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家賃の前払いとは?後払いとの違い、メリットや注意点まで解説

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賃貸物件の家賃の払い方は前払いと後払いに分けられます。その違いは、前払いでは家賃を前月に払い、後払いでは当月に払うという点。どちらも毎月決まった日にちに家賃を払いますが、前払いの場合、一般的に退去する月の家賃支払日に家賃を払う必要がなく、退去時の費用が抑えられるメリットがあります。一方、入居時の初期費用がかさむなどの注意点も。ここではそうした前払家賃のメリットや注意点などを解説していきます。

家賃前払いの基礎知識

家賃の前払いとは、家賃を前の月に先払いする払い方のこと。払うタイミングはいつごろになるのか、後払いとどこが違うのかなど、前払家賃の基礎知識を紹介します。

●家賃の前払いとは?

賃貸物件の家賃は毎月同じ日に払うことが一般的で、前払いは家賃を前の月に先払いする払い方を指します。これは「前払家賃」や「前家賃」と呼ばれ、払うタイミングは月の終わりごろが多いようです。例えば翌月が4月だとしたら、4月1~30日の家賃を3月25日や27日などに払うというものです。なお、家賃と表記していますが、ここでは家賃と管理費あるいは共益費など、毎月払うお金をまとめて指すと考えてください。

現在、賃貸物件ではこうした前払いが受けいれられていますが、実は民法第614条の「賃料の支払時期」では、「賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない。」とされています。民法に従えば賃貸物件の家賃も毎月末、つまり当月に支払うのが原則となります。

しかし、この条文は当事者が合意すれば適用されない任意規定のため、賃貸借契約に前払特約を加え、借主と貸主の間で合意を交わすことにより、このような前払いを可能にしています。

●家賃の後払いとの違い

一方、家賃の払い方には、家賃を当月内までに払う後払いもあります。こちらは「後払家賃」、「後家賃」とも呼ばれ、4月1~30日の家賃を例えば4月25日や27日などに払うことになります。前払いも後払いも、いったん家賃を払い始めると、毎月決まった日にちに払うことに変わりはありませんが、後で紹介するように入居時や退去時の負担が違ってくるので注意しましょう。

このような後払いで賃貸借契約をする物件は、一般の賃貸住宅ではあまり多くありません。その大きな理由は、大家さんや管理会社が入居者からの家賃を確実に受け取りたいと考えるからでしょう。大家さんや管理会社からすれば、後払いでは当月終わりまで家賃が受け取れない点がデメリットになるのに対し、前払家賃なら事前に1カ月分の賃料を受け取れ、少なくとも初回の家賃の滞納リスクも減らせます。退去の際も退去前に必要な家賃を払ってもらえる仕組みなので、未払いになるリスクが少ないと考えられます。

家賃前払いのメリットと注意点

家賃の前払いでは、退去時の負担が軽くなるメリットがある一方、入居時の負担が大きくなりがちといった注意点もあります。

●家賃前払いのメリット

翌月分の家賃を当月の決められた日に払う前払家賃では、多くの場合、退去する月の家賃支払日には家賃を払う必要がありません。これは、翌月1日以降はすでに退去しており、家賃が発生しないからです。

また、退去後、新たな賃貸物件に入居するという人は、新居を契約するときの敷金、礼金、不動産会社に払う仲介手数料、保証会社に払う保証料などに代表される初期費用の支出がかさみがちです。それを考えると、旧居を退去する費用の負担が軽くなるのはうれしいポイントでしょう。

●家賃前払いの注意点

初期費用には前払家賃も含まれ、賃貸借契約時に入居後の家賃も一緒に払うのが一般的です。月の途中で入居する場合、入居のタイミングによっては当月分の家賃と翌月分の家賃をまとめて払うよう求められることがあるので注意が必要です。

例えば3月20日が入居日になる場合、3月20~31日の当月分、4月1~30日の翌月分の家賃を、敷金、礼金、仲介手数料などと一緒に払います。その後、例えば4月25日などに5月分の家賃を払う、という具合に翌月分の家賃を毎月払っていきます。一方、後払いでは、入居時に払う家賃が当月分だけになるという違いがあります。

このため、転居先に後払いの賃貸物件や、各種の初期費用が抑えられる物件などを選べば、引っ越しの際の費用負担が軽減できるはずです。

家賃前払いに関するよくある質問

家賃を前払いから後払いに変更できるか、退去時に払う金額はどう決められるのかなど、前払家賃に関する質問とその回答をまとめました。

●家賃の支払い方法は自分で選べる?

入居時の初期費用を軽減したいなどの目的から、前払費用を後払いに変更できないか、大家さんや管理会社に相談したい人もいるでしょう。しかし、家賃の支払い方法は原則として賃貸借契約に盛り込まれ、この契約に同意しなければ入居できないため、前払いか後払いかは入居前に決まってしまうといえます。もちろん、入居後に後払いに変更することも難しいので、家賃支払日は部屋探しの段階から確認しておくことが必要でしょう。

物件によって異なりますが、家賃の支払いにクレジットカードが使える場合、見かけ上は後払いにすることも可能です。入居者にとっての家賃の支払日=クレジットカードの支払日となるためで、例えば、毎月25日に前払いする物件の家賃をクレジットカードで払った場合、3月25日に払った4月分の家賃は、4月27日のカード支払日に払うことになります(毎月月末が締め日で、翌月27日が支払日となるクレジットカードの場合)。

ただし、後払いとはいってもクレジットカードの支払時期を利用したものなので、退去しても旧居の家賃を払うことになるのは理解しておきましょう。そうした工夫をするより、素直に後払家賃の物件を探した方が良いかもしれません。

●退去時の家賃はどのように処理する?

前払家賃では、翌月の途中で退去するときも事前に家賃を1カ月分も払う必要があるのかなど、退去時の家賃の扱いは気になるポイントです。

前払家賃の物件を月の途中で退去する場合、現状では「日割り計算」や「月割り計算」など、賃貸借契約で決めた方法で家賃を計算して、その額に合わせて家賃を払うという処理が一般的です。日割り計算とは、月初から退去する日までの日数をもとに、退去月の家賃が通常の月額家賃の何%に当たるかを計算して、その分だけ家賃を払うもの。月割り計算は、退去日にかかわらず退去月も1カ月分の家賃を払うものです。

両者を比べれば、退去日までの家賃しか払わずに済む日割り計算の方が合理的といえます。また、退去日が15日よりも前だった場合は半月分の家賃を払うという「半月割り計算」を行う物件もあるようです。こうしたことから、月割り計算の場合は退去日をなるべく月末に、半月割り計算なら退去日をなるべく14日または月末にすると合理的といえます。

以上のような退去時の家賃の払い方についても、通常は賃貸借の契約書に明記されているはずなので確認しておきましょう。なお、賃貸借契約は1年または2年を契約期間としていることが多く、新たに入居した人が契約期間終了前に退去する場合は違約金が発生する場合があります。その点についても契約前にチェックが必要です。

引っ越しの初期費用を抑えるならUR賃貸住宅がおすすめ

前払家賃では、引っ越しで新居にかかる費用負担が大きくなりがち。初期費用を抑えるなら、後払家賃で4つの「ナシ」のメリットがあるUR賃貸住宅がおすすめです。

●初期費用を抑えられるUR賃貸住宅

UR賃貸住宅は、独立行政法人都市再生機構が管理する賃貸物件で、すべての物件が基本的に後払家賃、一般の賃貸住宅に比べて初期費用の負担が抑えられる、といった特長があります。初期費用が抑えられるのは「礼金なし」、「仲介手数料なし」、「保証人が必要なく、保証会社に払う保証料も不要」だから。さらに、一般的な賃貸住宅では1年または2年の契約期間終了後、契約更新のたびに契約更新料が必要となりますが、URではそうした「更新料も不要」です(契約は定期借家契約を除いて1年ごとに自動更新されます)。

なおURの家賃は後払いのため、入居時、退去時の費用は以下のようになります。

<入居時>
3月20日が入居日の場合、賃貸借契約時に3月20~31日の当月分家賃および共益費を日割り計算して、敷金2カ月分と一緒に払います。もちろん礼金、仲介手数料は不要です。その後、4月の家賃支払日(25日など)に4月1~30日の家賃を払う、という具合に当月分の家賃を毎月払っていきます。
<退去時>
月の途中で退去する場合、URでは月初から退去する日までの日数をもとに家賃の「日割り計算」を行います(退去する日の14日以上前までに「賃貸住宅賃貸借契約解除届」の提出が必要です)。例えば3月20日が退去日の場合、3月1~20日までの日割り家賃および共益費を、3月の家賃支払日(25日など)に払います。

一般の賃貸住宅に多い前払家賃でもURのような後払家賃でも、家賃(管理費または共益費を含む)が同額なら総支払額に違いはありません。しかし、URでは礼金、仲介手数料、保証料、更新料が不要なため、入居から退去までの費用をトータルすると割安になるといえます。ただし、URでは家賃および共益費の支払いにクレジットカードは利用できず、URが指定する金融機関における「口座振替」での支払いとなるので注意してください。

物件は全国各地にさまざまなタイプが豊富にあり、一人暮らしやファミリー層といった家族構成やライフスタイルに合わせた住まい選びがしやすいことも魅力の一つ。必要に応じて各部屋の設備をより快適に使えるよう更新し、さらにはリノベーションで現在の暮らしにマッチした部屋になった物件も多くあります。

●UR賃貸住宅のお得な家賃プラン

こうした負担軽減につながる制度に加え、URには入居者のライフステージに応じたお得な家賃プランも設けられています。子育て世帯など一定の条件を満たせば利用可能です。

<近居割>
募集家賃から5年間、5%減額されます。対象となるのは同じUR内、もしくは半径2km以内の別々のURで、親世帯・子世帯の二世帯が近居する場合で、新たに契約した世帯の家賃が減額されます。また、二世帯同時に契約する場合は、両世帯とも減額されます。
<U35割>
3年間限定で、お得な家賃で借りられます。対象は契約者が35歳以下の世帯。学生、単身、夫婦、子育て世帯も対象です。なお配偶者以外の同居者には一定の条件があります。
※3年間の定期借家契約
<子育て割>
新婚世帯は最長3年間、子育て世帯は最長6年間、その二つを切り替えた場合に最長9年間、家賃の最大20%(所得に応じた減額となります。上限2万5000円)がサポートされます。対象は結婚5年以内の新婚世帯、または18歳未満の子供がいる世帯。いずれも所得合計が月25.9万円以下の場合となります。
<そのママ割>
3年間限定で、お得な家賃で借りられます。対象は妊娠中を含め、現に同居する満18歳未満の子供(孫、甥、姪なども可)を扶養している世帯です。
※3年間の定期借家契約
<URライト(定期借家)>
契約期間を入居開始可能日から2年または3年とし、契約の更新はありませんが、その代わり月々の家賃を通常よりも抑えることができます(契約期間が3年を超える場合は、一部を除き通常家賃と同額です)。

さらにお得なポイントとして、URでは家賃支払いでPontaポイントをためられます。家賃500円ごとに1Pontaポイントがたまり、子育て中は子供の誕生日に追加でポイントがもらえるサービスも魅力的です。たまったポイントはPonta提携のいろいろなお店での買い物に使えます。

前払家賃のメリットを生かすなら入居・退去のタイミングも重要に

一般的な賃貸住宅から物件を探す限り、その多くは前払家賃が条件となります。これを後払いにするのは難しいため、前払家賃の特性を生かすような入居・退去の時期を考えましょう。つまり入居日を月末近くか月初からにして、初期費用で払う当月分の家賃負担を少なくする、退去時の家賃が月割り計算、半月割り計算ならそれに応じた退去日を設定するなどです。

一方、UR賃貸住宅の場合は基本的に後払家賃のため、初期費用で払う家賃は当月分のみ。しかも礼金、仲介手数料、保証料も不要なため、初期費用全体が低く抑えられるのはうれしい点です。また、退去時の家賃は日割り計算されるため合理的といえるでしょう。

そうしたURの賃貸物件は都市部だけでなく郊外エリアにも多く点在し、建物がゆったりした間隔で建てられた物件が中心となっています。さらに多くの物件の敷地内には緑豊かな公園や広場、木々や草花が植えられたエリア、子育てに便利な施設や設備が設けられるなど住環境も充実。引っ越し費用を抑えたい人はもちろん、住み心地の良さにこだわる人もURの賃貸住宅を部屋探しの候補に入れてはどうでしょうか。

監修/平野 泰嗣

記事のまとめ

翌月分の家賃を先払いする前払家賃は退去時の費用負担が軽くなる

  • ・前払家賃は家賃の払い方の一つで、翌月分の家賃を当月内に払うもの
  • ・退去時の費用負担が低い一方、入居時には初期費用として当月分+翌月分の家賃を払う場合がある
  • ・前払家賃では入居日を月初にすると、初期費用で払う家賃の負担が当月分だけで済む
  • ・UR賃貸住宅は基本的に後払家賃のため入居時に払う家賃が当月分だけで済むほか、礼金なし、仲介手数料なし、保証料なしで初期費用全体が抑えられる

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