Profile

大竹 健太

東日本賃貸住宅本部
東京東エリア経営部 企画課

2012年入社。賃貸住宅の管理業務、入居募集業務、マーケティング業務などを経験した後、2020年~2021年に従事。東京東エリアの家賃収入最大化を目指した業務を担当。

半世紀にわたる住まいづくり

URの前身である日本住宅公団は、戦後の住宅不足の解消に向けて誕生した。大規模な団地の建設や、郊外での大規模ニュータウン開発、都市部での複合的なまちづくりなど、時代の変化やニーズに対応しながら数多くのUR賃貸住宅を供給し、様々な住環境を提供してきた。URの賃貸住宅部門における大きなミッションは、UR賃貸住宅を適切に管理・経営するとともに、住宅セーフティネットとして役割の充実を図ること。これには、経営の健全性・長期的安定性を担保するための収益の確保が求められる。URの経常収益の中でも大きな割合を占めるのは、賃貸住宅業務収入、つまりお住まいの方からいただく家賃などであり、URがこれからも社会的な使命を果たしていく上で、賃貸住宅経営は極めて重要である。

マーケットを見据えて

大竹の業務は、東京東エリアの約130団地・約4.7万戸の家賃収入を管理しURの経営を支えること。「家賃収入を最大化する上で有効な施策の一つが、市場を踏まえた適切な家賃の設定です。お客様が退去された後の部屋では、ただ修繕を行うだけでなく、新築マンションのように内装のグレードを引き上げる場合もあります。そういった内装の変化や立地条件などを踏まえ、周辺の家賃相場に対して高かったり、安かったりする場合は、これに合わせた家賃を設定します。適切な家賃を設定することで契約件数を伸ばし、より多くの家賃を獲得することが可能になります。23区の南側にある東京東エリアは人気が高く、家賃は総じて上昇傾向。相場を常にチェックしながら、家賃の調整を続けています。」数字が相手の仕事だが、机上だけでは終わらない。賃貸住宅では常に退去が発生する。空き室をできるだけ早く解消するために、住戸内の魅力を上げることも大切だ。補修による原状回復、内装のクオリティ向上、あるいはリノベーションなど、それぞれの物件特性や環境に合わせてリニューアルしていく。それを導くのもまた、重要な業務なのだ。

空き室を解消するために

人気の高い東京東エリアには、民間業者もグレードの高い物件を投入している。激しい競争の中で、入居者をどのように獲得しているのだろうか。
「まず、空き室を補修するスピード感が重要です。商品として再び市場に提供するまでの時間を短縮することが、その住宅からの家賃収入がない時間を短縮することにもつながります。また、入居者募集のフェーズも非常に重要です。さまざまな手法で認知度を高め、URをお客さまの選択肢に入れていただく。そして、お客様のご要望を的確にヒアリングし、最適な物件を紹介することで早期にご契約いただく。空き室発生から次の入居まで、この循環を加速させていくことがより多くの収益獲得につながります。」

ポイント付与で、子育て応援

前部署ではマーケティングを担当していた大竹だが、そこで携わった忘れられないプロジェクトがある。「「URでPonta」というサービスです。月々の家賃支払いでPontaポイントがたまる仕組みですが、その制度設計に私も参加しました。」対象となる住宅は全国に約70万戸。サービスの対象となる世代もさまざまである。申し込み方法はどうするか。どのような方法でポイントを付与するか。活発に議論が重ねられる中で、大竹は家賃の支払いだけにとどまらない、新しいポイント付与サービスの導入にも携わった。
「子育て応援ポイントです。『「URでPonta」 キッズアニバーサリーサービス』といい、お申込みいただければお子さまが12歳になるまで、誕生日ごとにポイントが付与されます。入社直後、賃貸住宅の管理業務を手がけていた私にとって、URには長く暮らしてくださるお客さまが多いという実感がありました。また、多様な世代がいきいきと暮らすミクストコミュニティの推進も行われています。コミュニティにとって大切な若い子育て世代を応援するとともに、長く住んでいただいている方に、直接的に喜ばれるサービスを提供したい。そんなアイデアが結実したサービスとして、強く印象に残っています。」

URファンを増やしていきたい

大竹が常にこだわっているのは、正確かつ客観的なデータで判断することだ。現在の空き家数や、直近の契約件数を示す自社データ。そして、周辺の家賃相場などを表すマーケットデータ。これらを総合的に判断して、適切な家賃を設定していく。家賃も数字だが、リニューアル時の投資額や、空き家数、契約件数など、すべては数字として把握することができる。つまり、エリア経営の成果は如実に数字に反映される。「プレッシャーはありますが、努力が数字となって明確に示されることは励みにもなっています。契約件数が伸びたということは、より多くのお客さまに安心していただける環境、満足していただける住戸を提供できた証だと思います。その一つひとつの施策が、URの健全で安定的な経営に貢献している点にも、大きなやりがいを感じますね」。
入社以来、一貫して賃貸住宅に関わってきたからこそ、思い入れは強い。もっと多くの人々に、URの賃貸住宅の良さを広げていきたい。
「URの賃貸住宅に対して、昔の『団地』のイメージを持たれている方も少なくないでしょう。しかし、賃貸住宅部門の職員一人一人が、お部屋や共用部の修繕から管理まで、どうすればお客様に満足していただけるかを考えて業務に携わっています。住んでみればよさを実感していただける自負があります。その良さをもっとアピールする必要があると思いますし、住宅経営の立場から言えば、満足度を高め、楽しく安心に、そして長く住んでいただく住戸を、確実に提供し続けたいですね。」その地道な施策の先にこそ、URファンのさらなる拡大がある。


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