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フリーレントの基礎知識。メリットや賃貸物件の探し方、注意点を解説

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賃貸物件を探していると「フリーレント1カ月」といった表記を目にすることがあります。フリーレントは「家賃無料」の意味ですが、住んでいる期間すべての家賃が無料というわけではなく、一定期間(例えば1カ月)が無料になるということです。メリットの大きそうなフリーレント物件ですが、どういう理由で家賃が一定期間無料になるのか、ほかにどんな費用が必要なのか、デメリットはないのか、などを詳しく紹介します。
フリーレント物件の基礎知識
フリーレント物件は家賃が無料になる期間がある一方、決められた期間は住み続ける必要があるなどの条件がプラスされることが多いようです。
フリーレントにはメリットだけでなく、場合によってはデメリットになる部分もあります。「よく分からずに借りて後悔した」といったことがないよう、まずは基礎知識を得ておきましょう。
●フリーレント物件とは
フリーは無料、レントは賃貸料の意味で、フリーレント物件とは入居後の一定期間は家賃が無料になる物件を指します。一般的には、賃貸借契約書に追加されたフリーレントに関する条件を守ることで、一定期間の家賃が無料になります。
ただし、家賃無料の条件として、「フリーレント期間の終了後も決められた期間は住み続ける」ことが含まれるのが一般的。これを守れなかった場合、無料になった期間の家賃を払ったり、違約金を払ったりすることになるので注意しましょう。
家賃が無料になる期間は、数日から数週間、1カ月、2カ月など、物件によってさまざま。例えば
- ・入居日から月末までの日割り家賃が無料
- ・入居日から1カ月分の家賃が無料
- ・入居した月を含め2カ月分の家賃が無料
などがあります。
現在は賃貸アパートにも賃貸マンションにもフリーレント物件があり、間取りも一人暮らし向きの1Rや1DK、ファミリー向けの3DKなど多様。もちろん住みたい部屋を見つけることが重要ですが、賃貸物件の検索サイトでも、フリーレントを条件に探せるようになっています。
なお、無料になるのは家賃だけで、共益費や管理費といった家賃以外にかかる費用は毎月支払う場合が多いので注意しましょう。

●フリーレントで家賃が無料になる理由
借主のメリットが大きいと感じるフリーレント物件ですが、なぜこうした物件があるのでしょうか。それは貸す側の大家さんや仲介する不動産会社にとってもメリットが見込めるからです。
フリーレント物件は、しばらく空室が続きそうな物件を借りやすい条件にすることで、早く入居してもらうのが狙い。次に借りる人が増える繁忙期まで1年近く空室になってしまうより、確実に家賃収入を得るために、最初の1、2カ月分の家賃は無料にしても構わないという考え方です。
貸主は家賃を値下げせずに、入居希望者に対して家賃負担が減ることをアピールできる点もフリーレント物件が増えた要因かもしれません。一度家賃を下げてしまうと、当初予定していた家賃収入が長期間減るだけでなく、ほかの入居者からも同額に値下げしてほしいといった希望が出る可能性があるからです。
フリーレントのメリットや賃貸物件の探し方
費用面での節約などのメリットはもちろん、時間的にも余裕が得られるフリーレント物件ですが、どうやって探すと良いのでしょうか。
フリーレントで入居すると費用が節約できるほか、フリーレント期間中も新居には入れるため、時間的・精神的にも余裕を持って引っ越しができます。
●フリーレントで入居するメリット
- ①引っ越しの初期費用が抑えられる
- フリーレントで入居するメリットの一つは、引っ越しの初期費用を抑えられることです。
一般的な賃貸物件では、賃貸借契約時に以下のような費用が必要になります(一部の費用が不要な物件もあります)。
- ・敷金
- ・礼金
- ・仲介手数料
- ・入居日から月末までの日割り家賃と日割り共益費
- ・前払い家賃(翌月分の家賃)と前払い共益費(翌月分の共益費)
- ・保証料(保証人ではなく保証会社を利用する場合)
これらは初期費用と呼ばれ、引っ越しの際に大きな負担となっています。
しかしフリーレント物件で、例えば「入居した月を含め2カ月分の家賃が無料」という条件なら、契約時に必要なのは
- ・敷金
- ・礼金
- ・仲介手数料
- ・保証料
- ・日割り共益費と前払い共益費
となり、初期費用の負担が軽減できます。
もともと家賃は、生活費の中でも占める割合が大きい支出の代表的なもの。引っ越しの初期費用はその家賃の数カ月分に相当する額を用意する必要があり、かなり負担が大きいといえます。一方、フリーレント対象物件なら初期の家賃が無料になるので、引っ越しもしやすくなるでしょう。
- ②二重家賃が発生しない
- さらに「二重家賃」が発生しにくい点もメリットでしょう。二重家賃とは、新居の家賃を払いながら、同時に旧居の家賃も払うこと。これは、旧居の賃貸借契約が終わる(=家賃を払わなくて済む)までの間に、新居の賃貸借契約が始まる(=家賃を払い始める)のが原因で、賃貸物件から賃貸物件に引っ越す際にはよく起こることです。
その点、フリーレント物件に引っ越す場合は、新居の家賃を払い始めるタイミングが遅くなるため、それまでの間に旧居の賃貸借契約が終わるようにできれば、二重家賃は発生しません。
- ③余裕をもった引っ越しがしやすい
- もちろん、フリーレント期間中も新居には入れるので、旧居と行き来しながら新居の室内を少しずつ整えることができます。また、自分の都合の良い日や引っ越しの費用が安くなる日を、引っ越し日に決めやすくなります。急がなくて良いため、時間的にも精神的にも余裕を持って引っ越しができるのも、フリーレント物件を利用するメリットといえます。

●フリーレント物件の探し方
フリーレント物件は、多くの賃貸物件の検索サイトで検索条件に加えることができ、地域や間取りなどを指定しながら探すことができます。店頭に「フリーレント1カ月」といった表示をしている不動産会社などでも紹介してくれるでしょう。
とはいえ、一般的にフリーレント物件になるのは空室が続きそうな状況を避けたいからです。そのため、空室が出にくい繁忙期より、閑散期の方が探しやすいでしょう。不動産業界の繁忙期は、進学・就職、人事異動による転勤などで多くの人が引っ越しをする1~3月、9月前後といわれています。こうした時期を避けることで、フリーレント期間を利用しやすくなり、余裕を持って引っ越しをするという方法もあります。
このほか、不動産会社や大家さんに交渉して、日割り家賃を無料にしてもらうなど、検討している物件にフリーレント期間を設けてもらうということも考えられます。こうした相談も、繁忙期よりは落ち着いている閑散期の方が対応してくれる可能性が高いでしょう。
フリーレント物件に入居する際の注意点
フリーレント物件では、契約内容により無料期間の家賃や違約金を払うことになる場合があります。どんな点に注意しておけば良いのでしょうか。
無料期間の家賃や違約金を払うことになるのは、解約に関する規定を守らなかったから。多くのフリーレント物件では以下のような解約規定があります。
●解約に関する規定を確認しておく
フリーレント物件は、賃貸借契約の所定の条件を満たすことで一定期間の家賃を無料にするもので、決められた期間は契約を継続する条件を含むことがほとんどです。1年以上は契約を継続するはずなのに途中で解約するような場合は、フリーレント期間分の家賃を払うことになっていたり、家賃に加えて違約金も払う必要があったりします。そのため賃貸借契約を十分に確認、理解してフリーレント物件を利用しましょう。
特に「転勤などですぐ引っ越すかもしれないから、賃料をなるべく安くしたい」といった考えでフリーレント物件を利用すると、解約時に大きな出費というデメリットを伴うことも考えられます。
●契約開始のタイミングを把握する
もう一つの注意点は、一般的に賃貸借契約は契約した日から有効になり、その日から家賃が発生すると考える不動産会社・大家さんも多いことです。フリーレント物件では家賃を払い始めるのはもっと後になりますが、1年または2年後に来る契約更新日は契約日が基準となりますので、間違えないようにしましょう。

●家賃以外の初期費用も考慮する
初期費用の中でも日割り家賃、前払い家賃は大きな負担。それが軽減されるフリーレント物件は魅力的です。加えて、敷金、礼金、仲介手数料、日割り共益費、前払い共益費、保証料など、そのほかの初期費用の負担が少しでも減らせるフリーレント物件なら、よりお得な引っ越しができるはず。「礼金が無料」、「仲介手数料が0.5カ月分または無料」などのフリーレント物件も、探す地域によっては見つかるようです。フリーレントに加え、各種の初期費用の負担を減らすことも部屋選びの際に考えてみると良いでしょう。
フリーレントをするならUR賃貸住宅がお得!
UR都市機構が管理し、全国に約71万戸あるUR賃貸住宅の中にはフリーレントの対象になる物件もあります。URのお得なフリーレントについてお伝えします。
フリーレント物件を探すとき、ぜひとも候補に入れたいのがUR賃貸住宅。「家賃1カ月相当額が無料」または「家賃2カ月相当額が無料」の物件があります。どのような条件でフリーレントになるのでしょうか。URの特色も含めて紹介します。

●フリーレント物件もあるUR賃貸住宅とは
UR賃貸住宅とは、公的機関であるUR都市機構が管理する賃貸住宅です。一般的な賃貸住宅と比べてゆったりした間取りで、収納がきちんと確保された部屋が多いという傾向があります。全国に約71万戸あり、その中にはフリーレントの対象になる物件もあります。
さらにうれしいのはフリーレントで一定期間の家賃が無料であることに加え、以下の「4つのナシ」で初期費用や長く住んだときの費用が抑えられることです。
- ・礼金ナシ 一般の賃貸住宅で必要なこともある「礼金」が不要
- ・仲介手数料ナシ 仲介した不動産会社に払う「仲介手数料」が不要
- ・保証人(保証料)ナシ 保証人も保証会社による保証も不要なので「保証料」が不要
- ・更新料ナシ 契約更新時の「更新料」が不要。契約は面倒な手続きのない自動更新
このためフリーレント対象物件なら、賃貸借契約時の初期費用は
- ・敷金(家賃2カ月分)
- ・入居日から月末までの日割り共益費
のみで済みます。フリーレント対象物件でなくても、この費用に日割り家賃が加わるだけなので、一般的な賃貸住宅の初期費用に比べて負担は軽くなります。
●UR賃貸住宅のフリーレントプランの特徴
URのフリーレントの利用には以下の条件があります。
- ・フリーレント対象物件に、URが定める期間中に申し込むこと
- ・入居開始可能日から所定の期間以上、継続して入居すること
これにより、「家賃1カ月相当額が無料」または「家賃2カ月相当額が無料」になります(期間は対象物件により異なります)。ただし、これらのフリーレント期間中でも共益費は必要です(URでは、借主との個別交渉による家賃の値下げは行っていません)。

なお、家賃1カ月分の物件は入居開始可能日から1年以上の継続入居、家賃2カ月分の物件は入居開始可能日から2年以上の継続入居が条件です。これらの期間未満で契約解除した場合は、フリーレント期間中の家賃を払うことになります。フリーレントを利用する際の詳細な条件などについては、URの店舗に問い合わせを。
フリーレントは一つの要素と考えて物件選びを
家賃が一定期間無料になるフリーレント物件なら、初期費用を抑えた引っ越しも可能になります。しかもURのフリーレント対象物件では、「家賃1カ月相当額または2カ月相当額が無料」に加え、「礼金ナシ」、「仲介手数料」、「保証料」が不要と、さらに初期費用の負担が軽減できます。

そのほか、URは緑豊かな敷地に、間隔に余裕を持たせて建てられた建物が点在するなど、ゆとりある住環境も特色。一人暮らし向けから、子育て中のファミリー向けまで多様な間取りから選べ、そのほとんどが耐震性能・耐火性能に優れた物件で安心して住めるのもおすすめできる点です。
賃貸物件全体から見れば、フリーレント物件はごく一部。こうした特色もチェックしながら気に入った部屋を探す中で、一つの選択肢として考えた方が納得のいく引っ越しができるはずです。
監修/加藤 哲哉


家賃が無料になる条件を十分確認してフリーレント物件の契約を
- ・フリーレント物件は、所定の条件を満たすことで一定期間の家賃が無料になる物件
- ・決められた期間、賃貸借契約を継続するなどの条件があり、守れない場合は無料期間の家賃を払う、違約金を払うなどもあるので注意
- ・UR賃貸住宅はフリーレントに加え、「4つのナシ」でさらにお得に引っ越しができる
- ・フリーレントにこだわり過ぎず、住環境や間取り、設備など、賃貸物件としてのトータルの魅力で部屋選びを

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