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高齢者向け住宅とは?その種類と特徴を紹介

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「元気なうちは自立して暮らして、必要になったら介護サービスを受けたい」。そんな人の選択肢となるのが高齢者向け住宅。サービス付き高齢者向け住宅、シニア向け分譲マンション、老人ホームなどの種類があり、それぞれ提供されるサービスや入居条件、費用が異なります。どんなメリットやデメリットがあるのか解説しますので、家族や自分のライフスタイル、将来的な介護の必要性などを踏まえ、選ぶ際の参考にしてください。

高齢者向け住宅にはどんなものがある?

自立して暮らしたいという高齢者向けで、民間事業者が手掛けるものと、公的機関が運営するものについてまとめてみました。どんな種類があるか、まずは概要をお伝えします。

●高齢者向けの住宅の種類

自立して元気に生活を送れる高齢者用の住宅には、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、シニア向け分譲マンション、民間事業者が運営する有料老人ホームなどがあります。多くの場合、将来必要なタイミングで、施設内や外部の介護サービスを受けられるようになっています。

なお、有料老人ホームは、主に自立した生活ができる高齢者が老後を楽しむことを目的に暮らす健康型有料老人ホーム、必要に応じて外部の介護サービスを利用する住宅型有料老人ホーム、ホームのスタッフから介護をしてもらうことができる介護付有料老人ホーム、以上の三つに分けられます。

また、一般的な賃貸住宅の中にもバリアフリー化するなど、高齢者が住みやすいように設備や間取りを工夫した集合住宅があり、元気な高齢者が入居できる物件があります。

●サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、文字どおり高齢者向けのサービスが付いている賃貸住宅で、多くが民間事業者によって運営されています。主なサービスは専門家による安否確認や生活相談。施設によっては食事など生活支援サービスも提供されます。サ高住は2011年からスタートした制度で2021年に10年目を迎えました。この間多くの住宅が供給され、選択の幅が広がっています。

●シニア向け分譲マンションとは

建物内がバリアフリー化され、シニア向けに娯楽施設やさまざまなサービスを備えているのがシニア向け分譲マンションです。民間事業者が販売しているもので、一般的な分譲マンションと同様に月々の管理費や修繕積立金などが必要になります。サービス内容は、スタッフによる見守りや食事の提供、家事支援など。中には看護師などのスタッフが常勤しているケースもあります。

●老人ホームとは

前述したように民間事業者が運営する有料老人ホームには、健康型有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、介護付有料老人ホームがあります。住宅型有料老人ホームでは食事や掃除、洗濯など生活支援サービスを受けられますが、介護が必要になった場合は外部のサービスを申し込む必要があります。一方、介護付有料老人ホームには専門スタッフが常駐し、24時間体制の介護サービスを受けることもできます。

介護を必要としない人向けの老人ホームには、地方公共団体などが運営する施設もあります。身体的、精神的、または経済的な理由などで困窮している高齢者が社会復帰を目指すための養護老人ホームや、家庭環境などにより在宅で生活するのが難しい高齢者が安い費用で入居できる軽費老人ホームがそうです。

軽費老人ホームの一種がケアハウスで、身寄りがないなど生活に不安がある人を受け入れています。なお、ケアハウスは一般型と介護型に分類することができ、介護型では食事の提供に加えて、入浴の介助などの介護サービスが提供されます。

年齢を重ねるなどして特に介護の必要度が高くなった場合に利用できる公的施設が、特別養護老人ホームです。介護の専門スタッフが常駐し、寝たきりや認知症など要介護度が高い人にも対応しています。そのほかにも、病院を退院した後などに自宅へ戻るためのケアを受けられる介護老人保健施設や、要介護者に対して長期的な医療ケアと介護ケア、リハビリテーションを提供する介護療養型医療施設などがあります。

養護老人ホーム、特別養護老人ホームなど、似通った名称が多いのですが、それぞれ目的が異なるため混同しないように注意しましょう。こうした公的機関が運営する施設には、比較的月額費用を抑えられるというメリットが共通してあります。

●そのほかの高齢者向け集合住宅とは

そのほかに地方公共団体などの公的機関や、民間事業者が提供する高齢者向けの集合住宅もあります。一般的な賃貸住宅の中にも、段差をなくしてバリアフリーにしたり要所に手すりを配置したり、高齢者が住みやすいよう設備や間取りに工夫を凝らした集合住宅があり、元気な自立した高齢者が利用できます。近年、高齢者でも暮らしやすいよう配慮された物件は増える傾向にあるようです。

なお、高齢者向けの集合住宅には年齢など入居要件が設定されていることがありますが、安否確認や生活支援といったサービスは提供されないケースが多いようです。

サ高住と老人ホーム、シニア向け分譲マンションのそれぞれの違い

自立した生活ができる高齢者向けの住宅のうち、サ高住とシニア向け分譲マンション、民間事業者が運営する老人ホームについて、どんな違いがあるか主な特徴を表にしました。

●サービスの違い

サ高住やシニア向け分譲マンション、老人ホームのうち住宅型有料老人ホームは、介護が必要になった場合には外部のサービス業者を利用する必要があります。ただし、サ高住の中には訪問介護事業所やデイサービスなどを併設し、利用しやすくなっている場合もあるようです。介護付有料老人ホームは、介護福祉士などのスタッフが常駐し、介護サービスを24時間受けることもできます。

サ高住やシニア向け分譲マンションは、外泊や外出などについてルールを設けていることは少なく、生活の自由度は高いといえます。一方、老人ホームは食事や入浴などタイムスケジュールが決められ、生活にある程度の制約を強いられる部分もあるようです。

●費用と利用形態の違い

利用形態も異なります。サ高住は賃貸借契約を結んで住みますが、シニア向け分譲マンションは所有権を購入することになります。その分、サ高住に比べて初期費用が高くなるのが一般的です。老人ホームは利用するための権利を購入するだけで、所有権はありません。

サ高住と老人ホームは、入居時の初期費用のほか水道光熱費や管理費などの月額費用がかかります。シニア向け分譲マンションには水道光熱費や管理費に加え、修繕積立金も発生します。

サ高住やシニア向け分譲マンション、住宅型有料老人ホームは、普段介護費用を支払う必要はなく、介護サービスを利用したときに払います。それに対して、介護付有料老人ホームは介護サービスがセットになっているため、月額費用が高くなる傾向にあります。

メリット・デメリットを踏まえた各施設の選び方

初期費用を抑えたい人、アクティブな生活を送りたい人など、各施設にはどんな人が向いているのでしょうか。それぞれのメリット・デメリットとともに紹介します。

●サ高住のメリット・デメリットと向いている人

サ高住の敷金・礼金は物件によって金額の幅がありますが、シニア向け分譲マンションや老人ホームに比べれば初期費用を抑えることができそうです。賃貸借契約ですから契約を解除して引っ越すことも可能です。

サ高住には基本的に介護サービスは付いていないため、自分で外部のサービスを申し込んでその都度支払う必要があります。また、要介護度が高くなった場合、退去を求められる可能性があるため、不安を感じる人がいるかもしれません。

サ高住は初期費用を抑えたい人や必要なサービスを自分で選びたい人、これまでのライフスタイルをあまり変えずに暮らしたい人に向いているといえるでしょう。

●シニア向け分譲マンションのメリット・デメリットと向いている人

所有権を購入するため売却や相続ができるのが、シニア向け分譲マンションのメリットです。富裕層を対象にしたものが多く、レストランやフィットネスジム、プール、温泉などの施設が充実し、コンシェルジュサービスや食事の提供、見守り、緊急時対応など多彩なサービスを利用できるのも魅力です。

ただし、施設やサービスが充実しているため、一般の分譲マンションより購入価格が高額になりがちで、初期費用もかかります。また、施設やサービスの利用頻度が減ると高額な管理費がもったいないと感じるかもしれません。

シニア向け分譲マンションに向いているのは、ある程度資産に余裕があり、アクティブなシニアライフを送りたい人だといえるでしょう。

●老人ホームのメリット・デメリットと向いている人

住宅型有料老人ホームは、自立した生活ができるときから入居が可能で、要介護状態になったら必要な介護サービスを自分で選ぶことができます。健康であれば介護付有料老人ホームに比べて安い費用で利用できるのもメリットです。ただし、24時間体制の介護サービスや夜間時の緊急対応がないことに不安を感じるかもしれません。また、介護が必要になったとき外部のサービスをその都度利用するため、利用状況によっては費用が高額になる可能性もあります。

介護付有料老人ホームは、介護や医療のサービスが手厚いことがメリットです。24時間体制の介護サービスも受けられ、緊急時でもすぐに対応してもらえるので安心です。住宅型有料老人ホームもそうですが、施設によってはイベントやレクリエーションなどが充実しており、変化に富んだ暮らしを送ることができます。集団生活にストレスを感じない人に向いています。

ただし、介護サービスが充実している分、入居時の初期費用や月額費用が住宅型有料老人ホームより高めになりがちです。設備やサービスの幅が広く施設ごとに異なるため、よく調べてから選ぶ必要があるでしょう。

URが提供する高齢者向け住宅

独立行政法人都市再生機構が管理するUR賃貸住宅は、全国各地にさまざまなタイプの物件が豊富にあり、高齢者向け住宅も供給しています。五つのタイプがあるのでぜひ検討をおすすめします。

●UR賃貸住宅の高齢者向け住宅
・高齢者向け優良住宅
物件の一部の部屋(主に1階)について高齢者が使いやすいように床の段差をほとんどなくして要所に手すりが備えられ、緊急連絡用ボタンが設置されています。所得が一定以下の場合は、家賃負担の軽減措置を受けられる場合があります。
・高齢者等向け特別設備改善住宅
高齢者や障がい者のために浴室など水まわりの段差が緩和され、緊急連絡用ボタンが設置されています。
・健康寿命サポート住宅
室内の段差をなくして要所に手すりを設置するなど、入居者の転倒防止に配慮するだけでなく、散歩したくなるような屋外空間や社会参画の機会を設け、外出したくなる環境を備えています。
・シルバー住宅
生活援助員が入居者の生活を支援するとともに、一部の住居には緊急通報装置などのセキュリティーシステムを導入しています。
※東京都、大阪府の一部の物件のみ
・URシニア賃貸住宅(ボナージュ)
自立志向の強い高齢者向けに用意された住宅です。高齢者が安全に暮らせるように仕様と設備を整え、生活を支援するサービスも充実。生命保険会社や信託銀行などと提携し、終身年金保険からの年金を家賃の支払いに充てる制度も用意されています。
※横浜市または千葉市の一部の物件のみ
●UR賃貸住宅の生活支援アドバイザー

URでは地域医療福祉拠点化に取り組んでいる物件を中心に、生活支援アドバイザーを配置しています。自立志向が強い高齢者が安心して生き生きと暮らし続けられるように生活全般の相談に乗り、電話による安否確認や交流促進のためのイベントなどを実施しています。

●子供世帯が近くに入居できる「近居割」も

多様な世代が住めるように、URでは所定の条件を満たせば家賃がお得になるプランを用意しています。二世帯で近くに住めば、お得な家賃で一定期間住み続けることができます。

<近居割>
募集家賃から5年間、5%減額されます。対象となるのは同じUR内、もしくは半径2km以内の別々のURで、親世帯・子世帯の二世帯が近居する場合で、新たに契約した世帯の家賃が減額されます。また、二世帯同時に契約する場合は、両世帯とも減額されます。
<近居割WIDE>
募集家賃から5年間、5%減額されます。対象となるのは近居割WIDEエリア内のURとUR以外の住宅です。親世帯・子世帯の二世帯が近居する場合で、新たにUR賃貸住宅を契約した世帯の家賃が減額されます。近居割WIDEは、地域医療福祉拠点化に取り組んでいる物件を中心に導入されています。

家族が安心して住み続けられる住宅を選ぼう

まだ介護の必要性が低く、自立した生活を送りたいという高齢者向けの住宅には、サ高住やシニア向け分譲マンション、有料老人ホームなどがあります。サ高住やシニア向け分譲マンションなら、専門家による安否確認や生活相談、食事や生活支援のサービスを受けながら、充実したシニアライフを送ることも可能です。

有料老人ホームならレクリエーションやイベントなどが行われ、毎日の暮らしに活力が生まれることもあります。介護付有料老人ホームなら、いざというときの介護サービスを24時間受けられるので緊急時でも安心です。施設を選ぶときはこうしたサービスの内容だけでなく費用も含めてメリット・デメリットを比較し、家族や自分に合った住まいを選ぶことが大切です。

UR賃貸住宅には、高齢者向け優良住宅など五つのタイプの高齢者向け賃貸住宅が用意されています。物件によっては生活支援アドバイザーが配置され、自立志向が強い高齢者の暮らしをサポートしています。また、親世帯・子世帯の二世帯が近くに住む場合、お得な家賃プランの利用も可能です。高齢の家族が住まいを探しているなら、URも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

監修/横井 孝治

記事のまとめ

自立志向の強い高齢者が暮らしやすい賃貸住宅ならURで検索!

  • ・サ高住は専門家による安否確認や生活支援など高齢者向けのサービスが付いた賃貸住宅。初期費用を抑えられ、自由度の高い生活が可能
  • ・シニア向け分譲マンションはフィットネスジムなどの施設や、見守りや緊急時対応などのサービスが充実。しかし、購入費用はその分高め
  • ・URには5タイプの高齢者向け賃貸住宅があり、物件により生活支援アドバイザーのサポートも。親世帯と子世帯が近くに住む場合のお得な家賃プランにも注目!

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