URくらしのカレッジ

これからのくらしを考える ひと×コミュニティ

みんなでおいしく食べて楽しく交流!UR南六郷二丁目団地の「ラーメンこども食堂」を子ども食堂の大先輩が激励訪問

お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります

子どもが一人でも安心して立ち寄れ、無料や低額で食事ができる「子ども食堂」が、全国に広がっています。東京都大田区の南六郷二丁目団地には、2019年5月、ラーメン専門の「ラーメンこども食堂」がオープン。今回は、「子ども食堂」という呼び名の名付け親であり、その草分けとなる店を2012年に開店した「気まぐれ八百屋だんだん」の近藤博子さん(写真右)と一緒に、この食堂を訪ねました。

「子どもに人気の広場」が決め手で、団地内に出店

「ラーメンこども食堂」代表の武井恵美子さん

南六郷二丁目団地の商店街にある「ラーメンこども食堂」。ラーメン専門というユニークな理由を、店の代表を務める武井恵美子さんに聞いてみました。
「実は、主人の実家が老舗ラーメン店なんです。『ラーメンこども食堂』を、ママ仲間のリクエストで、月1回、隣町の羽田町会会館で始めました。でも、行列で待たせてしまったり、売り切れで食べられない子も出てきてしまったり。ならば常設の店にしようと考えました。」

とはいえ、店舗の物件探しは紆余曲折の道だったそうです。
「運営のことを考えると商売向きの道路に面した物件に焦点を合わせて探していましたが、子どもがお店に集まるときに事故が心配です。そんなある日、主人が息子に『みんなが遊びに行く広場に行きたいから連れてって』とせがまれて見つけたのがこの店舗。
団地内なら車が通らず安全だし、駐輪スペースもあるし、そして何より、子どもが行きたがる広場がすぐ目の前で理想の場所! 子どもの目線に導かれて即決しました。」

そんな場所への出店について、全国に先駆けて「気まぐれ八百屋だんだん(以下:だんだん)」で子ども食堂を始めた近藤さんはこう言います。
「子ども食堂はここ数年で急増。肝心の子どもが来ないと悩む店もある中で、ここの立地は好条件だと思います。広場に集まる子どもの利用はもちろん、子どもから親に『あそこにできたよ!』と伝えてもらうことで、認知度を上げてくれることもあるでしょう。」

そして武井さんは、開店に向けて近藤さんが営む「だんだん」を訪問。毎週木曜日に営業している子ども食堂「だんだん」の雰囲気を体感し、店づくりのイメージを具体化していったそうです。

できることをしながら、ワイワイガヤガヤ楽しい食事を!

「ラーメンこども食堂」では、誰でも食事ができます。メニューは1杯200円のこどもラーメンのほか、大田区高齢者見守りキーホルダー持参の方にはシルバー価格(350円)でラーメンを提供。醤油や塩、豆乳ラーメンなど、自家炊きスープの本格派。麺は、極力無添加で作られ、子どもの食べやすい長さや量の「オリジナル麺」と、程よい弾力と太さで食べ応えのある「J麺」の2種類から選べます。

ラーメンを試食し、「スープがとてもおいしいですね!」と、近藤さん。「だんだん」の子ども食堂では、その日、店にある食材で手作りのメニューを提供しているそうです。
「実は、手作りということはあまり強調したくないんです。さまざまな事情でできないお母さんたちに、嫌な思いをさせたくなくて。それより大事なのは、大家族のように、みんなで会話しながら楽しく食べること
『自分のできることをすればいいじゃない!』というのがウチのスタイルで、その中で私たちはどんな手伝いができるだろう? と、日々考えています。」

この話を聞いた武井さん。
「同感です! 私はラーメンを作れるからこの店をやっているけれど、得意なこと、苦手なことは人それぞれ。みんなが“得意”を持ち寄り、持ちつ持たれつで分担し合っていけば、いろいろなことができるし、できないことのストレスからも解放されるんじゃないかと。そのためにも、地域とどんどんつながっていきたいと思っています。」

地域をつなぎ交流も生まれる“食”だけじゃない食堂

「ラーメンこども食堂」では、折り紙や手作りオブジェなどの教室も開いています
「毎日のように講座やイベントを開催している『だんだん』さんをお手本に、子どものためになることをしようと思いました」と、武井さん。
また、訪問時は、店内に居た男性がギターを抱えると子どもたちが取り囲み、突然ギター教室が! 実は、このギターは地域の方からの寄付。以前から店に通っていた男性がギターの調律が出来る方で、来店の度にギターの調律や演奏をするようになったそう。このようにいろいろなことをきっかけに、自然に、世代を超えた交流も生まれていました。

「気まぐれ八百屋だんだん」店主の近藤博子さん

「だんだん」での講座やイベントは、地域とのかかわりから始まったと、近藤さんは言います。
「店先でお客さんの身の上話などを聞いていると、地域のさまざまな問題が見えてきます。子ども食堂を始めたのも、小学校の先生から『お母さんが病気で、昼の給食以外の食事は、朝と晩のバナナ1本だけの子がいる』と聞いたのがきっかけでした。
そんな中で、みなさんやりたいことがあり、やれる場所が地域に必要だと痛感。うちのスペースを貸し出したところ、自然にいろいろな企画が集まってきました。」

さらに「だんだん」では、子ども食堂でボランティアをしている学生スタッフが、地域の子どもたちと壁画を描くプロジェクトなども行っているそう。
「学生にとっても、いい経験の場になっていると思います」と、近藤さんは話してくれました。

“地域のおばちゃん”が目指す、みんなが輝く居場所づくり

「ラーメンこども食堂」のオープンから半年がたち、武井さんはこの活動をどう感じているのでしょう?
「子どもたちとワイワイ過ごす日々は、本当に楽しいです。子どもって、私たちスタッフの態度や行動を見て学んでいると思う瞬間もあり、その子たちの成長を感じられたときの喜びは、最高です!」
団地での出店については、「正解でした! 住民の方たちは『自分たちが住んでいるところ』という意識が強く、すごく親身に気にかけてくれます。子どもたちだけでなく、店や私たちも見守ってもらえています。」

その一方で、「私たちは未熟で、子どもたちに寄り添うことしかできなくて。指導法などを勉強しようかと思うこともしばしばです」と、心の内を話す武井さん。
そんな悩みを聞いた近藤さんは、「指導はいらないと思います。それは指導のプロに任せ、私たちは“地域のおばちゃん”として、自分のできることで接していくのが鉄則だと、私は考えています。その子の周りにちゃんと考えてくれる、見ていてくれる大人がいれば、必ず変わっていくから大丈夫ですよ」と、ベテランならではの助言をしていました。

最後に、「ラーメンこども食堂」の今後について武井さんは、「食堂以外のさまざまなことも取り入れながら、いろんな人たちが集まり、それぞれの人が自分の輝ける活動に使え、ここを介して交流し合える居場所をつくっていきたいと思っています」と、語ってくれました。
今回の、子ども食堂の大先輩・近藤さんの訪問は、そんな夢に向かってがんばる武井さんの顔にも、さらなる輝きを与えていたように感じました。

記事のまとめ

「ラーメンこども食堂」は食事だけでなく、子どもや地域の人が集まり交流できる場所

  • ・団地内の商店街は、車が通らないところが多い。近くに子どもたちが遊ぶ広場があるところも
  • ・子ども食堂の食事は、みんなでワイワイと会話しながら楽しく食べることが大事
  • ・子どもたちが参加できる、折り紙や手作りオブジェなどの教室も開催
  • ・子ども食堂でありながらも、それぞれが得意なことを持ち寄り、それぞれがお店を通して交流し、輝ける場所を目指している
  • ・URの団地内には、飲食店などの商店街がある場所もある

今回の先生:近藤 博子さん

「気まぐれ八百屋だんだん」店主。一般社団法人「ともしびatだんだん」代表理事。
大田区在住の3児の母で、歯科衛生士。
2012年、東急池上線の蓮沼駅近くの無農薬野菜店「気まぐれ八百屋だんだん」にて、全国初の子ども食堂を開いた先駆者。「子ども食堂」という名称の名付け親でもある。この店を拠点に、子どもや食、地域に関るさまざまな活動に取り組んでいる。
第47回、社会貢献者表彰を受賞。

近藤 博子さん 写真

武井 恵美子さん

「ラーメンこども食堂」代表。
元々、ご主人のご実家が経営する用賀の老舗ラーメン店「再来軒」の流れをくみ、南六郷二丁目団地内に「ラーメンこども食堂」を出店。
「ラーメンこども食堂」のほか、月1回、本羽田一丁目町会会館でも、こども食堂を行っている。

武井 恵美子さん 写真
  • ラーメンこども食堂

    東京都大田区南六郷2-35-1-121(南六郷二丁目団地内)

    2019年5月オープン。子どもだけでなく、だれでも食事ができます。醤油や塩、豆乳ラーメンなど、自家炊きスープの本格派。

    Facebook:https://ja-jp.facebook.com/ramenkodomoshokudou/

    ラーメンこども食堂
記事で紹介したURの物件はこちら

お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります

あなたにおすすめの記事