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保証人なしで賃貸借契約を結ぶには?頼れる人がいない場合の対処法

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賃貸借契約の連帯保証人は、頼む側も頼まれる側も心の負担が大きいもの。法的に重い責任を負うことになり、借り主が失踪したり、家賃を滞納したりしたときは、代わりに家賃を支払わなければなりません。赤の他人にはおいそれと頼みにくいため、親や兄弟姉妹に頼むのが一般的です。ただ、親が高齢で支払い能力がない、兄弟姉妹がいない、親族に頼りたくない、頼れる友人や知り合いがいないなど、さまざまな理由で保証人を立てられない人も少なくありません。連帯保証人になってくれる人がいない場合、賃貸借契約を結ぶにはどんな方法があるのでしょうか。

賃貸借契約における保証人の基礎知識

保証人は、大家さんのリスク回避のために必要な存在です。連帯保証人の責任は、借り主の責任と同等と言えるほどです。

●保証人とは?

民法の446条1項に「保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う」と示されています。この債権の担保に、物的担保と人的担保とがあります。
そして、賃貸借契約においては、借り主が家賃を滞納した場合、代わりに家賃を支払う義務を負う人を指します。

●通常の賃貸借契約で保証人が必要な理由

入居者の支払いが滞って賃料を回収できないと、大家さんにとっては大きな損失になるため、滞納は絶対に避けたい事態。
しかし、代わりに支払ってくれる人がいれば、安心して物件を貸すことができます。つまり、保証人は大家さんの不安やリスク回避のために必要とされているのです。

●保証人と連帯保証人の違い

ひと口に保証人と言っても、普通の保証人と連帯保証人の2種類があり、責任の重さが異なります。
入居者が家賃を滞納した場合、代わりに支払わなければならない点は同じですが、保証人には借り主本人に請求を行うよう、貸し主に主張できる抗弁権が認められています。
一方、連帯保証人には借り主と同等の責任があり、抗弁権がないため債権者からの請求を拒否できません。
アパートや賃貸マンションの契約時に必要とされる保証人は、連帯保証人であることがほとんどです。負わなければならない責任が重いため、他人には保証人の役割を頼みづらく、賃貸借契約のネックになっています。
また、連帯保証人は借り主が設備を破損した際に、修繕費用を支払えない場合、借り主に代わって支払うなどの責務もあります。さらに、金銭面以外にも、例えば借り主が原因となる騒音や悪臭トラブルへの対処、借り主が退去時に原状回復が不可能な場合に、それらの対処の責任も負います。

●連帯保証人となる主な条件

連帯保証人には借り主が家賃を滞納した際などに、相応の支払い能力のあることが条件となります。そのため契約をする際に、年齢や勤務先のほか、収入を証明する書類の提出義務もあり、場合によっては月収や貯蓄額なども確認されることもあります。
また、連帯保証人になれるのは、国内に在住することや、2親等以内の親族(親、兄弟姉妹、祖父母、孫)、もしくは、叔父・叔母といった3親等以内の親族であることが条件とされることもあります。

連帯保証人のいない状態で賃貸借契約を結ぶ主な方法

連帯保証人は、何かと負担が大きいことが分かりました。ここでは、連帯保証人を付けなくても、賃貸借契約を結ぶことができるケースと、それぞれの注意点を解説します。

●CASE01 家賃債務保証会社を利用する

近年の賃貸借契約では、連帯保証人に代わって、家賃債務保証会社との契約を入居条件にしている物件が増えてきました。契約するには、家賃債務保証会社(賃貸保証会社、家賃保証会社)の審査を通過する必要があります。
また、保証料を支払うのは借り主ですが、家賃債務保証会社は不動産管理会社によって指定されている場合が多く、自分で選ぶことはほぼできません。審査を通過すれば、連帯保証人がいなくても賃貸借契約を結ぶことができます。最近は連帯保証人を用意した上で、さらに保証会社の利用が必須という物件も見られます。
家賃債務保証会社に支払う保証料は、初回月額家賃の50%、以後1年ごとに1~2万円が相場ですが、保証会社により異なります。また、万が一、家賃を滞納した際には、家賃を立て替えて払ってくれますが、借り主自身の支払い義務がなくなるわけではなく、保証会社に立て替えてもらった額を支払う必要があります。家賃債務保証は、あくまでも大家さんを守るための保証です。

●CASE02 連帯保証人不要の物件を選ぶ

数は少ないですが、連帯保証人なし、家賃債務保証会社の利用なしで賃貸借契約ができる物件も見受けられます。
ただし、冷静に内容を確認しないで飛び付くのは禁物。そうした物件には、保証人を不要にしなければ入居者を得られない、何らかの理由があると考えましょう。
例えば、築古で建物が傷んでいる、立地条件が悪くて空室が埋まらない、短期間しか契約できない、孤独死や自殺など事故物件の告知事項がある、といった不人気・訳ありの物件だったりします。
しかしながら、連帯保証人がいないからといって、希望に合った住まい探しができないことはありません。UR賃貸住宅の場合は、収入などの審査をクリアすれば、保証人なしで借りることができ、家賃債務保証会社に保証料を支払う必要もありません。また、収入などの審査を経る分、不人気・訳あり物件という心配もありません。

●CASE03 クレジットカードで家賃を振り込む

家賃の支払い方法は、管理会社から口座引き落としされるか、大家さんや管理会社の銀行口座に振り込むのが一般的です。
しかし、不動産会社と提携した特定のクレジットカードで家賃を払えば、保証人不要となるケースもあります。これは、厳しい審査でクレジットカードが発行されているのであれば、支払い能力もあると不動産会社が判断できるためです。家賃の支払いで、ポイントやマイルをためられるメリットもあります。ただ、利用手数料分を家賃に上乗せする条件がある場合や、クレジットカード払いが可能な物件だからといって、すべてが保証人不要となるわけではありません。
さらに、残高不足が原因でカード払いできない場合には、大家さんとの関係で家賃の滞納となるだけでなく、カード会社との関係でも滞納となりますので注意が必要です。

保証人のいない賃貸借契約が増加する背景

近年、急速に進む家賃保証会社の利用。社会の高齢化で保証人になれない親族が増えたことや、保証人を頼める人が身近にいない外国人の増加が普及の後押しをしています。

●連帯保証人を頼めない人が増えている
理由1 高齢単身者の増加
連帯保証人は責任が重いため、そもそも引き受けてくれる可能性があるのは、親や兄弟姉妹などの身内がほとんど。大家さん側が、2親等以内の親族しか連帯保証人になることを認めていないケースも珍しくありません。
しかし、社会全体の高齢化で、借り主の親や兄弟姉妹も高齢化しているため、「年金生活で保証人になれない」、「滞納したときに代わりに支払えない」という状況が目立ってきました。
すでに親が亡くなっていたり、兄弟姉妹と人間関係が疎遠になっていたりして、保証人を頼めないという人も多くいます。
理由2 日本に住む外国人の増加
少子高齢化で日本人の人口が減少する一方、増えているのが外国人居住者です。日本に住む外国人の総数は約287万人、世帯数は170万世帯で、さらに増加傾向にあります(総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態および世帯数 令和2年1月1日現在」より)。
そして、外国人のほぼ半数の世帯が賃貸住宅に入居しています。しかし、外国人は連帯保証人になってくれる人が身近にいないため、思うように部屋を借りるのが難しい状況です。
●家賃債務保証サービスが普及している

前述のように、連帯保証人を頼めない人が増えていることから、近年普及したのが、家賃債務保証サービスです。現在では、賃貸借契約の約6割に家賃債務保証会社が利用されています。大家さんにとって、入居者の家賃滞納時に代わりに立て替えてもらえる安心感は大きく、普及が一気に進みました。
ただ、家賃債務保証会社は、金銭以外のトラブルには対応していないため、中には家賃債務保証会社と、連帯保証人の両方を義務付けている大家さんもいます。

ちなみに、平成26年時点での賃貸借契約における家賃債務保証会社の利用割合は57%で、連帯保証人(保証人)のみを立てる41%をすでに超えています。
利用割合の内訳は、連帯保証人(保証人)と家賃債務保証会社の両方を利用する場合が19%、家賃債務保証会社のみの利用が37%です。
【出典】国土交通省住宅局「家賃債務保証の現状」(平成28年10月)

保証人のいない賃貸借契約での家賃債務保証サービス利用時の注意点

賃貸借契約の半数以上が、家賃債務保証会社を利用していることが分かりました。ここでは、サービス利用時に、留意すべきポイントを紹介します。

●金銭的負担が増える

敷金や礼金などの初期費用や家賃に加えて、家賃債務保証会社に保証料を支払うので、借り主の金銭的負担が増えます。退去後の原状回復費や鍵の交換費用など、保証される範囲が多くなるほど、保証料が高くなる傾向にあります。
さらに、この保証料は賃貸借契約の更新時にも、保証委託契約更新料として、改めて支払う必要があります。

●督促が厳しい傾向にある

大家さんや管理会社に代わって、家賃滞納時の回収代行も担う家賃債務保証会社。一般的に滞納時の督促が厳しい傾向にあるようです。
例えば、1カ月の滞納でもすぐに督促の電話がかかってきたり、賃貸借契約の解除予告状が送付されたりするケースもあります。さらに滞納が続くと契約解除され、立ち退きしなければならなくなります。

●家賃債務保証会社を自分で選べない場合が多い

一般的に、貸し主や不動産会社が、家賃債務保証会社を決めることが多く、借り主が選択した家賃債務保証会社が利用できるわけではありません。過去に同じ家賃債務保証会社に対して滞納していた場合、審査が通らないことがあるので注意が必要です。
ただ、不動産会社によっては、複数の家賃債務保証会社と提携している場合があるので、その中から借り主が選べる場合もあります。

UR賃貸住宅は保証人も保証料も不要

UR賃貸住宅は一般の賃貸住宅と異なり、連帯保証人が必要なく、さらに、家賃債務保証会社の利用も不要。平均収入額が一定の基準に達していれば入居できます。

●UR賃貸住宅と一般の賃貸住宅の違い

独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)は、「都市再生」・「住環境」・「災害復興」の3事業を軸に、まちづくりを担う組織で、運営形態は法律で定められています。
URは、独立行政法人都市再生機構が管理・運営している賃貸住宅です。
一般的な賃貸住宅ではほとんどの場合、保証人や家賃債務保証会社との契約が必要になりますが、URは、保証人なしで賃貸借契約ができます。そのため、保証人を頼む手続きの煩わしさや心理的なストレスがなく、家賃債務保証会社に支払う保証料も不要です。これが民間の賃貸住宅との違いの一つ。
さらに、礼金・仲介手数料がいらないのも大きなメリットで、初期費用を大幅に抑えることができます。

●URで賃貸借契約するには?

UR賃貸住宅は、本人の収入が一定以上あれば入居することができます。重視されるのは、平均月収額が基準月収額を満たしているかどうかです。

〈世帯で申し込む場合の基準月収額〉
①家賃が8万2500円未満:家賃の4倍
例/家賃6万円の住戸の基準月収額は24万円
②家賃が8万2500円以上20万円未満:33万円(固定額)
③家賃が20万円以上:40万円
〈単身で申し込む場合の基準月収額〉
①家賃が6万2500円未満:家賃の4倍
例/家賃5万円の住戸の基準月収額は20万円
②家賃が6万2500円以上20万円未満:25万円(固定額)
③家賃が20万円以上:40万円

ただし、平均月収額が基準月収額に満たない場合でも、家賃の前払い制度の利用や、貯蓄額の条件をクリアすることで認められる場合があります。

審査基準をクリアすればメリットは多彩

家賃債務保証会社の利用が普及し、借り主の連帯保証人を探す苦労や、頼むときの心理的な負担は減りました。しかし、ほとんどの滞納していない優良な入居者にとって、家賃債務保証会社への利用料の支払いは、本来なら発生しなかった余計な出費になっています。
その点、UR賃貸住宅は、収入などが一定の基準以上あれば保証人不要で借りられますし、一般的な賃貸住宅と違って、火災保険の加入義務もありません。(ただし火災保険は万一の場合に備え加入することをおすすめします)
また、礼金や不動産会社への仲介手数料がかからないため、初期費用が抑えられるのも魅力。更新料もなく、UR内で転居する場合、従前と同額以下の家賃なら新たに収入証明書類を出す手間もありません。
ただし、URが定める収入・資産状況の条件をクリアしなければなりません。毎月の収入が、URの定める基準月収額に満たない場合は、前払いなどの緩和措置も用意されていますから、うまく活用すると良いでしょう。
条件さえクリアすれば、敷地にゆとりがある、部屋の面積が広い、割引制度が充実しているなど、URのさまざまなメリットを享受できます。

監修/鬼沢 健士

記事のまとめ

保証人不要のUR賃貸住宅なら、審査基準をクリアすればメリットがたくさん!

  • ・連帯保証人になるには多くの条件がある。高齢者や外国人の急増などを理由に、連帯保証人を頼めない人が増えている
  • ・連帯保証人を立てる代わりに、普及しているのが家賃債務保証会社。金銭的な負担が増えることや、厳しい催促など注意すべき点もある
  • ・UR賃貸住宅なら、収入や貯蓄の条件をクリアすれば、連帯保証人も不要。保証料を支払う必要のある家賃債務保証会社の利用の必要がなく初期費用を抑えられる

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