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老後の住み替えはマンション?一戸建て?住まい選びのポイントは
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子育てを終えて、仕事をリタイアしてからの老後の生活を考え、住み替えを検討する人も少なくないようです。転居先の選択肢には、マンションか一戸建てか、持ち家か賃貸か、などいろいろあり、迷う人もいるかもしれません。この記事では老後に住み替えるメリットや、老後に暮らす物件選びのポイントについて解説。高齢者向けのサービスが充実した賃貸住宅も紹介しますので、老後の住み替えを考える際には、ぜひ参考にしてください。
老後の住み替えを検討するタイミングは?
子供の独立や、定年退職によるライフスタイルの変化など、住み替えを検討するきっかけはさまざま。自宅が老朽化しリフォームが必要なタイミングで考える人もいるようです。
●子供が独立したとき
子供が独り立ちして家族構成が変わり、夫婦二人、または一人暮らしになると、それまで使っていた部屋が不要になり、持て余してしまうことがあります。使わなくなった部屋は、子供がときどき帰ってくるときに使ったり、客間にしたりできますが、使用頻度が低い一方で掃除など維持管理に手間がかかるかもしれません。「それなら部屋数は減らして、リビングやトイレ・バスなどが広く、生活スペースに余裕がある家で快適に暮らしたい」と住み替えを検討し始めるようです。
●定年退職したとき
会社などを定年退職すると、通勤しやすい場所に住む必要がなくなります。現役をリタイアすれば日常生活も変化し、自分が住みやすいと思う立地条件も変わってくるかもしれません。退職をきっかけに地元に戻って暮らしたり、自然豊かな郊外に引っ越ししたり、通勤を考慮しなくて済むので居住エリアの選択肢が増え、自分が理想とするセカンドライフを実現しやすくなります。
定年退職後に住み替えるメリットには、退職金を住み替えの費用や新居購入の住宅ローンに充てられることもあります。ただし、住宅ローンには金融機関ごとに年齢制限が設けられているため注意が必要です。申し込み可能な上限年齢は満65~70歳未満、完済時年齢は満80~81歳未満となっていることが多いようです。定年退職して間もないころなら住宅ローンを組んで新居を購入できるかもしれません。
住み替えて新しい環境に慣れるのには、ある程度の気力や体力も必要で、それがあれば町内会の活動やイベントなどにも積極的に参加できます。地域住民から孤立してしまう、いわゆる住み替えの“わな”に陥ることがなく、後悔する可能性が少なくなります。このように退職後を住み替えのタイミングとして選ぶことには、いくつかおすすめの理由があります。
●家のリフォームが必要になったとき
マイホームの老朽化が進み、リフォームが必要になったタイミングで住み替えを考えるケースもあります。一般的な木造の一戸建ては築20年以上たてば、リフォームや建て替えの検討時期に入ってきます。また、お風呂や洗面台、キッチン、給湯器やエアコンなどの住宅設備は早いもので10年、多くは20年を超えると耐用年数をオーバーしてしまいます。
土地はそのまま利用できても、リフォームや建て替えにはそれなりの資金が必要です。バリアフリー化は部分的なリフォームでも対応できますが、玄関からトイレ・バスなどの水まわりを含めた大がかりな工事になると高額の費用がかかる恐れがあります。また、工事期間中の仮住まいが必要になれば、引っ越しや家賃の出費も生じます。その場合は自宅を売却し、すでにバリアフリー構造になっている手ごろなサイズの住まいに引っ越しした方が、経済的という考え方もできるかもしれません。
老後に住み替えるメリット
ライフスタイルに合わせ、住環境や生活環境を変えられるのが老後の住み替えのメリット。家をダウンサイジングすることで、支出を減らせる可能性があるのも魅力の一つです。
●体力や生活スタイルに合わせた立地の良いエリアに住める
年齢を重ねるにつれ体力が衰え、足腰が弱くなって行動範囲が狭まっていくのが一般的です。今は車を運転できても、ゆくゆくは運転免許証を返納することもあるかもしれません。徒歩圏内にスーパーマーケットや銀行、病院、郵便局などがあるエリアに住み替えれば、買い物や通院、貯金の出し入れなどの手続きに不便を感じずに済むでしょう。最寄り駅やバス停までの距離が近い場所なら、お出かけするにも便利です。高齢者向けの施設やサポートが充実しているエリアに住めば、老後をより快適に過ごせそうです。
●支出を抑えることができる
子供部屋が不要になれば、部屋数の少ない家にダウンサイジング(規模を小さく)することができ、家計の支出を抑えることができます。現在の持ち家が部屋数の多い一戸建てなら、コンパクトな分譲マンションに買い替えることで、火災保険や固定資産税など維持費の抑制につながるかもしれません。賃貸住宅に住んでいるなら、コンパクトな安い家賃の物件を選ぶことで、光熱費や住居費など生活費の負担を減らすことができそうです。浮いたお金は老後資金として貯蓄などに回せると良いでしょう。
●暮らし方の夢を実現することができる
自分の通勤や子供の通学などを気にせず、好きな土地を選べると、シニアライフを楽しむための選択の幅が一気に広がります。「庭のある田舎の家でガーデニングの趣味に打ち込みたい」、「南の島に移住して釣りやマリンスポーツを楽しみたい」など、現役時代に描いていた夢を実現できるかもしれません。郊外の一戸建てから都心の手ごろなマンションにダウンサイジングすれば、演劇やコンサートに出かけるなど、都会ならではのライフスタイルを楽しめそうです。
マンション?一戸建て?老後の住まいの選択肢
老後の住まいの形にはいろいろな選択肢があります。ここでは、マンションと一戸建て、持ち家と賃貸、新築と中古、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
●マンションか一戸建てか
住まいについての価値観は人それぞれに異なるため、マンションと一戸建て、一概にどちらが良いとはいえませんが、一般的に次のようなメリット・デメリットがあるようです。
マンションの上層階に住めば、戸締まりの心配をすることも少なくなり、女性の一人暮らしでも玄関の鍵をかければセキュリティー面の安心感を得られます。居室はワンフロアにまとまっていることが多いため、階段の上り下りがないのは高齢者にとって便利です。エレベーターや、車いす用のスロープなど、バリアフリーが徹底された物件を選ぶこともできます。共用部のエントランスや外構などは、管理会社がメンテナンスを行うのが一般的なため、清掃や手入れなどの負担が少ないのもメリットです。
一方で、マンションで車を所有していると駐車場使用料のコストが別途かかるのがデメリットといえます。また、管理規則があるため、ペット不可となっている場合は犬や猫などを飼うことはできません。近隣住戸との距離が近いことから、集合住宅での生活に慣れていない人は、生活音や他人の話し声が気になることもあるでしょう。騒音問題など人間関係のトラブルが比較的起きやすいのも、マンション暮らしの懸念点といえるかもしれません。
一戸建てのメリットは比較的静かな暮らしを実現しやすいことです。特に地方や郊外の場合は、それぞれの家の距離が離れていることが多く、マンション住まいに比べてプライバシーを保ちやすいといえます。また、マンションのような管理規則に縛られることもなく、自由度の高い生活を送れるでしょう。ペットを飼うのも基本的に自由です。
一戸建てのデメリットは、マンションと比べて開口部が多いため、セキュリティー対策が必要なことです。また、2階建ての場合、高齢者には階段の上り下りの際に負担がかかります。庭がある場合は、外構部の清掃や手入れなどのメンテナンスを行う必要もあるかもしれません。室内だけでなく建物全体に気を配らねばならないことが多いため、そのぶん負担感が大きいといえるでしょう。
●持ち家か賃貸か
持ち家の場合、現金で一括購入したり住宅ローンを完済したりすれば、その後の経済的な負担は比較的少なくなります。子供や孫に資産として残せることもメリットの一つでしょう。デメリットは初期費用の負担がかなり大きいこと。住宅ローンを組む場合も月々の返済額を減らすにはまとまった頭金が必要になります。また、高齢者は住宅ローンの審査が通りにくいケースもあるため、そもそも借り入れが難しいことがあるかもしれません。
賃貸のメリットは住み替えがしやすいことです。実際に住んでみて地域になじめなかったり、イメージしていたより不便だったりしたときに、賃貸なら再度住み替えをすることが比較的簡単にできます。デメリットは住み続ける限り、ずっと家賃が発生すること。購入物件なら住宅ローンの支払いに終わりがありますが、賃貸は家賃の支払いが終わることはありません。
現在持ち家に住んでいる人は、売却して賃貸住宅に住み替える方法もあります。売却して得たお金で家賃を支払うだけでなく、ゆとりあるセカンドライフのための老後資金に充てることができます。相続のことを考えると土地や建物をそのまま残すより、現金化した方が子供や孫に分配しやすくなる場合もあります。ただし、地方や郊外にあり築年数がたっていると、売却が難しく低価格になることもあるので、売却前に相場を確かめると良いでしょう。
持ち家で住宅ローンを完済しているなら、賃貸住宅に住み替えるより、そのまま住み続けた方が住居費を抑えられるケースもあります。持ち家やマンションの固定資産税や維持費用、管理費や修繕積立金などと、賃貸に住み替えた場合の家賃や管理費などを比較すると良いでしょう。もちろん費用面だけでなく、バリアフリーやセキュリティーなどの面も考慮し、老後を安心して便利に暮らせるかどうかも考えて、住まい選びをすることが大切です。
一般的な賃貸物件や購入物件以外に、高齢者向け(シニア向け)住宅を探すという選択肢もあります。ここでいう高齢者向け住宅とは、介護の必要性が低い高齢者のための住宅のこと。基本的なバリアフリー設備が整い、高齢者が暮らしやすい構造になっています。高齢者向け住宅には、緊急時に駆け付けてくれたり、健康相談ができたりする物件もあります。老人ホームと違って、門限や外出などの制限がないため、自分の家と同じような自由な生活スタイルを維持できるのがメリットです。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)も高齢者向け住宅の一つで、国土交通省と厚生労働省が中心となってスタートさせた賃貸住宅の制度です。床面積や設備などに基準が定められ、安否確認と生活相談のサービスで、高齢者が安心して暮らせるよう配慮されています。介護型のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)なら介護サービスを受けることも可能です。
●新築物件か中古物件か
一戸建てやマンションを購入する場合、新築か中古かという選択肢があります。最新の住宅設備で便利な暮らしができる新築マンションには、魅力的な物件も少なくありません。また、一戸建ての新築注文住宅なら自分の理想の暮らしに合わせて設計でき、バリアフリーにも十分に対応した住まいを建てることが可能です。
一戸建て、マンションとも中古物件のメリットは、新築物件に比べて価格相場が低い傾向にあり、比較的低価格で購入できる場合があることです。エリアや専有面積、物件価格など幅広い選択肢から選びやすいのも良いところです。入居前にリフォームすればバリアフリー化もでき、高齢者が住みやすい快適な家にリノベーションすることもできます。
新築と中古どちらを選ぶにしても大切なのは資金計画です。手元の購入資金でまかなえるか、住宅ローンを組む場合は審査に通りそうか、返済に無理はないか十分に検討してから購入を決めることが重要です。
ちなみに、自宅を売却して新居を購入する際は、大きく分けて2種類の流れがあります。旧居を売却してから新居を探す「売り先行」と、新居を買ってから旧居を売却する「買い先行」です。「売り先行」は売却代金がいくらで、どのぐらい新居購入に充てられるか把握でき、資金計画を立てやすくなるのがメリットです。ただし、新居が見つからない間は、仮住まいを探す手順を整えておく必要があります。
一方、「買い先行」は新居を先に購入するので、仮住まいは不要です。しかし、旧居の住宅ローンの残債が残っていると、売れるまで新居とのダブルローンになるリスクもあります。そのため経済的な余裕がある人に向いているといえるかもしれません。
老後に住み替える物件選びのポイント
物件選びで特に重視したいのは周辺の環境や利便性。高齢者が住みやすい間取りやセキュリティー対策もポイントです。子供世帯との距離感も考慮して選んだ方が良いでしょう。
●住まい周辺の環境や利便性
前述の通り、大切なのは老後の生活に合った周辺環境です。例えば、電車やバスなど公共交通機関の駅や停留所へのアクセスの良さ。将来的に運転免許証を返納し車を手放すことも考えているなら、交通の利便性が重要になります。駅や停留所が近いだけでなく、路線の1日の本数は十分かもチェックしましょう。徒歩圏内に食品や日用品を購入できるスーパーマーケットや、銀行や郵便局などよく利用する金融機関があるかどうかもポイントです。
高齢になると病気のリスクも高まります。近くに通いやすい病院があるかも事前に調査した方が良いでしょう。加齢により身体機能が低下すると移動の負担が大きくなるため、物件周辺の地形も注意したい点になります。商店街やコンビニエンスストアなどの生活施設や、病院に行く途中に坂道や階段はないか、周辺の道路の交通量はどのぐらいか、歩きやすい歩道があるかなどの状況もできれば調べておきたいものです。
●バリアフリーやセキュリティーなどの性能
物件はバリアフリー設計になっていることを必須条件とした方が良いかもしれません。居室内につまずく心配のある段差がなく、玄関やトイレ、浴室など体をかがめる必要のある場所には手すりがついていると安心です。冬場はヒートショックのリスクも高まるため、浴室と脱衣場に寒暖差が生じにくいよう、二重窓や浴室暖房、床暖房などの設備があるとさらに良いでしょう。廊下は車いすでも通れる程度の幅があるかもポイントになります。
間取りも重要です。「寝室とトイレが近い」、「部屋数は多すぎず必要な部屋がそろっている」、「トイレや浴室は介護できる広さがある」といった住まいなら快適に暮らせるでしょう。また、防犯カメラやオートロックなどのセキュリティー対策がなされていればなお安心です。マンションの場合は、これらの設備が整っている物件も多いようですが、一戸建ての場合は自分自身で可能な方法を準備しなくてはならないケースもあるかもしれません。
●子供世帯との距離感
高齢になったら子供世帯との同居を考えている人もいるかもしれません。しかし、最近はお互いの生活やプライバシーを尊重し、これまで通り別々の家で暮らしたいという意向の家族が多くなっているようです。近年人気を集めているのが「近居」です。「近居」とは、親世帯と子供世帯が行き来しやすいよう、お互いに近い場所に住むこと。そうすれば、適度な距離感を保ちながら親子で助け合うことができるでしょう。
「近居」ができず、子供の住まいと離れて住むときは、子供が通いやすい鉄道の路線や、高速道路からのアクセスのしやすさを考慮に入れて物件を選ぶと良いかもしれません。
●購入する物件の資産価値
物件を購入するなら、資産価値のある物件かどうかを考慮して選ぶことも大切です。老後の住み替え先が、人生の最期を過ごす「終の棲家(すみか)」になるとは限りません。将来、自分に介護が必要になったとき、老人ホームなど介護施設への入居や、サービス付き高齢者向け住宅への転居、状況によっては子供世帯と同居することもあるかもしれません。
将来売却することを考えたなら、資産価値が落ちにくい物件の方が当然有利です。立地条件や間取り、築年数などによっては、購入時より高値で売却できるケースもあるかもしれません。資産価値が高ければ賃貸に出して賃料収入を得られる可能性も出てきます。もしものときに売却しやすいか、子供世帯が引き継いでも扱いに困らないかといった点も視野に入れて、物件を選ぶことをおすすめします。
●無理のない資金計画
住み替えを失敗しないためのコツは、無理のない資金計画を立てることです。購入する場合、退職金や預貯金など自己資金でまかなえるか、住宅ローンを組むなら借入金はいくらで金利や返済期間はどのぐらいか、返済しながら生活に余裕が持てるかをよく検討することが大切です。退職金や預貯金をあまり当てにせず、病気やけがなど突発的な出費も考慮して、通常の生活を維持できるよう老後資金を確保しておくことが必要です。
持ち家から賃貸住宅に住み替える場合は、礼金や敷金などの初期費用だけでなく、月々の家賃を無理なく支払い続けられるか確認しましょう。また、旧居を売却するときは売却価格だけで判断せず、不動産会社に支払う手数料や税金などを引いて手元に残る金額を見積もり、その上で余裕のある予算を組んで物件を探すことが大切です。
先に紹介したように高齢になってから住宅ローンを組むのは、ハードルが高くなるのが一般的です。そこで、資金を用意する方法として「リースバック」を利用するという方法もあります。その仕組みは、持ち家を売って売却代金を得た後、家賃を支払い続けることで、これまでの家に継続して住めるというものです。リースバックを利用すれば新居の購入費用を得た上で、新居が決まるまで旧宅を仮住まいにすることができます。
そのほかにも、資金を用意する方法として「リバースモーゲージ型ローン」もあります。自宅を担保に資金を借りられ、その最大のメリットは毎月利息分だけを支払えば良いところにあります。ただし、借り入れできる金額は評価額の50~60%以下が上限となることが多く、希望していた金額に届かないことも考えられます。元金などの返済は自身が死亡した後で、担保となっている自宅を売却することで完了します。
なお、住宅金融支援機構が提供するリバースモーゲージ型ローンは、住宅購入・建て替え・リフォームなど住まいのためのローンですが、民間のリースバック、リバースモーゲージは、自宅に住み続けながら、主に生活資金を得ることを目的とするなど特色の違いがあります。さまざまな条件や注意点がありますので、利用する前にインターネットなどで関連記事の内容を読んで情報を集め、不動産会社や金融機関の専門家、ファイナンシャルプランナーなどのプロに早めに相談して、メリット・デメリットを良く理解することが大切です。
高齢者向けサービスも充実のUR賃貸住宅
老後の住み替え先としておすすめなのがUR賃貸住宅。全国に約70万戸あり、敷地内に緑が豊富で日当たりが良く、五つのタイプの高齢者向け物件があるのが特長です。
●老後の住み替えにおすすめのUR賃貸住宅
独立行政法人都市再生機構(UR)が管理するUR賃貸住宅は、礼金・仲介手数料・更新料・保証人がすべて不要です(保証会社への加入も不要なので保証料も不要)。契約時に必要なお金は、敷金(月額家賃の2カ月分)と、入居月(入居日から当月末まで)の日割り家賃、日割り共益費のみ。そのため、入居時の初期費用を大幅に抑えることが可能になります。医療費や生活サポートを受ける費用など、老後は予定外の出費もあるため、入居時や更新時の出費を抑えられるのはうれしいポイントです。
高齢者向け賃貸住宅では、契約の際に身元引受人を求められるのが一般的ですが、UR賃貸住宅なら保証人が不要なだけでなく、身元引受人も不要です。依頼できる人を探す手間や心配が要らないのも特長となっています。
UR賃貸住宅は建物がゆったりした間隔で建てられ、敷地内に緑豊かな公園や広場が設けられた物件が多いのも魅力です。歩車分離の考えをもとにした設計で、歩行者が安心して歩行・通行できるよう、敷地内に許可を得た車しか入れないエリアが設けられている物件もあります。日当たりや風通しの良さ、緑の豊かさ、安全への配慮など、シニア世代にとって快適で安心して暮らせる環境が整っているといえるでしょう。
スーパーマーケット、郵便局、銀行、医療機関など、生活に必要なものが敷地内または隣接地に設けられている物件もあり、シニア世代も便利な暮らしを送ることができます。また、敷地内にコミュニティカフェがあったり、住民によるイベントが開催されたりするなど、世代を超えた交流が盛んなのも特長の一つです。URでは、シニア世代が安全で安心な暮らしができるよう、五つのタイプの高齢者向け賃貸住宅を用意しています。
- ・高齢者向け優良賃貸住宅
- 物件の一部の部屋(主に1階)について高齢者が使いやすいように床の段差をほとんどなくして要所に手すりが備えられ、緊急連絡用ボタンが設置されています。所得が一定以下の場合は、家賃負担の軽減措置を受けられる場合があります。
- ・高齢者等向け特別設備改善住宅
- 高齢者や障がい者のために浴室など水まわりの段差が緩和され、緊急連絡用ボタンが設置されています。
- ・健康寿命サポート住宅
- 室内の段差をなくして要所に手すりを設置するなど、入居者の転倒防止に配慮するだけでなく、散歩したくなるような屋外空間や社会参画の機会等により外出したくなる環境を備えています。
- ・シルバー住宅
- 生活援助員が入居者の生活を支援するとともに、一部の住居には緊急通報装置などのセキュリティーシステムを導入しています。
※東京都、大阪府の一部の物件のみ
- ・URシニア賃貸住宅(ボナージュ)
- 高齢者が安全に暮らせるように仕様と設備を整え、生活を支援するサービスも充実。生命保険会社や信託銀行などと提携し、終身年金保険からの年金を家賃の支払いに充てる制度も用意されています。
※横浜市または千葉市の一部の物件のみ
●さらに高齢者にうれしいサービスも
高齢者の一人暮らしの場合、「急な体調不良やけがなどで動けなくなってしまったら…」といった不安があるのも事実。万が一の事態に早く気付いて対応できるように、URでは提携企業による見守りサービスを提供しています。安否確認センサーにより動きが確認できないとき、必要に応じて緊急連絡先などに連絡を行っています。
- ・立山科学株式会社「見守りサービス」
- リビングルームや寝室、廊下など住戸内のよく滞在する3カ所に設置するセンサーが、利用者の日常の活動を見守るというものです。センサーが利用者の動きを確認できないときに、コールセンターから利用者に電話で確認を行います。利用者に連絡が取れないときは、必要に応じて緊急連絡先に連絡を行います。一度設置してしまえば、機器操作の必要はありません。
- ・ヤマト運輸株式会社「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」
このサービスで見守りのキーとなるのは電球です。トイレや廊下など、毎日使用する電球を「ハローライト電球」に交換することで、この電球が一定時間使用されていない場合に異常を検知。事前に設定した家族や友人などの連絡先へメールで知らせます。
家族や友人がすぐに駆け付けられないときは、ヤマト運輸のスタッフに利用者のもとを訪問するよう依頼もできます。電球の取り付けはヤマト運輸のスタッフが行うので、利用者の作業は不要です。
- ・東急セキュリティ株式会社「見守りサービス(SAFE-1)」
首都圏の団地対象のサービスです。利用者の部屋に安否確認センサー兼非常ボタンを設置。このセンサーが利用者の生活を見守り、24時間反応がないときに異常を検知します。また、利用者が非常ボタンを押すことで、自らSOSを求めることも可能です。そうした場合、事前に設定した家族や友人などの通知先にメールが届きます。
通信回線内蔵のため、電話回線や設置工事は不要。センサーを部屋に置くだけでスタートできます。さらにオプションとして、東急セキュリティ株式会社の委託先の警備員が現地へ駆け付ける「駆けつけサービス」を追加することも可能です。
- ・高齢者相談窓口(シニアアドバイザー設置窓口)
- 物件探しの際に、高齢者が安心してUR賃貸住宅を選べるよう一部の営業センターに相談窓口が設置されています。入居を希望、検討の際に気になる点について、社会福祉士やケアマネジャーなどの有資格者(シニアアドバイザー)に聞くことができます(開設日時が窓口によって異なるため、利用時は事前の電話予約が必要です)。
- ・生活支援アドバイザー
- URでは、地域医療福祉拠点化の取組みを進めている物件を中心に、生活支援アドバイザーを配置しています。高齢者の方が安心して暮らし続けられるよう、各種相談対応や電話による安否確認(あんしんコール)、交流促進のためのイベントなどを実施しています。
●老後は子世帯と近居でさらにお得に
UR賃貸住宅には、初期費用だけでなく家賃も節約できる、ライフステージに応じたお得な家賃プランが複数用意されています。条件を満たしている場合は、ぜひ活用すると良いでしょう。ここでは親世帯と子世帯が近くに住む場合に適用されるプランを紹介します。
- <近居割>
- 募集家賃から5年間、5%減額されます。対象となるのは同じUR内、もしくは半径2km以内の別々のURで、親世帯・子世帯の二世帯が近居する場合で、新たに契約した世帯の家賃が減額されます。また、二世帯同時に契約する場合は、両世帯とも減額されます。条件を満たした子育て世帯については、最長5年間、家賃の20%(上限4万円)がサポートされます。ただし、世帯の所得合計が月25.9万円以下で、対象が一部団地となるなどの条件があります。
- <近居割WIDE>
- 募集家賃から5年間、5%減額されます。対象となるのは近居割WIDEエリア内のURとUR以外の住宅です。親世帯・子世帯の二世帯が近居する場合で、新たにUR賃貸住宅を契約した世帯の家賃が減額されます。近居割WIDEは、地域医療福祉拠点化に取り組んでいる物件を中心に導入されています。条件を満たした子育て世帯については、最長5年間、家賃の20%(上限4万円)がサポートされます。ただし、世帯の所得合計が月25.9万円以下で、対象が一部団地となるなどの条件があります。
UR賃貸住宅で安心・快適なセカンドライフを送ろう
老後の住み替えは好きな立地を選べるなど選択肢に幅があり、夢に描いていたセカンドライフを実現できる可能性も広がります。とはいえ、住み慣れた家を離れ、新しい生活を始めるには、体力や気力などエネルギーが必要です。万一、認知症など病気になったら賃貸借契約を結ぶことも難しくなってしまうかもしれません。住み替えをしたいと考えているなら、元気で自立した生活ができるうちに決断することが大切です。
住み替え先にはさまざまな候補が考えられますが、ぜひチェックしてほしいのがUR賃貸住宅。五つのタイプの高齢者向け賃貸住宅が用意され、物件によっては生活支援アドバイザーがサポート。緊急時に素早く対応できるよう「見守りサービス」も提供しています。また、親世帯・子世帯の二世帯が近くに住む場合、お得な家賃プランの利用も可能です。入居時の初期費用も抑えることができ、住居費をトータルで節約できるのも魅力。老後の住み替え先としてUR賃貸住宅も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
監修/大久保 恭子
UR賃貸住宅なら高齢者がスムーズに入居でき、サポートも充実
- ・子供の独立や定年退職などが老後の住み替えのタイミング。生活スタイルに合わせた立地を選べ、夢のセカンドライフを実現できる可能性も
- ・マンションはセキュリティーやバリアフリーの面で安心。一戸建ては落ち着いた自由な老後生活を送れるメリットがある。それぞれの特徴を理解することが大切
- ・高齢者向けの物件が豊富なUR賃貸住宅なら、初期費用や家賃を抑えられ、見守りサービスなどのサポートも充実していて安心して暮らせる
くらしのカレッジ編集部は、「くらし」に関するさまざまなヒントをお届けすることを目的に、インテリア、リノベーション、DIY、子育て、イベント情報など、生活を豊かにするアイデアや日常的に楽しめるコンテンツをご紹介しています。
お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります