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地域包括支援センターとは?役割と活用法、利用対象を解説
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家族が高齢になって介護について考え始めたとき、相談窓口となるのが地域包括支援センター。名称を聞いたことはあっても、その役割や利用法を詳しくは知らないという人も多いかもしれません。そこで今回は、地域包括支援センターの利用対象者や業務内容、利用手続きの流れ、利用するメリットと注意点について解説。合わせて、家族の介護の負担を軽減できる老人ホームや、高齢者が安心して暮らせる賃貸住宅も紹介します。
地域包括支援センターとは
地域包括支援センターは、高齢者の健康や生活の困りごとの“総合相談窓口”です。社会福祉士や主任ケアマネジャーなどの専門家が、問題解決へと導いてくれます。
●地域包括支援センターは地域の高齢者の総合的な支援窓口
地域包括支援センターは、介護・医療・保健・福祉など地域のさまざまな社会資源を高齢者が活用できるよう、総合的に相談に乗ってくれる中核的な機関です。高齢者をサポートするために、それぞれの制度の枠を超えて適切なサービスを案内する役割を担っています。相談は無料なので、費用の心配はいりません。ただし、紹介されたサービスを利用する際には、それぞれについて費用がかかります。
地域包括支援センターの名称から、高齢者の総合的な相談窓口であることが分かりにくいという理由で、親しみやすい名称に変えている市町村(以下、特別区<東京23区>を含む)もあります。「高齢者総合相談センター」、「あんしんすこやかセンター」、「高齢サポート」など、「高齢者」、「相談」、「あんしん」、「ふれあい」などの言葉が入っていることが多いようです。自分や親の住んでいる地区ではどんな名称か、所在地はどこかを確認しておくと良いでしょう。多くの自治体では、市区町村などのHPに一覧が掲載されているようです。
●地域包括支援センターが設置された行政的な背景
厚生労働省は、団塊の世代が75歳以上となる2025(令和7)年をめどに、重度な要介護状態となっても、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。地域包括支援センターは、国が目指す地域包括ケアシステムの実現に向けた中核的な機関として市町村により設置されています。
この背景には、日本人の高齢化が諸外国には例を見ないスピードで進行して、国民の医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれている現状があります。また、核家族化が進んだことで家庭による介護がだんだんと難しくなっているという事情もあります。今後さらに増えていく認知症高齢者の生活を地域で支えるためにも、地域包括ケアシステム構築が求められているのは間違いないでしょう。
地域包括支援センターの設置主体は市町村ですが、直接運営しているケース以外にも、自治体からの委託で社会福祉法人や医療法人、民間企業などが運営しているケースもあります。市町村直営よりも委託型の方が割合としては多いようです。
●地域包括支援センターの対象者
- ・対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者の方
- 地域包括支援センターは市町村ごとに少なくとも1カ所以上設けられており、対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者が利用できます。また、40~64歳でも、特定疾病によって心身の機能が衰えた場合は、要介護認定の申請のため、地域包括支援センターで手続きを行うことになります。国が定める基準では、それぞれの地域包括支援センターが担当する高齢者の人数は、おおむね3000~6000人となっています。これは公立中学校の学区の人数と近いことから、市内や町村内の学区でエリア分けされている場合もあるようです。
- ・高齢者の家族や、高齢者の支援にかかわっている介護職の方
- 高齢者本人だけでなく、高齢者の家族や親族、高齢者支援の活動にかかわっている人も利用できます。高齢者支援の活動にかかわっている人とは、近所に住んでいる人や、介護職のスタッフも含まれます。注意したいのが、高齢者本人が住んでいる地区にある地域包括支援センターが窓口になる点。例えば、認知症などで判断力が低下している高齢者の子供が、遠方に暮らしている親について相談したい場合は、親が住んでいる地域にある地域包括支援センターの窓口でしか相談できません。
●地域包括支援センターに在籍する専門家
地域包括支援センターには、「社会福祉士」、「保健師(または看護師)」、「主任ケアマネジャー」の3職種の専門家が配置されることになっています。それぞれの専門性を発揮し、知恵を出し合い、連携しながら地域住民に寄り添って、問題解決へ導くためのサポートをしています。
- ・社会福祉士
- 総合相談・支援、高齢者の権利擁護などを主に担当します。具体的には、生活全般への支援、消費者被害への対応や、高齢者虐待の防止・早期発見、成年後見制度の利用援助などの業務、一人暮らしの高齢世帯の安否確認も行います。市町村などの行政、地域にある団体、サービス事業者と連絡をとって高齢者を支えています。
- ・保健師(または看護師)
- 主に介護予防ケアマネジメントを担当し、高齢者や家族から受ける医療と介護の相談に対応します。介護予防プランの作成のほか、要介護状態とならないための対策をアドバイスし、体調管理に関する相談や健康診断の受診促進も行います。健康づくり教室やセミナーなどを開催することもあります。保健所や病院、薬局などと連携して業務を進めます。
- ・主任ケアマネジャー
- 包括的・継続的ケアマネジメントを主に担当し、介護全般にかかわる支援や相談に対応します。介護サービス事業者と連携しながら地域のケアマネジャーの指導や育成、新しい制度の通知も行います。支援困難事例などへの助言も行い、サービス事業者の質の向上も図ります。地域に発生している介護の問題と向き合い、介護環境の改善のために地域ケア会議を開催することもあります。
地域包括支援センターの役割
地域包括支援センターの四つの役割を紹介します。前述の3職種の専門家が連携しながら、各種サービスをコーディネートして高齢の地域住民をサポートしています。
●介護予防ケアマネジメント
主に保健師(または看護師)が担当し、高齢者が心身ともに健康であるよう、介護予防の観点からサポートします。具体的には要支援と認定された人や、これから支援や介護が必要になると考えられる人に対して、高齢者本人の状況や家庭環境の把握、課題の分析を行い、介護予防ケアプランを作成します。どんなサービスをどのぐらいの頻度で利用するか、そのためにかかる費用などの計画をまとめます。なお、要介護認定の申請手続きの窓口も地域包括支援センターが担っています。
また、現在元気に暮らしている高齢者が、要支援や要介護にならないための介護予防も推進し、健康診断の受診を促進したり、健康教室などを開催したりします。必要に応じて、運動器の機能向上、栄養改善、認知機能低下予防、閉じこもり予防、うつ予防などを目的としたサービスを紹介し、本人の参加を促します。
●総合相談支援業務
地域内にある医療や福祉関連の社会資源を活用し、高齢者の困りごとに対して、解決に必要なサービスや制度を案内します。主に社会福祉士が担当しますが、相談内容によっては保健師(または看護師)、主任ケアマネジャーが担当する場合もあります。「親が認知症のようだが、病院に行くのを嫌がっている」、「在宅介護を受けたいけど、どうすれば良いか分からない」、「介護費用がどのぐらいかかるか負担が心配」など、幅広い相談を受け付けます。解決のためのサービスや制度を案内するだけでなく、手続きもサポートします。
●権利擁護業務
高齢者の権利擁護で、地域包括支援センターは大きな役割を果たしています。こちらは主に社会福祉士が担当となります。その一つが消費者被害への対応です。判断能力が低下した高齢者を狙った、金銭の搾取や詐欺の犯罪に巻き込まれないための支援をしています。高齢者虐待の早期発見や防止も行い、高齢者本人や家族だけでなく、近所の人などからの情報も受け付けています。また、認知症などによって資産や金銭の管理が難しくなった高齢者には、成年後見制度を活用するアドバイスなども実施しています。
●包括的・継続的ケアマネジメント
主任ケアマネジャーが主な担当となります。地域の介護・医療・保健・福祉の専門家や、住民の間にネットワークをつくり、そこで暮らす高齢者の課題解決に取り組みます。高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるように、地域のケアマネジャーをサポートすることも地域包括支援センターの業務となっています。
例えば、ケアマネジャーを対象とした研修会を実施して、介護保険制度や地域の各種制度、地域の介護や医療の新しい事例や情報などを共有。利用者により良いサービスが提供できるように努めています。難易度の高い、対応が困難なケースでは、地域包括支援センターからアドバイスを行うなどして、業務をサポートしています。
なお、これらの地域包括支援センターの業務が、適切、公平かつ中立的に運営され、その役割を果たすよう、専門的に協議するために地域包括支援センター運営協議会が設置されています。地域包括支援センター運営協議会は、学識経験者、保健、医療、福祉関係団体の代表者、介護サービスの利用者などで構成されています。
また、地域包括支援センターの役割を補完する機関として、介護予防センターを設置している市町村もあります。介護予防センターは、地域包括支援センターと協力しながら、介護予防事業の拠点として各種教室を開催するなどの活動を行っているようです。
地域包括支援センターの利用の流れ
高齢者本人や家族が利用したいとき、どんな手順を踏んだら良いのでしょうか。地域包括支援センターは、多忙なことも多いようですので、以下を参考に相談してみてください。
Step1:来所または電話相談
高齢者本人が居住するエリアを管轄している地域包括支援センターを直接訪ねても良いのですが、まずは電話をするのがおすすめです。自治体のHPに地域包括支援センター一覧が掲載されていますので、担当の地域包括支援センターを見つけましょう。各市町村に問い合わせても教えてもらえます。その場ですぐ相談に乗ってもらえるとは限りません。いったん簡単に相談内容を伝え、面談の予約をするのが一般的なようです。
対応した職員が相談内容を聞いて、どんなサポートが必要か判断し、担当する専門家を決めてくれます。「こんな相談をしても良いのかな?」、「誰に相談すれば良いのか分からない」という場合も、面談後に適切な解決策を考えてくれます。高齢者の日常生活や生活支援などで困っていることがあったら、まずは問い合わせてみましょう。
Step2:家族や本人との面談
相談内容に応じて職員から引き継いだ、社会福祉士、保健師(または看護師)、主任ケアマネジャーなどの専門家と面談を行います。地域包括支援センターに来るのが難しい場合は、自宅で高齢者本人や家族と面談します。
面談の前に、あらかじめ困りごとや希望を書き出し、要点を整理して、なるべく具体的に状況を伝えるようにしましょう。専門家がどんなサービスを案内する必要があるか、判断しやすくするためです。つい日ごろの大変さについての愚痴が出てしまいそうですが、面談の時間を無駄にしないために要点が明確になるよう心掛けることが大切です。
面談の際は、介護保険証(40~64歳の場合は健康保険証)、マイナンバーカード(またはマイナンバー通知書)、認印、医療機関や主治医の名前などを用意しておくのがおすすめです。さまざまな制度やサービスの手続きをその場で進められることも多いからです。
Step3:必要なサービス・事業所へ紹介
高齢者本人や家族との面談で要望をくみ取った上で、次のようなサービスの紹介や対応が行われます。以下で紹介するのはあくまでも例で、実際にはさまざまなケースがあります。
- ・介護予防・日常生活支援総合事業の利用
- 基本チェックリストを使い心身の健康状態を確認して該当項目がある場合、要介護認定を受けていないが介護予防に取り組みたい場合、また要介護認定で要支援1~2の場合には、介護予防ケアプランを作成します。各市町村が主体となって行うリハビリなどの介護予防や日常生活支援サービス(介護予防・日常生活支援総合事業)から、高齢者本人の状況に応じたサービスを利用できるようにします。
- ・介護保険申請手続き、要支援の場合のサービスの調整
- 「自立した生活が難しい」、「生活に不安がある」など、高齢者本人や家族が介護保険サービスの必要性を感じているときは、介護保険の申請手続きを進めてもらえます。要介護認定で要支援1~2とされた場合は、通所リハビリ(デイケア)や訪問看護、ショートステイなどの利用のほか、福祉用具のレンタルや住宅のリフォームなどのサービスを利用できるようにします。
- ・居宅介護支援事業所への引き継ぎ
- 要支援1~2については地域包括支援センターで対応しますが、要介護と認定され、高齢者本人や家族が居宅介護支援事業への委託を希望するときは、居宅介護支援事業所への引き継ぎを行います。居宅介護支援事業所に常駐するケアマネジャーが、高齢者本人の心身の状況や生活環境、希望などに沿ってケアプランを作成し、介護サービスなどを提供する各事業所との連絡・調整などを行います。
- ・そのほか関係機関への紹介
- 高齢者本人の状況によって必要な場合は、成年後見制度や認知症疾患医療センターなどの関係機関へ紹介するなど、連携を図ります。
地域包括支援センターを活用するメリットと注意点
日常生活や介護から、高齢者を狙った犯罪まで、多岐にわたる相談にのってもらえるのがメリットです。ただし、基本的には相談の窓口であることに注意する必要があります。
●高齢者の介護に関する相談をワンストップで対応してもらえる
地域包括支援センターの大きなメリットが、高齢者の生活や介護に関するさまざまな相談にワンストップで対応してくれることです。主任ケアマネジャー、保健師(または看護師)、社会福祉士など、介護・医療・保健・福祉のプロフェッショナルが対応してくれるので、不安を解消することができます。
●高齢者の虐待の早期発見、犯罪被害の未然防止ができる
虐待や犯罪被害が起きたときの対処は一般の人には難しいものです。地域包括支援センターの職員は、権利擁護のための専門知識やスキルを身に付けており、早期発見や迅速な対応が期待できます。家族や親族ではない、例えば近所の人の通報も受け付けているため、地域の高齢者の生命や財産、権利を守ることにつなげられる可能性があります。
●直接支援を受けられるわけではない点に注意
地域包括支援センターは相談窓口であり、介護や福祉などのサービスを紹介し、適切な介護事業者や医療機関、行政機関などに橋渡しをするのが役割です。地域包括支援センターの職員が、直接介護の手伝いをしたり、治療に携わったりすることはできません。そのことを理解した上で、悩みや困りごとを早めに相談することが大切です。
地域包括支援センターを上手に利用すれば、自立して生活ができる人の場合は、生活支援などのサービスを受けて自宅で快適に暮らし続けることもできるでしょう。しかし、高齢者本人の加齢、病気やけがなどによって状況が変わっていくことも考えられます。自宅以外でどんな施設で暮らすことができそうか、将来を見据えて検討しておくことも必要でしょう。次項では、代表的な高齢者施設をいくつか紹介します。
介護負担軽減のための老人ホーム活用
介護の有無や、程度の違いに合わせて選択できる施設には、特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、さまざまな種類があります。代表的な施設を紹介します。
●特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム(特養)は、自治体や社会福祉法人が運営している公的施設です。原則として65歳以上の要介護3~5の人が入所することができます。介護スタッフが24時間体制で常駐し、食事や入浴、排せつなどの介護サービス、掃除、洗濯など身の回りの世話を受けることができます。入居費用が比較的安く、基本的には終身にわたって利用することができるのがメリットです。
●介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは民間の事業者が運営する、都道府県の認可を受けている施設です。施設によって異なりますが、基本的には要介護1~5の人を受け入れています。介護スタッフが24時間常駐し、寝たきりや認知症の人など要介護度が高い人にも対応しています。食事や入浴、排せつなどの介護サービス、掃除、洗濯などの生活支援サービスを受けられ、レクリエーションが充実している施設や、機能訓練(リハビリテーション)を受けられる施設もあります。入居費用には幅があり、高額になるケースもあります。
●住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームも民間の事業者が運営する老人ホームで、施設により異なりますが、65歳以上で自立して生活できる人から、要介護(主に軽度)の人が入居対象となります。建物はバリアフリーで手すりなどが設置され、入居者が安心して過ごせる環境を整えています。イベントやレクリエーションが充実しているのも特長で、入居者同士の交流が活発な施設もあるようです。
生活支援や介護サービスが必要な場合は、在宅介護と同じように、入居者が個別に外部のサービス機関と契約することになります。要介護度が進むと、介護サービスの利用回数が多くなり、月々の負担額が高くなることもあるため注意する必要があります。
●サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、文字通り高齢者向けのサービスが付いている賃貸住宅です。「サ高住(さこうじゅう)」や「サ付き(さつき)住宅」とも呼ばれます。多くが民間事業者によって運営されています。建物はバリアフリーで60歳以上が入居可能となっているのが一般的です。自宅と同じように自由度の高い生活を送りながら、有資格者のスタッフにより安否確認や生活相談のサービスが受けられ、安心して暮らせるという特長があります。家賃は比較的低めに設定される傾向にあります。
高齢者も安心の住まいはUR賃貸住宅
高齢者が住まいを検討するときにおすすめなのが、全国に約70万戸あるUR賃貸住宅。高齢者向けの物件も豊富で、希望する条件に合った部屋が見つかりやすいでしょう。
●高齢者が安心して暮らせるUR賃貸住宅
独立行政法人都市再生機構が管理するUR賃貸住宅は、全国各地にさまざまなタイプの物件が豊富にあり、高齢者向け物件も数多く用意されています。地域医療福祉拠点化にも取り組み、地域包括支援センターと連携した、高齢者が安心して住み続けられる環境づくりも推進しています。
URは建物がゆったりした間隔で建てられ、敷地内に緑豊かな公園や広場が設けられた物件が多いのも特長です。歩車分離の考えをもとにした設計で、歩行者が安心して歩行・通行できるよう、敷地内に許可を得た車しか入れないエリアが設けられていることもあります。
日当たりや風通しの良さ、緑の豊かさ、安全への配慮など、シニア世代にとって安心して暮らせる環境が整っているといえるでしょう。URでは、高齢者が快適に住み続けられるよう、設備や間取りを工夫した五つのタイプの高齢者向け賃貸住宅を用意しています。
- ・高齢者向け優良賃貸住宅
- 物件の一部の部屋(主に1階)について高齢者が使いやすいように床の段差をほとんどなくして要所に手すりが備えられ、緊急連絡用ボタンが設置されています。所得が一定以下の場合は、家賃負担の軽減措置を受けられる場合があります。
- ・高齢者等向け特別設備改善住宅
- 高齢者や障がい者のために浴室など水まわりの段差が緩和され、緊急連絡用ボタンが設置されています。
- ・健康寿命サポート住宅
- 室内の段差をなくして要所に手すりを設置するなど、入居者の転倒防止に配慮するだけでなく、散歩したくなるような屋外空間や社会参画の機会等により外出したくなる環境を備えています。
- ・シルバー住宅
- 生活援助員が入居者の生活を支援するとともに、一部の住居には緊急通報装置などのセキュリティーシステムを導入しています。
※東京都、大阪府の一部の物件のみ
- ・URシニア賃貸住宅(ボナージュ)
- 高齢者が安全に暮らせるように仕様と設備を整え、生活を支援するサービスも充実。生命保険会社や信託銀行などと提携し、終身年金保険からの年金を家賃の支払いに充てる制度も用意されています。
※横浜市または千葉市の一部の物件のみ
●一人暮らしの高齢者にうれしいサービスも
- ・見守りサービス
- 高齢者の一人暮らしの場合、「急な体調不良やけがなどで動けなくなってしまったら…」といった不安があるのも事実。万が一の事態に早く気付いて対応できるように、URでは提携企業による見守りサービスを提供しています。安否確認センサーにより動きが確認できないとき、必要に応じて緊急連絡先などに連絡を行っています。
- ・立山科学株式会社「見守りサービス」
- リビングルームや寝室、廊下など住戸内のよく滞在する3カ所に設置するセンサーが、利用者の日常の活動を見守るというものです。センサーが利用者の動きを確認できないときに、コールセンターから利用者に電話で確認を行います。利用者に連絡が取れないときは、必要に応じて緊急連絡先に連絡を行います。一度設置してしまえば、機器操作の必要はありません。
- ・ヤマト運輸株式会社「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」
- このサービスで見守りのキーとなるのは電球です。トイレや廊下など、毎日使用する電球を「ハローライト電球」に交換することで、この電球が一定時間使用されていない場合に異常を検知。事前に設定した家族や友人などの連絡先へメールで知らせます。
- 家族や友人がすぐに駆け付けられないときは、ヤマト運輸のスタッフに利用者のもとを訪問するよう依頼もできます。電球の取り付けはヤマト運輸のスタッフが行うので、利用者の作業は不要です。
- ・東急セキュリティ株式会社「見守りサービス(SAFE-1)」
- 首都圏の団地対象のサービスです。利用者の部屋に安否確認センサー兼非常ボタンを設置。このセンサーが利用者の生活を見守り、24時間反応がないときに異常を検知します。また、利用者が非常ボタンを押すことで、自らSOSを求めることも可能です。そうした場合、事前に設定した家族や友人などの通知先にメールが届きます。
- 通信回線内蔵のため、電話回線や設置工事は不要。センサーを部屋に置くだけでスタートできます。さらにオプションとして、東急セキュリティ株式会社の委託先の警備員が現地へ駆け付ける「駆けつけサービス」を追加することも可能です。
- ・高齢者相談窓口(シニアアドバイザー設置窓口)
- 物件探しの際に、高齢者が安心してUR賃貸住宅を選べるよう一部の営業センターに相談窓口が設置されています。入居を希望、検討の際に気になる点について、社会福祉士やケアマネジャーなどの有資格者(シニアアドバイザー)に聞くことができます(開設日時が窓口によって異なるため、利用時は事前の電話予約が必要です)。
- ・生活支援アドバイザー
- URでは、地域医療福祉拠点化の取り組みを進めている物件を中心に、生活支援アドバイザーを配置しています。高齢者の方が安心して暮らし続けられるよう、各種相談対応や電話による安否確認(あんしんコール)、交流促進のためのイベントなどを実施しています。
●子世帯との近居でお得な家賃プランも活用できる
URは礼金・仲介手数料・更新料・保証人がすべて不要です(保証会社への加入も不要なので保証料も不要)。契約時に必要なお金は、敷金(月額家賃の2カ月分)と、入居月(入居日から当月末まで)の日割り家賃、日割り共益費のみ。そのため入居時の初期費用を大幅に抑えることが可能になります。医療費や生活サポートを受ける費用など、老後は予定外の出費もあるため、入居時や更新時の出費を抑えられるのはうれしいポイントです。
URには初期費用だけでなく家賃も節約できる、ライフステージに応じたお得な家賃プランが複数用意されており、条件を満たしている場合はぜひ活用すると良いでしょう。ここでは二世帯が近くに住む場合に適用されるプランを紹介します。
- <近居割>
- 募集家賃から5年間、5%減額されます。対象となるのは同じUR内、もしくは半径2km以内の別々のURで、親世帯・子世帯の二世帯が近居する場合で、新たに契約した世帯の家賃が減額されます。また、二世帯同時に契約する場合は、両世帯とも減額されます。
- <近居割WIDE>
- 募集家賃から5年間、5%減額されます。対象となるのは近居割WIDEエリア内のURとUR以外の住宅です。親世帯・子世帯の二世帯が近居する場合で、新たにUR賃貸住宅を契約した世帯の家賃が減額されます。近居割WIDEは、地域医療福祉拠点化に取り組んでいる物件を中心に導入されています。
URは高齢者が快適に暮らせる環境が整っている
高齢者の健康や介護の問題は、人生で直面する難しい問題の一つでしょう。そのとき最初に相談したいのが地域包括支援センターです。「一人暮らしの母が骨折して家事ができなくなった」、「同居している父が無気力でうつ病になるのが心配」など、さまざまな悩みや困りごとに、適切なアドバイスをしてくれるでしょう。住んでいる市町村のHPに地域包括支援センター一覧などの資料が載っていますので、早めに確認してみることをおすすめします。
要介護度が高くなり日常的に介護スタッフの支援が必要になると、介護付き有料老人ホームなどへの入居も検討することになるかもしれません。しかし、まだ介護の必要性が低く、自立した生活を送りたいという高齢者におすすめなのがUR賃貸住宅です。入居時の初期費用が抑えられ、お得な家賃プランがあるのが大きな魅力です。
前述の通り、URには五つのタイプの高齢者向け住宅が用意されています。万が一の際も素早く対応できるよう「見守りサービス」も提供され、物件によっては高齢者の暮らしをサポートしてくれる生活支援アドバイザーが配置されています。親世帯と子世帯の二世帯が近くのUR賃貸住宅に住むなら、お得な家賃プランの利用も可能です。
URのHPでは、希望する間取りやエリア、家賃の範囲など条件を設定し、高齢者に合った住まいを簡単に検索することができます。ぜひ気軽にチェックしてみてください。
監修/横井 孝治
高齢者の健康や生活で困ったことがあれば、地域包括支援センターへ相談を!
- ・地域包括支援センターは高齢者の介護や暮らしの総合相談窓口。各分野の専門家が問題の解決法を無料でアドバイスしてくれる
- ・高齢者は状況に合わせた住まい選びが大切。自立して暮らせるなら高齢者向け賃貸住宅、介護の必要性が高くなったら老人ホームなどを検討しよう
- ・UR賃貸住宅には五つのタイプの高齢者向け住宅がそろい、見守りサービスや生活支援アドバイザーのサポートで、高齢者が快適に暮らせる環境が整う
くらしのカレッジ編集部は、「くらし」に関するさまざまなヒントをお届けすることを目的に、インテリア、リノベーション、DIY、子育て、イベント情報など、生活を豊かにするアイデアや日常的に楽しめるコンテンツをご紹介しています。
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