Profile

町井 様

入社:
2019年
専攻:
理工学研究科建築・都市学専攻
研究内容:
東日本大震災被災地の利活用に関する研究

高校時代に発生した東日本大震災の衝撃が、建築や都市再生等の学問に向かうトリガーとなった。大学院でも「災害復興」やそれに伴う「まちづくり」に係る研究を専攻した。URの幅広い事業フィールドに惹かれ入社を決める。

Career

  • 2019年:

    東日本都市再生本部 都心業務部 事業推進第1課

  • 2021年:

    同部事業推進第3課
    東京都心3区(中央区、千代田区、港区)における都市再生事業の推進業務、エリアマネジメント業務

URだからできる、本質的な課題解決を。
就活時の志を、新橋・虎ノ門エリアへ。

学生時代の研究テーマは、「東日本大震災からの復興」だったそうですね。

はい。その研究がきっかけでURの災害復興事業を知りました。それまでは正直「団地の会社」と思っていましたが、イメージが大きく変わりましたね。就活が始まる頃には、「URでしかできない『まちづくり』に携わりたい」と強く思ったほどです。

ゼネコンともデベロッパーとも違う、URの「まちづくり」とは?

建物を建てるだけではなく、それぞれのまちが抱えている課題の本質を捉え、解決に導く「まちづくり」です。当初、鉄道会社のような沿線のまちづくりにも興味はありましたが、URは「賃貸住宅」「都市再生」「災害復興」など、多彩な「まちづくり」に取り組んでいるため、幅広い視点でまちを0から100まで考えることができます。そのことも非常に魅力的でした。

現在は新橋・虎ノ門エリアを中心として、まさに「まちづくり」による課題解決に取り組んでいるところですね。

中央区・千代田区・港区の東京都心3区などの都心部では、国の主導のもと「国際競争力の強化」を目的に都市再生が行われています。中でも新橋・虎ノ門エリアは、「国際的ビジネス拠点」として大規模な再開発が進行中。私もその一環として、現在進行している開発プロジェクトの施設計画の検討や、開発後のエリアマネジメントに携わっています。

特に難しさを感じるのはどこですか。

新橋周辺のまちづくりでしょうか。新橋駅前には独特の雰囲気を持った飲み屋街があり、その風情を愛する人も少なくありません。古くから親しまれてきた界隈のよさを残しながら、本来の目的に沿った再開発計画へとどう落とし込むか。そこが重要なポイントです。

魅力を変えずに、まちを変えなければならない。その難問にどう向き合っていますか。

まずはまちを俯瞰して、魅力と課題を正しく把握します。そのうえで、行政や地元の方々と、まちのあるべき姿について徹底的に議論を重ねます。正解はありません。だからこそ、ともに模索し、問いかけ続けるという地道なプロセスが大切だと感じています。このプロセスなしに、多くの人が納得する「まちづくり」にはたどりつけないのではないでしょうか。

もうひとつの担当業務である「エリアマネジメント」とは?

「まちのブランディング」と言い換えられるかもしれません。URはハードを整備するだけではなく、ソフト面においても、賑わいを生み出すためのまちづくりに取り組んでいます。地域の人々を主体として、行政や民間事業者とも手を携え、新たなまちの魅力を発信していくのです。私が担当しているのは、虎ノ門から新橋まで続く「新虎通り」。幅40mという、まるで広場のような通りに並ぶ建物や広告物などの景観について、まちとして望ましい姿になるよう、ガイドラインに基づく調整業務に携わっています。

土地を買い、クリエイターへ提供。
高齢化する問屋街に、新しい交流の息吹を。

思い描いていた「まちづくり」は、入社して実現できたのでしょうか。

ええ。特に、日本橋問屋街地区でのコーディネート業務はその手応えが大きかったですね。日本橋の横山町・馬喰町は、服飾関連の卸問屋が並ぶ、なつかしい雰囲気のエリアです。しかし近年、ネット通販の普及やコロナ禍の影響を受け、衰退の瀬戸際にありました。こうした状況に危機感を抱いた地方公共団体と地元と協力し、URはまちづくりの支援に乗り出したのです。オーナーの方々はみな「問屋街を核とした、新しいライフスタイルを創造していくまちにしたい」という強い思いをお持ちでした。そこでまず、閉店してしまった問屋の土地や建物を買い支えることから始めました。地元が望まないホテルやマンションの開発を阻止するためです。

なるほど、守るために土地を買ったのですね。けれど、空けたままというわけにもいきません。

そこで打った次の手が、買い支えた場をクリエイターやアーティストに提供することでした。そういった新しい方々がまちづくりに参画していただくことにより、まちの中心部は従来通りのディープな問屋街としたまま、その周辺が小さな工房を核とした商工住混在のエリアへ変わっていくのではないかと考えました。。そういった取り組みによって、もともとこのまちで生活を営む人と新しくやってくる人をつなぎ、まちを活発化させる試みでした。また、問屋街とのコラボレーションを面白がってくれる人を集め、これまでにない人材のプラットフォームを整備する狙いもありました。実際に、工房のみならず、バーやキッチンカー、イベントなど、交流の舞台が続々と生まれています。「まちづくりの本質に触れることができた」と、胸を張れる経験になりました。

Day Schedule

  • 9:10

    出社。
    スケジュール、メール、TODOチェック

  • 9:15

    新虎通りの沿道の清掃活動に参加(エリアマネジメント業務の一環)

  • 10:30

    翌日の施設計画検討の資料作成

  • 12:00

    昼食

  • 13:00

    先輩と資料確認及び意識合わせのための打ち合わせ

  • 15:30

    エリアマネジメント事務局にて、景観ガイドラインに関する行政協議

  • 17:00

    先輩からの資料指摘箇所を修正

  • 18:00

    退社

魅力と課題を見抜く力を多彩なフィールドで鍛え、
「まちづくりのプロ」と名乗れる自分へ。

My Future

URを知るきっかけとなった「災害復興」にも関わりたいですか。

そうですね。都市再生だけではなく賃貸住宅や災害復興にも関わる可能性があり、しかも国内から海外まで、フィールドに限りがないのがURの魅力です。災害復興に取り組む時が来たら、しっかり戦力になりたいという想いはあります。URとしての魅力はまちづくりの真髄に関われる。まだまだ経験できるまちづくりがURにたくさんあります。

その時のために今、やるべきことは何だとお考えですか。

どの事業においても、「多くの人にとって、よりよいまちをつくる」という目的は変わりません。今はさまざまな業務を重ねることで、経験やアイデアの引き出しをとにかく増やしていきたいと考えています。地方の都市再生や賃貸住宅にも携わってみたいですね。まちの魅力や課題を正確に捉えることのできる客観的な視点を鍛え、「まちづくりのプロ」と自信を持って言える存在に成長したいと思います。