、わかっているのだなと思います。
下田 昌克
湾曲した道を描いたことで、見る人には、きちんと何かが伝わってくる。人に伝えるということが、感覚的にわかっている感じがします。
「楽しいくらし」
ハービー・山口
生命感溢れる色使いの作品ですね。空には虹も出ていて、楽しい気持ちが表れています。
下田 昌克
作者が、楽しい家庭に暮らしていることが、想像できますよね。
池邊 このみ
団地の生活は楽しいよと、いう子どもの気持ち、孤独ではないという想いが感じられて…。幸せな気持ちが溢れています。
下田 昌克
キッズ大賞の作品もそうですが、色を使うことを恐れていない感じがしますね。バランスを考える前に、強い色でどんどん描いていく。
ハービー・山口
非常にポジティブな心を持っているのではないでしょうか。力強いですよね。
下田 昌克
なぜ、自分はこんなふうに描けなくなったのだろうと思えて、ショックですね。大人になると思ったままに描けなくなってしまう。なぜなのだろうと…。
ハービー・山口
子どもの無邪気さが感じられる、まるでピカソのような作品です。
「あかるくたのしいだんち」
ハービー・山口
団地を、屋上や窓に国旗が広がっているような情景として見ている。楽しい作品です。
池邊 このみ
家のなかの様子が、いろいろな色で、いろいろな形で表現されていて、楽しさが感じられますよね。
ハービー・山口
この団地には、近所付き合いがあるんだと思うのです。そうでないと、カーテンを閉めた絵を描いてしまう。例えば、友だちが勉強している姿が家から見えるというように、知っている人たちを温かく見ているという印象ですよね。
池邊 このみ
メッセージには、上の階の窓から下の階の友だちと話をしている様子が楽しそうだったとありますから、作者は団地の暮らしをうらやましく感じているのかもしれません。
馬場 正尊
立体的に生活している感じが出ていますね。平面ではなくて、上下や斜めの関係性があることがわかっているから描ける作品だと思います。
審査の風景05
審査の風景06
審査の風景07
審査の風景08
  • LINEで送る(別ウィンドウで開きます)

メニューを閉じる

メニューを閉じる

ページの先頭へ