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緑化率とは?緑による環境への効果と、UR都市機構の取り組み

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緑が身近にある住環境は美しい景観をつくるばかりでなく、そこに住む人に潤いと安らぎをもたらすことに。しかし土地に余裕がない都市部では、まとまった緑地を確保するのは簡単ではありません。今ある緑を守り、そして、新たな緑をいかにつくり出すか。国や自治体などの行政、市民、企業が協力しながら、さまざまな取り組みを行っています。そのような環境への取り組みを通じ、緑と共に暮らすことの大切さを再確認してみましょう。

緑化率とは?

あまり聞き慣れない言葉ですが、そもそも「緑化率」とは何でしょうか? また、私たちの生活に、どのように関わってくるのでしょうか? 「緑化率」について解説すると共に、私たちの暮らしに与えるその効果を紹介します。

●緑化率とは何だろう?
「緑化率」とは、建物などの敷地面積に対する「緑化施設」の面積の割合を指します。
ここでいう緑化施設とは、建物が立っていないスペースや屋上などの屋外にある、植栽や花壇、樹木類のこと。
1973年に規定された都市緑地法(2004年改訂)の運用方針(国土交通省より2004年に発表)に基づき、各自治体の都市計画において以下のようなルール化がなされました。
『都市計画において、地区計画などの区域内で、良好な都市環境の形成に必要な緑地が不足した、建築物の敷地内で、緑化を推進する必要がある区域=緑化地域では、原則として、定められた最低限度以上の緑化率を確保しなければならない』
そして、ある程度の規模の建物は建築基準関係規定とみなされ、建築確認の要件となっています。このように緑化率が義務付けられていることをみても、国全体で緑化の推進を進めようとしていることがわかります。
●建築物の緑化による効果
緑があることで、人は安らぎを感じ、ストレスも軽減されます。それは、審美的な効果はもちろんのこと、植物の揮発成分によるアロマセラピー作用など、園芸療法と呼ばれる心の診療法があるほど、緑は心に良薬なのです。
さらに、身近な建物を緑化することで、都市環境の改善につながることも期待されています。
・熱収支緩和効果
都市部におけるヒートアイランド現象を緩和し、建築物の熱環境を改善することで、省エネルギー効果も期待できます。
例えば、屋上のコンクリートは直射日光の照り返しの大きな原因になります。それを防ぐため、芝生を保護するターフパーキングを用いて、屋上駐車場の緑化を行う商業施設も増えています。
・大気浄化効果
大気中のCO2、NO2、オキシダントの吸収や、微細なちりなどを吸着するなどの、大気を浄化する効果があります。
・雨水の貯留、流出緩和効果
植物や土壌の保水作用による雨水貯留効果・雨水流出緩和効果により、ゲリラ豪雨が発生した際に、一時的に下水に水が集中するのを防ぎます。
・さまざまな生物が生息する効果
都市部においても、多種多様な生き物の生息地を整えてくれます。

UR都市機構の環境配慮

豊かな緑の中で、コミュニティを育む住環境を届けることこそ、UR都市機構が掲げるテーマです。このような環境を実現するために、「環境配慮方針」を定め、さまざまな取り組みを行っています。

●「環境配慮方針」とは?
昭和30年の発足以来、身近にある自然との触れ合い、資源やエネルギーの有効利用、そして安全・安心への配慮において、魅力的な街や住まいづくりを進めてきたUR都市機構。
生活・都市空間づくりを進めるにあたり、環境について配慮すべき視点を取りまとめた、「環境配慮方針」を宣言。その方針に基づいて、事業に取り組んでいます。
●「環境に配慮した住まいづくり」その取り組みを紹介します

都市の自然環境の保全・再生

【緑地の創出】
昭和30年の日本住宅公団発足当初より、独自の植栽基準を設定し、平成17年度までに600万本を超える植栽による緑地を創出しました。
【公園の整備と既存樹林の保全】
ニュータウン整備を行っていた際には、既存の地形を生かしながら、既存樹木を公園や緑道として保全・活用。これまでの総施工面積の10.2%を、公園として整備しました。
【屋上緑化・壁面緑化】
都市部などの既成市街地を対象に、建物の屋上や壁面を緑化。美しい景観の形成と共に、ヒートアイランド現象の緩和が期待されます。
【透水性・保水性舗装】
敷地内の舗装や排水管などの浸透性を高め、地区外への雨水流出を最小限に抑制。また、雨水を蓄える保水性舗装により、ヒートアイランド現象の緩和が期待されます。
【ビオトープの整備】
水と緑により、訪れる人の癒し空間となります。同時に、さまざまな生き物と共に暮らす環境を整え、地域の生物多様性の保全にも貢献しています。

そのほかに、建物自体の高断熱化による省エネルギー化や、建物の建築・解体時の資源のリサイクルや廃棄物の削減。また、街や歴史との調和を考えた美しい景観の形成と維持など、さまざまな取り組みを進めています。
さらに、家庭菜園や共同花壇など、住む人自身が土や緑に触れ、緑を育む空間づくりに参加できるコミュニティの形成にも力を入れています。

緑いっぱいのUR、その取り組み事例

緑化技術を活用して設計された、UR賃貸住宅の取り組み『NATURAL UR(ナチュラル・ユーアール) 』の具体例を紹介します。

●「屋上緑化」事例
建物の屋上に土壌と植物を導入することで、ヒートアイランド現象の緩和や、住居内の断熱性能の向上や美しい景観づくり、さらには、小さな生態系が育まれるなど、さまざまな効果が期待できます。
<物件名:アーベインビオ川崎>
※受賞歴
・生物多様性保護につながる企業のみどり100選
(受賞年度:平成22年 主催者:(財)都市緑化基金)
・第2回 屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール 環境大臣賞 屋上緑化大賞
(受賞年度:平成15年 主催者:(財)都市緑化技術開発機構)
●「壁面緑化」事例
都市部では、すでに平地は限られています。しかし、建物の壁面やフェンスなどの構造物を緑化できる場所は多くあります。潤いのある豊かな都市環境、住環境をつくる上で、壁面緑化には、美しい景観をつくる効果のほか、ヒートアイランド現象の緩和効果、建物の断熱効果、省エネ効果や照り返し防止効果などがあります。
  • 物件名/コンフォール霞ヶ丘
    (立体駐車場・登はん型)
  • 物件名/潮見駅前プラザ二番街
    (立体駐車場・登はん型)
●グリーン・バンク・システム
全国にあるUR賃貸住宅には、建築当時に植えられ、長い時間を経て大きく育った樹木がたくさんあります。建て替えなどの際に、その樹木を継承してゆく。こうした「緑の資産」を、UR都市機構の事業全体で有効活用するための総合システムです。
  • ・既存樹木を調査し、そのデータをオンライン上で登録、管理
  • ・建て替え物件などの緑化計画で、このデータを活用。設計意図に適した樹木を選定
  • ・やむを得ず伐採した樹木は、ウッドチップやベンチなどにリサイクル
●団地の景観や緑を守るグリーンマネージャー
樹木や植栽は適切に管理されるからこそ、その美しい景観が保たれます。
そんな緑を管理するのが、グリーンマネージャーの存在。それぞれの団地で剪定や芝刈りなどを監理。美しい状態を保つことはもちろん、暗がりをつくらないことや、目線を遮らないような剪定をすることで、防犯面での配慮も行っています。
生活に必要な剪定をする一方で、不必要な剪定は行わないなど、高度なセンスが必要とされる美しい緑の維持も、プロであるグリーンマネージャーがいるからこそできる業です。
●緑と共に暮らすUR賃貸住宅。その心地良さを体感してみよう
植物は、この地球上で唯一酸素をつくることができる生物です。CO2の削減だけを考えるのでは、豊かな暮らしを育むことはできません。まずは、身近なところから、緑を増やすという取り組みも、とても重要なのではないでしょうか。
目に入る美しさから、五感のすべてに行き渡る心地良さ。緑が近くにあるだけで、毎日の暮らしが豊かになります。
UR賃貸住宅は、そんな緑が豊かにある環境づくりを、発足当時から大切にしています。豊かな木々のまわりで、心地良い風に乗って、子どもたちの元気に遊ぶ声が運ばれてくる。実際にUR賃貸住宅の団地を訪れれば、きっとそんな環境のすばらしさ実感できるはずです。

監修/辻尾 仁志

記事のまとめ

心にも、身体にも、環境にもやさしい、緑が身近にある暮らし

  • ・建物を新たに建てる場合、各自治体ごとに「緑化率」が定められ、植栽や花壇、樹木類などの緑地施設を、一定数の割合で設ける必要がある
  • ・緑が身近にある暮らしは、ストレスの軽減といった身体的な効果から、ヒートアイランド現象の緩和や生物の生育など、環境改善にも役立つ
  • ・昭和30年の発足以来、緑豊かな住環境を提供し続けているUR都市機構は、「環境配慮方針」を定め、今もさまざまな取り組みを行っている

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