街に、ルネッサンス UR都市機構

洋光台北団地 1-11号棟建替え・団地の集会所-OPEN RING-[洋光台プロジェクト]

1-11号棟北面
団地集会所西面

About

洋光台北団地は、JR根岸線「洋光台駅」から徒歩8~14分の場所に建つ団地です。
駅前から団地に至る洋光台通りにはスーパーをはじめドラッグストアや書店、喫茶店など生活に便利なお店が軒を連ね、学校や医療施設も周辺に近接しています。

管理開始:昭和45年 住戸数:1,703戸(R3.12時点)

洋光台まちづくりビジョンとは

  • 当団地のある磯子区洋光台周辺地区は、横浜市「環境未来都市計画」における持続可能な住宅地モデルプロジェクトのモデル地区に選定されています。
  • 当地区では、平成24年より地元まちづくり協議会、有識者、横浜市ほか行政、UR都市機構が協働して組成する「洋光台エリア会議」が発足し、団地を核とした地域全体の価値向上に向けたエリアマネジメントの取組み「ルネッサンスin洋光台」を展開し、地域のまちづくり方針である「洋光台まちづくりビジョン」を策定しています。
拡大

History

洋光台地域の海を望む小高い丘に、土地区画整理事業により計画戸数8,558戸、計画人口3.3万人、207.5haのニュータウン開発が始まったのは昭和41年(1966)のことです。開発当時、横浜駅から磯子駅までだった根岸線が、洋光台駅まで延伸した昭和45年(1970)、新しいまちへの入居が始まりました。昭和48年(1973)に行われた洋光台地域の宅地分譲の抽選は、5,003倍という信じられないほどの高倍率で、それまでの宅地分譲の最高倍率を記録したほどの人気でした。
現在は、約10,800世帯が住むまちとなり、その内の約3割にあたる3,350戸を占めるのが、日本住宅公団の時代に建設されたUR賃貸住宅の「洋光台中央」「洋光台北」「洋光台西」の3団地です。「洋光台中央」「洋光台北」の2団地は、昭和45年(1970)の洋光台のまち開きと共に入居が始まり、(平成26年で)43年の時を重ねてきた団地です。「洋光台西」は、「洋光台中央」「洋光台北」の2団地の入居開始から5年後の昭和50年(1975)に入居が始まりました。

Renewal:1-11号棟建替え
『周辺環境に配慮した親しみやすいモノクロームなファサードデザイン』

デザイン計画

洋光台北団地は、横浜まで約30分という好立地でありつつ、入居開始から45年以上経過し、団地内には豊かな緑や文化が醸成されています。計画にあたっては団地の原風景を保全しつつ、新築棟の計画において新しいイメージを吹き込むことで”あたらしいけど懐かしい”地域住民が安らぎや親しみやすさを感じられる団地景観の創出を目指しました。
~新しいイメージをもたらすリーディング住棟《高層棟新築》~
住棟は白を基調として、フレーム等の構成要素をグレーに着色したシンプルなモノクロデザインとし、中層棟群の中に、真っ白な高層住棟が現れることで、団地景観に変化とこれまでに無いイメージを与えています。

建築計画の概要

以下に示す(1)~(5)の基本方針に沿って計画を進めてきました。

(1)住棟計画
地域のランドマークであった既存棟の存在感を引き継ぎました。
既存のスキップフロア住棟を全階エレベーター着床の完全バリアフリー対応とするとともに、単身から小家族世帯に対応した多様な住戸プランで構成されています。

(2)避難活動の情報拠点として機能するラウンジ
通常時は、防災コミュニティ形成に寄与する地域イベント(親子交流会等)や、集会所等で開催するセミナーと連携した防災訓練等を実施する想定です。
このラウンジは発災時には情報拠点としても活用できます。キッチンを備えており、乳児の授乳やおむつ換え、病人の休憩所等の屋内活動も想定しています。

ラウンジから南面をみる
ラウンジ内観
北エントランスからホールをみる
南エントランスから北面をみる

(3)住棟の南北を緩やかにつなぐホール空間
ホールは現在の住棟と同様、子供たちの遊び場として活用できるよう設えました。
北側のグランドと住棟南側の広場を繋ぎ、空間の連続性を創出しました。

(4)安全な歩行者空間の整備(歩道状公開空地)
現歩道は幅員が狭いため、幅員2mのインターロッキング仕上げの歩道に再整備し、住棟西側のウォーキングトレイルに接続させ、地域住民が安全に歩行できる空間を整備しました。

(5)既存の緑を継承しつつ屋外防災活動の場所になる広場
既存の桜と連続する植栽計画としています。また、憩いや遊びの場としての利用だけでなくグランドと連携した地域の防災活動の場として、かまどベンチを活用した炊き出し(避難訓練含む)の場としても活用する想定です。

外観

南西面
南面
北東面
北面

外構計画

建物設計概要

設計・照明計画

設計:市浦ハウジング&プランニング 照明計画:近田玲子デザイン事務所

敷地面積

2728.00m2

建築面積

889.86m2

延床面積

5160.44m2

構造

RC造

階数

10階

住戸数

97戸

Renewal:団地の集会所-OPEN RING-

2015年に実施したアイデアコンペにより最優秀賞となったNAAW(長野憲太郎氏+王翠君氏)の案をベースに佐藤可士和氏と隈研吾氏のディレクションにより実施案検討が進められました。コミュニティカフェを開設し団地居住者の他、地域の方々も立ち寄れる場所として賑わいを見せています。

集会所西面
サンクンガーデン

建替前配置図

建替後配置図

断面図(建替後)

アイディアコンペ最優秀コンセプト:『OPEN RING』

○開いた輪
 ・“オモテ”と“オク”二種のオープンスペース
 ・大屋根による街並み・ゲート空間の形成
 ・メッセージ性、象徴性

○大階段
 ・地形を生かした屋外劇場のような階段空間

○ポケットスペース
 ・集会所機能とオープンスペースとの間の自然なつながり
 ・自由なサーキュレーション(通り抜け、休息、etc.)

NAAWの基本計画案(全面建替案)

「コミュニティスペース」を回遊する動線と動線にぶら下がるそれぞれの個性をもった「たまり空間」

  • ○既存建物をできるだけ活用しつつ、全体をリ・デザイン
     ・1-1号棟の今後の再編を見越した整備(大集会室棟、小集会室棟は既存棟として残し、1-1号棟側に新築棟に建替)
     ・新築棟の大屋根とゲート庇、サンクン階段と回遊動線との連続性により、空間の一体感を創出。
  • ○サンクンガーデンの刷新によるアクティビティの創出
     ・通りに面しゲートを設けることで、人の流れを誘引。また、既存サンクン階段に連続する新規階段を設けることにより、カフェと一体に活用することで憩いと活動の場を創出。
  • ○新たな拠点づくりとしてのクラウド機能の導入
     ・コミュニティカフェを設け、導入される団地内クラウド機能と連携する、新たな拠点づくりとして整備。

基本計画

「コミュニティスペース」を回遊する動線とそれぞれ個性をもった「たまり空間」による構成。

外構計画

  • サンクンガーデンからみた際に背後にある住棟の存在をやわらげる役割を担うシラカシをシンボルツリーとして配置しました。
  • 常緑により木陰で休憩できるスペースを提供しています。
  • サンクンガーデンの出入口を彩るカツラを南北の軸線の両側に配置しました。
  • 囲われた屋根を強調するため縦方向に成長する樹種を選定しました。
  • 落葉樹で季節感を演出します。
  • 常緑のソヨゴにより新旧の土留め擁壁入隅をやわらかくしました。
  • カツラとソヨゴを両側に配置することにより、建築の向かい合わせをやわらかくしました。

照明計画

  • 照明による光のオープンリング
  • 光を仕込んだベンチによる集える広場階段
  • 視覚的なポイントとなる壁面照明
南からの鳥瞰
サンクンガーデンからC棟と新築棟の取り合い部を望む
西側からゲート庇を望む
サンクンガーデンから通り抜け通路を望む

パース

北西からの鳥瞰

建物設計概要

デザイン監修・設計・照明計画

デザイン監修:NAAW 設計:市浦ハウジング&プランニング 照明計画:近田玲子デザイン事務所

敷地面積

906.63m2(新築部分のみ)

建築面積

308.57m2(新築部分のみ)

延床面積

188.67m2(新築部分のみ)

構造

新築部:鉄骨造 既存改修部:RC造

階数

1階

ACCESS

住所: 神奈川県横浜市磯子区洋光台2丁目1番地
交通 : JR京浜東北・根岸線「洋光台」駅下車徒歩8~14分

関連リンク

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