ゆたかなくらしって? ひと×コミュニティ
国籍も世代も超えたつながりで、もしものときに支え合えるまちへ!UR×JKK第2回「わがまち清新」

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東京都江戸川区にあるUR賃貸住宅「葛西クリーンタウン 清新プラザ
」と、近くにあるJKK住宅「コーシャハイム清新」を会場としたイベント「わがまち清新」が、昨年に引き続き今年も開催! 防災意識を高めること、多世代の交流を広げること、そしてさまざまな国籍や文化を持つみなさんが交流できる場づくりを目的に企画されました。
会場ではボランティアである「わがまち清新サポーター」が会場を支え、新しいつながりを生み出していました。
多文化が共存する西葛西
西葛西にはインドをはじめ、さまざまな国籍を持つ人が集まっています。この地域にあるUR賃貸住宅「葛西クリーンタウン 清新プラザ」や、近隣のJKK住宅「コーシャハイム清新」にも多くの外国人が暮らしています。
そんな多様な地域だからこそ、外国人との交流はもちろん、子どもからシニアまで世代を超えてつながれるきっかけづくり、そしてもしものときに助け合える関係づくりを目指して、2024年からスタートしたのがイベント「わがまち清新」です。
今年で2回目の開催となり、「清新町地域交流 わがまち清新 遊んで!学んで!未来につなぐ笑顔のきずな」の名前で行われました。
UR一緒に楽しめるゲームで輪が広がる!
URの「葛西クリーンタウン 清新プラザ」では、異なる文化を持つ人同士が自然と交流でき、お互いを知ることができるコンテンツが用意されていました。

●集会所前通路
このエリアでは、パラリンピック競技としても知られる「ボッチャ」の体験会が行われました。ボッチャとは、目標とする白いボールに向かって、赤、青のボールを投げたり転がしたりしてどれだけ近づけるかを競うスポーツ。年齢、性別、国籍、障がいの有無を問わず楽しめることから、「葛西クリーンタウン 清新プラザ」では住民などを中心にボッチャサークルが運営されています。

当日は、地域の中学生がボランティア「わがまち清新サポーター」として参加。来場者に遊び方を教え、初めて顔を合わせる人同士でもボッチャを楽しむ様子が見られました。また日本語が話せない参加者とも、身ぶり手ぶりや簡単な英語を交えながら積極的にコミュニケーションを取り、言葉の壁を越えた交流が生まれていました。

また「昔あそび」として、射的や輪投げなども用意されており、子どもたちは夢中で何度も挑戦していました。
●集会所
集会所では、オセロやダイヤモンドゲーム、インドでよく遊ばれている「マンカラカラハ」といったボードゲームがあり、自由に遊べるようになっていました。オセロを覚えたばかりのインドの子どもと日本の子どもが対決する場面も! 会話ではなく、リアクションと表情で駆け引きを楽しんでいました。

ほかにも、URが取り組む災害復興まちづくりを紹介する展示や、ガイドブックなどを通して日本でのくらし方と防災情報を知ることができるコーナーも設けられていました。
「ボッチャ体験会」などUR会場での催しの一部を企画していたのは、清新プラザ分譲自治会会長の大脇さんです。

大脇さん
この地域には、“得意なこと”がある人がたくさんいます。自治会が後押ししながら、それぞれの得意なことを地域の魅力やにぎわいづくりにつなげていくことが、まち全体の力になると考えています。
今回、ボッチャの体験会を開催した理由の一つが、違う言語の人とも楽しめるスポーツだからです。私自身がさまざまな国の人と一緒に仕事をしてきた経験から、日本人は外国の方との交流に苦手意識を持ちがちだと感じています。この地域に外国の方が多く暮らしていることもあり、こうしたイベントを通してより国際的な視野を持ってもらえたらうれしいです。
●旧防災センター
「葛西クリーンタウン 清新プラザ」の旧防災センターには、清新町の模型や、かつてのまちの様子が分かる写真パネルが展示されていました。来場者は足を止め、自分たちが暮らす地域の今と昔を興味深そうに見比べていました。

この場所で来場者への説明を担当していたのは、「わがまち清新サポーター」の赤羽根さんです。

赤羽根さん
この地域に50年以上住んでおり、これまで区政モニターやPTA活動、地域のネットワークづくりを進めている「なごみの家 葛西南部」の立ち上げに携わってきました。現在も地域のさまざまな活動に積極的に参加するようにしています。
今日の展示を通して、若い世代の方や外国の方にまちの歴史を知ってもらい、このまちへの愛着をはぐくんでほしいですね。
URの会場内では、一文字ずつ配置されたキーワードを探して集め、一つの言葉を完成させる「わがまちラリー」も実施。すべて集めた方には、災害時に役立つクラッカーがプレゼントされました。
JKKいざというときのために防災を知ろう!
UR賃貸住宅「葛西クリーンタウン 清新プラザ
」から徒歩数分のところにあるJKK住宅「コーシャハイム清新」でも、地域の防災力を高めるためのさまざまな催しが行われていました。

●中庭・ピロティ
中庭では、「防災を体験してみよう!」としていくつかのコンテンツが用意されていました。
特に人気だったのが、アルファ米の試食ができるブース。アルファ米は、お湯や水を注いでしばらく置くだけで食べられ、電気が使えない時にも役立つアイテムです。「こうした商品を知ることが、防災の一歩になる」という思いから、コーシャハイム清新自治会が準備しました。
昨年に続き、葛西消防団や葛西消防署の協力のもと、消火器を使った「初期消火体験」やAEDの使用方法を学ぶ講座、火災を想定した「煙体験ハウス」など、普段はなかなかできない体験ができました。

消防服を着ての写真撮影や消防車への乗車体験に加え、自衛隊東京地方協力本部による小型トラックの展示も行われていました。

「コーシャハイム清新」での内容を企画したのはコーシャハイム清新自治会の中島さんです。

中島さん
この地域の人同士が、つながりながら楽しく生活していくことが、防災にとても大切だと思っています。学校や仕事を通して多くのつながりがある一方で、身近なところでは関係が希薄な方も多いのではないでしょうか。
こうしたイベントがそのようなつながりをつくるきっかけになったら、大きな意味を持つでしょう。いざというときのために、地域にどのようなことが起こる可能性があるのかを知って防災に生かしていただきたいです。
中庭の一角には、一般財団法人 日本国際協力センター(JICE)による、「しごとのための日本語」研修紹介ブースも。これは厚生労働省のプログラムで、日本語力が障壁となって仕事に就くことができない外国の方に向けた講座です。一人一人の学習状況に合わせて学ぶことができ、就職活動のサポートもしてくれるそうです。

JKKの会場内では、各スポットを巡るスタンプラリーが行われていました。「わがまち清新サポーター」である中学生がスタンプ押しを担当するスポットもありました。

●コミュニティサロン(集会所)内
コミュニティサロン内では、葛西警察署による特殊詐欺対策講座が行われました。具体的な手口や被害を防ぐための対策が紹介され、会場からは驚きの声が上がる場面も。

次に行われたのは、青森大学東京キャンパスの久保教授による「立ち尽くす荒川水災、清新・臨海町『共助』の危機」と題した防災セミナーです。地域の特性を踏まえ、災害発生時に想定される被害や避難方法、問題点や必要な対策などが語られ、参加者は真剣に耳を傾けていました。


久保教授
ハザードマップを見ると、江戸川区のほとんどの地域が水没すると想定されています。その一方で、この地域は高台にあり、ハザードマップ上では安全地帯として示されています。そのため、水害が発生した際には周辺地域から多くの避難者が集中し、大混乱になるおそれがあります。自分たちが安全だからといって安心してはいけません。周囲から避難してくる人を受け入れる意識が大切です。こうした状況をみなさんに知っていただき、少しずつでも備えを進めていただけたらと思います。
コミュニティサロンでは、防災射的ゲームや、新聞紙で紙皿やスリッパを作る防災工作も行われました。非常時には備品がそろわないこともあるため、身近なものを活用した工作も覚えておきたいことの一つです。
普段からこの団地のコミュニティづくりに携わっている、JKKの中込さんにお話を伺いました。

近年、どの地域でもお住まいの方同士のつながりが希薄になっていると感じます。地域によっては外国の方が増える中で、思うように気持ちが伝わらず苦労される場面もあります。
また、災害が発生した際には、私たちや自治体からの援助が届くまでに時間を要する場合があり、その間は地域のみなさんが協力し合って乗り越えていただく必要があります。
こうした課題を解決するためにも、今回のようなイベントを通じて交流し、お互いの理解を深めていただければと思います。
UR、JKKの両会場では「わがまち清新」のロゴを決める投票も実施。既にみなさんの中に思い入れが生まれているようでした。

「わがまち清新サポーター」がつくる安心感
今回のイベントでは、地域の中学生、高校生、専門学校生を中心としたボランティア「わがまち清新サポーター」が会場に活気を与えていました。この日、運営に携わったサポーターの二人に、地域への思いを聞きました。


荒木さん
普段からこのまちには外国の方が多くいますが、日常生活や学校などで接する機会は実はあまりありません。ですから、イベントはさまざまなみなさんと交流できる貴重な機会でした。
最近は地域に関するパンフレットも英語版が用意されているのを見かけ、外国の方との関わりが深くなってきていると感じています。


松浦さん
高校でボランティアをする部活に入っていて、イベントに参加することにしました。
休憩時間に会場を回ってみたところ、災害時に近くの公園がヘリポートになることを知り、驚きました。イベントをきっかけに、防災について考えるようになり、地域のみなさんの意識も高まるのではないかと感じています。
「わがまち清新サポーター」の統括や、共催として企画づくりにも協力したのは「なごみの家 葛西南部」で所長を務める横山さんです。「なごみの家」は江戸川区による、誰でも相談に立ち寄ることができる 地域の拠点です。

この地域の住民の方は、災害に強いまちづくりや多文化共生を目指しています。
そのありたい地域に向けて、それを誰かに任せるのではなく、住民一人一人が主体となって行動することや、そこに至るプロセスを共有していく体験が大切だと考えています。
「わがまち清新サポーター」はイベント運営の協働のみならず、自らの力を発揮する場と参加者との交流・サポーター同士の交流・自治会の方々との交流から、自己成長や今後のキャリアにも生かしていける機会となると思います。
サポーターの主体的活動が、郷土愛や地域に思いやりをはぐくむことにもつながっていくと感じました。
来場者の中には「来年はボランティアとして参加したい!」と話す方や、「子どもがボランティアをしているので遊びに来ました。来年はもっと大きなイベントになるんじゃないかと楽しみにしています!」と、今後への期待を話す方がいました。
盆踊りからインド文化まで!イベントで地域交流を促進
URとJKKでは入居者同士の交流機会を設けるため、それぞれの団地で普段からさまざまなイベントを開催しています。URの取り組みとして、「葛西クリーンタウン 清新プラザ
」で今年行われたのは、清新町納涼盆踊り大会に向けた「盆踊り教室」。最初は戸惑っていた参加者も次第にコツをつかみ、自然に踊ることができるようになりました。

このほかにもインドの祭りで使われている「ディワリランプ工作」や、インド映画で有名な「ボリウッドダンス体験会」、「お抹茶体験会(抹茶たて体験、交流会)」、また同じ江戸川区内のUR小島町二丁目団地
では「ひまわりプロジェクト ひまわり種まき会」が行われました。

イベントや講座といった交流の積み重ねが、災害に強いまちづくりや、多文化が共に暮らす地域づくりの土台になります。URとJKKの取り組みを含めて、清新町では地域のつながりが広がり続け、誰もが「ここに住んで良かった」と感じる“わがまち”へとさらに成長していきそうです。


防災への意識、多世代のつながり、多国籍な交流を自然と楽しめる「わがまち清新」
- ・URの会場では「ボッチャ体験会」や昔の遊び、ボードゲームなどを通して交流が生まれた
- ・JKKの会場では「初期消火体験」や「煙体験ハウス」や講座など、地域の防災力を高める催しを実施
- ・地域の学生やシニアがボランティア「わがまち清新サポーター」として活躍
- ・URとJKKでは入居者同士の交流機会を設けるため、普段からさまざまなイベントを開催している

東京都江戸川区清新町1-3
東京メトロ東西線「西葛西」駅から徒歩9分、東京メトロ東西線「葛西」駅から徒歩23~24分。
「西葛西」駅から「日本橋」駅や「大手町」駅まで東西線で20分圏内で、通勤・通学に便利です。敷地内にはショッピングセンターや郵便局、コンビニエンスストアなどがある上、近くには保育園や幼稚園、小学校、中学校もそろっていて教育環境も整っています。

くらしのカレッジ編集部は、「くらし」に関するさまざまなヒントをお届けすることを目的に、インテリア、リノベーション、DIY、子育て、イベント情報など、生活を豊かにするアイデアや日常的に楽しめるコンテンツをご紹介しています。
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