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高齢の親は賃貸物件を借りにくい? 老後の家探しのコツを解説

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年齢が60歳を超えると賃貸物件を借りにくくなる傾向があるようです。特に一人暮らしでは、事故や孤独死のリスクから入居制限をしている大家さんもいると聞きます。実家に住む高齢の親が賃貸へ入居を検討している場合、家探しをどうすれば良いか気になる人もいるでしょう。この記事では、高齢者が賃貸物件を借りるコツや、高齢の親が賃貸物件を選ぶポイントについて解説。高齢者向けサービスが充実している賃貸住宅も紹介します。

高齢者が賃貸物件を借りにくい理由

事故や孤独死のリスクのほかに、家賃を滞納しないか、周辺住民とのトラブルの心配や、連帯保証人を立てるのが難しいことも、高齢者が借りにくい理由になっているようです。

●定年退職後の60代から借りにくくなる傾向に

大家さん(貸主やオーナー)の約6割が高齢者の入居に拒否感があり、リスク回避のため「単身の高齢者(60歳以上)は不可」、「高齢者のみの世帯は不可」などの入居制限を設けているという日本賃貸住宅管理協会の調査データがあります(※1)。入居制限する主な理由は「家賃の支払いに対する不安」。60代になると多くの方々が定年退職を迎え、就労による定期収入で家賃を払い続けられないのではという懸念を持たれるようです。

こちらも日本賃貸住宅管理協会のアンケート調査ですが、60代になると家賃債務保証会社の入居審査に落ちやすくなるという結果も出ています。20代、30代、40代は「審査落ちが多い」が0%だったのが、50代では1.9%、60代になると7.5%に増加し、70代では9.4%を占めています(※2)。

【※1】出典:(公財)日本賃貸住宅管理協会(平成26年度)「家賃債務保証会社の実態調査報告書」から「入居制限の有無」(国土交通省「家賃債務保証の現状」P2より)
https://www.mlit.go.jp/common/001153371.pdfPDFで開きます
【※2】出典:(公財)日本賃貸住宅管理協会(平成28年6月)「家賃債務保証会社へのアンケート調査」から「年代別の審査状況」(国土交通省「家賃債務保証の現状」P3より)
https://www.mlit.go.jp/common/001153371.pdfPDFで開きます

●高齢者が物件を借りにくい理由は?

1.事故や孤独死のリスクがある
一般的に高齢になると若い世代と比べて健康面の不安が大きくなります。一人暮らしでは配偶者や同居者がいないため、急な重い病気や、部屋の中での事故に、すぐ対処できないこともあります。もしもの場合に発見が遅れることで、孤独死となるかもしれません。そうなると遺品処理に手間がかかり、事故物件として資産価値が下がるリスクが生じ、新たな入居者を見つけるのが大変になる可能性があります。そのため大家さんや管理している不動産会社が契約を避けたいと考えるわけです。
2.経済面の不安がある
先に述べたように60代に入ると会社員や公務員の多くが定年退職を迎え、給与収入がなくなって、やがて年金暮らしになると考えられます。年金のみの生活では、収入が審査基準を満たさないケースもあります。さらに健康状態があまり優れない高齢者は、病気や事故で医療費や介護費など支出がかさむことも考えられます。前述の通り、家賃の支払い能力の低下は、大家さんや管理会社が高齢者を敬遠する主な理由になっています。
ただし、契約の際に退職金などの貯蓄や収入が十分にあるという書類を提出することで、審査に通り契約がスムーズに進むケースもあるようです。条件に合った物件が見つかったら、仲介している不動産会社や管理会社に早めに問い合わせて、申込条件や審査の内容について相談してみると良いでしょう。
3.周辺住民とのトラブルの懸念がある(テレビの音量・認知症による徘徊など)
近隣トラブルを起こすのではという懸念も、高齢者が賃貸物件を借りにくい理由の一つです。加齢による心身の不調が原因で、水まわりや火の元の管理がおろそかになり、ほかの部屋の住人に迷惑をかけ、部屋に損害を生じさせるのではと大家さんは心配するようです。事故により、処理対応や金銭面で大きな負担が発生した事例もあることから、高齢者と賃貸借契約を結ぶことに拒否感を示す大家さんもいるようです。
年を取って次第に耳が遠くなるとテレビの音量もつい大きくなってしまい、近隣の住人と騒音トラブルを招く心配もあります。万が一認知症を発症すると、家賃の支払いを忘れたり、ごみ出しのルールを守らなくなったり、近所を徘徊して迷惑をかけることも考えられます。特に一人暮らしをしていると周囲の人が心身の変化を感じにくく、知らないうちに症状が重くなってしまう恐れもあります。
4.連帯保証人を立てられないことがある
多くの場合、賃貸借契約を結ぶ際には、家賃滞納などのリスクに備えて連帯保証人を立てる必要があります。一般的に家族や親族が連帯保証人になりますが、高齢者は親戚がすでに亡くなっていたり、兄弟や姉妹なども高齢になっていたりする現実があり、依頼できる家族や親族が見つかりにくいケースが少なくありません。
連帯保証人になれる家族や親族が見つからないときは、家賃保証会社(賃貸保証会社)を利用することで契約を進められる可能性があります。ただし、先にお伝えした通り、高齢者は収入面での要件を満たせず、審査が通りにくいかもしれません。家賃保証会社の審査基準には会社ごとに差があるようですので、一つの会社の審査に落ちても、ほかの家賃保証会社に依頼ができるかどうか不動産会社に相談してみると良いでしょう。

高齢者が賃貸物件を借りるコツ

高齢者が賃貸物件をスムーズに借りるには、「この人なら安心して契約できる」と貸主の側に思ってもらえることが必要です。次に高齢者が賃貸物件を借りるコツを紹介します。

●金銭面・体調面に問題がないことを示す

高齢になっても現役時代と同じように仕事をしているなら、申込者本人に安定収入があり、金銭面や体調面で問題がないことを伝えることで、入居審査を通過しやすくなるようです。また、仕事を引退していても、入居審査の際に年金額や預貯金通帳のコピーを提示するなど、金銭面の心配がないことをきちんと証明すれば、借りられる可能性が高まるかもしれません。

一般的に、預貯金が家賃の2年分(24カ月分)程度あれば審査に通りやすいといわれています。例えば、家賃が5万円なら120万円以上、家賃が8万円なら192万円以上あれば、大家さんや管理会社に一定期間は家賃滞納の心配がないと思ってもらえるようです。ただし、絶対的な基準はありませんので、上記の金額の預貯金があっても審査に通らないこともあります。

●家族・親族に協力してもらう

家族や親族が連帯保証人になることで、審査に通りやすくなるようです。家賃滞納の心配が減ると大家さんに思ってもらえるからです。また、家族や親族の住まいとの距離が近い物件を選ぶのもポイントです。家族の協力があると分かれば、孤独死などのリスクも減らせると大家さんに安心してもらえるでしょう。緊急連絡先となる身内が近所にいて連帯保証人になることで、スムーズな契約につながるかもしれません。

子供や孫など家族が住むエリアに近い物件に親が住んだり、家族の誰かが協力して親の近くのエリアに住んだりすれば、高齢の親が体調不良のときも手助けしやすくなります。家族にとってもさまざまなメリットがあると考えられます。

●保証人不要の物件を探す、家賃債務保証を利用する

賃貸物件の中には連帯保証人が不要の物件もあり、収入や貯蓄が一定の基準を満たしていれば保証人を立てずに入居できるようです。ただし、保証人不要の物件の一部には、何らかの問題があるため空室がなかなか埋まらず、保証人の条件をなくすことで入居率を上げようとしているケースもあるかもしれません。

築年数が経過しているため、部屋が著しく劣化している、間取りの使い勝手が悪いなど、高齢者の暮らしには向いていない物件もあるかもしれませんので注意が必要です。契約するタイミングの前に自分たちの目でしっかりチェックするようにしましょう。

保証人不要の物件で多いのは家賃保証会社を利用して保証料を払うケースですが、高齢者が連帯保証人を見つけられないとき、「家賃債務保証制度」を利用する方法もあります。一般財団法人高齢者住宅財団が行っている居住支援サービスで、この制度を利用して保証料を支払うことで連帯保証人になってもらうことができます。保証料は2年間保証の場合で家賃の35%。保証の対象となるのは滞納家賃と原状回復費用です。

家賃債務保証制度を利用できれば、子供など身内に頼ることなく入居審査をクリアできるかもしれません。ただし、この制度を利用できるのは、同財団と基本約定を締結している賃貸住宅に限られますので、必ず事前に確認するようにしましょう。

●高齢者向けの賃貸物件を選ぶ

物件を探すときに、高齢者向け(シニア向け)賃貸物件に絞って検討するのもおすすめです。高齢者向け賃貸物件は高齢者の入居を想定し、バリアフリー対応で高齢者が暮らしやすい構造になっています。一般的な賃貸住宅と違って、高齢者の年齢や収入などを理由とした入居制限の心配は少ないため、審査に落ちる可能性が大幅に減ります。前述の家賃債務保証制度が利用できる物件もあります。

入居・居住支援サービスや介護サービスなど、高齢者向けのサポートを受けられる種類の物件もあり、安心して暮らすことができます。インターネットの無料物件紹介サイトなどで「シニア相談可」といった条件で検索するか、不動産屋さんの店舗などで相談すれば見つけられるでしょう。

「終身建物賃貸借制度」の対象となっている物件を選ぶ方法もあります。終身建物賃貸借制度とは、高齢者がバリアフリーの設備がある賃貸住宅に、終身にわたって安心して居住できる制度です。入居できるのは基本的に60歳以上に限られ、60歳以上の配偶者と夫婦で住むなら60歳未満でも入居できます。高齢を理由に入居を断られたり退去を求められたりする心配がありません。

契約は借家人が死亡したときに終了し、“一代限り”の契約のため相続は発生しません。通常の賃貸借契約では相続が発生するため、相続人が見つからないと契約を解除できず、空室の状態が続くといったリスクがありますが、その心配がないため大家さんにとってもメリットのある制度となっています。

終身建物賃貸借物件は都道府県知事で認可していますが、まだ認可されている物件が少ないのがデメリットです。希望するエリアに条件に合う物件が見つからない可能性もありますが、各自治体の相談受付窓口やインターネットで情報を集めて、検討してみてはいかがでしょうか。

高齢の親のための賃貸物件を選ぶポイント

高齢になった親が住む物件を選ぶときは、バリアフリー対応はもちろん、セキュリティー面や防音性も考慮しましょう。周辺環境や交通アクセスなども大切なポイントになります。

●バリアフリーに対応している

部屋の中でつまずいたり滑ったりしやすい場所があると、けがのリスクが高まります。室内に段差がなく、トイレやお風呂、廊下などに手すりが設置されているなど、バリアフリー対応になっていることは必須でしょう。今は元気でも将来的に病気やけがで身体機能が衰える可能性も考えると、廊下は車いすや歩行器でも十分に通れる幅があるかどうかもチェックしたい注意点となります。

加齢とともに体力が衰えてくるため、2階建てやメゾネットタイプではなく、ワンフロアですべての用事を済ませられる集合住宅や平屋物件を選ぶのが前提になりそうです。賃貸マンションや賃貸アパートでは、エントランスなど共用部分がバリアフリーになっていることも重要です。階段は上がりやすいか、スロープがあるか、2階以上に住むならエレベーターが付いているかなど、実際に入居する親と一緒に確かめると良いでしょう。

●セキュリティー面の安心安全

高齢になると犯罪に巻き込まれるリスクが高まることも考えられます。不審者が外部から部屋に侵入できてしまう造りになっていないか、物置や塀などよじ登れる場所がないかもチェックポイントになります。その点、上層階に住めば母親など女性の一人暮らしでも安心感を得られそうです。エントランスのオートロックのほか、玄関のドアの二重鍵が付いているかも確認できると良いでしょう。

防犯カメラなどのセキュリティー対策もなされていればより安心です。加えて、防火設備や警報装置など災害時に対応する住宅設備も設置されていれば理想的です。災害時に避難経路を通って、自宅から建物の外にスムーズに出られるかも確認しましょう。

●周りの部屋に気を使わなくて済む

高齢者には他人に迷惑をかけることを極端に嫌う人もいるようです。特にこれまで一戸建ての持ち家に住んでおり、集合住宅での生活に慣れていない人は、「我が家のテレビの音や歩行器を使う音などが近所に響くのでは」と気になるかもしれません。

騒音トラブルにならないか、意識し過ぎてストレスがたまることを防ぐために、壁や床、窓などの防音性に十分配慮された物件を選べば、それほど気を使わなくて済みます。また、自身が近隣の住人の日常生活の音や、話し声が気になることも減るでしょう。

●物件周辺の利便性が高い

高齢になると買い物や通院で長い距離を移動するのは負担になります。食品を購入するスーパーマーケットや金融機関、食事を楽しめるレストラン、行きつけの医療機関などが徒歩圏にそろった利便性の高い物件を選ぶと、快適なシニアライフを送れるでしょう。

商業施設や病院などは近くにあるだけでなく、途中のルートの状況も重要です。歩道橋を渡ったり急な坂道を上ったりする必要があると、高齢者にとっては大きな負荷がかかります。理想は平坦な道で行き来できる場所にある物件です。実際に歩くなどして、自分の親が無理なく歩けるか確かめておけると良いでしょう。

●交通アクセスが良い

今は親がマイカーを持っていても、将来的に免許を返納し、乗らなくなることも考えられます。電車やバスなど公共交通機関の駅や停留所が徒歩圏にあると、車を運転しなくなっても不自由を感じなくて済むでしょう。特に立地が郊外で静かな住宅街の物件では、公共の移動手段を利用しやすいかどうかは大切な要素になります。

●家族や親族が近くに住んでいる

繰り返しお伝えしていることになりますが、家族や親族が住んでいるエリアに近い物件を選ぶと、親が事故や急病の際もすぐに駆け付けやすいので安心です。親世帯と子供世帯が行き来しやすいよう、お互いに近い場所に住むことを「近居」といい、程よい距離感を保てることから、近年親子のそれぞれに人気を集めているようです。前述の通り、息子家族や娘家族などが近くに住んでいれば、親が賃貸物件を借りるときに入居審査でプラスに影響する可能性もあります。

家庭のさまざまな事情で「近居」ができないこともあるでしょう。親と子供の住まいが離れてしまう場合は、子供が通いやすい鉄道の路線や、高速道路からのアクセスのしやすさを考慮に入れて物件を選ぶと良いかもしれません。

●これまでの友人・知人との交流が持てる

田舎に住んでいる高齢の親を近くに呼び寄せるなど、友人や知人のいない土地に引っ越ししてもらう場合、新たに親しい人間関係をつくるのは意外と難しいものです。たまに会う身内だけのつながりでは話し相手も少なく、閉じこもりがちになって心身の老化が進んでしまう可能性もあります。できれば、これまで趣味やボランティアなどの活動を通して、親しくしてきた友人や知人との交流が持てるエリアで、物件を探せると良いかもしれません。

それができないときは、近隣の人たちとの交流が盛んで、新しいつながりをつくりやすい集合住宅に引っ越すのも一つの方法です。趣味関連のイベントや、地域の行事などが頻繁に行われているところなら、社会参加のきっかけが比較的つかみやすく、その地域で新しい人間関係をつくることができるでしょう。

●家賃に無理がない

長く安心して暮らすためには、家賃を無理なく支払える新居を選ぶことも重要です。貯蓄や年金などの収入と、食費や通信費など毎月の消費支出、納めなければならない税金なども計算し、資金計画をしっかり立てて無理のない家賃の物件を選びましょう。引っ越しに当たって必要な予算や、今後増えるかもしれない医療費や介護費用を考慮に入れることも大切です。

先に説明したように、大家さんが契約時に心配しているのは、健康面だけでなく家賃を払い続けられるかどうか金銭面の部分が大きくなっています。家賃を滞納する恐れがなく、生活費に余裕を持って暮らせる賃貸物件を選ぶようにしましょう。

もし現在、両親夫妻が部屋数の多い一戸建てや、ファミリータイプの集合住宅に住んでいるなら、転居をきっかけにダウンサイジング(規模を小さくする)を考えてみるのも良さそうです。物件選びの際に、暮らしやすいコンパクトな安い家賃の物件を選択肢に入れれば、住居費や光熱費など生活費を減らすこともできそうです。浮いたお金は今後の老後資金として貯蓄などに回せるかもしれません。

高齢者向けサービスも充実のUR賃貸住宅

高齢者の住み替え先としておすすめなのがUR賃貸住宅。全国に約70万戸あり、敷地内に緑が豊富で日当たりが良く、五つのタイプの高齢者向け物件があるのが特長です。

●老後の住み替えにおすすめのUR賃貸住宅

独立行政法人都市再生機構(UR)が管理するUR賃貸住宅は、礼金・仲介手数料・更新料・保証人がすべて不要です(保証会社への加入も不要なので保証料も不要)。契約時に必要なお金は、敷金(月額家賃の2カ月分)と、入居月(入居日から当月末まで)の日割り家賃、日割り共益費のみ。そのため、入居時の初期費用を大幅に抑えることが可能になります。医療費や生活サポートを受ける費用など、老後は予定外の出費もあるため、入居時や更新時の出費を抑えられるのはうれしいポイントです。

高齢者向け賃貸住宅では、契約の際に身元引受人を求められるのが一般的ですが、UR賃貸住宅なら保証人が不要なだけでなく、身元引受人も不要です。依頼できる人を探す手間や心配が要らないのも特長となっています。

UR賃貸住宅は建物がゆったりした間隔で建てられ、敷地内に緑豊かな公園や広場が設けられた物件が多いのも魅力です。歩車分離の考えをもとにした設計で、歩行者が安心して歩行・通行できるよう、敷地内に許可を得た車しか入れないエリアが設けられている物件もあります。日当たりや風通しの良さ、緑の豊かさ、安全への配慮など、シニア世代にとって快適で安心して暮らせる環境が整っているといえるでしょう。

スーパーマーケット、郵便局、銀行、医療機関など、生活に必要なものが敷地内または隣接地に設けられている物件もあり、シニア世代も便利な暮らしを送ることができます。また、敷地内にコミュニティカフェがあったり、住民によるイベントが開催されたりするなど、世代を超えた交流が盛んなのも特長の一つです。URでは、シニア世代が安全で安心な暮らしができるよう、五つのタイプの高齢者向け賃貸住宅を用意しています。

・高齢者向け優良賃貸住宅
物件の一部の部屋(主に1階)について高齢者が使いやすいように床の段差をほとんどなくして要所に手すりが備えられ、緊急連絡用ボタンが設置されています。所得が一定以下の場合は、家賃負担の軽減措置を受けられる場合があります。
・高齢者等向け特別設備改善住宅
高齢者や障がい者のために浴室など水まわりの段差が緩和され、緊急連絡用ボタンが設置されています。
・健康寿命サポート住宅
室内の段差をなくして要所に手すりを設置するなど、入居者の転倒防止に配慮するだけでなく、散歩したくなるような屋外空間や社会参画の機会等により外出したくなる環境を備えています。
・シルバー住宅
生活援助員が入居者の生活を支援するとともに、一部の住居には緊急通報装置などのセキュリティーシステムを導入しています。
※東京都、大阪府の一部の物件のみ
・URシニア賃貸住宅(ボナージュ)
高齢者が安全に暮らせるように仕様と設備を整え、生活を支援するサービスも充実。生命保険会社や信託銀行などと提携し、終身年金保険からの年金を家賃の支払いに充てる制度も用意されています。
※横浜市または千葉市の一部の物件のみ

●さらに高齢者にうれしいサービスも

高齢者の一人暮らしの場合、「急な体調不良やけがなどで動けなくなってしまったら…」といった不安があるのも事実。万が一の事態に早く気付いて対応できるように、URでは提携企業による見守りサービスを提供しています。安否確認センサーにより動きが確認できないとき、必要に応じて緊急連絡先などに連絡を行っています。

・立山科学株式会社「見守りサービス」
リビングルームや寝室、廊下など住戸内のよく滞在する3カ所に設置するセンサーが、利用者の日常の活動を見守るというものです。センサーが利用者の動きを確認できないときに、コールセンターから利用者に電話で確認を行います。利用者に連絡が取れないときは、必要に応じて緊急連絡先に連絡を行います。一度設置してしまえば、機器操作の必要はありません。
・ヤマト運輸株式会社「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」
このサービスで見守りのキーとなるのは電球です。トイレや廊下など、毎日使用する電球を「ハローライト電球」に交換することで、この電球が一定時間使用されていない場合に異常を検知。事前に設定した家族や友人などの連絡先へメールで知らせます。
家族や友人がすぐに駆け付けられないときは、ヤマト運輸のスタッフに利用者のもとを訪問するよう依頼もできます。電球の取り付けはヤマト運輸のスタッフが行うので、利用者の作業は不要です。
・東急セキュリティ株式会社「見守りサービス(SAFE-1)」
首都圏の団地対象のサービスです。利用者の部屋に安否確認センサー兼非常ボタンを設置。このセンサーが利用者の生活を見守り、24時間反応がないときに異常を検知します。また、利用者が非常ボタンを押すことで、自らSOSを求めることも可能です。そうした場合、事前に設定した家族や友人などの通知先にメールが届きます。
通信回線内蔵のため、電話回線や設置工事は不要。センサーを部屋に置くだけでスタートできます。さらにオプションとして、東急セキュリティ株式会社の委託先の警備員が現地へ駆け付ける「駆けつけサービス」を追加することも可能です。
・高齢者相談窓口(シニアアドバイザー設置窓口)
物件探しの際に、高齢者が安心してUR賃貸住宅を選べるよう一部の営業センターに相談窓口が設置されています。入居を希望、検討の際に気になる点について、社会福祉士やケアマネジャーなどの有資格者(シニアアドバイザー)に聞くことができます(開設日時が窓口によって異なるため、利用時は事前の電話予約が必要です)。
・生活支援アドバイザー
URでは、地域医療福祉拠点化の取組みを進めている物件を中心に、生活支援アドバイザーを配置しています。高齢者の方が安心して暮らし続けられるよう、各種相談対応や電話による安否確認(あんしんコール)、交流促進のためのイベントなどを実施しています。

●老後は子世帯と近居でさらにお得に

UR賃貸住宅には、初期費用だけでなく家賃も節約できる、ライフステージに応じたお得な家賃プランが複数用意されています。条件を満たしている場合は、ぜひ活用すると良いでしょう。ここでは親世帯と子世帯が近くに住む場合に適用されるプランを紹介します。

<近居割>別ウィンドウで開きます
募集家賃から5年間、5%減額されます。対象となるのは同じUR内、もしくは半径2km以内の別々のURで、親世帯・子世帯の二世帯が近居する場合で、新たに契約した世帯の家賃が減額されます。また、二世帯同時に契約する場合は、両世帯とも減額されます。条件を満たした子育て世帯については、最長5年間、家賃の20%(上限4万円)がサポートされます。ただし、世帯の所得合計が月25.9万円以下で、対象が一部団地となるなどの条件があります。
<近居割WIDE>別ウィンドウで開きます
募集家賃から5年間、5%減額されます。対象となるのは近居割WIDEエリア内のURとUR以外の住宅です。親世帯・子世帯の二世帯が近居する場合で、新たにUR賃貸住宅を契約した世帯の家賃が減額されます。近居割WIDEは、地域医療福祉拠点化に取り組んでいる物件を中心に導入されています。条件を満たした子育て世帯については、最長5年間、家賃の20%(上限4万円)がサポートされます。ただし、世帯の所得合計が月25.9万円以下で、対象が一部団地となるなどの条件があります。

高齢の親が安心して快適に暮らせる家を探そう

高齢になると賃貸物件を借りるのが難しくなる傾向にありますが、その理由をきちんと理解して、大家さんの懸念を解消するなどできれば、条件に合った物件を見つけることができるでしょう。一般の賃貸住宅を借りにくいときは、年齢などの入居制限を受けない高齢者向け賃貸住宅を選ぶのも良いかもしれません。

親が介護認定を受け、日常的に介護が必要になったら介護付き有料老人ホームなどの入居手続きをすることになるかもしれません。しかし、介護の必要性が低く、自立した生活を送りたいという場合におすすめなのがUR賃貸住宅です。五つのタイプの高齢者向け賃貸住宅が用意され、物件によっては生活支援アドバイザーが暮らしをサポート。万が一の際に素早く対応できるよう「見守りサービス」も提供しています。

UR賃貸住宅なら、入居時の初期費用を大幅に抑えられるだけでなく、親世帯と子世帯が近居する場合は、お得な家賃プランを利用できるかもしれません。住居費をトータルで節約できるのが魅力といえるでしょう。UR賃貸住宅のHPでは豊富な物件の中から、希望するエリアや、家賃の範囲など条件を設定して、簡単に検索できます。高齢の親が老後に安心して暮らせる住まいを探している方は、ぜひ気軽にチェックしてみてください。

監修/大久保 恭子

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記事のまとめ

高齢でも入居しやすく、充実したシニアライフを送れるのがUR賃貸住宅

  • ・健康面や金銭面、連帯保証人の問題で60代に入ると賃貸住宅を借りにくい傾向がある。高齢者向け賃貸住宅や終身建物賃貸借制度なども検討しよう
  • ・高齢者にはバリアフリーに対応し、セキュリティーや防音性を備え、買い物や通院に便利な物件がおすすめ。子供との近居や無理のない家賃もポイント
  • ・UR賃貸住宅は高齢者向けのタイプが充実。見守りサービスや生活支援アドバイザーのサポートもあり、高齢者が暮らしやすい環境が充実

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