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【前編】団地の快適な暮らしってどうやって守られているの?UR賃貸住宅の安全・安心の秘密がつまった施設「スクエアJS」

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UR賃貸住宅の修繕工事や改修工事、共用部の清掃、植栽の管理などを行っている日本総合住生活株式会社(略称「JS」)。団地にお住まいのみなさんは、その名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?
そんな縁の下の力持ちのような存在であるJSのさまざまな取り組みが分かる複合施設「スクエアJS」を、前・後編にわたってレポートします!

60年以上、団地の暮らしを支えているJS

JSでは、UR賃貸住宅にお住まいのみなさんが安心して暮らせるように、多くの団地で維持管理をしています。

埼玉県さいたま市にある複合施設「スクエアJS」は、未来を見据えたさまざまなサービスの提供、技術開発、住宅の修繕改修の提案、緊急事故の受付、技術力の向上を目的とした人材育成などを担う複合施設です。技術開発研究所をはじめ、JSトレーニングセンターや緊急事故受付センター、JSの開発品・工法の展示エリアなどがあります。

今回は、JSの佐々木さんに「スクエアJS」を案内していただきました。

佐々木さん

2006年にオープンした「スクエアJS」ですが、2022年に一部の施設をリニューアルしました。AからF棟まであり、さまざまな機能を備えていますよ。
早速行きましょう!

展示&サイネージで歴史をたどる「JSギャラリー」D棟

最初に案内してもらったのが、「JSギャラリー」。JSの歴史や事業内容に加え、玄関、浴室、洗面所、台所、居室、維持管理の六つのカテゴリーで住宅で起こるさまざまな「困った」、「あったら良いな」を解決する工具・工法などが展示されています。

やはり目を引くのが、開発品の数々。浴槽の側面のカバー(エプロン)内に給湯器を内蔵することで入浴スペースを広くすることができる浴槽「エプロンインシステムバス」や、幅50cmのスぺースにも設置できる「コンパクト洗面化粧台」、キッチンの使いやすさと安全性が大きく改善される「レンジフード一体型給湯器」などを見ると、各開発品が時代に合わせて作られてきたことが分かります。

「エプロンインシステムバス」
  • 洗面所展示ブース
  • 台所展示ブース

昭和30~50年代に多くの団地が建設されました。時がたち、居室内のアップデートを試みると、団地の室内寸法には一般的な設備の寸法が合わず、そのまま設置するのは難しいという現実がありました。
そこでJSでは、居室のスペースに合わせた設備を開発。その時々のライフスタイルに合わせた仕様とし、お住まいのみなさんがより暮らしやすい環境づくりに努めてきました。

昭和30年ごろの団地の玄関扉に、来訪者確認のために取り付けられていた「のぞき窓」や「呼び出しブザー」に驚く方が多いですね。丸い穴からのぞき込むドアスコープ、電話機能付きインターホン、モニター付きインターホンと形が変わってきました。
玄関扉でいうと、夏は暑く冬は寒い、外の音が聞こえやすいつくりだったのですが、「プレスドア断熱化工法」を活用することで既存の扉と枠を生かしながら断熱性や遮音性を向上させることができるようになりました。

まるでタイムスリップ!?昭和40年代の住戸を再現C棟

次に訪れたのが「昭和40年代再現住戸」。ここでは、昭和40年代の一般的なUR賃貸住宅の居室内を再現。間取りは、当時急激に増加していた夫婦とその子どもだけの、いわゆる核家族に人気だった3DKタイプ。当時を知っている人であれば、足を踏み入れた瞬間にまるで時が戻ったような懐かしい感覚になるでしょう。

昭和40年代は、団地が全国的に建設された時代です。この時代と同じつくりの住宅を「スクエアJS」内に再現することで、技術の変遷を知る機会をつくり、新しい技術や開発品の実験に生かしています

JSの開発で暮らしが変わる!「リノチョイス住戸」C棟

「リノチョイス」とは、団地やマンション、社宅などに向けてJSが開発した修繕部材、工法、専用工具などの総称ブランド名のこと。「リノチョイス住宅」は「リノチョイス」を活用してリノベーションしたモデルルームです。
「昭和40年代再現住戸」と基本的な構造は同じですが、JSの開発品や技術を用いてリノベーションし、現代のライフスタイルに合わせた提案住宅になっています。

このモデルルームは、夫婦と小さな子ども一人の暮らしを想定。もともと3DKだった間取りですが、室内の壁を撤去し1LDKに改修しました。可動式の仕切り棚を設置し、スペースをフレキシブルに活用できる仕様です。あわせて近年需要があるテレワーク用のスペースも備え付けられています。

キッチンにはJSの開発品である「レンジフード一体型給湯器」、浴室には「エプロンインシステムバス」を採用。室内への洗濯機の設置も、JSが開発した「洗濯機用サイホン排出管システム」によって安心してできるようになりました。

  • 「昭和40年代再現住戸」キッチン
  • 「リノチョイス住戸」キッチン
  • 「昭和40年代再現住戸」浴室
  • 「リノチョイス住戸」浴室
  • 「昭和40年代再現住戸」居室
  • 「リノチョイス住戸」リビングルーム
  • 「昭和40年代再現住戸」居室
  • 「リノチョイス住戸」洋室

「リノチョイス住戸」の開発品や技術は団地にお住まいのみなさんのお部屋にも取り入れられているかもしれません。床や天井、窓のサッシのクレセント(締め金具)、玄関扉なども遮音性や美観、暮らしやすさを考えてつくられています。

もう一つ、昭和40年代に建てられた団地で課題となるのはエレベーターがないことです。
そこでJSでは、後付けのエレベーターを開発。スクエアJSでは後付けエレベーターを見ることができます。階段室側に設置する仕様とバルコニー側に設置する仕様の2タイプを用意。階段室側に設置する場合、現場での工事期間をなるべく短くするためエレベーターの筒状の部分(エレベーターシャフト)を工場で製作し、現場で組み立てる工法を用いています。

後付けエレベーター(水色の部分)

後編では、「JSトレーニングセンター」、「緊急事故受付センター」、「水質検査室」などの設備についても、詳しくレポートします。

記事のまとめ

JSが集合住宅のために開発してきた技術や設備を知ることができる「スクエアJS」

  • ・JSは団地にお住まいの方が安全、安心、快適に暮らせるよう、全国にあるUR賃貸住宅の修繕工事や改修工事、共用部の清掃や植栽の管理などを行っている
  • ・JSでは、団地で使える現代のライフスタイルに合った設備や工法を開発
  • ・団地と同じつくりの建物をつくり開発品や工法の実験・検証を行っている
  • ・UR賃貸住宅は修繕工事や改修工事を行いながら、時代のニーズに応えるために進化している

スクエアJS

埼玉県さいたま市桜区田島7-2-3

日本総合住生活株式会社(JS)の複合施設。
集合住宅の技術開発、緊急事故の受付、技術力向上を目的とした訓練などを行う拠点です。
一般の方も見学することができます(完全予約制)。
※一部見学できない施設もあります

HP:https://www.js-net.co.jp/corporation/square-js.html別ウィンドウで開きます

スクエアJS 外観写真

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