分別解体
産業廃棄物全体の20%程度を占める建設産業は、最終処分場への負荷の軽減と循環型社会における有限な資源の有効活用を目指し、先導的にリサイクル推進に取り組むことが不可欠な状態です。
UR都市機構では、昭和63年度からUR賃貸住宅の建替事業に伴う建設廃棄物のリサイクルに取り組んでいます。早期から積極的なリサイクルが行われてきた特定建設資材(コンクリート塊、アスファルトコンクリート塊、建設発生木材)に加え、混合廃棄物の再資源化についても調査・研究を進めてきました。
平成13年度には東京都三鷹市の三鷹台団地建替工事で、これまで混合廃棄物として搬出され、最終処分されていた内装材について、建設発生木材に加え、畳、グラスウール、石膏ボード、板ガラス、蛍光管、発泡スチロール、塩ビ管・継手、その他混合廃棄物の8品目の分別し、再資源化するモデル工事を行いました。結果は混合廃棄物の70%が再資源化でき、最終処分量の低減に有効であることが実証されました。
モデル工事の結果を踏まえ。平成14年以降、UR賃貸住宅の建替工事においの8品目の分別解体工事を全国で展開しています。平成19年度からは混合廃棄物を更に浴槽、電線、襖、壁紙・塩ビシートの4品目と混合廃棄物へ分別品目を拡大し、合計12品目の分別解体を行い、再資源化に取り組んでいます。
現在、UR都市機構では分別解体工事の再資源化が及ぼす環境負荷低減に関する研究を行っています。分別解体工事の再資源化が与える影響をCO2削減量、埋立て処分量、再生資源量の環境負荷指数から表すことにより、LCA(Life Cycle Assessment)から見た望ましい分別リサイクルの形について検討を行っています。
※Life Cycle Assessment(ライフサイクルアセスメント): 製品やサービスが生産されてから廃棄されるまでの間に、環境に与える影響や負荷を評価する考え方、あるいは手法。
今後も、UR都市機構は、建替事業の建物解体工事における「ゼロエミッション」を目指して分別解体を促進していきます。さらに、再資源化技術の向上や、再生材の利用促進も含めた、建設資材のリサイクルシステムを構築し、循環資源型社会の形成に貢献していきます。