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【「ゆるやかに、くらしつながる。」インタビュー#6】URの担当職員に聞く!事業メッセージが生まれた背景とは?

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2025年夏、URは事業メッセージ「ゆるやかに、くらしつながる。
」を発表しました。
前身である日本住宅公団の設立以来、UR賃貸住宅は時代ごとの社会課題に向き合いながら、人々が安心して暮らせる住まいのあり方を提案してきました。その歩みのそばにはいつも、お住まいのみなさんの声に耳を傾け、向き合ってきたURの職員がいます。
今回は、UR賃貸住宅の谷さんと山田さんに、事業メッセージについてお話をうかがいました。
全案却下!?さまざまな思いを一つの言葉に
UR賃貸住宅の事業メッセージ「ゆるやかに、くらしつながる。」の提案から策定に携わった、UR賃貸住宅の谷さん、山田さんに、策定の背景やメッセージに込めた思いについてお話を聞きました。
なぜ、これまで策定していなかった事業メッセージを策定することになったのでしょうか?

普段はUR賃貸住宅のWebサイトや広告、テレビCM、この「くらしのカレッジ」などを通して、URの魅力を発信する仕事をしています。
さまざまな制作を進める中で、「URとはどのような存在なのだろう?」という問いにたびたび直面しました。豊かな自然環境や地域コミュニティ、団地内に店舗や保育園が備わっているなど、さまざまな魅力がありますが、それらを束ねる言葉がなかったんです。
URの価値をより高めていくためには共通の軸が必要だと感じ、企画書をつくり「UR賃貸住宅というブランドの軸となり、よりどころにもなる事業メッセージをつくりましょう」と社内提案しました。

事業メッセージの策定はどのように進められたのでしょうか?

全部門が同じ方向を向くため、UR賃貸住宅のさまざまな部署からメンバーを集め、2024年7月よりプロジェクトとして進めました。
具体的には、若手職員によるワークショップ、全国の支社やグループ会社の職員へのインタビュー、経営層・管理職へのヒアリングといったことを実施しています。URの強みとは何か、URの未来、目指していきたいことなど、「URとはどのような存在なのだろう?」、「どんな価値があるのだろう?」という問いを徹底的に掘り下げました。


社内だけでは視点が偏るため、「団地の未来プロジェクト
」を監修いただいている佐藤可士和さんや、東京大学大学院の大月敏雄教授、SUUMOの池本編集長といったみなさんにもインタビューしました。
お住まいのみなさんにとって違和感のない事業メッセージになっているかについても、外部の専門家の立場から客観的に判断していただくことができたと感じています。

こうしたプロセスを経て、メッセージ案をプロジェクトメンバーでまとめました。ですが、経営層がいる会議に出したところ、すべて却下だったんです(笑)。
その場で「職員が普段よく使っている言葉はないか?」と問われたときに浮かんだのが、「ゆるやかなつながり」でした。職員同士の会話やワークショップ、インタビューなどで何度も出てきていた言葉です。
その言葉を伝えると、共感が広がり、方向性が見えてきました。これをURらしい言葉にするには? と議論を重ねる中で、理事長から「『くらしがつながる』はどうか」と提案があり、全員が「これだ」と納得。「ゆるやかに、くらしつながる。」という言葉が生まれました。

「ゆるやかに、くらしつながる。」の句点にも、意味が込められているといいます。

最後の句点には、URとしての意志を示しています。
また、UR都市機構のコーポレートメッセージは「社会課題を、超えていく。」で、こちらにも読点と句点が付いています。「ゆるやかに、くらしつながる。」を実現することが「社会課題を、超えていく。」につながり、また「社会課題を、超えていく。」ことが「ゆるやかに、くらしつながる。」の実現にもつながる。そうした相互作用を意識しています。
いつでも「一人じゃない」と感じられる場所へ
ようやく完成した事業メッセージ。まず行ったことは職員への説明でした。

すぐに外部へ発信するのではなく、職員にしっかりと伝えることから始めました。職員自身がその意味を理解し納得していなければ、本当の意味での発信にはならないと考えたからです。
全国で説明会を行い、グループ会社も含め約1300人以上の職員に、メッセージの背景や思いを直接伝えました。説明会後のアンケートでは、ほとんどの方に「共感できる」と回答していただいています。職員の中にあった考えが、事業メッセージとして形になったと受け止める人が多かったと感じています。

子育て世帯をサポートする「こどもつながるサポーター」 
入居者からの相談の対応や、各種案内を行う「ゆあ~メイト」、UR賃貸住宅を巡回しながら見守る「管理主任」

2025年夏に事業メッセージが発表されて以降、URにお住まいのみなさんからはどのような反応があったのでしょうか。

「共感できる」、「実際にゆるやかなつながりを感じている」という声があり、受け入れられていると感じています。
特に共感の声が多いのは、子育て世代の方々です。公園で遊ぶ子ども同士の交流、多様な世代での子どもの見守りなど、日常のささやかな場面で「つながり」を感じているという声が多く寄せられています。
これからも、メッセージを実感できる体験を届けていけたらと思っています。

この事業メッセージが生まれてから、お二人は団地を彩るさまざまな要素の見え方が変わったといいます。

このメッセージをどう団地の中に落とし込めるのか、ずっと考えています。コミュニティづくりをイメージしがちですが、本当に大切なのは、その土台となる環境ではないかと思っているんです。
帰宅したときに団地のあかりを見て、「たくさんの人が住んでいる場所なんだな」と感じる瞬間や、掲示板にポスターがきれいに貼られている様子、共用部が丁寧に掃除されていることなど、直接会話がなくても、ぬくもりやつながりを感じられる場面は日常の中にたくさんあるはずです。
そうした小さなつながりのポイントを意識して業務に取り組むことで、「ゆるやかなつながり」が生まれていくのではないかと感じています。


このメッセージには、ライフスタイルに合わせて住み替えられることや、一度退去しても「やっぱりこの環境が良い」と戻ってきてもらうといった「縦のつながり」の意味もあります。こうした安心して暮らし続けられる環境づくりも、「ゆるやかに、くらしつながる。」を実現していく大切な要素だと考えています。
事業メッセージの土台にあるのは住まいそのもの。UR賃貸住宅の安全安心を守り、新たなくらしの価値を育てていくことが、この言葉を形にしていくことだと思っています。
そして、私たちUR職員だけでなく、お住まいのみなさんや地域の方々と一緒にくらしがつながり、まちが育っていく。そんなイメージを持っています。
今春から「こどもつながるUR」を展開!
今後はこの事業メッセージを、具体的な取り組みとして形にしていくのだそうです。

この春から、主にシニア世代に向けた地域医療福祉拠点化(※)と、子育て世帯向けの「こどもつながるUR」を両輪とした取り組みを推進し、UR賃貸住宅にお住まいの方のくらしを住環境の面からサポートしてまいります。
特に、「こどもつながるUR」では、団地で子育てする方々を応援する心強い味方「こどもつながるサポーター」の配置をはじめとした子育て支援活動の実施や子育てしやすい空間づくりといった子どももパパ・ママもゆるやかにつながれる環境を広げていきます。
※多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まち《ミクストコミュニティ》の実現に向け、地域関係者と連携・協力し、地域に必要な住宅・施設・サービスの整備を推進する取り組み

」(千葉県)のキッズルーム「のぞみのあそびば」
(福岡県)の「暮らしの保健室in小倉」最後に、URにはくらしを豊かにする住まいがあると、谷さんは話します。

UR賃貸住宅は高度成長期につくられた団地が多く、緑が豊かで敷地も広いのが特長です。昔から住んでいる方々が大切にしてきたあいさつの文化も、新しく入ってきた方へと自然に受け継がれています。
そうした年月の積み重ねによってはぐくまれてきた環境や文化、歴史こそが、URの大きな魅力です。こうした魅力を大切にしながら、これからもくらしを豊かにする住まいを届けていきたいと考えています。

URが目指すのは、住まいを提供するだけではなく、くらしそのものを豊かにしていくこと。事業メッセージ「ゆるやかに、くらしつながる。」をきっかけに、すでにある団地の価値を見つめ直しながら、URの取り組みもこれから少しずつ変わっていきそうです。

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UR賃貸住宅の事業メッセージ「ゆるやかに、くらしつながる。」を策定
- ・URの価値をより高めていくための共通の軸として事業メッセージをつくった
- ・若手職員によるワークショップ、管理職・経営層へのヒアリングなどで検討を重ねて、決定
- ・「くらしつながるUR」という名前で、子育て世帯向けの「こどもつながるUR」と、シニア世代に向けた地域医療福祉拠点化を両輪とする取り組みが2026年春からスタート
くらしのカレッジ編集部は、「くらし」に関するさまざまなヒントをお届けすることを目的に、インテリア、リノベーション、DIY、子育て、イベント情報など、生活を豊かにするアイデアや日常的に楽しめるコンテンツをご紹介しています。
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