「団地の未来」トークセッション@佐藤可士和展~「集まって住むパワー」による新しい豊かさとは~

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横浜市洋光台において団地の持つ魅力を発信するためのプロジェクトが発足してから10年を迎えたことから、令和3年3月2日(火)国立新美術館(六本木)において、「団地の未来」トークセッションを開催しました。当日は「団地の未来プロジェクト」プロジェクトディレクターであるクリエイティブディレクターの佐藤可士和さん、ディレクターアーキテクトである建築家の隈研吾さんをはじめ、これまで洋光台アドバイザー会議や、TALKINGにご参加いただいた、各界のトップリーダーの方にご登壇いただき、今後の団地のあり方や可能性について熱く語っていただきました。

フルバージョンはこちらからご覧いただけます。

「団地の未来」トークセッション概要

日時 2021年3月2日(火)14:00~15:00
会場 国立新美術館 (東京都港区六本木7-22-2)
登壇者 佐藤可士和氏、隈研吾氏、大月敏雄氏、幅允孝氏、中島正弘
コーディネーター 清野由美氏
趣旨・背景 UR都市機構は昭和45年に誕生した「洋光台団地」(横浜市磯子区)において、新しい住まい方や地域の活性化により、「団地」の持つ魅力を社会全体に発信するモデルプロジェクトとして、建築家の隈研吾氏とクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏による監修のもと、「団地の未来プロジェクト」を進めています。その前進である「ルネッサンスin洋光台」の開始から10年が経った今、洋光台団地は大きくリニューアルされ、団地の良さを残したまま、新たな価値を創出しています。当日はそんな本プロジェクトに深く関わって頂いている4名にご登壇いただき、団地の未来についてお話いただきました。

登壇者プロフィール

隈研吾隈 研吾(ディレクターアーキテクト/建築家)

1954年生。東京大学大学院建築学専攻修了。1990年隈研吾建築都市設計事務所設立。東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。
1964年東京オリンピック時に見た丹下健三の代々木屋内競技場に衝撃を受け、幼少期より建築家を目指す。大学では、原広司、内田祥哉に師事し、大学院時代に、アフリカのサハラ砂漠を横断し、集落の調査を行い、集落の美と力にめざめる。コロンビア大学客員研究員を経て、1990年、隈研吾建築都市設計事務所を設立。
これまで20か国を超す国々で建築を設計し、(日本建築学会賞、フィンランドより国際木の建築賞、イタリアより国際石の建築賞、他)、国内外で様々な賞を受けている。その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案している。また、コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、工業化社会の後の建築のあり方を追求している。

隈研吾

佐藤可士和佐藤 可士和(プロジェクトディレクター/クリエイティブディレクター)

SAMURAI代表。ブランド戦略のトータルプロデューサーとして、コンセプトの構築からコミュニケーション計画の設計、ビジュアル開発まで、強力なクリエイティビティによる一気通貫した仕事は、多方面より高い評価を得ている。グローバル社会に新しい視点を提示する、日本を代表するクリエーター。
主な仕事に、国立新美術館、東京都交響楽団のシンボルマークデザイン、ユニクロ、セブン-イレブン、今治タオルのブランドクリエイティブディレクション、ふじようちえん、カップヌードルミュージアムのトータルプロデュースなど。近年は、武田グローバル本社、日清食品関西工場、FLAT HACHINOHE、GLP ALFALINK相模原など大規模な建築プロジェクトにも従事。文化庁・文化交流使(2016年度)として、日本の優れた文化、産業、コンテンツ、商品などを広くグローバルに発信することにも注力している。著書はベストセラーの「佐藤可士和の超整理術」など。亀倉雄策賞、東京ADCグランプリ、朝日広告賞など受賞多数。
慶應義塾大学特別招聘教授(2012-2020)、多摩美術大学客員教授。

佐藤可士和

大月敏雄大月 敏雄(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授)

1967年福岡県生まれ。東京大学工学部建築学科卒業後、東京大学大学院修士課程・博士課程修了。博士(工学)。横浜国立大学助手、東京理科大学助教授を経て現職。
古い集合住宅の住みこなしや、アジアのスラムのまちづくり、戸建て住宅地のマネジメントなどを中心に、住宅地の生成過程と運営過程について研究。住宅・集合住宅・住宅団地の計画や設計も手がける。著書に「集合住宅の時間」(王国社)、「住まいと町とコミュニティ」(王国社)、「町を住みこなす」(岩波書店)、「住宅地のマネジメント」(建築資料研究社)などがある。

大月敏雄

幅允孝幅 允孝(ジャーナリスト/都市文化研究者)

人と本の距離を縮めるため、公共図書館や病院、動物園、学校、ホテル、オフィスなど様々な場所でライブラリーの制作をしている。最近の仕事として札幌市図書・情報館の立ち上げや、那須塩原市図書館「みるる」開館のお手伝い、ロンドン・サンパウロ・ロサンゼルスのJAPAN HOUSEなど。2020年7月に開館した「こども本の森 中之島」ではクリエイティブ・ディレクションを担当。兵庫県城崎温泉の出版NPO「本と温泉」プロジェクトに関わるなど、近年は本をリソースにした企画・編集の仕事も多く手掛ける。早稲田大学文化構想学部、愛知県立芸術大学デザイン学部非常勤講師。
Instagram: @yoshitaka_haba

幅允孝

清野由美清野 由美(ジャーナリスト/都市文化研究者)

1960年、東京都生まれ。東京女子大学文理学部卒業。慶應義塾大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。ケンブリッジ大学客員研究員。出版社勤務を経て92年よりフリーランス。「世界を股にかけた、地を這う取材」で、国内外の都市トレンド、ライフスタイル、先端人物のインタビューを手がけ、そこから時代を牽引する価値観を探る。主著に『住む場所を選べば、生き方が変わる -葉山からはじまるライフシフト-』(講談社)、『観光亡国論』(アレックス・カーと共著、中公新書ラクレ)、『変われ! 東京 自由で、ゆるくて、閉じない都市』(隈研吾と共著、集英社新書)など。

清野由美

中島正弘中島 正弘(UR都市機構 理事長)

1952年生まれ。兵庫県出身。1975年京都大学経済学部を卒業後、建設省(現国土交通省)に入省。国土交通省 都市・地域整備局長、同国土政策局長、同総合政策局長などを歴任。2013年復興庁事務次官、2014年内閣官房参与兼福島復興再生総局事務局長、2016年UR理事長就任。「団地の未来プロジェクト」をはじめとする団地再生事業や地域医療福祉拠点の形成の他、東日本大震災をはじめとする日本各地で発生した大規模災害からの復旧・復興支援、都市の国際競争力と魅力を高める都市の再生、防災まちづくりやコンパクトシティの実現など地方都市再生、日本企業による都市開発事業への海外展開支援などに注力。

中島正弘

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