



団地ならではのゆったり感を引き出す”立体縁側広場”
高度成長時代の象徴とも言える団地、その根底に流れる日本的なゆったりとした感性を現代に甦らせたいと考えました。
具体的にはまず、ダイナミックな起伏と複雑な平面形状をもつ既存広場になじむようなやわらかい”庇”を2階レベルに挿入し、
天井が高く、解放的で爽やかな”縁側空間”を造り出し、その縁側の中に、敷地の高低差を活かした”2Fデッキ”を設けることで、
立体的ににぎわいが展開する”立体縁側”を纏った新しい広場風景を創造しました。

人と自然に優しい“環境マテリアル”
広場を構成するマテリアルには、リサイクル材や自然素材などの“環境マテリアル”を中心に採用することで、コンクリートのハコに囲まれた既存の“かたい広場”から、人と自然に優しい“やわらかい広場”として再生しました。メインの広場には再生ガラスを骨材利用したオリジナルの舗装ブロックを製作し、店舗周りや広場階段のコンクリート舗装は、全面的に洗い出しをかけることで石の質感が表面化したヒューマンな表情を与えています。
広場にアクティビティを誘発する“ダンチファニチャー”
人々のアクティビティを誘発させる装置として、木でできた“ダンチファニチャー”を点在させ、昔の日本の“縁側”を彷彿とさせるあたたかい風景を団地に取り戻しています。時間とともに木のファニチャーがまちに広がり、将来的には洋光台のまち全体に”縁側”の懐かしく温かい空気感が広がることも期待しています。
“立体縁側広場”と“環境マテリアル”、“ダンチファニチャー”で団地を包み込むことにより、21世紀のライフスタイルにふさわしい“やわらかなヴィレッジ”として変身させることを試みました。



外壁リニューアル
外壁リニューアル
様々な色彩に溢れた従来の洋光台のイメージを、自然の“木の葉”が持っているようなグラデーションを用い、やわらかな色調でリニューアルすることで、“やわらかなヴィレッジ”にふさわしい統一感のある色彩を目指した。具体的には、露出していた室外機置き場をアルミ製の“木の葉パネル”で覆うことで、室外機のようなマイナスと思われていた要素をポジティブな要素へと反転した。広場の舗装や、屋外家具にもこの色調を用いて展開する予定。

外壁リニューアル前


住棟やエリアごとのリニューアルを進める先には、地域全体の活性化や人々の新しい住まい方づくりにつながるさまざまなアイデアを、具体的に実践していくことが大切になってきます。「集住(集まって住むこと)」のメリットを最大化し、団地へのこれまでのイメージを刷新する新しいアイデアを、次々に展開していきます。