Profile

白井 伸

入社:
2015年
専攻:
農学部森林科学科
研究内容:
斜面樹林の変化と土地活用等の関係に関する研究

元々、自然や緑が好きだったことから、大学でも森林や生態学に関わる分野を専攻した。その知見を活かすことを考え、「造園職」を志望したことが、UR入社のきっかけとなった。現在は、賃貸住宅の屋外空間の整備を担当している。

Career

  • 2015年:

    東日本賃貸住宅本部 住宅経営部 保全企画課
    賃貸住宅の造園に係る管理業務

  • 2016年:

    東日本賃貸住宅本部 住宅経営部 環境整備課
    賃貸住宅の予算管理・実施計画策定業務

  • 2017年:

    東日本都市再生本部 事業推進部 事業推進第1課
    防災公園・再開発の計画業務

  • 2019年:

    本社 住宅経営部 保全技術課
    屋外関連の窓口・調整・支社支援業務

  • 2021年:

    西日本支社 技術監理部 ストック保全課
    賃貸住宅の屋外設計・工事業務

暮らす人々の声に耳を澄ませ、
団地への愛着を育んでいく。

小学生時代からURに馴染みがあったそうですね。

友だちとよくURの団地内で遊んでいました。一般の公園と異なり、団地にお住まいの方からすれば私はよそ者だったわけですが、ベンチからお年寄りが見守ってくれたり、窓からご飯だよと声が聞こえたりと、それを許容してくれる温かい雰囲気と広い屋外空間が好きでした。

就職先としてURを意識したきっかけはなんでしょう。

大学では森林や生態学の研究を専攻しました。それらの知見を活かす仕事として考えたのが「造園」です。改めてURについて調べてみると、団地以外にも公園や都市開発など、「造園職」として幅広い仕事の場があり、とても魅力を感じました。

現在は賃貸住宅の修繕に携わっているそうですが、その中で「造園職」の役割とは?

賃貸住宅の修繕は、住戸や共用部、各種設備をはじめ多岐にわたりますが、私は主に屋外空間の整備を担当しています。具体的には、植栽の更新やプレイロット(団地内の公園)の改修、魅力あるエントランス整備等に関わる設計・工事です。「高齢化が進んでいる団地の屋外通路をバリアフリー化する」「美しい桜並木があればその適切な保全を考える」等々、団地の特性を踏まえ、お住まいの方のニーズをヒアリングしながら、いつまでも愛着を持って住んでいただけるように取り組んでいます。安心安全に加え、時代やニーズに応じた豊かな屋外空間の創出を目指します。

気を付けていることは?

造園は特に植物を扱う職種で、施工完了時の完成イメージだけでなく、何十年後の姿を見据え設計を進めます。また、お住まいの方の想いはとても大事です。お住まいの方の声を聞き、思い出のある桜の木やプレイロットの遊具をどう残していくかも考えた上で、設計・施工します。

お住まいの方の声を大切にしているのですね。

その通りです。計画を立てる際、団地周辺の情報を把握します。公園などの環境状況や「建設当初はどのような想いや目的で屋外空間を整備したか」、「現在の屋外空間に求められる役割は何か」など俯瞰的な視点で考え、安全性・快適性も考慮し、課題を見つけていきます。ただ、それだけでは足りません。散歩するとき何を見て気持ちいいと思うのか、子供たちが実はこういった遊び方をしているなど、実際に暮らしているお住まいの方の声で気づかされることが多くありました。お住まいの方々との対話・交流を、さらに積極的に行うようになったきっかけの出来事です。

防災公園。複合開発。
プロジェクトを重ねるたび、モチベーションを新たに。

思い出深いプロジェクトが2つあるそうですね。

はい。どちらも、入社3~4年目に所属した都市再生本部でのプロジェクトです。一つは「さいたま新都心公園」。民間の工場跡地に、官民連携で防災公園を整備しました。こうした整備を民間事業者が行うことは少ないのですが、URはニュータウン事業や都市再生事業で培われたまちづくりノウハウがあり、公園施工に係る「用地取得」「設計・施工」を行政に代わり行うことができるため、受託に至りました。私は委託者であるさいたま市公園課との窓口として、計画全体のスケジュール管理や社内調整等を担当。市民の安全を守る意義深いプロジェクトであり、完成まで立ち会えたことも含めて確かなやりがいを感じました。

もうひとつのプロジェクトでは、「緑」がテーマだったとか。

東京・中野区江古田三丁目地区の再開発(まちづくり)ですね。「多世代により育まれる持続可能な地域をつくる」をコンセプトに、マンション、病院、高齢者向け住宅、有料老人ホーム等を整備した、中野区最大級の複合開発プロジェクトでした。「緑」がテーマの1つで、開発前から残る250本以上の樹木を保全しつつ、地区の緑の骨格となるよう新たに緑を拡充しています。私はプロジェクトの最後の2年間、屋外環境や緑を含めた地域資産をどのように活用するかを検討するエリアマネジメントを担当していました。

途中からプロジェクトを引き継いだのですね。やりにくさは感じませんでしたか。

URのプロジェクトは長期間に亘るものが多く、引き継ぎも珍しくありません。けれど、前任の人々が全力で取り組んでいたおかげで、行政や民間企業とも良好な関係が構築でき、より良いものづくりに全力で取り組めました。私自身の中にも、後任にいい影響を及ぼす仕事をしたいという、強いモチベーションが生まれましたね。

Day Schedule

  • 10:00

    団地に直行。工事の進捗確認や、現場での課題事項の確認

  • 12:00

    昼食・移動

  • 13:00

    メールチェック

  • 14:00

    屋外サインの仕様に係る打ち合わせ

  • 15:30

    設計事務所から受領した図面チェック

  • 16:30

    工事費の積算チェック

  • 17:40

    帰社

理想の住まいを形づくる緑。
その魅力を、確かなノウハウで引き立てたい。

My Future

これからも緑と向き合い続けるために、何を大切にしたいですか。

居住空間での大規模な緑の管理、防災公園の整備、まちの緑の計画立案。URの緑にかかわる仕事は一見どれも関連性がないようで、人に愛着を持ってもらえる緑空間を作るという共通点があり、それぞれの経験は事業の課題把握や、相手の求めるものの把握に活きてきます。 どういった形でプロジェクトに関わるにせよ、URが関わったことによってそこで暮らす人たちに素敵な緑ができたと思っていただけるように、これからもさまざまな経験を重ねながら、私自身成長し、高め続けたいと思います。